インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷です。

視点:直葉

字数:約一万四千。

 ではどうぞ。

 ――直葉から教わった剣は、『人()()()()()()()()よう矯正された剣』である。




番外4 ~A lemnant of the Death Game~

 

 

 青年と少年、二人の元ベータテスターが手を組んでからの戦いは、正に快進撃と言っても良かった。

 義姉としての贔屓目抜きに才能は無い少年は数ヵ月の努力と仮想世界に魅入られた熱意を以てそれを覆しており、恐らく中々の戦闘カンを持つであろう青年と較べ、剣筋の鋭さ、速さが見るからに別格だった。あまりに速く、音と衝撃を置き去りにした剣閃に、青年も幾度となく瞠目する程だ。

 とは言え――やはり、デスゲーム開始宣言から程なく街を飛び出て、自己強化を優先した者だ。

 片手剣の間合いとMobの挙動、そしてソードスキルの使い所は適切だった。やや守備的に傾倒しており幾度か反撃の機会を逃していたが、敗北イコール死である状況を考えれば、それはむしろ当然だ。()(ねん)、コペルが最初にタゲを取り、キリトが弱点を狙って一撃死させるルーティンが生まれ、二人は次から次へと得物をポリゴンの欠片へ変えていった。

 それが暫く――視聴者側で一、二分、過去の内部時間で三十分ほど――続いたところで、二人の足が止まった。より正確に言えば青年が止めたために少年も止まった。

 役割上、タゲを一番に取る盾持ちのコペルが先頭を走る。

 彼が止まった事にキリトは小首を傾げた。ちょくちょく敵の索敵、発見をしていたので、スキルには《索敵》を選択している事が分かる。レベル2になるとスロットが一つ増えて三つになる事から、彼は《片手剣》、《索敵》、ほぼ回避を選択している事から《武器防御》ではなく《疾走》を取っているのだろう。

 そういえばどんな順でスキルを取っていたかは聞いていなかったな、と今更ながらに気付く。

 

『コペル、敵は居ないけど、どうかした?』 

『――ねぇ、キリト。君はデスゲームが本当だって信じるかい?』

 

 足を止めた青年は、振り向きもせず問いを発した。ただならぬ様子に少年が訝しむ目を向ける。

 

『……少なくとも、あの赤ローブが展開したメディア映像は加工ややらせの類には見えなかった。冗談でこんな事をするとも思えない』

『じゃあ……HPが無くなったら、本当に死ぬって……信じてるのかい?』

『信じたくは、ないよ。でも……常にサイアクを考えておかないと、取り返しがつかなくなってからじゃ遅いから、信じてはいる。《天才》って言われる人は、得てして《天才》じゃない人には分からない思想で動くから』

 

 それは、《(篠ノ)(之束)》、《(織斑)(千冬)》、《(織斑)(秋十)》という、三人の《天才》に囲まれ、生きてきた彼の本音だったのだろう。前を向き続けている青年には見えていないだろうが、今の少年の表情は、決して穏やかなものではなかった。

 ――きっと。

 コペルという青年は、未だデスゲームという現実を直視出来ていなかったのだろう。

 自己強化の為に《森の秘薬》クエストを受け、キリトと行動を共にしているのも、つまるところは一種の現実逃避。レベルアップ効率だのポップ枯渇だのという目先の計算は出来ても根本のところでは思考が止まっている。否、止めている。そうでなければ心が崩れ、再起不能になりかねないと本能で悟っているからだ。

 HPがゼロになれば《ナーヴギア》から高出力の電磁波が発射され、脳を焼かれるという現実から目を逸らし、ただ逃避の手段として、闇雲に《先》を目指している。

 ある意味で無謀。

 ある意味で果敢。

 しかし――それを、誰も馬鹿には出来まい。

 娯楽の為に苦労して手に入れた代物が《デスゲーム》への片道切符だったなど誰も予想はしていない。

 唐突に命をチップにさせられれば、動揺しない者は居ない。

 コペルにとっては重度のMMOゲーマーであった事が救いだったのだ。世界がデスゲームになり、ログアウトボタンが消滅しようと、ゲームの中に居るならばとりあえずクエストと経験値稼ぎをすれば、気は紛れる。デスゲームの状況でありながら娯楽としての要素を残しているSAOに於いてレベリングはこれ以上ない現実逃避の口実になり得る。相応の理由など後から作ってしまえばいい。とにかく、当面の心の安定を持つに足る地盤固めをしようと、彼は必死になっている。

 

 そこで、彼は出会った。

 

 躊躇う事無く戦う自身よりも遙かに幼い子供と、出会ってしまった。

 人は一人では生きられない生き物だ。特に日本人は集団の意識、意見に流され、その流れに乗って物事をやり過ごそうとする主体性のない民族として世界に知られている。大衆の流れに反すれば敵意やいじめの的にされるからだ。故にそれを恐れ、誰もが他者の意見に乗ろうとする。

 同時に、日本は年功序列の意識が強い。昭和時代に較べて幾らか緩くなったと言っても学生、社会人問わず年上年下の関係性は根強い。

 つまり年上のコペルは、これまで生きてきた学生生活の意識上、年下の少年の意見を頼れない立場であり、むしろ率いなければならない訳だ。

 しかし――デスゲームという状況など、創作として数あるとは言え、現実では前例など存在しない。

 前例がないという点は、指導者にとっては酷くストレスだ。なにもかもが手探り。失敗すれば、何もかもを喪う。企業を経営する人が重荷に感じるものをこの時のコペルは感じている筈だ。

 だから、揺らいだ。

 年下のキリトに意見を求めるほど、コペルは揺らいでいる。どうかデスゲームでなかったら――そう、在り得べからざる事を願い、現実から目を逸らしている。

 

 しかし現実は非情だ。

 

 キリトはデスゲームという現実を認めていた。

 HPが全損すれば間違いなく死ぬだろうと、認めたくなくても、それを前提に動いている。しかも世に名を挙げている《天才》の存在から得た経験談だ。コペルが彼の素性を把握しているかはまだ不明だが、ネットに通じているなら知っていてもおかしくないだろう。そういうまとめサイトに顔写真やプロフィールが載っているのだから。

 ――果たして、何を思い、考えたのか。

 そっか、と。問うだけ問うたコペルの返事はそれだけだった。それからはまた獲物を求めて歩き始める。不快――というよりは、不可解、怪訝という面持ちで、少年も後を追う。

 それから場面が飛び、内部時間で更に三十分過ぎた。コペルと協力し始めてから実に一時間が経過した事になる。内部時刻は《20:30》を指していた。

 

『…………出ないね……』

『……出ないな……』

 

 流石に一時間気を張ったままぶっ続けで戦っていたために疲労の色が濃い二人は、大きな古木に背を預け、回復薬(ポーション)を呷っていた。

 二人合わせて百を超える数を屠っていたようだが、それでも《花付き》はポップしていないらしい。

 

『もしかしたら、下方修正されたのかなぁ、ポップ率……』

 

 先に赤い液体――聞いた話だとニガいレモン味らしい――を飲み干した少年が胡乱げに呟く。続けて飲み干した青年も、ポリゴンに還る小瓶を見ながら、そうかも、と言った。苦みしばった表情は多分味以外の感情も含まれている。

 

『レアのドロップレートとかが正式サービスで下方修正されるのって色んなMMOでよくある話だからねぇ』

『やっぱりかぁ……』

『どうする? レベルもお互い《5》まで上がったし、武器もだいぶ消耗しちゃったし、一度村に戻る?』

 

 そう言いながら、コペルは右手に持つ簡素な剣(スモールソード)、左手に持つ円形盾(バックラー)を持ち上げて見せた。まだ使えそうではあるが、耐久値減耗のエフェクト変化を受けてか刃や盾の端々が所々欠けている。

 キリトが手にする剣に刃毀れは見られない。ツタを防ぎ、時に斬り払うタンク役のコペルと違い、キリトは回避に徹し、隙あらば一撃で弱点を切り裂き即死させるスタイルを取っていたから、攻撃・防御ともにコペルより武器を使っていない為だ。それでも当初に比べやや光の照りに鈍りが加わっているのは見間違いではないだろう。左肩から見えるように替えの剣を背負っており、また初期装備の安物とは言え、戦いの途中で武器を喪うのは手痛い損失の筈だ。特に本当に命を懸けているなら尚の事。

 

『そうだなぁ……そうしよう――――』

 

 キリトもそう考えたらしく、頷きながら賛同を示した――その時。

 ほんの十メートルほど離れた木の下に、仄かな青い光が生まれた。ゴツゴツと荒木形のポリゴンブロックが描画され、幾つも組み合わさって大きな形を作っていく。モンスターのポップだ。

 二人は武器を構えつつ、やや覇気に欠ける立ち姿でそれを眺めていた。キリトの警戒が薄いことから恐らく食人植物の感知範囲のギリギリ外なのだろう。

 二人が眺める中、百数十匹めのネペントは数秒で精細な姿を得て、ツルをうねうねさせながら歩き始めた。生物めいた光沢を持つ緑色の茎。個体差のあるまだら模様に彩られた捕食器。そしてその上に――宵闇の中でも毒々しい赤に輝く、チューリップに似た巨大な花。

 

『『――――』』

 

 キリトとコペルは、尚も数秒それをぼぅっと眺めた後、無言で顔を見合わせ――くわっと目を見開き、再度現れたネペントの《花付き》を見た。マジか、来た、という喜びの表情。

 それぞれが剣を構え、《花付き》へ飛びかかろうとする。

 だが――キリトが、コペルの盾を持つ左腕を掴み、制止した。

 

『――?!』

 

 何故?! という顔を向けるコペル。その彼に、キリトは左手の人差し指を口元に立てて見せ、続けて遠ざかっていく《花付き》の奥へと向けた。

 ――影を見つける。

 木々に遮られて見えづらいが、その方向にはもう一つのネペントの姿があった。恐らく《索敵》スキルの熟練度向上による遠視と暗視能力に補正が加わって彼も気付けたのだろう。コペルは取っていなかったのか、指が指し示す先を数秒じっと目を凝らして眺める事で、ようやくはっと表情を強張らせた。

 ――二人が警戒を見せた点から、指し示された先のネペントが通常個体でない事は明白である。

 二匹目の捕食器の上には大きな塊がゆらゆら揺れていた。花では無い。細い茎の先にぶらさげているのは、直径に十センチほどはあろう丸いボール――《実》だった。今にも弾けそうなほどにぱんぱんに膨れたそれ。すかさず、それを僅かでも傷付ければ猛り狂ったネペントの群れが襲い来るゾ、とアルゴさんがコメントを投下し、コメント欄が緊迫に満たされる。

 当然、残影とは言え過去実際に起きた事態だ。それに直面した二人はそれ以上に緊迫した気配を纏っている。

 

『……どうする?』

『――行こう』

 

 疲弊や装備の損耗、帰り道、またコペルの分も取る事を考えると、ここで無茶をする必要はない。むしろ迷うくらいなら引いた方が理性的判断と言える。利益は後でも取れるが、命に替えは利かないのだ。

 だが――コペルは利益を取る方を選んだ。

 さしもの元ベータテスターと言えど百数十体のモンスターをほぼ休みなしに相手するのは辛いらしい。

 

『僕が《実付き》のタゲを取ってるから、その間にキリトは速攻で《花付き》を倒してくれ』

 

 そう言って、少年の返事を待つことなく、青年は初期装備のブーツを踏み出した。

 先程に較べて不釣り合いな気の急きよう。迷いを断ち切れたのではなく、ただ先送りしただけだと分かる。さしもの返事をする前に飛び出すとは思っていなかったらしいキリトも、ふぅ、と息を吐いてから後を追った。

 コペルの接近を、まず《花付き》が察知し、ぐるりと体を反転させ、人間の唇によく似ている捕食器の縁を震わせシャアアッ、と吼えた。青年はそれを右に迂回し、奥の《実付き》へと走っていく。

 青年が迂回していくのに合わせて花付きネペントも向きを変える――その背後から、後を追った少年が肉薄した。最も至近距離にいる相手にタゲを向ける傾向にあるのか、花付きはまたぐるりと体を回しながら二本のツタを振るう。それを予期していたらしい少年はツタの間合いギリギリ半歩前で制動を掛け、空振りさせる。

 その時点で、勝敗は決していたと言えよう。

 制動を掛けて止まった少年が持つ剣には青い光が宿っていたのだ。直後、右脚の強い踏み込みが地を鳴らし、捻転を加えた一閃が一瞬で叩き込まれる。パァンッ! と乾いた音は斬撃音だ。あまりに速過ぎて空気を叩いているかのような破裂音が鳴っていた。

 ソロで狩っていた時と同じように、未だ左端にゲージの減少が追い付いていないため生きている判定を受けた個体が、ぐぷっと唇を膨らませた。

 ――直後、左に振り抜かれていた剣が振り上げられ、柄頭が植物の顎をかち上げる。

 ぼろぼろの刃では無く、固い柄での攻撃。耐久値を減らさない為――ではない。目的は口から放たれる腐食液の軌道を逸らす事にあった。右薙ぎのように振るわれ、顎をかち上げた事で、植物の顎は大きく左へと逸らされ、そちらに腐食液を撒き散らす。

 完全なるミスリード。

 無駄に腐食液を吐いたところでゲージは全損し、植物の全身は硬直。一瞬の間を置いて蒼白い欠片に爆散した。

 蒼白いポリゴン片の中から地面にポトリと何かが落ちる。ころころと少年の足元まで転がったのは、仄かに光るこぶし大の球だった。自動的にストレージに入らない辺り、恐らくそれが目的の品《リトルネペントの胚珠》なのだろう。百数十体ものモンスターを屠って漸く一個手に入るとはかなり割に合わない。幸いなのは花付きの出現率が低確率なだけで花付きを倒せば胚珠を確定ドロップする点ダ、と【鼠】が(コメ)(ント)を投下した。

 足元に転がったそれをむんずと掴み取り、初期装備らしい後ろ腰のベルトポーチに突っ込んだ彼は、剣を握り直してコペルの方に駆け寄る。

 

『お待た――――縦斬りはダメだッ!』

 

 とたた、と剣を握り直しながら駆け寄る少年が、瞬時に険しい顔で叫ぶ。

 叫ばれた方は、剣を肩に担ぎ、振り下ろす軌道を放っていた。《片手剣》初期習得技の一つ、縦に斬り裂く単発垂直斬り《バーチカル》。

 彼が単発水平斬り《ホリゾンタル》を頻繁に使用していたのは、弱点を最も狙いやすい軌道だから。斜め切りの《スラント》も狙えなくはないが、高確率でツタを切って失速し、最大ダメージは見込めないだろう。ましてや縦斬り《バーチカル》ともなればウツボ部分を深く斬り込む。ともすれば、捕食器の先――細いツルの先端に付いている《実》を斬ってしまいかねない。

 キリトは、それを危惧し、制止の声を発したのだろう。

 だが、ソードスキルはシステムアシストが働いた高速剣技。一度動き出したそれは止まらない。半自動操縦されるコペルは、猛然と地面を蹴り、発行する刀身をネペントの捕食器――の上で揺れる、丸い《実》へと叩き付けた。

 ――パアァァンッ! と、凄まじいボリュームの乾いた破裂音が森を揺らす。

 実を粉砕したコペルの《バーチカル》は、そのままネペントの捕食器をも断ち割り、HPゲージを削り切った。ネペントはあっけなく爆砕したが空中に残る薄緑色の煙は消えていない。その場には異様な臭気も漂っていただろう。

 コペルは大きく飛び退いて、空気中に散布された煙を避けた。

 

『コペル、元テスターなら知ってる筈だろ! 実付きに縦斬りは――』

『――うん、知ってたよ。だからごめん』

 

 悲壮感を漂わせながらの弾劾。

 それに対する淡々とした返答が、それは事故では無く、意図的な攻撃であった事を現していた。

 これまで絶望した顔を見せず、気丈に剣を握り戦っていた少年の様子に、同じ視聴者たちも事態の重さを感じ取ったらしく、何故、何でここで裏切ったと、疑問の声が連続投下される。

 間違いなく同じ疑問を抱いているだろう少年が、小さく、なんで、と漏らした。

 一時間、ともに戦った元ベータテスターは、少年を見ないでもう一度ごめん、と謝罪を返した。

 ――異様な空気が漂う中、幾つものカラー・カーソルが画面内に現れ始めた。

 右にも、左にも、彼らの後ろにも。先ほどの煙に引き寄せられてきたリトルネペントの群れ。一時間かけて百数十体が散らされたとは言え、それでも二人程度の乱獲で枯渇するような設定では無いだろう。総数は軽く三十を超えている。如何に即死剣技を放てるとは言え、それは一対一の場合に限る。数で囲まれれば剣技を放った直後の隙で圧殺されるのは目に見えていた。

 顔により一層悲壮な色を滲ませながら、キリトが左肩から剣を抜き、二刀となった。当時は《二刀流》を会得していないからソードスキルは使えなくなる。だが元々使った時点で負けは決まるのだ。なら剣による防御も視野に入れた方が生存確率は高まると判断したのだろう。

 抗戦する様子を見せた少年に対し、コペルは剣を左腰の鞘に納め、振り向くと、近くの(やぶ)へと走った。その足取りに迷いはない。

 ある意味でまだ生きる事を諦めていないが――

 

『この数を前に逃げても、な……』

 

 諦観を滲ませながら、少年が言う。

 リトルネペントの大軍は全方位から殺到している。隙間をすり抜けるのは勿論、剣で切り開くのも難しいだろうし、仮にできても行く先で他の敵に足止めされる。

 いや、それ以前に今更逃げようとするつもりなら、何故コペルは《バーチカル》で《実》を斬ったのか。

 まさか無理心中のつもりが、モンスターの大集団に怖気づき、最後のあがきを試みる方向にシフトしたのだろうか。

 そう考えていると、二十メートルと離れていないコペルのカラー・カーソルが薄れ、()()()。転移結晶による転移――ではない。最初期の低層では手に入らない貴重品だと教えられていた。

 であれば答えは一つ。《隠蔽》スキルの特殊効果。プレイヤーの視界からカーソルを消し、モンスターからはターゲットされなくなるハイディングだ。コペルは最初の二つ目、ないしレベル2、4で出来た三つ目、四つ目のスロットにそれを入れていたのだろう。だからキリトとの邂逅時に程近くまで接近出来たのだ、とあたしは理解する。アルゴが言っていたようにスキル補正無しでハイディングに気付ける少年の近くまで――それも、中継カメラに拍手するまで気付かれないなど、そうとしか考えられなかった。

 ――故に、悟る。

 いまその場所にリトルネペントの大軍が地面を揺らしながら殺到するよう仕向けたのは、自殺を試みた訳では無く、キリトを殺そうとしたという事実に。

 

 《MPK》と呼ばれる殺害手段がある。

 

 正式には《モンスター・プレイヤー・キル》と呼ばれるそれはMMOとしては古典的な部類に入る他者殺害手段。自身にターゲットをしこたま集め、それを擦り付ける《トレイン》というマナーレス行為に付随しがちなもの。コペルはそれを実行したのだ。敢えて《実》を割り周囲からネペントを集め、しかる後に自身だけは《隠蔽》スキルで身を隠す。数十に上るターゲットは全てハイディング出来ない少年へと集まる。

 そして、その動機も察しは付いた。

 

『……ああ、そういうこと』

 

 過去のキリトも、ほぼ同時に気付いたようだった。

 コペルが裏切った理由は、自身が先刻拾ったばかりのキーアイテム《リトルネペントの胚珠》を奪う為。ストレージに収められていない装備中またはポーチに入れているアイテムは基本的にその場にドロップする。ネペントの集団が再び散るまで待った後で拾う事で、コペルは村に戻ってクエストをクリア出来るのだ。

 キリトの死、という犠牲を礎にして。

 ミシリと握り締める拳が軋みを上げた。胸中に黒い感情が生まれる。

 だが――少年の表情は、穏やかだった。怒りや憎しみは感じられない。ただ只管に虚無が広がっている。

 

『――でも、知らなかったんだ。《隠蔽(ハイディング)》スキルは便利だけど万能じゃない。視覚を誤魔化すものでしかない。視覚器の眼を持たないネペントに、効果は無いんだ』

 

 そう、密やかに告げる。それを裏付けるように、しゅうしゅうと猛り狂いながら雪崩を打って襲い掛かる捕食植物の一部は、明らかに青年が隠れたと思しき藪を目指している。

 小さな声はコペルに届いていないだろう。おそらく、元より伝える為に喋っている訳ではない筈だ。

 

 

 ――これが、《実付き》の危険性を知っても犠牲者が後を絶たなかった理由サ。隠れられなくて、逃げても存外速い脚に追われて、どうしようもなくなっちまうんダ。

 

 ――キー坊はそれを知っていたからまだ《隠蔽》スキルを取ってないんダ。

 

 

 コメント欄に、アルゴによる情報が追加された。

 確かにあの捕食植物達は鈍重そうな見た目と裏腹に移動速度は中々のものがある。《実》が割れてから一分と経たない内に数十体が集まったのもその意外な移動速度によるものだろう。

 今頃はハイドしているのに自身がターゲットされ続けている事にコペルも気付いている筈だが、それを確認する事無く、ゆらりとキリトは(きびす)を返し、そちらから突進してくるネペント達の列に昏い視線を据えた。

 

『――ばか』

 

 苦渋に満ちた悪罵を小さく吐き出したキリトは、やや鈍くなった輝きの剣を握り直し、捕食植物へと肉薄した。

 その背後では、モンスターの方向と攻撃音、そして青年の言語化出来ない叫びが上がった。

 

 *

 

 そこからの数分間の戦いは、正に《死闘》の名に相応しい激戦だった。

 数の差は歴然。状況は絶望的。されど――二本の剣を握る少年は、四方から襲い来るツタの攻撃を躱し、時に剣で弾き、瞬時に弱点部位へ剣撃を叩き込んで一匹、また一匹と的確に数を減らしていった。敵のモーションから攻撃の種類と軌道を予測し、最小限の動きで回避あるいは防御し、カウンターの剣劇を叩き込む。ソードスキルでない攻撃は威力に乏しいせいで攻撃回数が増えるため、剣の刃毀れ(耐久値減耗)は加速していたが、それでもどうにか右の剣は形を保ち続けていた。使い方が良いのだ、彼の場合は。

 SAOにはALOのような魔法と異なり、原則《必中》と言える攻撃手段が存在しない。だから理論的にはプレイヤーの判断力と反応力が圧倒的に高ければ敵が反応する前に攻撃を入れて押し切れるし、あらゆる攻撃を回避し続ける事も可能である。

 正に一対一の戦いの時はそれで押し切っていた少年だが、さしもの数十体に囲まれている状況ではノーダメージといかないようだった。前後左右から繰り出されるツルの内、致命打となり得るもののみ捌く。掠るものは度外視していた。腐食液だけは全力で避けるそぶりを見せるが、囲まれている状態で碌に躱せるはずも無く、雫がコートに掛かって小さな穴を開けていく。

 ――程なく、少年の右の剣がバキリと音を立て、折れた。

 

『――ッ!』

 

 刃が折れ、ポリゴンへと散るまでの数瞬を、彼は瞬時に活用した。刃が折れるや否やそれを投げたのだ。断面からポリゴンを散らす剣の柄部分は捕食植物の胴体に当たり、ツタの軌道を揺らす。ほんの僅かに屈むだけで放たれた攻撃は空を切った。

 

『――ぁあッ!』

 

 青の光が横一閃に薙がれた。

 範囲は全方位。勢いを付け反時計回りにぐるりと振るわれる。青の帯を引く剣の間合いにいた全てのネペントが、弱点であるウツボ部分と茎の接合部を斬られ、絶命した。

 光の欠片がカーテンとなって空へと上る。

 ――血路が開かれた。

 大きく開けた空間を突っ切り、走り出す。的確に回避と防御を行っていたとは言え、キリトの体力は既に四割に割り込んでいた。もう少しすれば危険域の三割へと突入する。対して、残るネペントの数は十体を超えていた。消耗戦になれば敗北は必至。逃走は戦略的に正解だった。

 しかし、足早に駆けるキリトの先には、七体のネペントに群がられる青年の姿があった。最初が十五体ほどだったので、同じように囲まれながらも八体は倒した計算になる。

 それでも、七体。二人で相手するには厳しい数。HPも装備も余裕はなく、更にモタモタしていればキリトが振り切った十数体も追い付く。そうなったら勝ち目など皆無に等しい。

 だが――

 走る少年は、躊躇う事無く七体の壁に突っ込んだ。青い光の帯を引く剣が左薙ぎに振るわれ、接近する闖入者へ振り向こうとしていた二匹のネペントが一撃で屠られる。

 思わぬ救援に瞠目し、コペルが動きを止めた。

 

『止まるな、死ぬぞッ!』

 

 そんな青年に、少年が痛烈な言葉を浴びせた。

 技後硬直が解けて彼は自身に体を向けたネペントに(レイ)(ジ・)(スパ)(イク)を放った。青の輝きに引かれ、少年が三体のネペントを巻き込み、うち一体を残して即死させる。生き残った一体も最早虫の息。態勢を立て直すより前に斬撃を叩き込んでトドメを刺す。

 倒れ込み、欠片へと散るモンスターから視線を外した少年は、青年に近寄るネペントも瞬時に排除した。

 十数体のネペントの群れが追い付くまで、あと十秒ほどの猶予が生まれる。

 

『な、なんで――』

『逃げるぞ!』

 

 困惑する青年の腕を掴み、少年は走った。足をもつらせながらコペルもすぐに自分で走り出す。

 当然ネペント達も追うが、レベル《3》のモンスターに対し《5》に上がっている二人だ、なけなしの敏捷値補正が功を奏したか少しずつ距離を離していく。レベル5に上がっていなければ逃げ切れないのでは、確かに犠牲者は多発するだろう。

 しかし百数十体ものモンスターを先に倒し、レベルアップしていた二人は、()()びそうだった。

 

 ――そのとき、()()()()()

 

 発生源は後方――コペルから。

 方向は前方――キリト目掛けて。

 スキル発動時特有のライトエフェクトとサウンドに気付き、すわ敵か、と身構え振り返った少年の右肩が、ざく――と音を立てて斬り落とされる。

 吹き飛び、転がる少年。

 それに追い縋り、剣を振り上げる青年。

 

『な、ん――で』

 

 カーソルの色を(グリ)(ーン)から犯罪者カラーである(オレ)(ンジ)へと変えた青年が、苦虫を噛み潰した表情で、振り上げた剣を止めた。

 

『だって――()()()()()()

 

 ぽつりと、青年が呟く。

 遠くから地響きが聞こえる中でもハッキリとそれは聞こえた。わなわなと、青年の手が震える。肩が、足が――全身が震えていた。

 

『HPが無くなっても本当に現実で死ぬなんて思えない』

『……だから……俺を、殺す……?』

『だって、PKを禁止されてないから。オレンジになると圏内に入れなくなるけど、カルマ解消クエストを頑張れば戻せる』

 

 それに――と、コペルの眼が、昏く淀んだ。

 

 

 

『君が生きてると、僕がMPKを仕掛けたって言いふらすかもしれないから』

 

 

 

『――()()()()

 

 自己保身の極致を見たキリトが、声を震わせ、そう返した。

 

『その為だけに――人を、他人を殺すなんて、間違ってる』

 

 ――後に、少年は人を殺す事になった。

 それでも彼が凶行に手を染めた理由に、《自己保身》――口封じは存在しない。アキトを殺した時も、キバオウを殺した時も、己よりも他者を優先して手を掛けていた。どこまでも人の為に在る少年からすれば、自己保身の為だけ手を汚す行為は理解できない類なのだろう。

 あるいは――その言葉は、ともすれば彼自身に向けられたものなのかもしれない。

 彼は現実でも人を(あや)めている。自己保身の為ではない。(おぞ)ましい人体実験や肉体改造を施す研究施設から生き延びるため、彼はISコアを埋め込まれてから研究員と追手を皆殺しにし、己の命を守った。

 戦う術は、己を護るためにある。

 それに照らせば、彼のそれは正当防衛なのだが――他者に依存する少年からすれば、それでも認めがたい事実だった筈だ。懊悩は(わだかま)り、胸中に沈んでいる。

 ――同じ事が目の前で起きたなら。

 他者を嫌悪する事で、間接的に自身を侮蔑しているかもしれない。それが目的で他者を嫌悪している節がある。

 どちらにせよ、彼自身がどう思っているかは定かではない。一幕を眺める現在の少年の表情は無のままなのだから。

 

『――しょうがないじゃないか!』

 

 そんな、どう足掻いても善に在ろうとする少年に、青年が慟哭を叩き付けた。表情は歪み、目尻には雫が浮かんでいる。

 

『いきなりデスゲームだなんて言われて、信じられる訳ないじゃないか! 僕は死にたくない――死にたくないんだよ!』

『俺だって死にたくないよ! だからここに来て、強力な武器を手に入れようとした! そうすれば生存率は上がるから! ――コペルも、そう考えたから此処に来たんでしょ?!』

『ああ、そうだよ……そう、だけど……!』

 

 ぎりぎりと、柄を握る手に力が籠められていく。

 

『こんなの、出来っこない。無理だよ。二ヵ月あったベータ期間で上がれたのは十四層。集団で行けたのは、たったの十層だ。デスゲームでみんな(おじ)()づく。二の足を踏む。そうなったら一月に七層なんて上れる訳がない。死に戻り出来ないんじゃこれまでの攻略方法なんて使えない。フロアボスなんて、ベータと違うところがあるに決まってる。クリアする前に体の方が手遅れさ』

 

 早口に紡がれる恐怖に彩られた青年の独白。表情は険しく、恐怖に歪んでいた。全身を戦慄(わなな)かせる彼の焦点は茫洋としている。

 ――恐怖に、心が押し潰されていた。

 コペルは、きっと元テスター達の中でも聡明な方だった。聡明()()()()()()()。それが彼の不幸。早々にデスゲームという名の現実を認識し、プレイヤーとして舞台に上がり、自己強化に走った。仮令他のプレイヤーを騙し、出し抜き、殺しを含めて奪うとしても。

 それでも、心のどこかでは否定していたかったのだ。

 それは矛盾している。デスゲームへの変容を認め、先を見据えて行動していながら、根本的には敗北イコール現実での死を受け容れていないなど、どこかで破綻する。その破綻は心への負荷。現実を見ていながら『認めたくない』と逃避する為に使うエネルギーの枯渇。

 それが、もう訪れていた。

 ――無理も無い。

 命を懸けなければならない状況などこの現代に於いてかなり限定される。デスゲームなどのペナルティとして《命》を明確に明かした状況になれば、尚の事。

 その辺が(ぼか)されていれば、現実逃避に労力は要さなかっただろうし、ともすれば気付かなかったかもしれない。

 しかし彼は聡明さを以て気付いた。元ベータテスターとしての経験と知識が、死に戻りなしでのデスゲーム攻略が如何に困難なものかを突き付けた。逃避しようにも、己の命をチップにした現状を前にし切れず、多大な負荷が掛かり――

 そしていま、破綻した。

 心を護る為の理論武装とも言うべき《言い訳》が、もう出来なくなった。

 分かりやすい《死》のカタチが目の前に迫ったから。ネペントの群れという絶望的な状況を見て、デスゲームが如何に恐ろしいものかを、肌で感じ、本能で感じ、鳴り響いた警鐘が――コペルの心を、割り砕いた。

 それ故の二度目の裏切り。

 それ故の凶行。

 キリトの所感は、端的にコペルの容態を表していた。

 確信を突いたからこそコペルは恐怖を口にしている。きっと当時の彼は、自身が何を口走っているかなんて分かっていなかっただろう。

 

『でも――でも、僕は死にたくない』

 

 ――理性を失くした青年を支配するのは、恐怖心。

 恐怖が理性を麻痺させ、箍を外させた。その()に宿る光は昏く淀んでいる。浅く速い呼吸。カタカタと震える剣と体。

 闇からにじり寄る、狂気。

 

『モンスターを沢山相手するより、PKの方が安全で、速いから――』

 

 ――ごめん、と。

 最後の一線を、青年は謝罪を以て踏み越えた。

 剣が、振り下ろされた――

 

   *

 

 その一幕は、凄惨なものだった。

 人対人の戦い。おそらく――いや、間違いなく、デスゲームで最初に勃発した対人戦。摸擬戦では無く、命を懸けたもの。狂気と正気の衝突。

 

『いやだ、いやだいやだいやだ――』

 

 それに、気丈に振る舞っていた少年の心も、決壊した。

 かつて人の悪意と狂気に晒され生きていた少年は、心を敢えて鈍くする事で生き永らえていた。しかし《桐ヶ谷家》に拾われ、人並みの感情の発露を許した彼の心は、同じくらい人の感情の受容も行うようになった。

 

 だからこそ、コペルの狂気が心に響く。

 

 死に身近だったとは言え、元を正せば自分の意思で身を置いた訳ではない。状況がそれを強制した。そこから生き延びる為に手に掛けた。鈍くなった心は《状況》だけ認識し、そこに渦巻く《真意》は認識しなかった。

 だが、《桐ヶ谷和人》として新生し、心を復活させた少年には、もうそれが出来ない。

 ()()()()()()()()()()()()()

 人らしく、子供らしく在って欲しいと、そう想ってした事だったが――これは――――

 

『コペル、俺は誰かに言うつもりは無い! だからやめて!』

 

 右腕を喪い、剣を落とした彼は、必死にそう訴える。死にたくない、という感情の発露。命乞いに等しい姿。涙ながらの言葉。

 ――返事は、()()に満ちた剣だった。

 キリトはそれらを必死に躱していく。元々反応速度からして段違いに速い彼が回避に全力を出せば捉える事は至難の業だ。ソードスキルは速いが、軌道が決まっている上、序盤では単発だけなので見切りは容易。

 そうと分からず放ち続けている辺り、コペルも正常な判断を喪っているようだった。

 

『ごめん、キリト』

 

 頻りに、苦しげな顔で謝罪を繰り返す青年。

 いっそうキリトの顔が哀しみに歪んだ。もう無駄なんだ――と、そう悟り、諦観が頭を(もた)げたのだ。

 ぐるぐると、その場を回るように逃げ続けるキリトに、コペルは円の中心に立って攻撃を放ち続ける。逃げようと思えば逃げられる筈だが、恐らく突進突きによる急加速で背中からやられると考えて――それ以上に、コペルを説得しようとする考えが、キリトをその場に留まらせている。

 ――遠くから、地響きの原因が迫る。

 画面にも、うっすらとネペント達のカラー・カーソルが見え始めた。そちらにキリトが視線を向け更に眉根を寄せた。

 

『あ――――』

 

 直後、落としていたスモールソードに足を引っ掛け、キリトはこけた。すぐコペルに顔を向ける。

 

『――ごめんね』

 

 コペルは、縦斬り(バーチカル)の構えを取っていた。青い輝きが剣に宿り――迸った。青の軌跡が宙に描かれる。

 

 

 

『――ああああああああああッ!!!』

 

 

 

 割れ、震えた、怖れに満ちた慟哭。

 ――ザク、と。

 簡素なサウンドが古森に上がった。

 

『く、あ――』

 

 青年が、びくん、と体を震わせた。胸からは赤のポリゴンが立ち昇る。

 ――少年が我武者羅に突き出した剣が、青年の胸を穿っていた。

 

『あ、ぁ……ぁ……っ』

 

 目をぎゅっと瞑っていた少年が、確かな手応えと音に、目を開き――か細く声を発した。

 

『ち、ちが……そんなつもり、じゃ――』

 

 ――と、心ここにあらずの呟きが続く。

 

『――――』

 

 胸を穿たれ、()のゲージを喪った青年は、何も言わない。深く俯き、脱力したまま。放心している今こそ少年を殺す絶好の機会の筈だが――彼は、もう動く気を喪ったようだった。

 うっすらと、体が蒼白く光り始める。

 

『――ごめん』

 

 体が青の欠片に砕ける寸前。

 青年が発したのは――最後まで、謝罪の言葉だった。

 

 直後、カシャアァァンッ、とモンスターが散る時のものより一際鋭く、儚い破砕音が響き、やはりモンスターのものと異なる欠片が散った。

 

 それを、剣を突き出した姿勢で、少年は茫然と見上げる。

 

『――――ぁ』

 

 か細く、声が震え――

 

 

 

『――ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!』

 

 

 

 天地を震わせる程の絶叫を響かせた。

 

 そんな彼を――金色のライトエフェクトが、包み込み。

 

 彼のレベルは、《6》へと上がった。

 






 序盤のキリトは、心優しい少年で、まだ大人を圧倒する片鱗を見せてないただの子供です。

 前半で、『コペルは現実を直視出来ていなかったのだろう』と言い、後半で『聡明さで直視していたが現実逃避していた』と言う、直葉の眼をも狂わせるデスゲームの狂気。デスゲームに巻き込まれ、狂気と悪意に触れた今の彼女の眼をも欺くSAOの本質。その片鱗。その一幕の一つ。

 ――もうちょっとだけ続きます(アルゴスタンバイ)
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