インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~ 作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス
どうも、おはこんばんにちは、黒ヶ谷です。
視点:千冬
字数:約七千
ではどうぞ。
※今話の台詞は、SAO編のものを引っ張ってきています(間の取り方などはちょっと変えてますが言葉は全て同じ) なので展開そのものは最初期のものです。
――場面が飛ぶ。
再現時間《二〇二四年 二月二十三日 午後八時三〇分》。
どこかの宿の一室に、少年と情報屋の少女、そして初めて登場する少女が丸テーブルを挟んで対峙する光景が映し出された。
再現された三人の話を追っていけば、初登場の少女《Sirica》の使い魔《ピナ》というモンスターが死んでしまい、その蘇生方法を知る為に、情報屋経由で少年のもとを訪ねた――という事らしい。
SAOに於いて、使い魔を持つプレイヤーは俗称で《ビーストテイマー》と言われるそうだ。
この少女は小竜を使い魔にしていた事からドラゴンテイマーと言われれう事もあったそうだが、どちらにせよ、使い魔をテイムする事は非常に稀で、二年間のSAOに於いてテイミングを成功させたプレイヤーは五十に上るか否かという程度だったという。
戦闘中、通常は好戦的なモンスターがプレイヤーに友好的な興味を示すというイベントが極稀に発生し、その機を逃さず好みの餌を与えるなどして
しかし全てのモンスターが使い魔になる訳ではないらしい。可能性があるのは、ほんの一部の小動物型モンスターだけ。しかも、イベント発生条件は完全に判明していないものの、唯一《同種のモンスターを殺し過ぎていると発生しない》のは確実とされている。
その点、その少女は幸運だったと言える。
使い魔となり得るモンスターを狙って数多く遭遇を繰り返そうとしても、通常は好戦的とされているのだから、イベントが起きなければ普通に戦闘に突入する。しかし殺してはテイム出来ないとなれば、テイム出来るまで対象モンスターと数多くエンカウントし、イベントが発生しなければ滑って逃亡しなくてはならないという、気が遠い上に運に左右される作業になる為だ。
そして――その幸運は、訪ねられた少年にも存在した。
『キー坊も《フェザーリドラ》をテイムしてるから、何か関連した事を知らないかなと思ったんだケド……』
情報屋が付け足したその言葉が全てを物語っている。
種族名を《フェザーリドラ》というらしい使い魔は、全身をふわふわしたペールブルーの綿毛で包み、しっぽの代わり二本の大きな尾羽を伸ばした小さなドラゴンだった。
コメント欄の補足によれば第八層にて出現するモンスターの中でも超レアの類。テイムするには第八層の街《フリーベン》で売られていたナッツを与えなければならないが、そもそもからしてエンカウント、更にテイムイベントの発生という激レアを前提にしている上に、餌のナッツは人間が好む味でない事から常備している事が稀。最前線であらゆるモンスターと戦っていた少年がテイム出来たという事は、激レア故にエンカウントしなかったという事。しかもエンカウントした初回でテイムイベントが起き、リドラが好むナッツあるいはそれに相当する食べ物アイテムを持っていたという事。
【鼠】の解説でとんでもない幸運ぶりを理解したコメント欄が一気に沸き上がった。
――画面内の残影の少年は、やや難しい顔で、少女がテーブルに置いた青く輝く一本の尾羽を見ていた。
要約すると、それは使い魔の蘇生に必要な心アイテムで、三日経つと形見になってしまうものらしい。
『……推測するに、多分蘇生アイテムは四十層以上にしか無い筈。使い魔は場合によっては凄まじいアドバンテージになり得る、下層には無いと思う』
『という事は、キー坊は五十層前後辺りにあると考えてる訳だネ?』
『うん。しかもおそらく、攻略組が行っていないだろう場所。加えて迷宮区側ではなく別の道で、且つそこまで見返りが無い場所。そしてそれにも関わらず妙にリポップ速度が速かったり敵が妙な技を使ったり、絡め手で厄介な場所だと思う。あと、SAOは最低限のMMOの定石は外さないから、多分そういったダンジョンの名前にも符牒があると思う。心ってあるから、それに類するなにかじゃないかな』
『なるほどネ……分かっタ。そっち方面でマップを洗いざらい見ていってみるヨ』
そう言って、情報屋の少女は宿を後にした。
【鼠】が投下したコメントによれば、彼がそこまで具体的に予想を立てていたのにも理由があるらしい。
SAOの中でも迷宮区塔は危険なため、《攻略組》が率先して通る激戦区にはまず無いと思われる。むしろ激戦区にあったらあまりモンスターと戦わないだろう下層域や、本来のゲームになら存在するエンジョイ勢が手に入れられない。だからわざわざ搦手や一体一体は弱いのにリポップ速度で補うようにして難易度を上げつつ、それほど見返りの無い場所を作る。そこに、蘇生アイテムがあると印象付けるようなマップ名を付ける。そうすればMMORPGとしての定石から外れない。
キリトは茅場晶彦の思想・設計が、フェアネスに基づいたものと考え、その思想に沿ってSAOの世界を測る事があったという。
その片鱗を垣間見た、という訳だ。
そして――そこまで具体的な予想を立てている事から分かるように、この時点で既に答えに当たりを付けていたらしい。
使い魔の蘇生アイテムとして【プネウマの花】がオークションに掛けられていた事を、少し前に蘇生アイテムの情報を粗方集めていた少年は把握していたのだ。
ただ、【還魂の聖晶石】のように、眉唾ものだと思い、情報を確かなものにするべくアルゴに情報収集を頼んだ。
求めたモノが想像と違っていた絶望を、少女にも味わわせない為に。
――なるほど、と苦笑する。
とんでもない規模の《サービス》を後にやるだけはある。
『……あの……』
コメント欄で、多くの人と同じ納得を抱いていると、画面内の少女がおずおずと言葉を発した。数枚分の羊皮紙――SAO内での新聞らしい――を呼んでいた少年は、その声に顔を上げる。
『キリト君が……十歳の子供って、本当……?』
『うん、そうだけど』
『……どうして、最前線で戦うの……? 中層でもいいんじゃ……』
見た目で言えば小学校高学年か、あるいは幼く見えるだけで中学生にはなっているのだろう少女と較べれば、少年の容姿は明らかに小学校低学年のそれ。実年齢も十歳となれば、怖がって当然、無理に戦わなくても良いという疑問を覚えるのも道理。
――これまでの少年の道程を知らないなら、分からないのは道理なのだ。
少年は、意図的でなくとも青年を殺し、ひとりの命を背負った。それ故に己が死ねば
だから止まらない。
否、止まる訳にはいかない――
『――色々と理由はあるけど……強いて言うなら、俺が戦いたいからだ』
『戦いたいから?』
「……戦いたい……?」
――その予想を外す答えが、少年の口から飛び出てきた。
進まなければならない、戦わなければならない――そう、己を責め立て、自責に駆られるように生きてきた少年の口から出た《願望》に値する発言に、困惑する。
なぜそんな《願望》を抱いているのか、理解出来なかった。
最初のあの日、青年の命を背負ったから戦っているのではなかったのか。
『シリカさんは、俺が織斑一夏っていうのは知ってる?』
『新聞で読んだ』
『なら――俺がどういう扱いを現実で受け、そしてこの世界で受けてるかを知ってるって思っていい?』
――胸が
心臓を鷲掴みにされるような恐怖心が頭を
『――織斑千冬はブリュンヒルデとして讃えられて、織斑秋十は神童と讃えられた』
口火を切った最初の言葉を聞いて、その恐れが錯覚でなかった事を確信する。今の彼が口にしている事は罪悪感や自責の念による《死を無意味にしてはならない》という強迫観念によるものではない。
それは、ある意味当然だった。
《Sirica》という少女は、攻略組ではない。
頭上に表示されているレベルは《42》。対して少年のレベルは《132》、立ち去った情報屋は《66》だった。最高危険度を誇る最前線で生きる事はおろか、繋がりすら持てない数値。
文字通り、桁が違う。
また、少女の在り方、経歴は、少年が《必要悪》を背負う事によって保たれた安寧だ。彼女の存在こそ彼の選択が間違いでは無かったという証と言える。
《必要悪》の成り立ち、真の目的を、彼が話す訳が無かったのだ。
『でも俺は、どれだけ努力しても褒められなかったんだ』
――新聞を置き、腕を組んだ少年が、僅かに眉根を寄せながら言う。
言葉は淡々としていて――どこか、怨嗟にひび割れているように聞こえる幼い声だった。
『姉ならもっと出来る、お兄さんならもっと良いのに、織斑の子供なのにこんな事も出来ないの……いつも、いつも家族と、
――彼の感情が、未だ残っていない事が、より恐ろしい。
その少年の顔が、変わった。難しく、苦悶を抑え込むような顔が、ふと微かに和らいだ。
『――けど……ゲームは、この世界は違う。みんな多少スタイルや武器が違えど、必ずレベル1からスタートするし、スキルも同じ。プレイヤー自身の要素を除けばみんな平等なんだ』
明るい笑みで、明るく言う少年。
――コメント欄は、止まっていた。
『戦えば戦う分だけ強くなるし、人と接すれば得られるものも有る。ここは現実世界とは違う、もう一つの現実世界なんだ。努力すればした分だけ報われるし、評価もされる。だって――この世界は、0と1の二進法で作られたデータ世界。あらゆる結果は全てデータで出されて、そこにマグレだとかが入り込む余地なんて無い。ドロップ確率とかクリティカル率とか、そういうものも全て行動の結果であって、努力の偶然にはなり得ない。この世界に偶然は無いし、マグレも無い』
『……』
『不謹慎な話だけど、俺はさ、こんな異常なデスゲームで沢山人が死んでても、それでもこの世界が好きなんだ……この世界なら、
――浮かぶ、薄い微笑み。
風が吹けば、それだけで消えてしまいそうな
「ッ……」
目を、逸らしたかった。
だが――出来ない。後輩の怒りの声が脳裏で回る。
――少しでも、彼のお姉さんという
その声が私を止める。
姉失格だと自重する私を止めた言葉。それに歯向かった私の――無様な、意地。自ら失格と言っておきながら
――諦めきれない、心の底から願う未来。
『――だから俺は、この世界で自分らしく生きたい。剣を持って戦いたいから、俺は最前線に居続けるんだ』
笑って、少年は言う。
腕に抱えた漆黒の片手剣を、ぎゅっと抱きしめながら――
『この剣で、この世界を生き抜いて、この世界を終わらせて――織斑一夏としての生に終止符を打って、現実世界へと帰りたいんだ』
――そう、私が願う未来を、拒絶した。
『俺は、この世界にまで負けたくない。現実世界の織斑一夏は死んだから。だから、この世界の織斑一夏は、絶対に負けたくない。だからこそ負けない為に戦うんだ。誰に何と言われようと、屑だとか出来損ないだとか悪罵を投げられ殺されかかっても、俺は絶対に負けたくないから戦うんだ』
まるで自身に言い聞かせるかのような――そんな、拙い言葉で、少年は言葉を紡ぐ。
真っ向からそれを受けた少女は、暫く固まった後、くしゃりと表情を歪め、涙を流し始めた。そして頭を下げ、謝罪の言葉を口にする。
謝罪された少年は、苦笑を浮かべ、
『謝られても困るかな……それで赦すって言っても、どのみちこの世界から抜けたら《織斑一夏としてのキリト》は消えるし……現実の方では、既に織斑一夏なんて人間はいないし、謝られても、はいそうですかって赦せる訳じゃないんだ。それはシリカさんだけじゃなくて、今まで俺の事を知っても何をする訳でもなかった傍観者も、勿論それを覆せなかった
一瞬噛み締めるような表情を浮かべ、少年は自身も同罪と言った。
――場面が変わった。
花園が遠くに見える。
そこへ至る道中、川に掛けられた石橋を境に、二人の少女と少年が、十人ほどの人間と相対していた。九人はオレンジカーソル。残る一人はグリーン、炎のように真っ赤な赤毛、紅い唇、エナメル上に輝く黒いレザーアーマーを装備し、片手には細身の十字槍を携えた女《Lv.48 Rozaria》。
そこで、一本のナイフが虚空から飛来した。それを少年は黒剣で叩き落とし、返礼とばかりに、隠れていた男達のハイディングを破る為に使ったピックの残りを投げた。
――そして一人、男が虚空から姿を現した。
『Oh……マジで気付いてんのか。こりゃ確かにスーパーマンみてェだなオイ』
韻律に富む男の声と共に、革ベルトを数本脚に巻き付け、ボロボロの黒いポンチョを纏う長身の男が虚空から現れた。右手には中華包丁の形状をした肉厚のダガーが握られている。
その姿を見て、使い魔蘇生に動いていた少女シリカが顔を強張らせた。
『レッドギルドのPoH……?!』
『YESと還すぜ、お嬢ちゃん……んで、そっちのガキが――』
『――――き、さま』
頷き、肯定を返した男が視線を少年に向けた――そのとき、少年の掠れた声が上がった。表情は驚愕。目つきは瞠目のそれ。
ここにいる筈がない――その思考が聞こえて来るような顔に、そこに居る残影達も、コメント欄も疑問を呈する。
『その声……貴様は――――あの時の――ッ!』
ぎり、と奥歯を噛み締めながらの怨嗟の声。男は、くくっ、と喉の奥で笑った。
『Wow-Wow-Wow……二年ぶりだなァ、織斑一夏……元気そうじゃねェか』
『何で此処に居る、ヴァサゴ・カザルス!』
『キリト君、誰……? 知り合いなの?』
憎しみの籠った目と表情でPoHと名乗った男を、ヴァサゴ・カザルスと称した少年に、傍らで唖然としていた竜使いの症状が問いを発した。
『こいつは、第二回《モンド・グロッソ》の日――俺を誘拐した、張本人だ!』
「なに――?!」
およそ三年前の第二回の日に弟達を誘拐した輩は全員捕まっていると、そう聞かされているが――それと反する事実が浮上した。物的証拠こそ無いが彼は実際に誘拐された人間だ。間違える筈がない。
そして、否定するつもりも無いらしいPoHは、ポンチョから覗く目をギラリと光らせ、唇を歪ませた。
その反応からして、それが事実である事は火を見るよりも明らかだ。
――握った拳に、力が籠る。
『こりゃ嬉しいねぇ……まさかあの少しの出来事を覚えててくれるとは……しかも、名前まで。名乗った覚えは無ぇが?』
『忘れるものか……俺に、戦闘術の基本を叩き込んだのはあんただ……それに、聞こえていたからな。あんたの名前が呼ばれる、たった一回のあの時の事を』
忘れるものか、と目つきを鋭くして言う少年。彼が握る黒剣の革の柄がギシリと軋みを上げた。今にも斬り掛かりそうな雰囲気を察してか男も肉厚の包丁型ダガーを構える。
その構えは、CQCのそれによく似た型だった。
『結構物騒になったなぁ、お前ぇ……どうだ。俺のとこに来ねぇか』
殺気が漂い、緊張感に満ちる場にそぐわぬ軽薄な言葉。しかし、どことなく真剣みを帯びた、冗談とは言えない重みがあるように感じられた。
『――ひと昔前に、何かが違っていたら……もしかしたら殺戮者になっていたかもな』
鋭い眼で睨み据えながら、少年は冷静にそう返す。
――けど、と彼は言葉を続けた。
『今の俺には――
こんな俺、というのは何を指しているのだろうか。
事故とは言え一人の人間を殺め、《月夜の黒猫団》の青年達を守れず、一人の人間を自殺に追い込んだ過去を詰っているのか。
あるいは、見下されている自身に対する、自己評価の低さなのか。
重苦しくなって、頭を下げ、机の盤面へと視線を落とし――
『それに――俺は、俺自身の復讐で殺すという誓いは、もう捨てたんだ』
――はっと、俯けていた顔を上げる。
『Why?』
『今の俺が在るのは、歪んで見ればアンタみたいな人が居たお蔭だからだ。織斑一夏の存在から脱せたのは曲がりなりにもアンタみたいな存在が居てくれたからだ』
『それで感謝ってか? ……歪んでんぞ、お前ぇ』
『そうだな』
喉の奥で笑う男。同じように、少年も喉の奥を鳴らして笑った。
『とっくに俺は、歪んでいるんだろうな。けどなPoH……いや、ヴァサゴ・カザルス、ここにいる俺に、それでも味方してくれている人がいる。ならどれだけ歪んでいようが俺は俺で在り続ける。それを全ての存在から否定されない限り、ずっと』
『……逞しくなりやがって』
胸を張るように宣言した少年に、男は苦笑を浮かべ、そう言った。どこか称賛するような色を含んでいるのは気のせいか。
――また、場面が変わった。
・
最初の時点で現在に通ずる覚悟を決めていた主人公。
全ての存在に否定されない限り彼は彼で在り続ける。必要悪としても、人を想い助ける心も貫き通す。
――貫かなければ、コペルやケイタ達の死が無意味になってしまうから。
貫く行動が最も他者の為になるからこそ、その在り方から逃れられなくなってしまった幼い子供。
幼さ故に、嘘は拙い。
理屈と論理、状況と効率で雁字搦めになっていく《
ちなみに、ロザリアを捕縛する依頼は、シリカと出会ったアルゴが受けていた。厳密にはアルゴがロザリアの位置を突き留め、そのあとキリトが動く手筈になっていた。キリトとしてはオレンジ達への抑止力演出になると考えて協力に応じた。
この時点ではPoH=ヴァサゴと知らなかったが、思考回路は行動に滲み出るため、戦闘技術と共に継いだ思考回路を以て乱入を先読みしている。
そのため攻略組の手を借りようとしたが――『人対人の殺し合いを見て欲しくない』という願望があるように、最初から戦闘は想定していない。
今回はシリカ(ともだち勧誘した相手)とアルゴ(最大の信用を置く人物)が同行しているので、殺さなくてすむ=逃げられない状況に置ける最大戦力の召喚を許容していた。ロザリア達は決して逃げられないが、同時に絶対に殺されないよう追い詰められていた。
・
織斑兄弟誘拐犯として、同時にキリトに戦闘のイロハを教えた教導官として世界に知られた傭兵。
悪のカリスマ。
地味にキリトと語らっている間は良い空気を吸っている。表面上落ち着いているが、内心では色々と大歓喜中。
・
使い魔ピナを喪い傷心中のところでキリトの闇を真っ向から受けた少女。
今回は自身の思い上がりでロザリアと喧嘩、マップを持っていない迷いの森の中でピナを死なせたところを、ロザリアを探していたアルゴに助けられ、蘇生アイテム関係でキリトと引き合わせられる。
事前にアルゴから《ビーター》や《月夜の黒猫団》関連の話を聞いて覚悟ガンギマリを知っているので反感を抱いていないし、涙を流し、謝罪するだけ、女尊男卑の世の中では間違いなく善人である。
――ちなみに”ともだち”勧誘と宣言は《負のクラウド・ブレイン》の意図でまるっきり飛ばされている。
・ロザリア
犯罪者ギルド《タイタンズハント》のリーダー。
構成員十人ほど。中層域をウロつくパーティーに週単位で加入し、イイ感じになってきたところでパーティーを誘導、張り込ませていたオレンジに襲わせ、アイテムその他を奪った後、殺し尽す手を常套手段にしていた。
今回は、シリカが居たパーティーの一つ前《シルバー・フラグス》というギルドを襲い、それから生き延びたリーダーが復讐するべく、回廊結晶を全財産はたいて購入し、最前線で敵討ちのために牢獄にぶち込んでくれる人を求めていたところにアルゴが応じ、流れでキリトも協力する事になり、お縄となる。
・
まだ現在の本人から何も聞いていないのでやや気が早いと言える。
しかし実際和人によりを戻す気はほぼ無いので、察していないと『何をしていたんだ』と言われる。
世の中理不尽である。
――ところで今日明日と授業があるのに徹夜で大丈夫なんですかね?(作中金曜日)
・
世界生中継配信の回線確保に奔走している大戦犯。
関係上味方ではあるが、本来であれば憎まれ、殺されても文句は言えない関係である事――同時に、