インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~ 作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス
視点:簪、本音
字数:約八千
前半と後半の温度差で風邪を引くがいい……!
二〇二五年五月十九日、正午。
東京都千代田区、とある中学高校一貫女子校。
うららかに晴れ渡った空と陽光が窓から一望出来る。燦々と輝く太陽は春の涼やかさを相殺する温かみを放っており、肌を撫ぜる風も、体を芯から冷やすものにはなり得ない。とは言えじっと机に噛り付いている状態で窓を開けていれば流石に寒い。そして風の通り道を塞いでしまえば、室内は熱が
ファッションに目が無い女子特有の体臭や香水が混ざり、むせかえる臭いに吐き気を覚えるも、必死に我慢することしばらく。
音割れした鐘の音が木霊した。
程なくして教壇で教科書片手に白チョークで板書していた教師が号令を指示。日直の生徒が起立、礼と機械的に号令を掛け、授業は終了。そそくさと教師が立ち去るのに合わせ、教室内の空気が一気に弛緩した。
朝礼では、十分の休み時間の度に二、三分の換気を指示されているが、それに従う者はいない。寒いからだが、それ以上に窓を開けた人に対する敵意が怖いからだ。誰だって針の
こんなところで昼食など摂れたものではない。摂ったとしても、碌に味など楽しめるものではなく、学校生活で数少ない楽しみを喪いたくなくて、私は通学バッグの中から弁当箱と水筒を取り出し、席を立った。
この学園には学食が存在する。しかし、弁当組も利用して良い学食スペースは、学食組と弁当組で分かれる仲のいいグループに人気の場所なので、一人もくもくと食べていると
中等部三年目ともなれば流石に学園内で
「ねー、更識さん」
クラスメイトから声を掛けられたのはその時だった。そちらに顔だけ向ける。
弁当なのだろうコンビニの安いパンや紙パックのジュースを机上に並べ、椅子に座っている女子は、どうやら教室で食べる組らしい。つまり、色々と混ざり合って混沌とした臭いの坩堝に居る事を、苦痛と感じていない。それもその筈。その女子はオシャレやファッションに目が無いと自称し、様々な化粧品や香水を試し続けている、臭いの素の一人なのだから。
その女子とは決して親しい訳ではない。あちらがどう思っているかは知らない――九割方気に入らないと思っているだろう――が、少なくとも私は、彼女の事を忌避していた。
「……なに?」
だからという訳ではないが、口から出た返事は、自分でも呆れるほどに不愛想なものだった。
声を掛けてきた厚化粧気味な同級生の目尻が、一瞬ひくついたのを私は目聡く気付いたものの、特に指摘する事なく言葉を待つ。
あちらも、私の不愛想ぶりをいちいち指摘していては話が進まないと思ったのか、特に追及はしてこなかった。
「更識さんってさー、あの英雄クンと
『同棲』と、わざわざ強調して言って来た。何を言いたいのか凡そ見当が付いた私は、その上で無言のまま、先を促す。
「なにか無いの? 英雄クンの新鮮な話題。好きな趣味とかー、食べ物とかー、女子の好みとかー」
「……なんで知りたいの?」
「だって調べても全然その辺のハナシが見つからないんだもん。でも、同棲してる更識さんなら、何か知ってるんじゃないかなーって。たとえば、そのお弁当の中身とか、英雄クンの好きなものだったりしないの?」
口の端を釣り上げて、私が手に提げる弁当箱を指差す女子に、思わず私は嫌悪感を抱いた。
そもそも私は彼女がなぜ彼に興味を抱いているのかを知りたくて問いを投げたのに、返された答えは見当違いなものだ。いや、意味の取り方によってはある意味間違ってはいないから、語弊があったと言うべきかもしれない。
「桐ヶ谷君の事を知ったとして、
化粧の厚い同級生――八柳にそう問うと、彼女の表情が一変した。にこやかな笑みが苛立ちのそれへと変わったのだ。
「いいから、さっさと教えなよ」
「……そんなコト言われても、教えられない。私だって知らないんだから」
「は? そんなコトある訳ないでしょ。一緒に暮らしてて、知らないって、ウソ吐くならもっとマトモなウソにしなさいよ」
「ウソじゃないよ……」
態度を苛立ち、怒りのそれに変えた八柳に、私は弱々しく返す。
だって、本当に知らないのだ。《更識》に身を寄せてから食事は基本いつも一緒に摂っていたが、彼は美味しい美味しいと言うばかりで、何かに対して喜色を現した事は無かった。
厳密には一度はあったが、それは好みの問題ではない。彼が喜んだ《ポトフ》は、彼の義理の姉が手ずから作ったものであり、思い出の味だ。仮に私が作ったとしても同じ反応は絶対得られない。ただ『美味しい』と言われておしまいとしか思えなかった。彼にとって思い出の
でも、それは当然だ。
より強い武器があるというのに、敢えて弱いものでも自身にとって重要な剣を優先して使っていたように、彼にとって『物の価値』というのは常に一定で、それに付属する付加価値こそが重大なのだ。
――だからこそ、辛くなる。
彼が好きなものを、
「あのさぁ……更識さんってば、今年になってから調子に乗ってない?」
その事情を、彼との関係性を知る由もない八柳が、私を睨みながらそう言った。
がたりとわざと音を立てて立ち上がってまで、私を威圧する。
女子の平均身長をやや下回っている私に対し、彼女はテニス部で上位に入れるほど鍛えているからか女子にしては骨太で身長も平均より上だ。自然と見下ろされる形になる。
「代表候補生、だっけ? いいよねー、更識さんは。家のコネで将来安泰で、もう進路も決まってるもんねぇ。私なんて高校に上がれるにしても進路なんてまだまだ先の事なのにさー」
「……言う程、安泰じゃないよ……それに候補生になったのはコネじゃないし……」
IS関係は未だ黎明期だからこそ安泰に思われがちだが、実際は既に末期に近い状態だ。第一世代、第二世代と研究を進め、第三世代機に手を掛けた今が最盛期で、今後は規模を縮小していく事が確実とまで言われている。それこそ宇宙進出への研究を始めなければ、零落は確定的だ。
元々兵器として造られた訳でもなく、軍事運用も建前上は《アラスカ条約》で禁止されている以上、軍需産業として確立する事も出来ない。
《モンド・グロッソ》という代理戦争と、あとは他国への抑止力でのみ役に立つ高コストの兵器など、維持費も馬鹿にならない以上、すぐ国の負担になるのは目に見えた事だ。実際日本はそうなっている。半分以上は開発者の国籍と女尊男卑風潮の者の身勝手さによるものとは言え、それが無い他国ですらIS学園に費用を注ぎ込まない辺り、自国のISの研究・開発だけで財政は火の車なのだ。
元々の軍需産業として予算を割り振れていれば、まだマシだっただろう。
しかしISは多くのものがオーバーテクノロジーであり、どこの予算枠に組み込んだものか悩まされ、結局どの国も新たな産業として扱うようになった。
産業の新設と言えば聞こえはいいが、国からすれば数千億単位の予算枠を一つ増やさなければならない訳で、決して喜べるものではない。しかもISのコアを増やせる訳ではないから世界各国と話し合ってコアを分けなければならず、国防、大会出場の機体分を考えれば、研究だけに割ける台数も少ない。
そんな貴重なコアを使って建造した専用機や訓練機を、果たして家のコネだけで候補生になった人間に貸与するだろうか。
絶対ない訳ではない。
しかし、データ採取を目的としているなら、より適性の高い人間が
そんな立場にコネだけの人間を据える訳が無いし、据えられても、それの意地には相応の実力を発揮して周囲を認めさせなければすぐ引きずり下ろされる。
私は、自分の意思で候補生になった訳ではない。むしろ代表候補として姉が身を立てた時点で、私はその道には進まない事を自ら強く心に決めていた。
それが覆ったのは、将来IS学園に入学する日本の未来を背負った《桐ヶ谷和人》のサポートを命じられたからだ。
《更識》から離れるつもりだったとは言え、未だその庇護下にあった身である以上、当主の命令には逆らえない。だから従うしか無かった。
それで候補生になれたのも、正直どうかとは思う。別に私が凄かったのではない。碌にIS方面の勉強をしなかった私ですら追い越せるほど、周囲のレベルが低過ぎただけだ。女尊男卑の人間は少なからず居たし、あの世界最強への心酔があるからか、目標を高く持ち過ぎて徐々にモチベーションを下げていく人間ばかりだった。
誰でも目指すならば一番を目指す。
その前例があまりに偉大過ぎたから、周囲の人間は徐々にドロップアウトしていくか、現状維持で成長しようとしない。
対して、私は元から一番になるつもりなど無い。最低限言われた通りの候補生の立場を手にし、ある程度の地位を得て、彼のサポートを出来るようにすればそれで良かった。それだけで次期代表第二候補までなれた事に、私の方が頭を抱えた程である。
ともあれ、一般生徒としては本音がサポートし、専用機持ちという特殊な立場では私がサポートする事を命じられたから、私はその地位に就いた。
その道程は、断じて楽ではない。
なりたくもないのにならなければならない。その義務感は途轍もないストレスで、だからこそ彼への憧憬は、数少ない救いだったのだ。
――今では、それすら危うい。
彼の必死さを、命を掛ける様を、すごいと思ったのは事実だ。
でも、それ以上に怖かった。何を怖く思ったかさえ分からないけれど、とにかく怖かった。理解出来ないものが多過ぎた。
「ああ、そっか。更識さん、英雄クンの事が好きだから教えたくないんだ?」
「……は?」
「代表候補生になったらお金いっぱい貰えるんでしょ? それで沢山貢いだら、更識さんでも振り向いてもらえるかもだもんね。顔はキレイだしさ」
矢継ぎ早に言われる内容を理解するのに、どれもこれも数秒要してしまう。理解を進める間にも話が進むから内容の理解なんてまったく進まない。反応が遅れるのも当然の事だった。
それを彼女は、煙に巻くものだと思ったのだろう。とぼけなくていいよ、と嘲笑った。
「でもさー、正直更識さんじゃ無理スジだよ。洒落っ気なんて無いし、いっつも目の下クマあるし、本音ちゃんとしか話さないくらい陰気だし、アニオタだし」
指折り数えながら、次々と自覚している欠点を挙げていく八柳。
「でもでも、私は人といっぱい話せるし、おしゃれにも気を使ってるし、気が利くもん。英雄クンとだってすぐ仲良くなれるからね」
「……そう」
淡々と応じる。ぜったい仲良くなれないと思う、と内心で呟きながら。少なくとも彼は、他者を貶めて自分を持ち上げる人間をぜったい信用しないタイプだと、付き合いの短い私ですら理解している。
「それに、更識さんよりも、更識さんのお姉さんの方が凄いもんね」
「――――」
――思考が止まった。
昼食を摂れない原因への苛立ち、思考が止まる。
それは……それは…………
「同じ代表候補だけど、引退気味の千冬さんの後釜として最有力候補で、専用機も持ってるし、更識さんの家の当主で、スタイルも抜群で、社交的だしさ。正直更識さんじゃどうやっても取られるでしょ、英雄クン」
「……だから?」
「もー、察しが悪いなー」
言わせないでよー、と両頬に手を当てながら、八柳は……
「お姉さんに取られるくらいなら、私に譲ってくれてもいいでしょ?」
にんまりと
気付けば、教室は静まり返っていた。
残っている生徒、あるいは教室で弁当を食べるつもりだったクラスメイトの視線が、じっと集まっていた。そうさせているのは、クラスカーストトップとワーストの対話への興味か、あるいは彼の情報を少しでも得たいという欲求か。それともワーストの自分と彼の間に、何も関係が無い事を確信したいが故か。
どうでもいい。
心底、どうでも良かった。
《姉》を引き合いに出して、私を挑発していると分かった上で、そう思った。
――確かに、私が《姉》に勝ち目なんて無いのは百も承知だ。
女性的な魅力に溢れた肢体と社交的な性格だけでも彼女の方がよっぽど良い。立場的にも彼女の方がより彼を守るのに向いている。
逆に私は人に好かれる要素を殆ど持っていない。同好の士ならまだしも、ゲーマーと言われている彼は必要だからゲームをしているだけ。私は好きだからサブカルチャーに手を出しているが、彼は戦闘技術向上の為、そして物理的に会えない仲間達に会う為の道具として利用しているに過ぎない。方向性が違い過ぎる故に交わらない。
彼と私との間の関係は、《更識》を前提にしたものだけなのだ。
彼への好意は、私が勝手に類似点を見つけて、重ねて見ていたに過ぎない。
彼は、私の事なんて気に掛けていない――――
「……譲るもなにも、桐ヶ谷君は……物じゃ、ないし……」
そう吐き出し、
教室があまりに静かだからだろう。背後から小さな舌打ちと悪罵が聞こえたが、相手をするだけ無駄だ。私は無視して教室を出た。
「あ、かんちゃんだー」
「……本音」
後ろ手に扉をぴしゃりと閉めたところで、別クラス在籍の
授業終了から二分前後経ってから来たという事は、若干授業が長引いたのか、仲のいい友人に引き留められたかのどちらか。
それでも私を優先してくれている事は嬉しかった。
同時に、そうさせている事が、心苦しかった。
「……かんちゃん? なにかあったの?」
ふと、ぱたぱたと駆け寄って来た本音の顔が、すごく近付いた。
「え……なにかって……」
「かんちゃん、泣いてるよ……?」
「……え……?」
本音の手が、私の頬に伸ばされた。すぐ引っ込められた彼女の指の先には僅かな水滴が付着している。さっき伸ばされた時には無かったから、頬に付いていたそれを掬ったとしか思えない。
私も、自分の手で頬に触れる。
指先が僅かに濡れた。
そして更に指先が濡れていく。じんわりと鼻先がツンとし始め、思い出したように喉がひくつき始めた。ぽろぽろと
いきなり泣き始めた私を見て、本音は特に何も言わず、背中を
その日のお弁当の味は、まったく記憶出来ていない。
***
二〇二五年五月十九日、午後五時。
東京都の西に広がる小山、あきる野市深沢山の麓。地理の上では深沢市だが、町区分に於いては入間町であり、深沢山に入る道とはまったく違う場所に立てられているせいで、この辺の地理に明るくない人間は中々の頻度で間違えるそこに、対暗部用暗部《更識》の屋敷は立てられている。
交通の便は正直良くないが、暗部としての訓練をするにあたって人目を忍ぶ必要があるので、そういう意味では好都合と言えなくはない。
とは言え学生の身である以上、市を幾つも跨いだ先にある学園までの道のりは中々に遠い。電車通学出来る範囲内ではあるが、なにぶん簪は代表候補生として有名人だし、対暗部用暗部《更識》当主の妹として何かと命を狙われやすい身の上だ。色々とアレではあるが、あれで簪の事を溺愛している当主が危険に晒しやすい通学方法を許す筈がなく、結果家の送迎に落ち着く事になった。
却ってそれが反感を呼ぶ一要因になっているが、命には代えられないので仕方ない。
その送迎者には、運転手の他に、助手席に護衛を務める者が座っていて、その人が後部座席の扉を開けてくれた。
「お疲れ、二人とも」
車内から、先に座っていた少年が労いの声を掛けてきた。今日から改めて通学する事になった和人だ。日本政府からすれば、立場の重要性で言えば簪よりも上位に位置している訳で、当然彼も送迎される扱いになっていた。
和人が通っている帰還者学校は東京都西東京市
つまり帰りの送迎車に乗る時、彼が後部座席に居るのは必然の事だった。
護衛に促され、いそいそと乗車する。豪華な事に、運転席、助手席と背中合わせの座席まであるので、後部座席に都合四人乗れるほどの大型車両だ。
和人が座っているのは、車両右後部。私は彼の対面に、簪は私の右隣に座った。
車が発進する。更識邸へ向かう道すがらの車中に碌な会話は無い。運転手と護衛の二人は、私達――厳密には政府要人・和人と当主の妹・簪――の警護に意識を割いているからだし、当の二人もあまり喋る性格では無いから、特に話題が無ければ自然とそうなる。
何時もであれば初登校となる彼に色々と質問をするところだが、今日は学校の話題はやめた方がいいと思い、自重した。
「……桐ヶ谷君」
「うん?」
「学校は、どうだったの……?」
――当の本人が自分から問いを投げた事で、その
今日辛い事があったというのに、なぜ自分からそれに突っ込んでいくのだろうか。隣に座りながら私は内心で頭を抱えた。
対面に座る少年は、組んでいた腕を解いた。顎に手を当て考え込む。
「どう、と言われてもな。七色と二人きりのクラスで、しかも今日はずっと自習だったから何とも言えない。可もなく不可もなしだよ」
「自習……何を、勉強したの?」
「情報処理と現代社会・経済、あと
三つの復習内容を聞いて、それらが全て今後に特に関係している内容であるとすぐに察せた。それぞれプログラム、現代日本の社会骨子、原子操作を十全にする為の基礎となる科目だった。
「そっか……何か分からないところ、ある?」
「当面は簪に教えてもらった範囲内だし、中一後半までならまだ大丈夫そうだ……たぶん」
そう、小学六年――しかも実質小三――の少年が言う。たった二、三ヵ月で三年以上分をカバーしている時点で、既にかなりの秀才なのだが、その自覚はあるのだろうか。国数英はともかく、理科、社会は短期間で出来る科目ではないのだけど。
これで一年以内に中学二年、三年の範囲まで押さえ、更にIS関連の勉強と、VR関係の仕事もしなければならないのだから、彼の忙しさは同年代のそれを遥かに上回っている。
朝と昼は勉強に、夜はVR関係の仕事に、時間が出来れば訓練を。暫くはログイン禁止令が下されているので、訓練はALOでの戦闘訓練ではなくて現実での生身かIS訓練だけだ。
……
「ね、ねー……きりきりって、帰ったら何する予定なのー……?」
「ご飯まで訓練に参加して、お風呂入ってご飯食べて、宿題やって……寝るまで各国代表生の戦闘映像の確認だな。最後は宿題の進捗にもよるけど」
見事に無かった。
私はまた頭を抱えた。
前半:個人の眼から見た、和人が背負ってる日常
後半:世間を背負ってる和人の日常
まとめ:簪の苦悩にはこのギャップが含まれている(和人は超克済み)
・八柳
本作オリキャラ。
千代田区にある中学高校一貫女学校の中等部三年。
簪のクラスメイト。
原作SAOで詩乃を虐めてた遠藤タイプ。あちらと違うのは、スポーツマンでテニス部上位組、ぐいぐいの自己主張と女子に話題性のあるファッション関連に強いので、話の主導権を握りやすく、クラスカーストトップに位置している点。尚、八柳がトップの時点でクラスの全体レベルはお察し()
何かにつけて比較し、相手を見下し、自分を持ち上げる言動があるので簪からは嫌忌されている。
女尊男卑思想かは不明だが、和人に対して気がある模様。
サブカルチャーを嘲笑っているが、当の和人はそのサブカルの極み《VRMMO》で復権した人間筆頭である事が頭から抜けている。
仮に和人と対峙した場合、やんわりと微笑まれながらのらりくらりと躱され、マトモに関係を築けず、以降ずっと思考・行動を先読みして避けられ続ける事が運命付けられている。
メインキャラを引き上げる為に登場したアンチモブ(無慈悲)
尚、今後の登場予定は未定である(無慈悲part2)
・更識簪
千代田区にある中学高校一貫女学校の中等部三年。
代表候補生第二位。客観的に見て進学、就職が決定しているコースなので嫉妬ものではあるが、本人がなりたいと思っている訳では無く、あくまで『仕事上不可欠だから』その道に進んでいるだけ。こう言われると反感を抱かれやすいが、『他人の都合で命を張る仕事に就いている』と言われれば同情ものである。やはり楯無の罪は重い。
とは言え、仮に楯無からサポート除名指示を受けても、多少抵抗する程度には若干執着がある。和人の事は個人的に気に掛けているからであり、同時に一度候補生になったからにはという姉に対する対抗心など、複雑に絡み合っている理由のため。
世間的には『英雄と同居している女子』なので、クラスメイトから羨望と嫉妬を受けている。
簪は、和人に憧憬を抱きつつ、それ以上の恐怖心=理解不能さに苛まれているので、周囲からの感情を怪訝に思っている。
尚、何があっても楯無と比較してはならない。
それで傷付いた『学校での出来事』を踏まえて和人に『学校での出来事』を聞いている辺り、簪は
最近の癒しはアニメ鑑賞とキリト関連動画視聴。
・布仏本音
簪の幼馴染兼従者。
同じ学校に居るが、簪とは別クラス。
八柳と簪のやり取りを実はこっそり
表面上楽観的だが、実はけっこう思慮深い。
最近主姉妹の板挟みの他に、年下男子の息の詰まる生活という懸念事項が増えた。頭痛薬がおともだち。
最近の癒しはお菓子とご飯と昼寝と
・桐ヶ谷和人
継続登校初日を迎えた小学六年生(十一歳)。
無神経・無理解な世間の為に頑張っている少年。
自習範囲は中学一年生を中心としているが、手も足も出なくて七色が裏で臨時講師をしていた。”七色に教えてもらっていた事”を伝えなかった辺り簪の事をよくわかっている。分かった上でアクションを起こさない。
これで一応、簪か楯無のどちらかから助けを求められれば動く気でいる。簪が助けを乞えば、速攻で動くだろう。ただし、当事者二人以外からの助けは全てスルー。あくまで『当事者が求めた』という事実が重要。
まあフルダイブしない上に直接登校する理由の方が優先度高いんですけどね(無常)
最近の癒しは特にない(社畜)
・更識楯無
簪大好き拗らせの面倒くさい更識当主。
自分の知らないところで簪を傷付ける為に引き合いに出された哀しい人物。流石にこれは情状酌量の余地あり。
無罪放免には簪に本心を告げて仲を修復するしかない。
和人に『フルダイブ禁止令』と『帰還者学校直接登校』の指示を下した一人。鷹崎元帥をトップにして動いているので、この判断には政府の意志も絡んでいる。
いちおうこれでも原作に於けるシリアル・コメディ要因。
最近の癒しは特にない(ブラック)
和人に抱く本作簪のキモチで、一番大きいと思うのは?
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憧憬
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羨望
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嫉妬
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僻み
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恐怖