インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~ 作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス
視点:簪
字数:約一万五千
今話は某動画サイトの生配信を見ている体です。
ではどうぞ。
お風呂から出た私は、自室に戻ってすぐに机上のPCを立ち上げた。ブラウザを起動すると、スタートアップURLに設定されたサイトに自動でアクセスが行われ、幾つかのタブ・ウィンドウが重層的に表示された。
それらは自分が定期的に巡回しているニュースイサイトだったり、あるいは個人運営のブログだったりと様々だが、その内の一つに動画投稿サイトにアクセスしたものがあった。PCを立ち上げた目的でもあるそのタブをクリックすると、最上段にページが表示される。
それは幾つもの動画を配信している他人のチャンネルだ。
個人的に興味を惹かれるものが多く、またその動画サイトで見る機会が最多であるため、スタートアップに設定しておいたそのページの一部分に、【プレミアム配信】と表記された動画リンクがあるのを見つける。
【セブン放送局が6/21.21時00分にライブ配信予定:【雑談配信】同居人がIS学園トーナメント解説に抜擢されたお話
あと数分で配信予定時刻になるそれをクリックすると、配信待機画面へと移った。
右側に配置されているコメント欄では、『待機中』『マダカナー』など、配信を期待している面々の書き込みがズラリと並んでいて、現在進行形で増えていっている。
平均して雑談配信は一、二時間を超過するため、長丁場を予想し、私は飲み物やつまめるお菓子類を用意する。
用意し終えたところで、時間になった。
『はい、時間になったので開始しまーす! 初見の方も古参の方もプリヴィエート! こんばんは! 一人放送局状態のセブンよ! 見に来てくれたみんな、
待機用に設定されていた画像が切り替わり、少女が一人映し出された。白銀の髪色と瞳を持つ少女は一時は世間を賑わせた天才科学者・枳殻七色だ。
V-tuber『セブン』は、V-tuberの一人として動画配信者の界隈でも注目を浴びている一人。
数か月前からその手の業界でも名を馳せた少女は、《事変》を契機にチャンネル登録数が激減したものの、【歌姫】というアイドルとしての手腕、ポテンシャルは本物のため、根強いファンは今も登録を続けている。ただ登録者の中には自分のように、関心のある話題に関係ある人物だから――という情報提供者としての側面で利用している者も一定数居るはずだ。
彼女が配信する動画は雑談か、生歌配信のどちらかに大別されるが、最近は雑談配信の方に比率が寄っている印象がある。やはり《事変》の影響で曲の編集を手伝う人が減ったのが一番の理由らしい。
そんな彼女が話題にする内容と言えば、これはもうほぼ一つに絞られる。
ズバリ、桐ヶ谷和人関係だ。
彼は更識家に保護され、今はIS学園に隔離されている状況にあるが、その辺の説明はあまり世に発信されていない。マスコミも情報を集めようとはしているが、政府の息が掛かった更識家が護衛し、インタビューをほぼ跳ね返しているからだ。
勿論IS学園の他、彼と関わりのある役人が匿名でインタビューを受け、事情を説明しているが、それを信じている人はあまり多くないだろう。それは彼が過去、政府からも見捨てられた状況に身を置いていたからだ。ともすれば女権団の陰謀では――と、そんな説がまことしやかに囁かれてもいる。
つまり世間一般の認識で、マスコミや政府役人の発信があまり信じられていないのである。
そんな状況に一石を投じ、波紋を呼んだのがV-tuberの『セブン』こと《クラウド・ブレイン計画》の首謀者である少女だった。彼の後を追うようにIS学園に場所を移した彼女の発信はかなり攻め込んだものが多く、それが話題を呼んだ。信憑性の部分はいまだ懐疑的な見方もされているが、マスコミが『取るに足らない話』と判断したであろう小話も語られているため、興味本位で見に来る人は多いという。
――例えば、主要五教科をはじめとした高校生までの内容を彼に教えている、というエピソードと、興味のある議題に生徒がグループで取り組む授業で《エレクトロニクスコース》を選んだ時は彼をリーダーにしていた、というエピソードがある。
その二つは一見、何も関係ないように思える話だ。実際彼がIS学園に隔離されたのは生身でISと渡り合った事実によるものなので無関係になる。だが彼女がIS学園に移った理由にはなっていた。監視する目的もあって登校していた彼の近くに居る事、授業の事情、更に政府も注目しているという《エレクトロニクスコース》の研究――諸々があったから自分もIS学園に移ったのだと、彼女は世に発信した。マスコミが取り上げなかった話題が発信された時から、彼女のチャンネル登録数はうなぎ上りを見せた。
《事変》の事で叩かれながらも、彼女の生配信を待っている人が多いのもその経緯があったからこそ。
さて、彼女は今日、どんな話をしてくれるのか。
そう期待を寄せて、私達は配信を視聴するのだ。
なまじ、彼は世間的に見ても異例ながら、信用出来る情報が少ない。身近にいる人間の発信というものが相対的に貴重だった。
IS学園の学年別トーナメントの試合も、例年はマスコミが『そういう行事があった』と伝えるだけで、映像では発信されなかったが、今年はテレビ局一つの番組を占有する形で発信されていた。更には、司会・解説担当に男性――それも、あの少年が抜擢されたという事実に、巷は賑やかになっている。
それについて触れるというのだから気にならない筈がなかった。
『あ、初見の方に説明すると、今日の生配信は『桐ヶ谷和人君がなんでISの試合の解説に抜擢されたか』っていう話をメインに、いろいろと雑談しようっていう内容よ! いつも一、二時間くらい話してるから、割合的には雑談がメインになっちゃうかもだけどそこは勘弁してね!』
ALOの音楽妖精プーカのビジュアルにモデリングされた少女がにこやかに笑い、そう補足を入れた。
――同居人って、どういう事? 年頃の男女が一緒に暮らしてるの?
そこで、コメント欄にそんな内容が流れた。
どうやら初見の人らしい。そのことについては、過去の動画でも説明されていたものなのだ。色々と物議を醸して賛否両論だが、結論としては『政府が悪い』と『【黒の剣士】は枯れている』という二つに落ち着いた。
多分本人はこんな話題が起きている事も知らないだろう。下手すると、監視目的だから仕方ない、と思っているかもしれないというのが古参リスナー達の見解にもなっている。古参組からすれば『自分たちのアイドルと同居とか羨まし過ぎる』と嫉妬心しか無いだろうけど。
『あ、これは初見さんのコメントかな? 一応お答えするとね、同居してるのはね、あたし達が寝泊まりしてる部屋って拘置所扱いで、名目上は学則諸々に違反した生徒の反省部屋になるからなの。二人部屋なんだけど、二人で拘置所を二つ占有すると総数的に足りなくなるかもっていう話らしいよ。あと一応あたしって監視対象に置かれてるからかな? あたしが警戒されてるのも計画とか、バーチャル的なものだから、傍にいないと分かりづらいかもっていう意見が反映されてる……って、和人君から聞いたわ』
――監視任務の人が監視対象に教えていいのかな、それ。
『教えていい事だったんだと思う。和人君、その辺はキッチリしてるというか、仕事が絡むと怖いくらい性格ガラリと変わるから……まあこの辺はあたしの過去の動画とか、彼関係の動画を見たらわかると思うわ。オススメはSAO時代のラフィン・コフィン掃討作戦ね!』
小首を傾げながらの発言に、『導入からいきなりハード過ぎィッ!』とコメントが沸き立つ。
私も、いきなりそれを見るのはかなりキツいというか、あらぬ誤解を生みそうでマズいのではと思った。
――そういえば、この配信ってALOからじゃないんだよね? リアル配信って事は本人居るんじゃないの?
そこで、古参らしきリスナーのコメントが流れた。
V-tuberセブンの配信は、実はリアルでの二次元的モデリングを使ったものと、彼女がメインでプレイしている《アルヴヘイム・オンライン》での正真正銘のバーチャル配信の二種類存在している。今の生配信では二次元モデリングが使われているため、必然的にリアル――IS学園拘置所の部屋――の配信という事になる。実際、背景には高価そうな調度品や、彼女が使っているのだろうふかふかのベッドが映っていた。壁が映っているから、どうやら彼女は奥側のベッドを使っているらしい。
ともあれ一部の
ちなみに二次元モデリングは多数の機材と人手が必要と聞いたことがあるが、彼女は《事変》後から独自のアプリを組んだ事で、機材の用意だけすれば単独でリアルタイム反映を出来るようにしたらしい。天才の面目躍如といったところだ。他のV-tuberから提供依頼があったと以前の動画で話していたが、そのあとどうなったかはまだ音沙汰がないので不明である。
『ああ、和人君は部屋にいないわ。試合の解説が終わった後、各国の首脳陣や企業経営陣との会食に参加しなきゃいけないんだって。長引くとは聞いてたけど……』
小首を傾げながら、画面外――おそらく時計――へと視線を向けるセブン。怪訝そうな表情をしている。
確かに、会食にしてはかなり長引いている。今日の試合が終了したのが午後五時半頃で、会食は遅くとも六時半には始まっているだろう。しかしもう午後九時を回っている。会食とは言え、二、三時間の日程はやや長い方だ。まぁ、まだあり得なくはない時間ではあるが……
彼がISを扱えると知られていれば話は別だが、まだ知られていない以上、企業のトップ連中は互いの牽制に、国の首脳陣は早々に引き上げて情報を漏らさないよう徹底する方が自然だ。一時は『IS撃墜』や『デスゲームの覇者』から注目の的、勧誘の嵐だとしても、そこまで長続きしないだろう。なにせ今日IS学園に集った者達は、試合を見て生徒の中から『ダイヤの原石』たる操縦者を見出し、粉を掛ける事が最大の目的なのだから。
日本政府の息が掛かっている者達はむしろ彼と接触し、顔繫ぎをメインにする。しかし不審に思われないためにあまり長くは話さない筈だ。【黒椿】を手掛けた《倉持技研》以外も、やはり他企業との折衝をメインにすると思われる。
その事情を知っている身からすれば、やはり長引き過ぎているとしか思えない。
『うーん……まぁ、和人君ってヘンに律儀というか、真面目な性格だし、会食が終わってから明日の解説の準備と打ち合わせをやってるのかもね。一年の専用機持ちが二人居て、その解説も多くなる訳から。今日の試合だと汎用機をメインに解説してたけど、専用機持ち同士の試合が明日あるわけだし、その予習をしてるのかもしれないわ。下手すると過去の公開動画全部見返してるんじゃないかしら、試合解説の仕事を受けてから過去の学園の動画をほぼ全部ひっくり返す勢いで見てたし』
「うわぁ……」
思わず引き攣った声が出た。
IS学園は今年で創立三年目。だから動画の本数も少ない――と言えば、そうではない。一学年四クラス、一クラス三十人なので定員は百二十人。それが三学年だから三百六十人。その全員の試合映像を見返すとなれば、途轍もない労力と言わざるを得ない。専用機持ちの映像もとなれば他国から公開されているものも含めている筈だ。合理性、効率を考えて何割かは省略している筈だが、それでも母数が膨大である。
代表候補生でもそこまで熱心な人はなかなか居ない。
勿論、将来の事を考えて予習がてらしているのだと思うが……
「……他の人は、どう思ってるんだろう」
裏の事情を知っている自分でも正直やり過ぎと思った。
なら何も知らない一般人には、いったいどう捉えられるのか。
あの解説の仕事も、世間からの評価を上げるためだと聞いている。つまり一般人にどう受け取られるかが肝なのだ。
コメント欄に目を向ける。
――弱冠十一歳で既に社畜魂が……哀れな
――デスゲ時代のクセや習慣そのままだとしたら、それはそれで逆に問題な気も
――ブリュンヒルデとか、他に教員でも適任居ただろうにな。依頼した方も何を考えているんだか
――異常過ぎる。仕事量もだけど、本人の動き方も。いったい何を考えてそこまでやってるんだ? 解説をミスっても死ぬわけじゃないのに
概ね、やり過ぎというか、異常に感じているようだった。事情を知らなければやはり異常に感じるのだろう。知っている自分でもそれに近い心境だから、それも当然だった。
これが、彼に近しい仲間達が抱き続けた心境なのだろう。
――そもそも、なんで彼は解説の仕事を受けたわけ? メインはそこでしょ
似たようなコメントが並ぶ中、話を戻す内容が目に付いた。
『確かに( ゚д゚)ハッ!』、『忘れてたわΣ(゚□゚;)』と、主軸に目を向ける流れが生まれる。セブンもはっと目を見開いた。
『そういえばそれが今回の配信のメインだったわ。忘れちゃってた……って、もう開始から十分経ってた! 早速メインを話すわよ! 私が聞いた話では――――』
『ただいま』
『ふぁっ?!』
「ぶふっ」
配信のメインを語ろうとした正にその時、狙ったようなタイミングで少年の声が割り込んできた。ぷしゅー、と機械的に開く扉の音とともに、規則的な足音も高性能マイクはしっかり拾っている。
びくっ、と肩を跳ねさせたセブンが、彼女から見て右側――画面では左側――を見て驚いた様子を見せた。
――(;゚Д゚)
――(゚Д゚;)
――(゚Д゚;)
――|ω・)ノ <タダイマー Σ(゚□゚;)<ふぁっ?!
――本人帰ってきちゃった(笑)
――www
――クッソ(笑)
――どーすんだコレ(笑)
――そもそも同居してるのにリアル配信な以上こうなって然るべきだよね(笑)
セブンの反応にコメント欄が一瞬で賑やかになる。
自分も、思わず吹き出してしまった。
『ん? なんだ、調べ物か?』
『え、えええっと、えーとッ! そう! 調べ物よ! 今日の和人君について世間的にどう見られているのかなって!』
『……えらく挙動不審だが、いったいどうした』
『なんでもないわ! 気にしないで!』
『ん、んぅ……?』
――気にするなと言うのが無茶な態度でクソワロタwww
――案の定不審がられてるじゃないですかヤダー(笑)
――軽度放送事故案件で草
リスナーからのコメントが、彼女を煽るような内容になっていく。
失礼ながら自分も笑いが止まらなかった。《事変》前はどこか超然というか、大人のように落ち着き払った素振りを見せていたが、今は年齢相応の少女らしさを醸し出している。
『……まぁ、分かった。気にしないでおく』
「マジで?!」
続く彼の反応に、思わず砕けたスラングが飛び出た。似たような反応がリスナー達からも続出する。
『――それで、世間ではなんて?』
『んうぇ?!』
『なんでいちいち驚く……いや、それはいい。で、どうなんだ?』
『えーと、ちょ、ちょっと待って! まだ調べてる途中だから!』
『そう。なら調べ終えてから教えてほしい…………大方酷評というか、顰蹙を買ってるだろうがな……』
小声だったのだろう、最後の方はかなりボリュームが落とされていたが、マイクは残酷なくらい鮮明に拾ってしまっていた。
なんというか、彼自身の世間への見方という名の『闇』が詰まっている気がした。
『あ、七色、お風呂どうする?』
『ぶふっ……!』
続けて唐突な問いに、またセブンが噴き出した。
『なんで吹き出す……で、どうする?』
『さ、先に入っていいよ!』
『ん、分かった』
短い返事の後、箱を開けて衣類を取る音が聞こえた。
――お風呂の順番決めを配信中にするとは思えないし……ガチの放送事故案件じゃないですかー(笑)
――最初はやらせかと思ったけど、この反応、ガチか。
――草ぁ!
――疑う事を知らない訳じゃないし、敢えて触れないでおいてあげよう……という親切心が滲み出てるwww
――露骨に怪しい態度を見て見ぬ振りする義弟くんマジ紳士
――年下の男の子に気を使われてるって年上としてどうよ(煽り)
――次から気を付けないとねセブンちゃん(笑)
『うぅぅぅ……っ!』
煽りに煽るリスナー達。ネタを見つけたとばかりに食いつき、からかっていくコメントの流れに、セブンは羞恥に顔を赤くして歯噛みしていた。なまじALOのモデリングが精緻だからその様子もかなりリアルに映される。
『……そんなに先に入りたかったなら遠慮しなくて良いんだが』
それを我慢と苦悩と取ったらしい少年の、やや憮然とした声。彼からすれば理不尽に思えたのだろう。
『いや、そうじゃなくて――――そ、そうだ! そういえば和人君って、なんで今回の解説の仕事引き受けたの?!』
「ちょっ?!」
羞恥で思考回路がオーバーヒートしたか、とんでもない問いを投げた事に私は驚いた。
彼はいま、配信中であることを知らない。つまり『人の目がない』と思っている訳だ。そんな状態なら余人に知られないようにしている話題まで出る事請け合いである。彼女も、口にしてからしまった、と表情を引き攣らせた。それが裏事情の事まで思考が至ってのものかはわからない。
――おーっと、これは思わぬ展開です!
――まさかのご本人から直接聞けるとか予想外過ぎる(笑)
――そしてその本人は配信中と知らない……これは、来るぞ、遊馬!
――セブンちゃんテンパり過ぎて自分で何を言ってるかわかってないのでは?(笑)
――みんな、待つんだ、まだ本人は話すって認めてないじゃないか。焦るにはまだ早い
リスナー達は、まさかのご本人からか、と期待を寄せるコメントを打っていく。本人が配信中と知らないから本音を聞けるという状況に対する期待だ。
それを聞いてるから配信したのでは、と疑問のコメントもあったが。
『ん? まぁ、理由は色々とあるが……そもそもその仕事が来た経緯、七色は聞かされてたっけ』
『えーと……前にISを撃墜したから、その知識を見込んでっていうのは聞いたけど』
『うん、発端はそれらしいな。ただまぁ、それ以外にもあって……例えば今回初めて学園のトーナメント試合が放送されたわけだけど、それは今年が第三回《モンド・グロッソ》の開催年、しかも日本で開催予定である事が関係してる』
『ああ……呼び込みって事ね?』
『そうだ。そもそもISでの試合が放送されるとすれば《モンド・グロッソ》のものが大半だろう? で、その試合って、出場者のほとんどは専用機……いわゆる試金石の機体なわけだ。汎用機みたいに汎化されたものじゃない。かなり尖ってる以上、どうしても偏見は生まれがちになる。でも過去の放送を見返した限り、解説や司会者は試合の流れを語るだけで、機体性能や技術についてあまり触れなかった。それじゃあ余程興味を持っている人じゃないと付いていけない。で、そういう人って、女権みたいな女尊男卑の人間か、ISに携わっている人か、個人的に出場選手のファンくらいなもの……つまり殆ど女性で、男性はごく少数なわけだ。実際は機体開発・研究に、エレクトロニクスに携わってる男性技術者は多いんだが、そういう人たちって生活のために働いているのであって、ISが好きかどうかはかなり微妙だ。仕事で関わってるのに、『男は関わるな』ってパワハラでリストラされた人も多いらしいし』
『あー……』
『……要するに、トーナメントの放送は視聴率とか、モンド・グロッソに興味を持ってもらう為だった訳だな』
セブンの表情が胡乱なものになって、付いていけなくなったと判断したか、少年が要約した。
『で、そのための工夫が俺に来た仕事だ』
そこで、配信のメインでもあり、セブンがして
――今のところ、彼がISを使えるとか、首脳陣の顔繫ぎとかに触れられてないから、まだセーフ。
しかし問題はここからだ。今までの話は、彼が引き受けた仕事に関する前提条件を把握するためのものでしかないのだから。
『俺は良くも悪くも注目の的だ。VRMMO業界はもちろん、IS業界でも。女権団のISを、道具ありきとは言え生身で何十分と凌ぎ、二機撃墜したからだ。その時に束博士の論文を読み込んでいた事も周知の事実……要するに俺は、IS業界では初の男の有名人になった訳だ』
それは、確かにそうだった。
ISはその性質上、どうしても女性の方が著名人になる。操縦者がそうだ。機体開発の方は男性がメインになっていると話には上がるが、だからと言って名前が殊更取り上げられる事はまずない。あるとすれば、それは問題が発生した時の『責任を取る人間』というスケープゴートの時くらいなもの。
『まあIS業界でも、例えば出資者や大企業の社長の方が知られてるだろうけど、俺と彼らの違いは身分の差だ。もっと明確に言えば、どっちがより身近かという点にある』
『身近……?』
『例えば《レクト》だな。大手電機メーカーとして大きな企業の《レクト》は、VR業界ではアミュスフィアの発売を、IS業界では政府に多額の出資を行っている。で、一般人からすると、より身近なのはアミュスフィアとか家電製品とかになる。生活に密接に関わっていたり、あるいはアミュスフィアのように唯一無二の製品を扱っているからだ。出資者と言われても、他もそうである以上『大多数の一つ』という印象しか残らない……というか、出資している事自体知らない人が多いんじゃないかな』
――俺、レクトがISに出資してた事は初めて知ったわ。勉強になる
――あそこって電機製品を扱ってるだけかと思ってたけど、IS産業にも関わってたのな……
――十一歳の子供に現代社会を教わる成人の俺よ……
――昔コラムかなんかで読んだのを今思い出した。でも《レクト》って言えば、アミュスフィアとか、家電のイメージ。はー、なるほどなぁ……
――言われてみれば確かに。これが無意識とか、そういう事なんだろうな
『そこで、だ。同じ男性だとしても、解説者として身近に感じるなら俺と出資者、どちらだと思う?』
『それは……和人君よね、今の話の流れだと』
『そう。VRMMOは、一言でいえば《サブカルチャー》とか《娯楽》だ。デスゲームで図らずしも有名人になった訳だが、逆に言えばそれは、IS嫌いの一般人にも存在を知られている事になる。ポピュラーではないけど、茅場晶彦、須郷信之、織斑秋十の次くらいには聞いたことあるなー程度の認識が最低限あると言える。しかも俺はつい最近、ISを生身で撃墜した事で、男性からある程度関心を寄せられているだろう。だからISを毛嫌いしている人以外は、『試しに見てみよう』と思う
――あー、なるほどなぁ、まんまと引っかかった訳だ俺ら
――実際そんな考えで見てた。モンドは見る気サラサラ無かったけど、ブラッキーが解説するのはちょっと興味があったからな
――見てた感じ、結構斬新な解説で面白かった。戦闘の駆け引きとか、得手不得手の話をしてくれたから、凄く試合が分かりやすかったと思う
――サッカーとか野球も、知識や経験があるかないかで解説の精確性が上下するからなぁ
――全力で解説してたから、こっちもなんか集中しちゃったトコがある
――そこは本人の姿勢で、裏の思惑は関係無かっただろうな。いやそれも逆にすごいけどさ
『な、なるほど……色々とフクザツだったのね……』
『ああ。まあ学園の試合が放送されたのは、モンド・グロッソで織斑千冬の快進撃ばかりになるのがイヤだとか、そういう感情面もあるとは思う。織斑千冬を嫌ってる日本人も少なくないし、そういう意味では今回の学園放送はいい起爆剤になったんじゃないかな。特定の人物の成長過程を見る事に遣り甲斐を見出す《コサンヅラ》とかいう人も出来て、ISというスポーツが定着しやすくなるとかなんとか』
『コサンヅラって……せめてファンって言ってあげようよ、和人君』
『あ、やっぱりファンとか、そういう類の意味だったんだ、それ……ともあれ、俺を雇用してでも収益還元のために国内外から人が集まって欲しいという意図、更に女権団の影響でISに対して免れない偏見をどうにかしたかったんだろうな、各国は』
『……ん? 各国? え、日本政府だけじゃないの?』
『むしろなんで日本だけだと思ったんだ。各国の了解がないと、多国籍が関係しているIS学園で俺が解説役になれる訳がないだろう』
言われてみれば、と私ははっとさせられた思いになった。
確かにIS学園は日本が運営を維持しているものの、そこに送り込まれる学生はアメリカやドイツなど、数多の国籍だ。国家がそうして関わっている以上、解説役に選ばれる人員もそれなりの選考基準があるはずだ。特定の国を贔屓するような人物をどの国も許すとは思えない。
その点、彼は日本政府を信用できないエピソードがある。
実際は裏でズブズブな関係な訳だが、表向きは不信な関係で取られている以上、一般人にとって身近と言える彼を採用しない手はない。ISについて語れる稀有な男性という点でもだ。
リスナー達も似たようなことを思ったらしく、確かにと同意する文字が打ち込まれている。
『そもそもISはスポーツではなくて宇宙進出用のマルチフォームスーツだ。宇宙開発産業に加えられてもいいのに、偏見があったら開発が進まない。それを社会問題として取り上げてるのは日本以外にも多数あるぞ。アメリカとかが最たるもの……むしろ七色は、アメリカにいた頃に聞かなかったのか?』
『ぜんぜん、まったく』
『ふーん……まあ、宇宙開発メインになってからもスポーツ産業として続くかは分からない以上、縮小化を危惧して《モンド・グロッソ運営委員会》とかが敢えてマスコミに取り上げさせないよう根回ししているのかもな』
――デスゲームで色々暗躍してたヤツが言うと洒落に聞こえねぇんじゃが! じゃが!
――ホントにそんなやり取りが水面下で動いてそう……
――政財界はやっぱ魔境やでぇ……
――そこに放り込まれた十一歳が適応済みって、デスゲームも魔境だったんですね……
――そらお前、前代未聞の大事件だったもの
――ところでコレ、配信で広まっちゃっていいのか?
――たし蟹
――展開どころか内容まで放送事故案件……セブンちゃん、大丈夫? 政府に消されたりしない?
『……と、ところでその話、私にしていいの?』
PCディスプレイに視線を移し、コメントを見て不安に駆られたか、若干震えた声でセブンが問うた。
『ダメな話をする訳ないだろう』
『……あ、あとで配信するんだけど、その時に話すネタとしては……?』
現在進行形で配信中なのだが、やはり確認して、安心した一心なのだろう。これで仮に『ダメ』と言われたらマズいのだが……
『ああ、構わないぞ』
『ホントに?!』
あなたが神か! と言わんばかりに表情を輝かせ、
コメント欄が、『良かったなぁ』『首の皮一枚やでぇ……』と安堵と労いを掛けていく。
「……まだ、セーフ……かな……? いや、ギリギリかも……」
私は判断つきかねていた。まだ彼のIS関連の事は流れてないが、かなりグレーに近い気がしている。
顔繫ぎという点は客観的事実に留まっているから……まぁ、セーフ、かも……?
『やー、良かったぁ! 人に話しちゃダメな類かと冷や冷やしたわ!』
『さっきも言ったが、ダメな話をする訳ないだろう? 七色は慌てたら何を言い出すかわからないからな』
『……あたしって、信用されてないの?』
『監視対象になってる事を忘れてないか』
『……あ』
――忘れてたなこの天才少女(ジトー)
――そういえば監視者と被監視者の関係でしたね()
――例の掲示板で毒されてたけど、そーいやこの二人、甘いかほりの無い関係でしたね()
――というかそれが無くてもナチュラルに信用されてなくない?www
――慌てたら何を言い出すかわからない……めっちゃ信用されてないやん!
――まあ配信者だから一定以上の警戒心を持つのは当然よな。それを抜きにしても信用されてない気はするが(笑)
『ま、まあそれはいいのよ! それはそれとして、ね、ね、まだ他に話していいコトって無い?』
――そしてセーフと分かるや否やすぐ調子に乗る天才少女である()
――メンタル強すぎない? 信用してないからって臆面もなく言われてすぐコレって、強すぎない?
――てんさいはくうきをよまない。じょうしきだ()
――そこはかとなく天災みを感じるぜ……
――これだから近頃の天才は……(年寄り並み間)
――画面外の義弟クンがどんな表情をしてるかすさまじく見てェ!
――というかお風呂に行かせてあげなよ。疲れてる筈なんだしさ
『他? ……あと話していいコトと言えば、俺が依頼を受けた理由くらいだが』
『それ一番大事なヤツ! 話して!!!』
『良いけど食いつきが凄すぎてこわい』
『――ごめんなさい』
やや引くような言葉に、一瞬でしゅんと肩を落として沈むV-tuber。お叱りを受けてしょんぼりと落ち込む姿を、リスナー達は犬のようだ、ゴールデンレトリーバーだ、と揶揄していた。
やはり彼は天才の扱いに慣れている。
『それで、なんであの依頼を受けたの?』
『生きるためだ』
問いに対し、彼の答えは簡潔で、端的だった。
その短い一言に、すべてが込められている。
『……どういう意味?』
『俺が《出来損ない》と言われているのはリアルの話だ。VRMMO……仮想世界でどれだけ持ちあげられようと、大人になって、社会に出れば意味なんてない。どれだけ凄いプレイヤーでも、リアルでまともに働けないとなったら見下されるだろう?』
ぐはぁっ! と、急所を突かれたと思しきコメントが何十、何百と流れた。セブンのチャンネル登録者の何割かはVRMMOプレイヤーで、彼の動向を知りたいと思っている人らしいから、多分その人たちだろう。
そうでなくてもネット依存症とか、アイドルの追っかけで仕事を放りだした人も少なくない筈だ。自分も、今でこそ代表候補生として身を立てたが、それも彼のサポートを命じられたからこそ。そうでなければ今も曖昧な将来像に悩まされ、最悪引きこもりになっていたとしてもおかしくない。
とてもではないが、他人事には思えない事情だ。
――だからこそ、彼の事を『身近』と思うのだろう。
自分個人ではなく、大多数の人にとっての『身近』な存在だと。
『一般の人ならさ、誹謗中傷で終わる……いや、そう片づけたらいけない事なんだと思う。社会問題にもなっている事だからな……』
――ただ、さ。
そう彼は、言葉を区切った。どこかやるせない、疲弊の滲んだ声音だ。
『俺の世間での扱いはもう知っているだろう? プライバシーとか、人権とか、そういうのを完全に無視した流れだった。肉体的にも、精神的にも、虐待されてた。ネットで氾濫していた情報を辿れば警察も政府も、地域の行政だって対応は出来たはずだ…………結局、そうはならなかったがな』
配信が、静かになる。
ふぅ――――と、少年の深い呼気が聞こえた。
『そして、第二回モンド・グロッソの日、俺と秋十の誘拐事件は一旦伏せられた。女権が止めていたんだ。ブリュンヒルデの優勝を、たかが男の為に喪いたくない。そんな理由でだ……そのあと、研究所に連れていかれて、脱走して行き倒れたところで今の家に拾われた。皮肉な事に、見捨てられたから俺は助かった。新しい名前を貰って、別人として生きるようになった…………SAO事件を契機に、身バレして、同一人物ってわかったけどな』
『……あの、キバオウっていう人の……』
『――あの世界に法はなく、あるのは個々の人が持つ《モラル》だけ。でも、法があったリアルでも、《出来損ない》に関してはモラルハザードが起きていた。行政は止めず、司法は裁かずだ。その状況を『当然』と思っていたのだとすれば、加害者であるキバオウも、また被害者であると言えるだろう』
抑揚の薄い声音が紡がれていく。
――恐ろしく、冷たい声だ。
どれだけ素直で、優しい性格でも、心の奥底では憎悪の炎が燻っている。そう再認識させられる声音だった。口ではキバオウに同情的だが、内心はそうでない事が声音から伺える。
『ともあれ、現実がそれなんだ。法は俺を守ってくれない。行政も、司法も、政府もだ。法律は人権を謳っているが、政府を構成する”人の意識”は無意識にか、俺を攻撃する。世間もそれを当然だと思っている節がある』
――AI問題と同じだよ。
彼は、そう言い捨てる。
『”人権”と言いはするが、それを守るのは人の意識だ。仮にいまユイ姉やキリカ達の人権を公的に認められても人間の意識はそう簡単には変わらない。変わる訳がない。人の常識と価値観は、そう容易く変わるものじゃないんだ……だから今、俺の立場もかなり曖昧だ。
――アインクラッドは、現実世界の縮図だと聞いたことがある。
仮想世界であろうと女尊男卑を謳う者がいた。システム的ルールの穴を突いて、人を殺すことに快楽を見出す狂人もいた。人を助けることを生きがいとする人がいた。
現実世界も、仮想世界も、ひとしく地獄と評する人がいた。
あの世界の生き証人とも言える彼が言及しているのは、現実世界の事、AI問題の事だけではない。彼自身の問題だけでもない。
この世界を生きる、すべての人が抱える《悪性》について語っているのだ――――
『昔に比べれば、俺の扱いはかなり良い方だよ。でもそれはデスゲームクリアとか、IS撃墜の話題で認められているだけ。そしてそれもいずれ過去の功績になり、風化する。そうなった時、俺に社会的立場がなければどうなる? ……答えは一つだ。客観的に数値化して、評価できるものが何もなければ、俺はまた《出来損ない》の烙印を押される……ふふ、今度はきっと、生身でISを撃墜できる危険人物とでも理由を付けて、処刑されるんじゃないかな。今はVRMMOの方面でも利用価値があるから生かされているだけに過ぎない。いずれ俺を上回る優秀な人がゴロゴロ出てきて、利用価値も無くなって、擁護する必要も無くなる。人権を守る理由が、法律で剥ぎ取られ、世間の評価が守る事を否定する。そうなれば闇に葬られて終わりだ……俺の生殺与奪は、常に
『――――……』
ふるふると、銀髪の少女が震える。
横顔でもわかるくらいの困惑と、恐怖の表情。いま彼が、どんな表情をしているのか――きっと、『何もない』。
『でも俺は、死にたくない。死ぬわけにはいかない理由もある。やらなければならない、責務もある。だから出来ることはなんでもやって、意地汚かろうと生き足掻く。今回の依頼もそう。俺を敵視する人間には売名行為とか、IS業界にすり寄っているとか顰蹙を買っているだろう。それは事実だ。そうでもしないと俺は
冷たく平坦な声音で、皮肉の限りが放たれる。
――静寂が、訪れた。
『――取り乱した、悪い。ともかく俺があの依頼を受けた理由はこんなところだ……これでいいか』
『……ぁ……ぅ、うん…………なんか、その……無神経に、ごめんなさい……』
『気にしていない。それに、謝るのも俺の方だ。その怯えよう……多分俺の目の色、また変わっていただろ』
『う、うん……黒目に、瞳が金色に……』
『……いよいよ制御が利かなくなってきたな…………』
『制御?』
『――いや、こっちの話だ。うん、まぁ、とりあえずまた目が変化してたらすぐ言ってくれ。とにかく取り乱して悪かった……お風呂、行ってくる』
『ぁ、うん……行ってらっしゃい』
セブンが手を振った。ぱたぱたと足音が遠ざかり、ぎぃばたん、という扉の開閉音が連続する。
数秒そちらを見続けていたセブンが、ゆっくりと画面に向き直った。
『……えっと……雑談する気分でも、雰囲気でもなくなっちゃったから……今日は、もう終わります……みんな、ダスヴィダーニャ』
困惑というか、やや泣きの入った顔でそう宣言した後、ライブ動画は二十分程度で終了するという異例の事態で幕を下ろした。
「……色々と、大変そう……」
七色も問題として言われるだろうが、それ以上に和人と、日本の事態、彼を貶めていた者達の行動などが暫くはニュースサイトのトップを席巻するだろう。彼を見下していた者達は、理解を示すことなく反発一色。政府や行政の問題を見て声高に叫ぶが、具体案はなく問題を大きくするだけの人間も少なくない筈だ。
良くも悪くも、彼は世界の《常識》に波紋を齎す一石を、図らずしも投じたという訳だ。
ただ、彼の評価、評判の地盤固めという観点に於いては、ある意味貢献したと言えるのかもしれない。
苦しい結論をどうにか捻くり出して、私は現実逃避気味にベッドに足を向けた。
――余談だが、夜の間に チャンネル登録数は激増していた。
件の動画が『【閲覧注意】同居人の行動の真意と闇【放送事故】』というタイトルに変わったものの、残されていたからだ。
消さなかった理由は、定かではない。
・酷評と顰蹙の違い
酷評:客観的事実、専門的経験・知識に基づく論理的批評
顰蹙:個人の主観、感情に基づいた非論理的意見
・サブタイトル
・セブン放送局
登録数100万人突破の大型チャンネル。
V-tuberセブンこと枳殻七色が現在一人で回している個人チャンネル。【歌姫】全盛期に比べれば活動もファンも減っていて、今は同居人・桐ヶ谷和人の話題が気になっている人が多い。
――実はそれを見越し、和人から七色、七色から世間にという一瞬の情報メディアとして利用している節がある。
情報操作というヤツですネ!(どっかで聞いた事あるハナシ)
最盛期は1000万突破していたとかなんとか(テキトー)
・更識簪
サブカルどっぷりなISヒロインメガネっ子。
セブンの事はどうでもよくて、和人関連でよく配信するからチャンネル登録していた。裏の事情を知っているので、一般人とはやや違う観点、反応を出来る。
知っているからこそ後半は何も言えなくなった。
・枳殻七色
和人の裏の顔を世界に配信しちゃった(part.2)な同居人。
【
炎上系V-tuberになる日も近いかもしれない。
・桐ヶ谷和人
世界に自分の事を配信されちゃった(part.2)な被害者。
今回はずっと画面外にフェードアウトしてる状態でゲスト(意図せず)出演していた。
解説の仕事は実はIS業界に関わる各国からの総意の依頼だった事実。まあそうじゃないとIS学園とは言え試合の解説役を日本の独断でしてれば日本総バッシングですわ() まだ身近な人間である男性・和人が解説役を担う事で、少しでも民衆の関心を引くのが依頼を出すことになった経緯。
それを受けた理由が、和人の後半の
根本的に和人は他人、社会、世界を憎み、信じてないのでね。自分の身は自分で守ると決め、対外的に価値を示し、『無価値=死んでいい』という結果にならないよう自衛手段で動いていた。
図らずもそれを世間に知られた訳だが……
最近感情が制御できなくなって目の暴走度合いがキツくなってきた模様。
制御:元の目の色
暴走:白目金瞳(原作・本作ラウラ)
半暴走:黒目紅瞳(本作オリジナル)
真暴走:黒目金瞳(原作・本作クロエ)