インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~ 作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス
どうも、おはこんばんにちは。
視点:七色、詩乃
字数:約七千
ではどうぞ。
――藍子のCV.は勝手に『坂本真綾さん』(アドミニストレータ、Fate/ジャンヌなど)と思ってます。
「ふぃー……なんとか間に合ったッスねー……」
背凭れ付きのキャスターチェアにぐでっと背中を預けながら男が言う。ここ数日間のデスマーチに等しい仕事量をギリギリの納期でなんとか終えた男・比嘉タケルの声だ。疲労を色濃く滲ませながら、彼は両手をぷらぷらと振っていた。
疲れ切った男の目は力なく、モニターに映る光景に向けられている。
――英雄と相対する十三の機体。
コンセプトは、カウンター・カウンター・ガーディアン。
英雄を『世界に危機が訪れた時に立ち上がる守護者』、すなわち危機に対するカウンター・ガーディアンと定義した時、それに連鎖して活動を始める英雄自体の守護者。同時に、世界を滅ぼしかねない獣性を抑え込む楔。それ故のガーディアン。
あの十三機の内、生身の人間はクロエ一人だけ。他の十二人は全員がフルダイブ技術を用い、無人機を動かしているだけで、あの場には存在していない。
その無人機を、あたし達は用意するのに奔走していた。実際は篠ノ之束博士、茅場晶彦博士の他、神代凛子博士やあたし、比嘉タケルなど、その業界の著名人ら全員が協力していたのだが、天災と天才が別件で抜けた今、残る主力は三人だった。
そして無人機の機体プログラムを主に組んでいたのは比嘉タケルだ。
だからこそ彼の負担が大きくなり、あそこまで疲弊している。
「あのねぇ……比嘉君、もう少しなんとかならなかったの? 流石に突貫作業過ぎるわよ」
「んがー……しょうがないんスよー、凛子先輩。元々エモンシリーズの製作はもっと後期に予定されてたトコを前倒しにしたんスからー」
同じく疲弊している理知的な女性・神代凛子の不満に、比嘉が間延びした声で応じる。
――比嘉が口にした『エモンシリーズ』なる呼称こそ、日本IS競技場にある十二機の無人機の正体だ。
正式名称は『エレクトロアクティブ・マッスルド・オペレーティブ・マシーン』と言い、頭文字を取って『EMOM』、それに一号機の数字を当て嵌めた呼び方が付けられている。菊岡誠二郎がリーダーになって引っ張っていて、和人と自分、茅場博士、篠ノ之博士すらも関わっている計画で必要とされ、政策案が練られていた代物だ。曰く、AIが現実世界で活動する際、動かせる体があった方がいいだろう、と。
データ収集を目的にした初号機は角ばったフレームに突出した関節など、辛うじてヒトガタを保ってはいたが、どちらかというとゴーレムの印象が強かった。
しかしAIを搭載する予定の二号機以降は、AIプログラムに元々重力感覚系の演算式があるためセンサーとバランサーの性能が飛躍的に向上し、外付けの機材を外せるため、もっとスマートになる。バランスを取る時『これくらい傾いたから足をこれくらい伸ばそう』と意識的に考えてる訳でないように、人間やAIにはオートバランサー機能が備わっている。それを機械的に再現したから初号機はゴツくなっただけで、AIを搭載するのであれば、不要になるからだ。
そして二号機以降のエモンシリーズを、篠ノ之博士がIS仕様に改良しつつ、茅場博士と自分とがフルダイブの感覚系演算プログラムが正常に働くよう調整し、比嘉と神代がコア・ネットワーク上でのデータコンバージョン作業を行った。
――それを四日前、エモンシリーズ二号機が試作段階にある状態から突貫作業で進めていたのだ。
躯体とその制御プログラムをISとVRの一人者達が担当したからこその力業。正直、もう二度とこんなデスレースはやりたくない。もっと余裕を持って研究・開発に取り組みたい。
「あぁ……四徹したのって、いつぶりだっけ……?」
ズキズキと疼くこめかみと脳髄。多分いま立ち上がったら立ち眩みで倒れる確信があり、あたしは行儀悪くデスクに突っ伏した。
もぞもぞと蠢きながら、首を回し、モニターを見る。
そこに浮かぶ十三の機体と、それと対峙する黒尽くめの
「このあたしが、ここまでやったんだから……ばっちり決めてよね……和人くん……」
疲労の中に、確かな達成感を覚えながら、あたしの意識は微睡みに沈んでいった。
***
”それ”に詩乃が気付けたのはまったくの偶然だった。
数年前の郵便局強盗事件から、写真や映像、あるいは手を使ったハンドジェスチャーですら『銃』を連想させるものがPTSDの引き金となっていた詩乃は、アニメなどはもちろん、ニュースなども滅多に見ない生活を送ってきた。世界を震撼させた《SAO事件》すら知ったのはデスゲーム化の翌日だった程だ。
とにもかくにも、詩乃にとって『銃』は忌避すべき象徴。
それはSAO時代、須郷信之に捕まり、実験対象にされた時、記憶に刻まれた負の象徴として『あの銃』が選ばれた事からも明らかだ。
朝田詩乃の記憶には、心には、未だ深い傷跡が刻まれているのである。
――しかし、ある転換期を迎えていた。
六月某日。
街中である少年が、ISを纏った四人の女権団によって追い回される事件が起きた。それから幾ばくかしてIS学園学年別個人トーナメントでの襲撃事件が起きた。
そのどちらもニュース、あるいはSNS動画で詳細が視聴でき、自身も仲間達と共にそれを見た。
迂闊だったとは思う。
IS――《インフィニット・ストラトス》は宇宙進出を目的としたマルチフォームスーツだが、現状はあらゆる武器を用い、世界大会を勝ち上がるトーナメントスポーツの側面が強い。そしてその武器には刀剣だけでなく、銃火器をIS用に設えたものも存在していた。
詩乃も《モンド・グロッソ》の存在自体は知っている。だが、それを見た事はないし、女子に人気なIS界隈の雑誌自体にも興味はなかった。銃火器が映っていれば激甚なショック症状が現れる。
そういう意味では小中学校に導入されたIS関連を学ぶ授業は、詩乃にとって鬼門そのものだったと言える。
――だが。
あの二つの事件をこの目で見た時、詩乃をショック症状が襲う事はなかった。あるとしても多少の冷や汗と動悸ほど。過呼吸、全身の硬直、見当識の喪失から失神などは起きなかった。
なぜ、なぜ大丈夫なのか、と当時の詩乃は幾度となく熟考した。その果てに、二つの可能性を見出した。
一つ目は、あの少年が関わっていたから。己の負のイメージを具象化させた空間に踏み込み、親友になった少女と共に叩き起こしに来てくれた人が危険に晒されていたからこそ、五年前のように無我夢中になってショック症状を起こす程の余裕が無かった可能性。
もう一つは、そのニュースや動画を見た時は、仮想世界にいたから。
あの銃弾は、銃口は現実世界のものであり、仮想世界には存在しない。だから自身が傷付けられる事はない……という、無意識の認識。
――ずっと、このままじゃいけない。
銃火器が生活に密接に関わってくる事はかなり少ないだろう。だが、ドラマやアニメはともかく、子供用の玩具やジェスチャーにすら症状を起こすようでは実生活に支障を来す。そうと分かっていながら、しかしどうしたものかとこれまで悩んできた。
だが、思いがけず光明が見えた。
二つの事件を無事に見終えられた要因は定かではないが、しかし少しずつトラウマを直していくには最適ではないかと思った。
そんなときに舞い込んできたのが篠ノ之束博士からの誘いだ。
和人は私達が現場にいる事を望んでいない。しかし、共に戦ってくれる事は望んでいる。それを叶える手段があるとすればどうするか、と。
――現実問題として、私達がIS学園に入学する事は難しい。
学年的な問題はいい。自身の他に、直葉、木綿季、藍子、珪子は今年で高校一年の年齢だが、五人ともが現在中学三年の学年だ。IS学園に編入試験を受けるにあたって来年は丁度タイミングがいい。
しかし、学力の問題がある。
真っ当な手段でなければブーイングを受ける事は想像に難くない。そしてIS学園は倍率一千を超えるほどの超難関校。定員百人余りに対して世界中から希望者を募集しているのだからそれも当然。そして入学するにあたってずっと勉強を続けてきている者はエリートそのもので、半年あるいは二年もデスゲームに閉じ込められていた身にはキツいものがある。
一番の問題として、それを和人は望まないという点があった。
学園襲撃事件のように、IS学園は確かにセキュリティは高いのだろうが、だからといって安全とは言い難い。むしろ襲われるリスクが高いからあれほどの警備体制なのだと今は思う。平行世界の話を聞く限り幾度となく襲撃を受けていたようだし、それを知った上で入学を喜ぶとはとても思えなかった。
その問題を纏めて打破したのが、博士が持ち掛けてきた話だ。
IS学園襲撃時、明日奈の前に現れたという《笑う棺桶》首領PoHが駆った無人機ISの技術を流用し、フルダイブすれば共に戦えて、SEが全損しても私達の肉体は傷付かない――そんな方法がある、と。そしてその機体展開は今後和人を中心に行えるようにする方針だ、と。
和人はあまりに強過ぎる。本人の実力も去ることながら、【無銘】と【黒椿】の実質二つのISを個人で所有しており、それらの能力も強力なのだ。前者はISを一撃で、後者は単一仕様能力を三つ発現した上に機体性能が他を圧倒している。そんなものを持っている彼に、クロエ、楯無、千冬の三人だけで果たして抑え込めるのだろうか、という懸念の声が既に上がっていた。抑えるのなら義理の姉やその仲間達が最適だろう、という声もあったという。襲撃事件を考え、護衛が足りないのではないかという懸念の声も。
それらに纏めて対応できるのが、無人機ISの登用。お披露目の時こそクロエを中心とするが、それ以降は和人に無人機ISを待機状態に変えたものを渡し、有事の際は即座に展開できるようにしておくのだ。私や明日奈などはすぐにダイブ出来ないだろうが、キリカやヴァフスといったAI組はほぼ関係ない。
博士の話は、正に目から鱗だった。
そして、それに私は立候補した。
和人の力になりたいと燻っていた想い。
トラウマを克服したいという切なる願い。
その二つが私を駆り立てた。現実ではただの学生でも、仮想世界ではあのデスゲームを生き抜いた一人なんだという自負が後押しした。
――矢を番える。
朧に光る弦から供給されたエネルギーを纏い、純白に輝く矢。その鏃が強く輝く。
「――ハァッ!」
バシュッ、と鋭い音と共に矢が射出される。矢はある程度飛んだところで光を解放。純白のエネルギーは細かく分裂し、散弾の如く対象――【黒椿】を追い詰める。
しかし神速で振るわれた黒刀でその悉くが切り裂かれ、その刀身に取り込まれた。
――イタチごっこもいいとこね、これは……
内心唸りながら再構築した矢をまた番える。
自分が駆る機体【アーチャー】に備えられた蒼い長弓《アニヒレート・レイ》は弓自体がエネルギーを供給している訳ではない。ISのスラスターやエネルギー兵装が空間に放出するエネルギーを吸収し、それを弦を介して矢に供給する事で真価を発揮する。瞬時加速もスラスターに吐き出したエネルギーを再吸収し、連続噴射させる事でトップスピードへ一気に加速する技術で、その技術を武器に応用したものがコレだ。
しかし――それは、なにも私だけの特殊武装という訳ではない。
どのISも瞬時加速が可能なように、少し開発者が頑張れば同じ機能を持った武器は幾らでも出来上がる。
事実、彼が持つ黒刀は、正にその機能を有していた。
あの黒刀もまた、周囲に霧散されたエネルギー吸収能力を持っている。戦闘時間が長引けば長引くほどエネルギーは機体に蓄積していく。そして解放した時の威力が格段に高くなる。秋十を倒した闇の一撃は、先に《月牙天衝》というエネルギーそのものの攻撃を三度撃たれ、空気中に霧散していた分を吸収しての一撃だった。《零落白夜》や《月牙天衝》が自身の内側から発生するエネルギーを用いるのであれば、彼の《虚月閃》は自身の外側のエネルギーを流用するという事だ。
無論SEをそのまま攻撃用に転換しているので、彼の《虚月閃》も私の矢も、効果自体は《零落白夜》のそれと同じ。ただ供給源が自身のSEか、空間に漂うSEかという違いだけだ。
そして今、場のリソースは際限なく供給されている。
「我らの力はここにありて! 《
紺色の騎士装を纏うランが、細剣の代わりに持った物を天に突き上げる。
それは旗だ。
軍旗のように大きな布をはためかせ、先端が槍の穂先になっているそれが大きく振るわれる。すると穂先から優しい光が溢れ、アリーナ中に展開している味方へと降り注ぎ、減少したSEを回復していく。更にそれがトリガーとなって機体性能のロックが外れ、パワー、スピードが更に向上する。
「ハハッ、アハハハハハッ! 上がってきた上がってきたッ!!!」
「さぁ行くよキリトォッ!!!」
「ッ……この戦闘狂どもがッ!」
哄笑を上げる瓜二つの女将軍達。仲間になって早二ヵ月、長らく放置され燻っていた二人が思い切り愉しんでいるのは誰が見ても明らかだった。
和人は歯噛みしながら――けれど顔には凄絶な笑みを浮かべて――黒刀を振るい、往なしていく。
「参りますッ!」
「アタシふっかーつ! さっきはよくもやってくれたなー!」
その背後から、頭上から、二人の義姉が襲い掛かる。どちらもさっき落とされていたが、ランが掲げた《武勇の旗》によるSE供給で復帰したらしい。
これがあの旗の恐ろしいところなのだ。
機体性能アップも強力だが、SE回復、更に全損機体の復帰までも距離が離れた状態で可能にしてしまう。IS同士のSEの受け渡しは理論上可能とされるが、それは余程息を合わせた上で装甲同士を触れ合わせて初めて実現する事。距離が離れた状態でSEを供給する兵装はこれまで無かったと聞いている。
「行くぞオリジナルッ!」
絶大なバフを受けたキリカが長剣を手に肉薄していく。
ヴァフス、オルタ、ユイ、ストレア、そしてキリカというAI五人組による連携攻撃。さしもの和人も黒刀一本で往なすのは限界らしく、大きく回避行動を取り始める。
だが――
「手加減なしよ」
「気が引けるけど、全力で行くからね!」
退路を断つようにリーファとユウキ――片手剣使い最強と称される二人組が立ちはだかった。片や剣の鬼、片や絶対無敵の剣と言われる実力者。和人をして一対一では勝ち星がないという二人だ。
この連携は、アスナが指示した事。流石血盟騎士団の元副団長だ。
その二人を見て、彼の顔から笑みが薄れる――――
「――私を忘れないでよ」
「わたしもね!」
私と、復帰したばかりのレインが声を揃え、攻撃を開始した。
射った矢から光が分裂し、そこを無数の鉄剣が雨のように襲撃する。彼女の代名詞たる《サウザンド・レイン》、その再現。
私達の絨毯爆撃を前に、しかしユイやヴァフス達は距離を取らない。ランの掲げる旗の効果で被弾した傍から回復するからだ。俗にいうゾンビアタックという戦法らしい。必至に防御と回避をこなす和人に対し、執拗なまでに攻撃を繰り返している。
「――舐めるなァッ!」
そこで、我慢の限界かのように彼が声を張り上げる。黒刀から闇が噴き出し、周囲に振るわれ、彼を守る障壁となった。《零落白夜》の壁だ。
いかに回復するとは言えそれをまともに受ければタダでは済まない。
彼の黒刀は《アニヒレート・レイ》の上位互換。【無銘】や【黒椿】など自機のSEは消費しないが、周囲の空間と、斬りつけた相手のSEをも吸収し、自身の攻撃力へと変えてしまう。《零落白夜》程ではないが普通の斬撃すらも場合によっては致命傷になり得るのだ。無論自身のSEも注ぎ込めるから、無限回復の《覇導絶封》を発動すれば最早手を付けられない。
更に《虚月閃》を敢えて纏わせた状態で斬られれば……考えるだに恐ろしい。
だからこそみんなは距離を取った。
――そこに。
「ゲイ――――ボルグッ!!!」
これまでずっと息を潜めていたサチが、深紅の魔槍を投擲した。
機体がモーションを検出し、ソードスキル・アシストが働く。彼女の腕部装甲に作られた《展開装甲》から激烈なエネルギーが噴射された。紅色の光がアリーナを斜め上に飛翔する。
行きつく先は闇に覆われた壁の中。
「流石だな」
闇の中から、罅割れた声が聞こえてきた。
そう思った時、世界は紅と黒に二分されていた。闇を突き進む紅。紅を飲み込まんとする闇。結果は闇の勝ちだった。紅は呑まれ、弾き飛ばされた。しかし瞬時に粒子へと解け、サチの手元に戻る。
闇の中から影が現れる。
――白い仮面に、黒目金瞳。
先の鎧の上から、ユイと同じフード付き黒コートを纏っている。【黒椿】から更に【無銘】も同時展開したという事だ。それも本気も本気、出し惜しみなしの全力状態。
【アーチャー】がその危険度を伝えてくる。
《
理論上、現状最強と目される形態だ。
――ちり、と記憶が疼いた。
見た事がある。
その姿を。
この光景を。
なぜなら、七十五層の闘技場で出てきた過去の彼の姿と酷似していた。あの仮面も、展開している武装も。黒剣と翠剣、二本の黒刀が付け足されているだけ。
――過去を思い出したあの戦いが、脳裏に蘇る。
そして歓喜に震えた。
あの存在は、『最強』の前にしか現れないとされていた。
しかし今、私の目の前にいるのは、その『最強』をも超え、さらに成長を遂げた英雄だ。
私達は一人では”彼”に敵わないのかもしれない。
だけど、弱気になんてなってられない。
――私達が戦っているのは、私達が彼の抑止力足り得ることを世界に証明するため。
ならば暴走し、力の制限を無視した時になるだろう最強状態を下せなければ意味がない。
ならばこそ私達はこれを超えなければならない。
その思いは同じなのだろう。誰からともなく、私達は一度距離を取り、身構えた。心境はフロアボスと対峙した時以上の緊迫感。
死ぬことはない。
それでも――それでも、あの世界にいた時よりも、緊張感と高揚感を抱いている自分がいる。
でもそれは当然だ。
今から私達は、最強へと挑戦するのだから――――!
「《
銀鏡仕上げの細剣を振るい、アスナが号令を下した。
・SAO闘技場
見てるだけだった。
でも今は、立ち向かう側になれている。
・詩乃のトラウマ
本作現時点ではまだ解消されておらず、従って各事件の詳細は見れない。
しかし詩乃はしっかり知っている。仮想世界であれば銃火器に対する恐怖心が薄れる――という原作要素があるためである。
そのため仮想世界を介してであれば、詩乃は無人機を操り、ISの戦いに参入できる。
……まぁ、『あの銃』を見たらまだショックが起きますが。
・EMOMシリーズ
原作11巻にて登場する人型メカ。
原作では『イチエモン』とされ、最終的にアリスが現実で使用する躯体の素体となった代物。
本作では無人機技術を流用し、IS機体の素体に使われている。バランサー関係はフルダイブ技術とプレイヤーで解決する上、人間が登場する必要が無い分、小型化に成功している。
――ぶっちゃけこの時点で本作アリスが使う素体が完成したと言っても過言ではない。
ま、まぁ、束、茅場、七色、比嘉、神代が全面協力すればこれくらい不可能じゃないでしょ(震え)
ちなみに原作アリシゼーションは作中時間で次の年に起こるもので、その時点でイチエモンのデータ収集段階だったので、一年以上予定が前倒しになっている(冒頭の比嘉、神代の愚痴はそれ)
・
原作プログレッシブ、また本作のSAO第五層フロアボスのLAボーナス。
本作ではキリトの手により破壊された代物。元は旗に登録したギルドの団員にだけ効果があるバフを、旗を突き立てた地点半径二十メートル内に付与する代物。攻撃、防御、状態異常耐性バフを時間無制限で掛けられた。
今話ではそれに加え、遠距離SE回復装備に。
――機械である以上再現性ないとおかしいですし。
【黒椿】が発現した《覇導絶封》を流用し、搭載されたのがこの旗。まあこれくらいないと暴走和人を止められるわけがないよねって……
・紺野藍子
坂本真綾ボイスで旗を振るった人。
それなんて聖女? 夏にはイルカやサメを従えてるかもですね……お前も家族だ(姉ビーム)
・《
抑止力に対する抑止力。
キリトを『
今話ではクロエを中心にしているが、以降は和人が待機形態を所持する。
十三人なのは《ⅩⅢ》とFate/円卓の騎士、また本作SAO後期の《攻略組》の円卓幹部会議と掛けている。
ちなみにヴァベルもその一人だが、隠し玉なので隠れている。十三人構成は対外的に『和人orクロエを含めた人数』という解釈だが、実際は『和人、クロエを含めず、ヴァベルを含んだ人数』。
まあ普段は『和人をリーダーとした十三人組織』という見方になるので大差はないでしょう(ヴァベルがジョーカーな事以外は)
構成員の名称は以下の通り。
・キリト【アヴェンジャー】(構成員外)
・ユウキ【セイバー】(剣士)
・サチ【ランサー】(槍使い)
・シノン【アーチャー】(弓使い)
・レイン【キャスター】(鍛冶師)
・ユイ【ライダー】(多くの武器を使う)
・リーファ【アサシン】(一振一殺)
・アスナ【バーサーカーⅠ】(バーサクヒーラー)
・ストレア【バーサーカーⅡ】(力任せ)
・ヴァフス【バーサーカーⅢ】(戦闘狂)
・ラン【ルーラー】(旗聖女)
・キリカ【アルターエゴⅠ】(別側面)
・オルタ【アルターエゴⅡ】(別側面)
・ヴァベル【フォーリナー】(平行世界の存在)
地味にメインヒロイン組で七騎士揃ったというね()
・《アニヒレート・レイ》
原作では《太陽神ソルス》アカウントに紐付けられたGM装備。
周囲のリソースを吸収し、弦を強く引く事で攻撃強度、射角で攻撃範囲を決定する。全力攻撃は五千人の敵兵を纏めて倒す《広範囲殲滅攻撃》を可能とする。
本作では【アーチャー】シノンの装備として先に登場。
空気中に霧散したSEを吸収、貯蓄し、それを攻性エネルギーとして射出する。機体のスラスターから出るエネルギーも再利用可能なので枯渇は高速機動中くらい。
・無銘の黒刀
和人が持つ【黒椿】の黒刀の贋作。
《万象絶解》を発動する事は出来ないが、大気中、敵機のシールドバリアを介してSEを吸収し、刀身に貯蓄する機能は健在。虚月閃はそれを一気に放出する技能の名称。
BLEACHアニオリキャラ『九条望実』の斬魄刀『
当然だが、《零落白夜》の天敵である。《月牙天衝》は自分には当たらないよう躱しつつ刀身を触れさせれば簡単に回収できるからもっと天敵になる。
《万象絶解》が物理無効、原子切断能力なので、上記の機能と合わせるとこの刀一本で物理、エネルギー両方が無力化されることに。
日本刀に恨みでもあるんですかね(すっとぼけ)