インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

418 / 446


 どうも、おはこんばんにちは

 今話も説明回(ゆるして……)

視点:キリカ

字数:約七千

 ではどうぞ




第三十八話 ~再来する負の世界~

 

 

 四つあるサーバーデータを統一化(ユニフィケーション)され、謂わば新生アイングラウンドと言うべき世界になったこの大地は、異世界と言っていい状態だった。

 四サーバーに分けられていたプレイヤーの集合。ログイン率や電子ドラッグ使用疑いの検挙、BANなどを考慮するに最大二万のところ五千もいるかどうかなので、今までの一サーバーと変わりなくはあるのだが、最たる変化と言えばオレンジ、ブルーなどの犯罪者プレイヤーの激増と言えよう。元居たサーバーではオリジナルや俺が抑止力になっていたから少なかったが、他はモラルハザードを来し、まともにプレイできるような環境ではなかった。そこにきて統一化が行われ、十把一絡げに一つの仮想世界に纏まったのだから、善人悪人の比率が著しく変動した事はある意味当然と言えた。

 更にこの統一化は、いいとこどりをしたものである事も調査の結果判明した。

 例を挙げるなら、二度と復活しないユニーク設定されたNPC達の有無。他サーバーではMPKの的にされ、使い捨てとして格好のエサに使われていた彼らは、俺がいたサーバーとの統一化を経て元のユニーク設定NPCに戻っていた。

 これに味を占め、俺達の手が回らないスピードで次々とNPC達が圏外に連れ出され、時にはモンスターの囮として、時には直接手を下すものも現れ、街からは続々と固有ネームを持つNPC達が補充された汎用NPCへと置き換わっていった。

 それは、俺がかつて救い、プレミアも懐いていた武具屋の女性店主も例外ではなかった。

 朴訥そうな青年に置き換わり、こちらへ初対面の挨拶と、女性店主よりもパターンの少ない事務的な会話を経て、プレミアも直感的に事態の真相を把握したらしい。重い足取りでホームに戻った彼女は悲痛な表情をしていた。

 

 そうして日を跨いだころ、漸くリアルの暴動が一段落したと、オリジナルもSA:Oにログインしてきた。

 

「状況は七色や博士達から一通り聞いてる。相当悪いようだな」

 

 リズベットのホーム2階に集まった仲間達の顔から、実際にどれくらい悪いか察しがついたらしいオリジナルの声音は重かった。

 それに答えるように、クラインが表情を歪めながら口を開く。

 

「……悪いなんてモンじゃねぇ。どこもかしこも、オレンジやブルー共ばかりだ。幸い良識あるプレイヤーもそれなりにいるけどよ、もうまともにプレイを続けられる状況じゃねぇ。NPCを囮にしての狩りなんてザラ。それを止めようとすれば、狙ったみてぇに群がってくる始末だ。理性なんてカケラも見えやしねぇ」

 

 思い出すだけで苛立ってきたのか、額に皺を作るくらい更に強く表情を歪めて言うクラインに、オリジナルが然もありなんと頷いた。

 

「リアル側で得た情報だが、アレは試金石だ。須郷の実験のな」

「須郷の……? そんな事がなんでわかるんだ?」

「以前の脱獄劇から警戒して、更識経由で食事に発信機になるナノマシンを投与しておいた。暴徒鎮圧が済んだ後、ナノマシン頼りに位置を特定し、即行捕縛。それでさっき《STL》の審問を使って大体の作戦を把握できたんだ」

「STLの……って、アレかぁ……」

 

 オリジナルの話を聞いた七色が、虚空を見上げながら苦笑を漏らす。俺も聞き知った限りだが、脳に刺激を与えて情景を想起させ、問答無用で情報を抜き出すという、Yes/Noのウソ発見器を発展させた尋問らしい。つまり嘘は吐けないし、言ってはならないと意識するほどに相手に伝わってしまう拷問なのだ。

 それを使い、須郷の脳内計画や秘密裡に動いていた計画を把握したオリジナルは、リアル側にそのための指示を出し、手が空いて一先ずこちらに顔を出したようだった。

 流石に尋問の事は暈していたが、凡そ把握している面々も遠い眼をしていた。

 絶対的に敵に回しちゃいけないなぁとか、そういう事を考えているに違いない。

 

「俺がついさっき把握した限り、そもそもこの《SA:O》製作も茅場や俺を陥れる罠だったらしい」

 

 オリジナルは最初に爆弾をほうり放げてきた。その中には驚く者もいれば、数時間前に陰謀論として挙がっていた事もあり冷静な者もいた。

 

「反VR派。女権団の残党。あとは個人的に織斑や俺に恨みを持つ者達。それらと政府高官や、VR関係で売れ行きの怪しくなった電気企業メーカーの責任者達が結託し、まずは人々から反感を買いやすいデスゲームのデータを移植したゲームを開発。そこに俺達を加え、裏で志崎らを暗躍させ大問題を起こす事で失脚させるのが狙いだったらしいな」

「よ、よくそこまで調べたね……」

「須郷捕縛ついでに協力してたどこぞの構成員も審問したから。後は更識や束博士の情報網」

「ああ……」

 

 引き攣っていたユウキは、返答を聞いて納得の顔で頷いた。前者――特に構成員がそこまで知るはずないだろうと思っていただけに、後付けで出された後者の方は信憑性に足る情報源だ。これで納得しない方が嘘である。

 

「いま菊岡も、《SA:O》製作を提案、主導していた役人のリストアップをしてくれてる。捕縛した須郷、構成員から内通者も割れたし、束博士や更識家の情報網を使って証拠を集めてくれてるから、俺が逮捕された例の殺人も絡め、遠からずデカい裁判でも起きそうだな。それまでは暫く《ユーミル》が誹謗中傷の標的だろうけど」

「んー……でも、ここまで来ると裁判が起きようと起きまいとに関わらず、《SA:O》はおろか、《ALO》も終わっちゃいそうだよね……」

 

 しょんぼりと肩を落とすアスナ。

 確かに、《SA:O》の製作そのものが国ぐるみの悪事だった事が明白になったとしても、それをプレイしていた人達のモラルによってプレイ環境はボロボロになり、運営も先行かなくなってしまった。

 電子ドラッグの温床化。

 AINPCの人権問題の克明化。

 それらをややこしくする、悲しき遺産・浮遊城アインクラッド。

 これらの事実を好転させない限り、SA:Oはおろか、今後のVRMMOの繁栄はあり得ない。衰退、廃絶という連中の思惑通りの結果になってしまうだろう。

 

「いや、そう判断するには早いと俺は思うよ」

 

 場が沈む空気を払拭したのは、オリジナルの芯の通った否定の声だった。どういう意味だと三々五々、徐に顔を上げて注目をする中、銀髪金瞳の少年は胸を張って微笑んだ。

 

「むしろ好機だろう。AIは、人の消耗品でも、言いなりの人形でもないと証明する機会だ。今回の事態は人の悪意が招いたものだ。その悪意もまた人が払いのけるべきなんだろうが――未来を切り開くのは、この世界を生きる人たるAI達だ」

 

 そう言ってオリジナルの視線が逸れる。その先には、話を不安げに聞いていた巫女プレミアと、不可解げながらも聞く姿勢を取り続ける巫女ティアの姿があった。

 その後、オリジナルは俺を見た。

 

「キリカ。お前は、もう人間()じゃない。俺とは違う道を歩み始めた別のAI(人間)だ。その上で問う」

 

 そう前置きしたオリジナルは、まっすぐとこちらを見据え――

 

 

 

「お前はどうしたい?」

 

 

 

「――――」

 

 その問いに、すぐに答えを返す事は出来なかった。

 『どうしたい』――たった五文字のその問いには、あまりに多くの意味が込められていた。

 人の悪意に満ちた世界を救うのか。

 ――未だ心の底に巣食い、超克し得ていない憎悪に、どう向き合うのか。

 それは謂わば、先達からの思いやりだった。かつて同じ難問に直面し、そして答えを出し、悪辣さに満ちる世界を、それでも大切な人達のために救う決意を固めた先達(オリジナル)からのまっすぐな問いかけだった。

 究極の二択だった。

 簡潔な二択だった。

 人々――プレイヤーの悪意を退け、プレミア達のために剣を取って戦うか。

 プレイヤーの悪意に迎合し、娯楽を喪い、失意に堕ち、生き場のなくなった悪意を貪り、鬼へと堕ちるか。

 

 ――本音を言えば、憎しみは捨てられない。

 

 電子コードとして忠実過ぎる故だろう。人だった頃よりもより顕著に、鮮明に思い出し、胸中を占めるその想いを無視し続ける事は、恐らく不可能だと自覚している。

 人を視た時、幾度斬りたいと願った事か。

 嗚呼、怨みに怨んだ我が身だが、その願いを自覚する時だけはAIになった事を感謝すらしていた。だって圏外でどれだけ人を斬っても本当の人殺しになり、終わりを迎えないのだから。

 この世界は所詮仮初め。

 人間が娯楽を求めて作り出した、仮想世界。仮初めの命を奪ったところでこの憎しみは決して言えない。

 俺はもう、二度と言えない憎しみを抱え、生きていくしか残されていない。

 

 ――だというのに、現実で《アバター》を得た時に、どうして動かなかったのか。

 

 無力で、非力で、生身の人間を殺める恰好な瞬間は幾度もあった。それでも、そうしなかった。

 家族の幸せのためと、そう言い訳して自らを押し殺した。

 その無聊を慰めるように、仮想世界では敵Mobや敵対プレイヤーを斬っていた。それでも満たされる事は無く、どこか俺は無気力に、まるで世捨て人のように生きた。

 

 そんな俺にも『生き甲斐』と言える事はあった。

 

 ……結局のところ。

 俺は、どこまで言っても『桐ヶ谷和人(オリムライチカ)』なのだろう。他者を助ける事に喜んでしまう。

 それが家族や仲間なら、喜びは一入だ。

 

 ――もう意地を張っても、無駄なんだろう。

 

 そう悟るには十分だった。

 本当に世界を、何もかもを憎み続けていれば、プレミアにここまで優しく接してなんていない。

 オリジナルは復讐は二の次で、その意欲を守る力の糧として昇華する事で克服したというが。

 別人になって一度は全てを喪い、けれどその上で受け居られ、別の形とは言え全てを取り戻せた俺は、十分過ぎるほどに満足していた。復讐なんて、忘れてしまう程に。

 

「……そう、だな」

 

 間を開けて声を出した俺は、視線をプレミアへ映した。キョトンと小首を愛らしく傾げた少女は、無垢な視線を投げかけてくる。

 

「俺は、お前とは違う。一度は全てを喪って……でも、大切な仲間の下に帰れて、喜びを得た。俺はそのために戦うよ」

 

 そう言って、トコトコと近づいてきたプレミアの頭をゆっくり撫でる。

 

「誰かを怨むのは……もう、疲れたからな」

 

 そう、天井を振り仰ぎながら呟く。

 これは予想だが……SAO時代、価値観の板挟みで自己崩壊を来した時、俺の中の何かは既に壊れていた。元の立ち位置に戻り、仲間達との関係性を取り戻したいという欲求も薄かった。同じ人間でないから無理――そういう先入観があったのだ。

 だから同じように復讐心も、怨みも、同じように薄れたのだと思う。

 怨み骨髄だった怨敵・秋十をオリジナル自身の手で――事情があったとはいえ――大義名分を持って討ち、復讐を遂げた事も大きいだろう。社会的復権も成り、かつてとは状況も違う。ずっと引っ張り続ける意味も薄かった。

 今はただ、義姉がいて、友人達が居て、俺を師と慕うプレミアがいて。

 なんだかんだ俺は幸せだった。

 

「俺は、俺の幸せのために戦うよ、この世界で」

 

 もしも、オリジナルがその道を阻む事になれば、その時は刃を交えるだろう。

 けれどその未来は無いと確信している。俺達にとって”幸せ”とは――やはり、同じ人達の幸せだからだ。

 

「――そうか」

 

 どこまで察したかは分からないが、それでも凡そは分かったのか、オリジナルは柔らかく微笑んだ。

 

「その話、俺様も乗っからせてもらうぜ! つーかここまで来て途中下車しろとか言うはずないよなぁ?!」

 

 そう割り込んだのはクラインだった。微妙な空気に耐えかねたのか、ムードメーカーらしさを存分に発揮してのその発言は、正直有難い限りだった。

 有難くそれに乗っからせてもらうべく、視線を人懐こい笑みを浮かべる青年に向ける。

 

「勿論だ。クライン達の事は当てにしてるよ」

 

 そう言って、話を見守っていた皆にも視線を巡らせると、ユウキやシノン、サチ、アルゴ、ケイタ達も思い思いに喜びを露わにしていた。

 そんな中、くい、と服の袖を引っ張られる。引っ張ったのはプレミアだった。

 

「キリカ、私も力になります」

「え……」

 

 プレミアのその言葉に、俺は即座に応じられなかった。

 なにせプレミアはプレイヤーの俺達と違い、正真正銘のこの世界の住人。HPがゼロになれば本当に死んでしまう。そうさせたくないから戦うのに、彼女を参加させ、結果死なせてしまっては本末転倒だ。

 そう悩む俺を他所に、プレミアはこれまで見た事ないくらい真剣な面持ちで俺を見つめてきた。

 

「確かに、死ぬのは怖いです。でもみんなと会えなくなるのはもっと嫌です。私はキリカ達ともっとたくさんの景色を見たい。いっぱいご飯を食べて、いっぱい冒険をしたいんです。何もしないで死ぬくらいなら、私は、私なりに生きた上で、精いっぱいい生きてから死にたいです」

「プレミア……お前……」

 

 プレミアらしからぬ珍しい長広舌。それは、最初は無垢そのものだった彼女の、俺達プレイヤーに感化された”プレミア”という一人の少女の成長だった。

 最初はおそらくカーディナルの操り人形に過ぎなかった筈なのに……

 その驚くべき成長に、俺達は瞠目した。

 

「ティアはどうする。俺はあちら側に時間を取られるだろうから、キリカ達のようにあまりこっちには居られない」

「……なら、私はこのホームの中にいる。冒険者は、人間は……信用できないから」

 

 そう言って、プレミアよりも幾分鋭い目つきをこちらに向けた泣き黒子の無い巫女ティアは部屋を出て行った。階段を上っていく音から察するに宛がわれている自室に向かったらしい。

 やはり最初期に自身を助けた人――オリジナルにしか、まだ心を許していないようだ。

 人間不信になる気持ちは痛く理解できるため、俺もオリジナルも、彼女の背を見送るばかりだった。

 

 

「しかし、これからどうするんだ? あの浮遊城に行く手段が無いのには変わりないぞ」

 

 暫くして、沈黙を破るように言ったのはエギルだった。実際問題、事を解決するにしてもALOと違って空を飛べるわけも無いし、《ⅩⅢ》のように風の力を扱える武器も持っていない以上、異常事態の原因ともいえるあの城へ行く手段はない。あるとすれば転移門だろうが、一度現地に行かなければ有効化(アクティベート)出来ない性質上、話はやはり振り出しだ。

 それに答えたのは、やはりオリジナルだった。

 

統一化(ユニフィケーション)については俺も聞いた。現状、SA:Oのクエスト状況は、他サーバーのものとごちゃごちゃになってるらしい。それは聖石クエストも変わらない。他サーバーで巫女と聖石を揃えた上で無理矢理製作途中のグラウンドクエストを起動した結果、アインクラッドの創造も実は半端らしい」

「んじゃあ、俺達で残り一つの聖石を見つけ出して、プレミアちゃん達に願ってもらえばいいって訳か?」

 

 腕を組みながらエギルが疑問を呈するが、オリジナルはいや、と首を振った。

 

「本来個々で管理されるクエストが、未実装版ということもあり、誰でも進められるようになった。その状態で上書きされたからもう《グラウンドクエスト》は誰でも進行可能状態だ。むしろこっちのサーバーのプレミア、ティアがキリカと俺にしかクエストを出さない状況が異常だったんだ」

 

 普通に考えれば、アカウントIDに紐づけられるのだから特定個人にしかクエストを出さないのは当たり前なのだが、バグか何かのせいで普通と異常の逆転現象が起きていたという事らしい。

 

「ともあれ、もう聖石を探す必要は無い。七色に呼び掛けて、直接アインクラッドに転移し、問題のSAO再現モジュールを食い止めればいい話だ」

 

 そうオリジナルが言うと、でもさ、シノンが怪訝な面持ちで口を挟んだ。

 

「そもそもの話、そのモジュールを運営が何とかしちゃえばいいんじゃないの?」

「やってない訳ないだろう? だから政府に運営中止を上申したんだ」

 

 却下されたけど、とやや苛立ち気味に言うオリジナル。相当腹に据えかねているものがあるらしい。まあこの騒動を引き起こしたのが、SA:O制作を主導していた者で、それが須郷や電子ドラッグ売人の志崎と繋がっている事を知って、苛立ちを抱かない方が難しいか。

 いま俺達はまんまと連中の掌の上で踊り、足掻いているところ。

 そう考えると、AIの俺もムカムカとする感情コードが構築され始めてきた気がした。

 今でこそ物証が揃っていないが、揃った暁には盛大に法廷で争う事になるだろう。《ユーミル》にはそれ専用の法務部という部署がある。オリジナルと協力している八神探偵、束博士、更識家の情報網があればそれも難しくない筈だ。

 そう考えていると、次の疑問を投げる人がいた。レインだ。

 

「ねぇねぇ、そのモジュールって、プレイヤーが倒せるような相手として顔を出してくれるのかな。プログラミングが出来る人じゃないとどうにもならないんじゃない?」

「それは大丈夫のはずだ。《ホロウ・エリア》の例があるように、どうもカーディナルは計画の可否をプレイヤーの戦闘結果で決めている節がある。もしダメそうだったら束博士に頼んで、俺が電脳ダイブして、邪魔なモジュールを実体化させて消去できるように掛け合うよ」

「ふぅむ、それなら安心かなぁ。実際に戦えないとわたしなんかじゃ力になれないから心配でさぁ」

 

 ほんわかと話すレイン。その実力は、一時期はALO最強と言われたスメラギを圧倒するので、間違いなく上位に位置しているのだが……彼女が言うと、他の人の立つ瀬がない。

 似たような事を思ったのか、サチやケイタ達が微妙な表情を浮かべていた。

 

「ともあれ、《ユーミル》へのバッシングも酷いから、短期決着を目指すぞ。これから一時間設けるから、その間にアイテム補充と装備品の確認を。一応俺も同行するけど、リアルで動きがあると抜けるから――リーダーはキリカ、頼んだぞ」

「ああ、任せろ」

 

 そう返すと、ふっとオリジナルは不敵な笑みを浮かべた。

 

 その後、俺達は各々が商店街に繰り出した。道中で浮遊城の出現についてとか、バッシングを受けたりもしたが、ある程度は往なし、ほとんどを無視する形で用意を済ませていった。

 

 決戦の時は、刻一刻と近づいていた。

 

 

 






・SA:Oの制作経緯
政府(VR肯定派):VRMMO発展のため
菊岡:トップダウン型AIの限界実験のため
茅場:現実で浮遊城を想像するための試金石
七色:通信アプリ、ISとVR技術の架け橋の経験積み
和人:きな臭さを感じて依頼を受けたため

政府(反VR派):肯定派を一気に蹴落とすための罠
 ……アリシゼーション編で、オーシャン・タートル襲撃に加担した防衛省高官ポジ


・本作のSA:O
 治安崩壊した他サーバーと一つになって超絶治安が悪い
 3割弱がマトモ、他は非マナープレイ上等。この七割強が脱獄している間の須郷の影響を受けている者達
 空には中途半端な浮遊城アインクラッドが浮いている


・原典ホロリアのアインクラッド
 ジェネシスに心酔していたティアが、キリトにジェネシスを破られ、自身に優しくしてくれた人が居なくなった=残るは拒絶する人間ばかりの世界に嫌悪を抱き、本来二人で祈りを捧げるプロセスを一人で成し遂げた
 その結果半端な形の浮遊城の創成となった

 つまり本作SA:Oのアインクラッドも、巫女が一人で行ったものの可能性がある
 プレミア、ティアでないならいったい誰が……?(遠い眼)


・須郷信之
 二度目脱獄していたが、描写も無く捕まった哀れな男
 脱獄している間にまた悪事を働いていたが、《STL》による強制連想で全て把握されてしまっている
 プレミアやアリスの手前、『審問』とは言ってるがキリカの地の文であるように実質は拷問。今後の出番は無いに等しい


・志崎俊介/シギル
 元SA:O開発陣にして現電子ドラッグ売人
 まだ逮捕されていないが、須郷も捕まえたし、和人が動くと時間の問題


・キリカ
 キリトと違う道を歩む者
 自分が直接手を下したわけではないが、怨敵・秋十をかつての自身が殺し、復讐は為されている状態。それに加え、『復讐心に燃える立場』も奪われた経緯から固執しなくなっていた状況
 そこに来てプレミアという、キリトではなく自身に懐いている少女の存在により、新たな可能性への道を踏み出した
 義姉の叱責もなく、諦観で生きていた中、大切なものを認識した事でオリジナルと同じ結論に行きつく――それはやはり、根はやさしい人間性の顕れなのかもしれない


・キリト
 現実と仮想で忙しい主人公
 前々から気に掛けていたが、義姉ユイ達が支え、そしてキリカ自身が『守りたい』と相手が出来た事で安定した事を見て、一つ肩の荷が下りた気分
 溢れ出る前作主人公感
 ちなみに裏では須郷を拷問し、束、楯無らと腹黒い謀略を企て、事態解決を図ろうとしていたりする


 では、次話にてお会いしましょう

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。