インフィニット・オンライン ~孤高の剣士~   作:黒ヶ谷・ユーリ・メリディエス

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 どうも、おはこんばんにちは

 今のティアは、ユイが地下迷宮で全てを思い出した時とほぼ同じ状態です

 そんなティアの内面のお話。振り返りの意味合いもあります。あと今話の後書きは情報整理が主です

視点:ティア

字数:約六千

 ではどうぞ





幕間之物語:(ぎんの)(かんなぎ)編 ~生まれる螺旋~

 

 

 私が自分の体に戻って、それを喜んで涙したキリトが落ち着いた後、私達はその場に暫く留まっていた。

 理由は二つ。

 一つ目は私もキリトもお互いに消耗していたから。肉体、精神ともに疲弊していたため、休息を余儀なくされた。

 二つ目は、私が負の力(シンイ)を扱えるようにならなければならなかったためだ。

 ホロウ・キリトの助けもあって己を見出したのは事実だ。彼が言ったように、私の意識がこの体に戻った瞬間、それまで体を乗っ取っていたこの世界の負(クラウド・ブレイン)から制御権を奪い返せた。

 だがそれは、己を見出し、見失わないでいる今だけの話。

 負との繋がりが途切れた訳ではない。グラウンドクエストの重要な役割である《聖石の女神》や《聖大樹の巫女》として関わっている以上、最早私とあの負とは切っても切れぬ強い繋がりが生まれてしまっている。それのせいで先刻、私は負に呑まれ変質してしまったのだ。

 

 変質の影響はいまも色濃く残っている。

 

 それは自分の体を見下ろせば一目瞭然だ。負の支配から逃れた今でも変わらない成長した肉体、白から反転した禍々しい黒の巫女装束、髪も銀色に変わり明らかに長くなっている。瞳の色は赤から青に戻ったらしいが、元々の姿を考えれば変質したままの部分の方が圧倒的多数だった。

 キリト曰く、この姿でも安定した前例があるらしいので深刻になる必要はないとのこと。

 しかしそれも、この世界――《アイングラウンド》に潜むあの”闇”を対処すればの話。支配から逃れただけの私はいつまた支配されるかも分からない。

 だからこそ、私は早急にシンイの扱いを覚えなければならなかった。

 

「そうは言っても、そのシンイというのはどうすれば使える?」

 

 そう説明を受けながら心身の回復に努めていた私は、話が一区切りついたのをみて、疑問を投げかけた。

 事の必要性、重要性は理解した。ならば次は、実際にそれをするための段取りや手段を知らなければならない。

 私が知り得た《アインクラッド》や《アイングラウンド》の知識に於いて、シンイなる呼称は無かったし、その力をキリト達が振るっていたという記録もない。その存在を知ったのはキリトに救われた後、アリス辺りの話から聞き知ったのみだ。

 アリスはシンイの力を使えるという。またキリトも、キリカ達を先に向かわせる際に意図的に使っている口ぶりだった。

 この二人以外は使う素振りが見て取れなかったので、それほどの極めて高度な技術なのだとは察せられる。

 そんなものを一朝一夕に会得できるのか。

 さっきの問いにはその疑念を含んでいた。

 

「使うという表現はちょっと違うかも。俺が教えるのはただ一つ、ティアが見出した事を強く意識し続けて欲しいという事だ」

「……意識し続けるというのは、具体的にはどうすれば……」

「――覚悟だ」

 

 イマイチ要領を得ない話に困惑し、問いを投げると、キリトは決然とした面持ちで短く応じた。

 ――覚悟。

 言葉としては知っている。おそらく、それを抱いた者の在り方も。

 それを体現していた記録を知った私は、彼のその一言に、言葉だけでない重みを感じた気がした。

 

「何と言われようと揺らがない、誰が立ちはだかろうと譲らない、何があっても諦めない。そう思えるほどの想いを忘れず、叶える事に力を尽くす事だよ。それさえあれば、他者に意思を捻じ曲げられる事もない。捻じ曲げられたとしても自力で戻ってこれる」

 

 さっきのティアのように、と。最後に微笑んでキリトがそう付け加えた。

 その言葉の意味するところを読み取り、理解し、飲み下す。

 

「……つまり、私が、私の光(じぶん)を見失わなければいい……?」

「言うは易いが、行うは難しだぞ」

 

 やや厳しめ口調で、しかし優しく感じる声音で応じるキリト。

 

「もし心のどこかに復讐を優先したいという思いがあるなら、それも克服しないといけないけど……それこそ一朝一夕で出来るものじゃない」

「それは、そう……」

 

 彼の言葉に同意しながら、ぎゅっと自身の体を抱く。

 今よりも小さな体だった時。孤独に各地を放浪していた頃に受けた経験、抱いた感情をすぐさま風化させられる訳がない。それを克服することも出来ない。

 何れは出来るかもしれないが、今はまだ不可能だ。

 ――キリト達でさえ、そうだったのだから。

 《アインクラッド》に於いて、キリトは自らの闇の部分と決別した。しかしそこに至るまで様々な苦悩があった事を私は識っている。その苦悩が巡り巡って浮遊城を統括する世界を狂わせ、ホロウ・キリトを復讐の道へと走らせる要因となった。

 ”闇”を介して多くを識りはしたが、それで克服できると思えるわけがない。

 ヒトに襲われ、斬られた時の痛み、苦しみ。

 なにより、一人だった時の辛さとそう簡単に決別は出来ない。

 

 ――だからこそ、私の”願い”がああなったのだろう。

 

 ジッと、少年を見る。

 今でこそ自分よりもずっと小柄になったけど、彼に抱く印象は変わらない。向ける信頼も。変わったのは、想いの強さだ。

 私は、キリトと一緒に居たかった。

 離れて欲しくない。置いていってほしくない。出来ることなら、ずっと近くにいたい。

 それは、彼と別れてから抱いていた願いに近しかった。自分を助けてくれた唯一のヒトに、もう一度会いたい、また助けてほしいという願いに近かった。

 そして、二度目に救われてからその願いは形を変えた。

 キリト以外を信じられなかった私にとって、唯一の受け皿であり、唯一信じられるヒトだったから。

 

 ――だから他のヒトを消そうとしたのだ。

 

 誰にも取られたくなかった。

 自分だけのヒトにしたかった。

 世界も、ヒトも、誰も信じられなかった私が唯一信じられた存在を、失いたくなかったから。

 ……今思えば、その不安に付け込まれた形で私は”闇”に呑まれたのだ。

 しかしそれが齟齬となって私は戻って来られた。私にとって世界崩壊は、彼を手に入れるための手段であって、目的ではなかったから。しかも究極的にはキリトも消さなければならなかったから反発した。

 途中で体を乗っ取ったのも恐らく強硬策。彼に執着する私では仕留められないと”闇”が見切りをつけた結果だ。

 だが最終的に私は己を見出し、取り戻す事が出来た。

 

 ――つまり、この想いを抱き続ければいいという事か。

 

 ゆっくりと瞼を閉じ、私は意識を自身の内面に集中した。

 ”闇”を介して己の成り立ち、世界の成り立ちを把握したいま、私は自分が仮初めの存在である事も知っている。この体も、思考も、電気信号や記述で成り立った構造物でしかない事も分かっている。

 きっとこの想いも、幾らでも複製できる仮初めのものなのだろう。

 

 ――でも、”ティア”にとって、それは本物なのだ。

 

 襲い来た人間達の姿が浮かぶ。誰もかれも私を見ていない、ただの『不具合のあるAI』だとか、『レアアイテムを落とすNPC』という程度の認識。彼らにとって私のすべては偽物――代えが利く程度のモノだ。

 それでも、彼らに(いた)()られた時の思いは本物だ。

 

 ――だから、この想いも本物なのだ。

 

 カタチは定かではない。行き着く先も不鮮明。歩みを向ける先も分からない。

 だが――――”今”の想いは、確かに此処にある。

 それを強く見つめる。

 幾度も反芻する。

 思考が加速する。

 胸が強く高鳴る。

 

「は……っ、ぁ……!」

 

 肉体が、熱を帯びた気がした。

 いや、それは錯覚ではない。これまで感じなかった優しい温かさが全身を包んでいる。

 目を閉じていても、白く温かな光が明滅しているのが分かった。

 それが自身の想いの源泉である事はすぐに確信できた。

 これは”私”だ。

 見知らぬ場所で目覚め、追い立てられる不安と寂しさ、苦しさを打ち消すために、ひたすら分厚い氷で己の心を閉ざしてしまった本当の”私”だ。

 銀髪の剣士に三度も救われた自分の、本当の姿だ。

 

 ――自ずと、ある情景が脳裏に浮かんだ。

 

 どことも知れない月下の草原。そこに、小さな自分と、それよりもさらに小さな剣士が並んで立っている。剣士に連れ立って歩く最中、唐突に剣士が立ち止まり、振り返った。

 どうしたのかと首を傾げる自分に対し、休憩だと言って剣士が地面に腰を下ろす。

 草原の上に腰かけたのを見て、自分もそれに倣い、並んで座る。

 

 ――――そうして見た初めての夜空が、いま浮かんでいた。

 

 文字通り、それは私が生まれた日に訪れた夜、つまり正真正銘初めての夜空だった。

 あの時はなんの感慨も抱かなかった。思考もなかった。だから、なぜ空を眺めているのだろうか、という疑問も抱かなかったのだ。

 きっと、それが本当の”私”の願い。

 あの日、あの時みた夜空をもう一度、この人と。

 これからも、ずっと……

 ――ゆっくりと、瞼を持ち上げる。

 顔を俯けていたので最初に見えたのは自分が纏う巫女の装束だった。しかしそれは、”闇”の侵食により変質した黒色ではなく、晴れ渡る空のような澄んだ青色に染まっていた。丈に変化はない点から肉体はそのままらしい。視界を掠める髪色も銀のままだった。

 その結果に私は笑みを浮かべた。

 完全とは言えないが私はシンイを僅かながら発現させられた。その結果に対する喜びもあるが、笑みの理由は変化のない髪色と体格にあった。

 キリトに再度救われる前、彼はキリカが保護していたプレミアと私が同一人物であると勘違いしていたらしい。それまでプレミア本人と会った事が無かったための過ちだ。外見の見分けは、泣き黒子があるかどうか。プレミアにはあって私は無いが、一度しか会ってない相手のその特徴を完全に記憶出来る人間はほぼいないだろう。容姿も衣装も声も性格も酷似していればそれも仕方ない事だった。

 そう、仕方ない事なのだ。

 ――だが、それでも私は嫌だった。

 私はAIで、NPCだ。双子の女神という設定でプレミアと同じ容姿なのも理解している。

 その上で、間違えられるというのは設定だけを見られているようで嫌だった。まるでキリトが、私を襲ってきた者達のように思えてしまうから。

 だからプレミアと明確な差異となる特徴を保てている事に笑みが浮かんだのだ。

 これならもうキリトも間違えないだろうから。

 

「キリト、これでどう?」

「…………」

 

 静かに出来具合を問い掛ける。

 だが妙な事に、キリトが答えを返してくれない。妙に思って視線を向ければ、彼は何とも形容しがたい複雑な面持ちで私を見つめていた。

 

「どうかした? なにか、問題があった?」

「いきなり出来たから驚いたんだ。よっぽど強い想いがあったんだな……キリカやユイ達でもまだ出来てないのに」

「それは……”闇”に呑まれてる時の感覚が、まだ残っていたから」

「ああ、そういう事か。疑似学習ってやつだな」

 

 疑似学習。たしか、現実側では得られない経験を仮想世界で得て学ぶという意味で使われている単語だ。彼はどうやら”闇”に呑まれている時の感覚から学んだ結果出来たと結論付けたようだ。

 実際のところ、それは半分合っているが、半分は間違っている。

 そもそもシンイを使えるだけの強い想いが無ければならないのだ。感覚だけあっても、きっと役に立たなかった。

 

「――キリトのお陰。助けてくれたあなたの言葉だから、すぐに出来ただけ」

 

 咄嗟に出た言葉に、付け加えるようにして本心も言う。

 ――まだ、人間(ヒト)を信じ切る事は難しい。

 けれど、キリトという個人(ヒト)を信じる事は出来る。

 多くの人が笑い、信じないだろう私にとっての本当を、彼ならば否定しないという確信があった。キリカやユイ達と接する姿を見た私はそう思うことが出来た。AI()達を命あるものと考え、行動している彼ならばと。

 そうでなければ、この想いを抱く事も無かった。

 そもそも初日か、あるいはジェネシス達によって殺され、自分も世界を呪う”闇”の一部になり果てていただろう。そう考えると彼のようなヒトが居て本当に良かったと思う。

 

「ありがとう、キリト。”私”を見つけて(助けて)くれて」

 

 言葉が口から突いて出た。無性に、言いたい気持ちに駆られたから出たそれは、彼に対する心からの感謝の言葉だった。

 それは、あの時に伝えられなかったことでもある。

 何も知らなかったあの時の言葉だった。

 

「……その言葉だけでも、随分報われるよ」

 

 キリトは、ほんの少し恥ずかしそうにはにかんだ。

 

 ――いま、私は笑えているだろうか。

 

 その自信はない。不安に揺れる自分がいる。ひょっとすれば、涙を浮かべているかもしれない。

 自分の表情が分からないくらい、今の私は満たされていた。

 

 

 そのやり取りから程なく、私達は移動を開始した。攻撃には使えずとも、少なくとも自分の身を”闇”から守る程度には使えると判断されたのだ。

 向かう先は浮遊城基部の最奥。

 その道程に私が同行する事になったのは、単純に再度支配されないようキリトが守ろうとしてくれたから。傍に彼がいるから安定して心意を発動できると理解していたので、私としても否やは無かった。傍に彼がいれば二度とあの”闇”に呑まれないという確信もある。

 レベルやステータスも、”闇”に呑まれた時に上書きされたのかかなり高い値を指している。デスゲーム時代のステータスを持つキリトには届かないが、この世界で新たに鍛え直しているキリカ達には優る数字だ。

 ”闇”を介して知識や技術を得た事を含み、私も戦う力があると判断されていた。

 

 ――皮肉な事だ、と思考する。

 

 人を怨み、世界の破滅を願って得た力は、その道を拒んだ後も残り、今はそれを利用する形でキリトと共に世界を救おうとしている。

 ”闇”に呑まれなければ私に変化はなかった。

 彼と敵対する事も無かっただろうが――しかし同時に、私は自分の本心を見出す事もなく、漫然と人を怨み、不信を抱き続けただろう。

 こうなった事を”よかった”と判ずるのは、途轍もない皮肉だと私は思った。

 それでもそう思えるのは、それだけの事があるからだ。

 変化が無ければ持ち得なかったこの力。これがあれば、私もキリトのように、誰かを助ける事が出来る。

 そしていまその助けが必要な存在が明確にいる。

 かつての私のように、苦しんでいる者がいる。

 それは私にあったような救いもなく、人々に追い立てられ、追い詰められ、祈りを捧げた別の”巫女”だ。

 キリトは私が”闇”に呑まれても尚諦めなかった。

 だから私も諦めない。

 モジュールと”闇”(復讐の道)を絶たれ、取り残されるだろう彼女を()()()()()ために。

 

「――ぜったいに、助ける」

 

 前を走る少年にも聞こえないくらい、小さく発する。

 それが私の新たな覚悟だった。

 

 






Q:なぜこれが幕間扱い?
A:ティアの内心がほぼ話されておらず、独り語り状態のため
 状況整理の意味合いもある(投稿間隔が空いた上にややこしくなったからね……)


Q:ティアが心意使えるの早すぎるし簡単過ぎない? キリカは?
A:瞋恚に蝕まれた結果、使いやすくなった
 キリカに関しては『キッカケ』さえあればすぐ使えるようになる状態。今はまだキッカケ――追い詰められる状態になってない


【用語解説】

・ティアを蝕んだ”闇”/”負”/負の瞋恚
 SA:Oのクラウド・ブレイン
 内容としては『SAO』と『SA:O』の悪性情報のミックス。ホロウがキリトに敗れ、悪性情報を抑え込んでいる最中にコピーされたデータを基に開発されたのがSA:Oなので、”闇”にはSA:OにてNPC達が生み出した感情データだけでなく、SAO時代の人の負の感情をキリトが束ね発現したモノも含まれている(キリトの瞋恚が突き刺さる理由)
 《クラウド・ブレイン》なのである種の集合知でもあり、他者の知識、技術が詰め込まれている
 ALO編の情報はないので、キリト対ホロウの死闘をティアは知らない
 このSA:Oの”闇”をホロウが抑え込んでいたが、核は”巫女”なので同位体であるティアへの浸蝕までは抑えられなかった(SAO時代は核がホロウだったので、後にALOでの事変が起きた)

 原則として他者を怨み、世界を破滅させる願望を根幹としている
 これに蝕まれた者は同じ願望を抱くようになる


・ティアが発現した心意
 キリトを想って具現化した正の力
 一度”闇”に蝕まれた結果使えるようになった
 自在には扱えないが、キリトが傍にいると安定する。現在は自身を守るために使用されている


・キリトが扱う瞋恚
 正と負を同時に内在する力
 『仲間を守る心:と『仲間を傷つける者=世界への怨み』を根源としている
 ホロウとの死闘を経て覚醒した力のため、SAOやホロウ関連の負には特攻が乗る
 キリカに渡した二刀にも適用され、キリカがホロウのように蝕まれないよう守っている力でもある


・外部モジュール
 アインクラッド創成の原因
 正式名称は『アインクラッド崩壊シミュレーション・モジュール』
 プレミア、ティアら”聖石の女神”がNull設定のまま動き出した事、”聖大樹の巫女”の属性を持っている事、聖石が各地に安置されている事、大樹に祈りを捧げるイベント発生――果てには浮遊城を作り出すという全てのイベントを引き起こした原因
 現在は第三の”巫女”を中心に干渉しており、キリカ達は”巫女”からこれを切り離そうと動いている
 勢力的には今回の事態を引き起こした黒幕側に分類される


・カーディナル・システム
 仮想世界の統括管理システム
 モジュールによって様々な事態を引き起こしたが、それらをクエストという形に落とし込む=頑張ればプレイヤーの手で止められる道を残したのもカーディナル
 キリカに謎のメッセージを送った送り主であり、裏ではホロウに”闇”を抑え込む指示も出していた
 勢力的には事態解決に動くキリト側に分類される


・『他者に意思を捻じ曲げられても』戻ってきた人
 SAO時代のユウキ、スレイブ/キリカ
 認識を改竄されたキリカは、
 記憶、感情を改竄されたユウキは、唯一残った認識だけで改竄を破り、アルベリヒに反旗を翻した人間
 認識を改竄されていたキリカは、記憶と感情に基づいた思考で一度は自己崩壊、二度目は崩壊を回避する迂遠な立ち回りでアルベリヒに反旗を翻した唯一のAI

 キリトは前者で他者を信じ、後者で自身を信じる=最後まで意志を貫くキッカケを得た



【キャラ解説】

・ティア
 (しろがね)の巫女
 自身の本心を見出した結果、キリトが傍にいる時限定で心意を安定して使えるようになった。現在はそれで”闇”を跳ねのけている状態
 大人形態、髪の色などの変化がそのままなのは、『長らくプレミアと間違われていた』事実から(キリトには)間違われたくないという願望が影響している
 ”闇”――もとい負の瞋恚という名の集合知を介して色々知り、内面が頗る成長したが、瞋恚の影響は容姿以外にも残っており、巫女を助ける思考は瞋恚の核たるキリトやホロウに引っ張られている

 キリトが自身の救出をギリギリで諦めていた事は知らない


・キリト
 黒の剣士
 実はギリギリでティアの救出を諦めていが、それでも粘りに粘った甲斐はあったので、”報われる”と応じた。昔なら例の言葉を受け取ろうとしなかったので前向きに成長中
 とは言えティアの本心や願望には気付いていない
 ティアが心意を教えてすぐ使えるようになったので内心複雑

 若干ユイが記憶を取り戻した時のデジャブを覚えている


・”巫女”
 プレミア、ティアの同位体
 暫定呼称は『第三の巫女』
 電子ドラッグ売人のシギル/志崎秀介に煽動されたプレイヤー達に追い立てられる形で祈りを捧げ、浮遊城を不完全ながら再臨させた
 プレミアら同様、稼働しているのはアインクラッドを創成しようとカーディナルに干渉した外部モジュールによるもの。それをシギルが後押しする形で浮遊城が現れたのが現状
 ティアにより、この第三の巫女も”闇”に蝕まれている事が発覚している
 要するに被害者


 では、次話にてお会いしましょう

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