自PC飯塚蓮華の場合、です。
飯塚蓮華について
・とある研究機関でショゴスの細胞から作られた人造人間です。
・現在は研究の成果により、普通の人間になっています。
・本人はショゴス等についての知識はありません。
・普通の人間になる前は二日に一度アンプルを打たないと形を保てない状態でした。
・形を保てなくなると体内の細菌類が噴き出してバイオテロが発生する状態でした。
・その為、彼女自身も『自分が死ぬか、世界を危険に晒すか』の渦中にあった事があります。
【0.その時、私は】
『彼女を殺すか、世界を危険に晒すか?』
何度も繰り返し頭に思い浮かべた言葉を聞いていた。
私は心を落ち着ける様に深く息を吐く。
目の前には黄色い合羽を着た少女。その手に黒い本を持っている。
震える手で私は彼女に拳銃の照準を合わし―――そして、
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【1.直後の自分】
あの事件は関わった人達に沢山の影響を与えたと思う。
悲しみに暮れる人や歩みを止めてしまう人が大勢いる。
でもこの何気ない日常は彼女と引き換えにあるものだ。
そう思うと一日だって無駄にしたくは無かった。
幸いなことに私は役者だった。平常を【演じる】事には慣れていた。
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【2.彼女に対して】
ソニアちゃんは仲間だと思った。
私は元々人間ではなかったから。
不謹慎だけどソニアちゃんに会えて嬉しかった。
洋服を着て喜ぶ姿は嘗ての自分を見ている気分だった。
だから私は何としてもソニアちゃんを元に戻そうと思ったんだ。
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【3.ままならないこと】
涼子さんとソニアちゃんを巻き込まない様にしたマオさん。
それは一つの選択なのだと思う。
彼が悩み選んだ道。苦渋の末だっただろう事は態度を見れば分かった。
自分の所為で愛する人が傷つくのに耐えられなかったんだと思う。
無関係な自分達を心配して追い返す様な人だった。
全てを自分で背負いこむ。そんな人だったから。
ソニアちゃんを化身にした涼子さん。
彼女の中ではそれが『愛する形』になってしまったんだと思う。
化身にするなら身体の丈夫な患者さんは他に沢山いるだろう。
金庫の暗証番号だって彼女の誕生日にする必要はないだろう。
愛情表現の仕方は残念だとは思う。
けれど、きっと涼子さんはソニアちゃんを愛していた。
私は今でもそう思っている。
そして、私達もきっと・・・。
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【4.飯塚蓮華の場合】
生きていく限り傷付く事は避けられない。
嘆いていても事態は変わらない。
その事は骨身に染みている。
だから私は前を向いて歩くのだ。傷だらけの心で。
あの人は悠久の時を生きると言った。
目を覚める時に自分はこの世にいないかもしれない。
私は人間として生き人間としてい死んでいく。
時の流れが違うならそうなってしまうことだってあるだろう。
だから私は証を残そうと思う。
人間に出来る手段を使って。
とんでもなく地道だけど真っ当な手段で。
それでこそ意味があると思うから。
生涯忘れる事の出来なかった数日間。
それを演劇の台本としてこの世に残す。
長く長く語り継がれる様に。
登場人物はあの時の仲間と彼ら。
そしてその時の気持ちを残していく。
貴方達と共に在りたかった事を。
幸せな形を望み、悩み抜いた事を。
悠久の時を語り告げられる様な物語として貴方達に届けよう。
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【5.彼女が演じる物語】
ブザーが鳴る。深い深呼吸をする。
アナウンサーが告げた
『それでは長らくお待たせしました』
『光を求める者達の道程―――開演』