ああいうアニメはあまり見ていませんでしたが、女の子が可愛いね。
さてさて、なかなか進まない筆に悲しみを感じながらも投稿です。
血界戦線とかも進められて見たけど、いいものでした。
そろそろ、皆さんに活動報告で進めていただいたものにも手を出していきます。
栄養補給大事よね。
激しい炸裂音と共に、模擬戦の終了を告げるアラームが鳴り響く。
『模擬戦終了です。お疲れ様でした、シグナム二等空尉』
オペレーターからの言葉で、シグナムは残心の構えを解く。
目の前には、今まで模擬戦をしていた管理局職員。
今回のテーマは、『強力な相手に対して複数で挑む際の基本教練』である。
必ず複数で対峙する、二人以上は相手の死角に入るようにする、倒すのではなく生き残り救援を待つことを前提とする、などだ。
バカな上官は命を惜しむななど的外れなことを言うが、生き残り情報を持ち帰ったり、エースクラスの救援が来てからも援護であったり、救助であったり、必要な行動ができるようになる。
故に、生き残るということは何よりも大切な事なのだ。
「ふむ、今回はここまでだ。生き残った者の中でも、何人かは生き残っただけのやつがいる。それは恥ずべきことだ。魔力に余裕があり、私に攻撃する機会がたくさんあったにも拘らず行動しなかった。そいつらは今からでも後方支援に行っておけ、前線では邪魔にしかならん」
厳しく言い放つ。
これも無駄に死人を出さない為だ。
模擬戦ですらこんな状態の人間に、強者との戦いに狩り出すのは無駄であるというのが彼女の持論だった。
彼女自身自覚していることだが、人に教え導くということが苦手だった。
事、教導に関してならば、自分よりもヴィータの方が適性があると思っているぐらいだ。
「指揮を率先して受け持っていた者は、センターガードの素質がある。一度そのポジションを学んでおけ」
そう言い残すと、シグナムは訓練室を退室した。
教導が苦手であると自負している彼女のアドバイスは本当に一言二言のものだ。
しかし、少ないからこそその内容は本質を突くものだった。
本当ならばもう少し戦いたかったと感じているのだが、今の状態では新人にトラウマを植え付けかねないと自重した。
こういった教導はシグナム自身も苦手と思っているものの一つだった。
口で言うよりも実践という考えが強いのも理由だが、それと共に不完全燃焼な気分になってしまうのも理由だった。
(今日の新人は強くなるだろうな。しかし、三高の奴が居ないというのも存外不便だな)
シグナムはヴィータの様に、彼の家に入り浸っていたわけではない。
彼女が三高と一緒にいるようになったのは、模擬戦が理由だった。
バトルマニアの自覚がある彼女は、強者との模擬戦を好む。
初めて三高と模擬戦をした時、彼女の渇きは潤ったのだ。
彼のデバイスであるクサナギ。
刀のような形をしたデバイスで、状況によっては鞘も使い闘うスタイル。
剣技だけでなく、体術や射撃も駆使するバトルスタイルは予想が難しく、シグナム自身の戦いの引き出しが増えていくような気分を味わった。
それほど的確にシグナムの経験が薄い部分を突いて来た。
相手を分析する能力に長けていた。
(むぅ、こういう時にはいつも三高と闘ってたんだが……)
中途半端に闘志に火が付いてしまっていた。
不完全燃焼。
シグナム自身、この状態で新人を相手にするほど無謀でもない。
少なくとも自分と同等の実力者でなければやり過ぎてしまうかもしれない。
それを自覚していた。
三高はそういう時、シグナムの相手をしていた。
「不撓のエースオブエース」の名前は伊達ではなく、シグナムにとってなのはやフェイトと闘っているときのような高揚感を感じていた。
「おーっす、シグナム! わりぃけど、模擬戦付き合ってくれねえか?」
「む、ヴィータか。どういう風の吹き回しだ?」
「いや、頭の中モヤモヤしててよ。身体動かしてサッパリしたいんだ」
その言葉を聞いてシグナムも気づいた。
ヴィータも三高が居なくなって、色々と溜め込んでいるのだろうと。
「いいだろう、私も不完全燃焼だったんだ……。オペレーター!」
『は、はい!?』
「新人達にも見せて置け、いい刺激になるだろう」
「見せもんかよ。まぁいいけどな」
ヴィータがデバイス起動と同時に手を振り下ろすような仕草をする。
振り下ろし終わったときには、すでにバリアジャケットとグラーフアイゼンがセットアップされていた。
「教導免許持ってるのだろう? 少しは新人達の教導を手伝ってはどうだ?」
「やっぱり取るもんじゃねえよな。なのはの奴も物好きだよ」
「なんだかんだでお前は面倒見がいいからな」
ヴィータはシグナムの言葉に視線を逸らして頬をかく。
その姿を見て、シグナムも微笑ましい気持ちになる。
「どうでもいいだろそんなこと。おら、新人共! しっかりと見ておけよ! 今からAランク同士の模擬戦だからな、盗むも参考にするのも好きにしろ。録画すれば何度も見れるぜ」
叫んでいる言葉の内容も新人達の参考になるように気を使っているのがよくわかる。
自分には無い、彼女の才能だとシグナムは少し羨ましい気持ちになる。
「では、始めようか」
「だな。モヤモヤを吹き飛ばすためだからな、今日は少し荒いぜ!」
「私も不完全燃焼だった感覚を吹き飛ばすにはちょうどいい」
シグナムのデバイスであるレヴァンティン、ヴィータのデバイスであるグラーフアイゼン。
二つのデバイスから魔力が噴き出すように展開し、一目で戦闘準備ができていることが分かる。
二人の魔力放出だけで新人達は息を飲むように、その姿を凝視していた。
『それでは、始めてください!!』
オペレータの号令と同時に、レヴァンティンとグラーフアイゼンが激突した。
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シャマルにとって三高順一とは、患者の一人だった。
単騎でAランク難易度のミッションを行う並外れた魔導師。
当然だが、ケガや病気などを負い、フラフラになりながら帰ってくることも多々あった。
彼自身、なぜか管理局の病院を使いたがらなかった。
理由を調べて、シャマルは驚いたのだ。
(彼を嫌う上層部の人達、病院にまで手を伸ばしてるなんてね)
どの医者か、どの幹部か、特定はできなかったが不自然な資金の出入り、三高と同じく危険任務に就いていた局員が再起不能を言い渡されて、管理局を去っている。
八神はやてと相談して秘密裏に三高の治療を受け持っていた。
彼自身、医療スタッフとしての資格も持っている。
機材なども彼自身が全て制作しているという徹底ぶり。
どこまで管理局を信用していないのかが窺えた。
シャマルならば医療関係の技能、資格を持っている。
そこに、三高自身が制作している医療機材を使い治療をするのが日常的になっていた。
一時期、シャマルと三高の任務をズラして割り当てようとしたり、三高の作った医療器材に使用不可を言い渡そうとしたりという動きがあったが、はやてとシャマルの活躍で阻止されている。
(それほどまで露骨に、上層部から嫌われる理由……。はやてちゃんに進言して洗い直す必要があるかも知れないわ)
そう考え、デスクに置いたのは三高順一のカルテ。
・左目の部分に眼帯付与。
・幼少の頃に事故で喪失。
・以後、義眼と眼帯を装備している。
(このあたり……かしら)
眼帯とは他人には触れづらい部分だ。
それが三高順一の行方不明の原因とはいかなくても、遠因に当たるならば僥倖だ。
上層部から嫌われている割には、部下や同期からの受けは良い。
人柄ではなく、彼の生い立ちにこそ理由があると、シャマルは考えた。
(これは上層部の触れられたくない部分に繋がる情報。はやてちゃんにも言っておかないといけないけど、下手は打てないわね)
そう考えるシャマルの指先は、三高のカルテの一部をなぞっていた。
三高順一 出身世界 元444管理外世界 『アース』
現在はロストロギアの暴走で世界丸々消滅してしまった。
公式記録にもほとんど残っていない謎の世界だった。
ケガをしているのに任務に行こうとする困った患者だった三高。
今はどんな無茶をしているのか?
それを考えると怖いものがあった。
(絶対に見つけて見せるわ。その後はじっくりお説教ね……!)
シャマルは心の中で一つ決意を固め、こめかみに青筋を浮かべながら仕事に戻ったのだった。
関係ないけど、シュガーソングとビターステップっていい曲だね。
元気になる曲っていうのかな?
ついつい、色々漁ってしまった。
主人公は一言で言うなら「頭のいいバカ」かな?
それを書ければいいなぁ。