相模南の奉仕活動日誌   作:ぶーちゃん☆

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あんなに前に終わった嫌われ者さがみんSSですが、意外にも続編を待っていてくださった読者さまが結構いらっしゃった事に、嬉しい驚きであります!

それでは活動日誌2冊目です。どぞ!





vol.2 相模南は今日も屈辱の学校生活を送る

 

 

 

 真夏の通学は拷問に似ている。

 灼熱のアスファルトの上を、靴底を溶かしながらよろよろ歩き、駅に到着して涼しい車内に逃げ込めたかと思えば、そこは通勤通学中の戦士達の待合室。

 押し合いへし合い、サラリーマンのおじさま達のベットリ汗を剥き出しのか細い腕や素足に擦り付けられ、やっと電車が目的地に到着したかと思えば、そこからはまた灼熱の旅路である。

 拷問に似ているってよりは、まんま拷問よね……

 

 

 なにが言いたいのかというと、やっぱり朝は家に居るべきよね。専業主婦最高!

 将来は比企……誰か素敵な旦那さまに養ってもらおう。

 

「ぷっ」

 

 ああ……ダメだ……暑さにやられて思考回路がどっかの腐ったヤツみたいになっちゃったよ。

 しかもそれに気付いて、ぼっち通学中にひとりで噴き出してニヤニヤしてるとか、益々あいつみたいでヤバいっての!

 ……ちょっぴり、似てきちゃったかなぁ?

 

 

 相も変わらず勝手にニヤつく口角を周りの総武生に見られちゃわないように、口元を手で隠して、少し俯き加減でとぼとぼ歩くうちの姿は、端から見たら熱中症で弱ってる儚い女子高生にしか見えないだろう。コレがあいつだったら、下手したら職質ものだっていうのに。

 

 ちょっとあいつに似てきちゃったと言っても、ここら辺が可愛い女子高生の特権よね。比企谷ざまぁ。

 

 

 うだる暑さとニヤける口角との戦いになんとか打ち勝ったうちは、ようやく教室の扉の前まで到着した。この扉を力強くガラッと開ければ、そこは涼しさに満ちた安寧の世界。

 汗に濡れたシャツでブラが透けちゃってないかを念入りにチェックすると、そっと引き戸に手を掛ける。

 

 ガラッ……どころかカラリと遠慮がちな音を立てて開いた扉の中からは、想像通りの涼しい空気がうちの全身を包んだ。

 それは、冷房がガンガンに効いた教室から漏れ出てくる冷気と、……クラスメイト達からの視線。

 うちが教室の扉を開けると、一瞬だけ寒々しい数多の視線に晒され、そしてその視線はすぐさま逸らされるのだ。

 ま、毎日の日課のようなものだけど。

 

 ほんの数ヶ月前まではこの視線が本当にキツかった。道を歩いている時、足元で風に舞った菓子パンの包装紙を邪魔そうに一瞥するかのような、そんな視線。

 

 うちはそんな視線にふた月と堪えきれず、すぐさま逃げ出した。

 いま考えるとホントにヘタレ過ぎて笑えてくる。

 

 

「おっはよー、南ちゃん」

 

「おはよっ、由紀ちゃんっ」

 

「おお、南ちゃん今日は水色かー」

 

「ギャー! ちょ、ちょっとやめてよ早織ちゃん!」

 

 ぐぅ……チェックしたはずなのにやっぱ透けてんじゃん……!

 

 

 

 

 ──ふふっ、でも今はもう違う。うちにはこの二人が……うちの大切な友達、由紀ちゃんと早織ちゃんが居てくれるから、あんな視線はもうなんてことない。

 うちはあの絶望の中で、この二人を……大切な宝物を見つけられたから。

 

 まぁそもそも数ヶ月前までの視線と今の視線は、一見おなじように見えてまるで別物だしね。

 数ヶ月前のうちに向けられてた視線は侮蔑と嘲笑だったけど、今はただビビってるだけ。邪魔な存在ではあるけど、ビビって目を逸らしてるだけ。うちの後ろに控える獄炎の虎のオーラに。

 あはは、今のこのシーンが漫画とかアニメのワンシーンだったら、うちの背後ではめらめらと揺らめく炎に包まれた優美子ちゃんがガオーとか言ってそう!

 こんな情けない連中から泣きながら逃げ出してたなんて、ホント当時のうちを笑ってやりたいくらいだよ。まぁそんな優美子ちゃんの怒りのオーラを真正面からぶつけられたら、うちならビビるどころか意識を放棄しちゃうけどっ。

 

 あと……おいこら男子共。さっきまではうちには目もくれなかったクセに、今チラチラとこっち見たろ。

 知ってんだかんね? ホントは元々クラスで中心を張れるくらいに見た目が良いうちの事は気になってたけど、うち狙いとバレて女子の標的になるのが恐かったから、空気に逆らわずにうちを見捨ててたって事。

 

 言っとくけど、そんなヘタレなお前らが気安く見てもいいような安物じゃないから、うちのセクシーショットは。ヘタレ代表みたいなうちが言うんだから間違いない。

 マジでキモいからこっち見ないでくんない……?

 

 ……うん、やっぱこの後トイレでインナー着てこよっと。

 

 

× × ×

 

 

「南ー、それちょっと寄越せし」

 

「ちょ……! 優美子ちゃんそれうちのなけなしのハンバーグなのに……!」

 

「んー、やっぱ南の親って料理超上手くない? ウチの親と交換しろし」

 

 そう言って優美子ちゃんはハンバーグを強奪した代わりに、「ほいっ」と購買の焼きそばパンをうちに手渡す。

 いや……さすがにミニハンバーグ一個の代わりにそれは申し訳ないですってば……

 まぁ「は? あーしの焼きそばパンは食べらんないってわけ?」って凄まれるのがオチだから有り難く頂きますけども。

 

 

 

 午前中の授業をつつがなく終えたうちは、学校生活における楽しみのひとつでもあり、また、うちの学校生活においては非常に神経をすり減らすイベントのひとつでもあるランチタイムを、ワイワイと過ごしている。

 今日は葉山くん達は用事があるらしく、本日は女子会でのランチタイムを、相も変わらず閑散とした教室内で楽しんでいるのだ。

 

「あ、そーいえば今日の放課後さぁ、海老名と折澤結城の四人で水着とか見に行かない? って話になってんけどぉ、南はどするー?」

 

 え……み、水着って……

 もしかしてこの人たち、夏休み遊び惚けるつもりなのかな……? い、一応うちら受験生なんだけど……、などと女王陛下にモノ申せるはずもなく、うちは先ほど入手(強制)したばかりの焼きそばパンをおかずに米を口に運びながら、丁寧にお断りの意思表示をする。

 

「ごめん、優美子ちゃん。今日から部活忙しくなりそうなんだ」

 

 んー、ぶっちゃけるとホントは結構行ってみたいってのが本音なんだよね。

 優美子ちゃんがうちの虐め解決の手助けをしてくれてから、まだ学校の外では一度も遊べてないし。

 早織ちゃんと由紀ちゃんは何度かお供をさせてもらってるみたいだから、ホントはうちも優美子ちゃん達と寄り道とかしてみたい。

 

 ついちょっと前までは人生に絶望してたくせに、比企谷の件といい優美子ちゃんの件といい、こんなに早くあれもこれも求めて望んじゃうだなんて、うちってなんて欲深いんだろ。

 ここら辺がすぐ調子に乗って失敗しちゃう所以なのかなー……。少し自重せねば……

 

「マジでー? ちょー残念なんだけどぉ」

 

 おお……! うちが行けない事を、あの優美子ちゃんが残念がってくれるなんて……どうしよう、ちょっと嬉しいかも!

 

「ご、ごめんね」

 

「優美子、あさ結衣がそんなこと言ってたじゃーん。だからさがみんは無理なんじゃない? って言ったのにー」

 

 なんだ、ゆいちゃんから聞いてんじゃん。

 姫菜ちゃんのその言葉に、優美子ちゃんはつまらなそうに口を尖らせてボヤく。

 

「……あ、そだっけ? んー、たまには南と買い物行きたいとか思ってたんだけどぉ」

 

 そんな嬉しい事を言って、優美子ちゃんはスッとうちの耳を指差した。

 

「最近さー、南そのピアスよく……つか毎日? 着けてくんじゃん? んでー、あーしそれちょっと可愛いかもとか思ったじゃん? だからそーゆーのどこで買ってんのかとか、教えてもらおうかと思ってたし」

 

「にゃ……!?」

 

 ……な、なんなの!? 朝に続いてまたコレの話が振られんの!? うちってそんなに露骨……?

 

「どしたん? なんか顔赤いし」

 

「な、なんでもないよ!?」

 

「そ? ま、いーけど。……でさ、南ってそーゆーのドコで買ってんの?」

 

 うぐっ……それいま聞いちゃいます……?

 

「え、えと……うちのお気に入りのショップとかブランドとか教えるのは構わないんだけど……コ、コレは貰い物だから……ちょ〜っとどこで買ったかは分かんない……かなぁ〜……なんて……? え、えへ?」

 

 ……ダメだ、なんか超恥ずかしくて、つい卑屈な笑みが出てしまう……。お母さんに続き毎日着けて来てる事までバレてるこの状況で、優美子ちゃん達に比企谷から貰ったとか言える気がしない……

 

 って、ちょ!? なんで早織ちゃんと由紀ちゃんそんなにニヤニヤしてんの!? うち、このピアス誰から貰ったとか教えてないよね!?

 

「そーなん? じゃあまぁ仕方ないかー」

 

 と、ラッキーにもどうやら優美子ちゃんはそのままこの話を流してくれるみたい。

 

「つかさ、貰い物って誰から貰ったん!? まさか男とか!? なにあんた不登校だったくせに男とか居んの!?」

 

 やだぁぁ! 流すどころか超食い付いてきたぁぁ!

 

「ちちち違うから! そういうんじゃないってば! た、ただ友達に復帰祝いで貰ったってだけの、ホント大したことないつまらないモノだから……!」

 

「……へー、超嘘臭いんだけどー」

 

 やだもう……逃げられる気がしないんだけど……

 

「ちょっと優美子、あんま詮索すんのやめといてあげなよー。だってさ? そんなのあれに決まってるでしょ? さがみんだってさすがに言いづらいってば」

 

「……あ、そっか、あれじゃしゃーないし」

 

 えぇ……なんで優美子ちゃんまでそんなにニヤニヤし始めちゃったのぉ……?

 てか“あれ”ってなに……!?

 

「でもね? さがみん……これだけは言わせてもらうね?」

 

 ワケ知り顔でウンウン頷いてる優美子ちゃんに軽く愕然としていると、不意に姫菜ちゃんがとても真剣な表情で語り掛けてきた。

 

「できれば、彼を取らないであげてね……? だって……彼を取っちゃったら……悲しむ人がいるから……」

 

 か、彼を取らないでって……も、もしかしてホントにバレてる……?

 

 そして……もしも本当にバレてるのだとしたら、その悲しむ人というのは……言うまでもなく優美子ちゃんと姫菜ちゃんの親友の……

 

「……彼は、ね……? …………ぐ腐腐っ、隼人くんのものだからぁ! あ、彼のモノが隼人くんのでもノープロブレムッ! ブッハァー!」

 

「……」

 

「海老名擬態しろし!」

 

 

 姫菜ちゃんの頭をすぱーんとはたきながらも、甲斐甲斐しくティッシュを差し出すお母さんな優美子ちゃんを、引きつった顔で見つめながらうちは思う……

 

 

 

 ──うそ……マジでバレてるっぽいんだけどぉ……!

 

 な、なんで……? うち自身がその事を嫌々ながらも自覚……というか認めたの昨日なんですけど……! ってかさ? 由紀ちゃんにも早織ちゃんにもバレてんの!? なんで!?

 

 

 どうしよう……もう帰りたい。早く帰ってベッドで悶々と悶えて過ごしたい……

 

 

× × ×

 

 

 ……つ、疲れたっ……

 

 帰りのHRも終わって、やっと待ちに待った放課後だというのに、メインイベントを前にすでにグロッキーなうちは、力なく机に突っ伏している。

 

「お疲れ南ちゃーん。今日はまた激しかったねー、色々と」

 

「あははー」

 

 語尾に(笑)が付いてそうな物言いでうちの周りに集まってきた由紀ちゃんと早織ちゃん。

 ……うぅ……二人とも大切な宝物だと思ってたのに、まんまと裏切られたよ……

 

 あのあと、さすがの優美子ちゃんもうちがあいつに惚れ……気になってるって状況は色々とマズいと理解はしているらしく、名前こそ口にしなかったのだが、それでも名前を伏せた状態で散々からかわれた。四人がかりで。

 マジで鬼かあんたらは……!

 

 

 そんな憎き裏切り者どもを恨みがましく睨めあげてやると、二人はすでに本日のお買い物話に花咲かせてやんの。

 

 はぁ〜……と呆れた溜め息を吐きつつ、うちは待望の放課後だというのに部室にはすぐに向かわない。

 ある程度二人と駄弁ってから部室へと向かうのが、最近のうちのスタイルなのだ。

 

「やー、三浦さん達とのショッピングすっごい楽しみなんだけどー」

 

「ねー。まぁショップのチョイスがちょっとギャルっぽ過ぎではあるけど、たまにすっごい可愛くて乙女チックなお店に連れてってくれるんだよねー」

 

 へー。まぁ優美子ちゃんって隠れ乙女度ナンバーワンな女の子だもんね。

 

「いいなぁ、今度うちも行きたいなぁ」

 

「だね、南ちゃんも来ればいいのにー。まぁ? 比、企、谷との部活が忙しいんなら仕方ないけどねー」

 

 くっ……やぶ蛇突ついちゃったよ……もうホント嫌! 由紀ちゃん達のこのニンマリ顔。

 

「じゃあ夏休みみんなで遊ぼうよー。三浦さんが海とか行こうって誘ってくれてるんだぁ」

 

「ねー!」

 

「ちょ……! ホントに夏休み遊ぶつもりなの!? うちら受験生だよ!?」

 

 と、仕返しとばかりにさっきは優美子ちゃんが居たから言えなかった事をばっさりと言ってやったんだけど、それはあっさりと不発に終わる。

 

「息抜き息抜き!」

 

 

「一日二日だけだってば」

 

 ん、んー……ま、まぁ受験勉強にも、たまには息抜きくらい必要よね……!

 よくよく考えたら夏休みって、運動部の連中なんてまだ活動してるとこもあるんだし!

 相変わらずコンニャクだな……うちの意志って……

 

「……じ、じゃあ……うちも、行こっかな」

 

 

 

 

 

 

 などと、今日もなかなか部活にも行かずガールズトークに精を出すうち。

 でもトークを楽しみながらも、うちは会話だけに集中しているわけでは無い。この時間帯は、とある一点にチラチラと視線を向けながら会話を楽しむのが最近のうちのスタイルなのだから。

 

 

「……あ」

 

 

 その時、教室の扉のガラス窓越しに、ぼさぼさの髪が面倒くさそうに揺れているのが見えた。

 

「ごめん! うちそろそろ部活行くね」

 

 ホントにごめんね、由紀ちゃん早織ちゃん。いつもの急用が出来ちゃった!

 まだ思いっきり話の途中だったというのに、すぐさまバッグを引っ掴んで走りだすうちに、突然話を打ち切られた格好の二人から、怒りの声どころかこんな愉しげな声がかけられた。

 

「あ、もうそんな時間かぁ! 行ってらっしゃーい♪」

 

「ほらほらぁ、早く行かないとー♪」

 

 

 ……え、なんでだろ、なんか絶対ニヤニヤしながら言ってんだけどこの二人……

 

「じゃーね、また明日!」

 

 なんか恐いから振り返りません。

 あれ……? もしかしたら、うちのこの最近のスタイルの目的もバレてんの……?

 

「うん、また明日ー」「また明日ねー!」

 

 

「〜♪」

 

 

 うちの目的がバレてるかどうかはまた別のお話として、ちょっと恥ずかしいんだけど、そんな何気ないように発っせられた二人からの「また明日」に、うちは思わずルンっと跳ねてしまう。

 学校に復帰してから三週間くらい経つってのに、未だに友達との「また明日」って別れの挨拶には心が躍ってしまうのだ。

 ……だってあの頃は、そんな“明日”が無かったんだから。

 

 

 

「……へへ、よっし」

 

 今日も優しい挨拶を一身に受け取って上機嫌なまま教室を飛び出すと、うちは少し先を行くあの背中を真っすぐに追い掛ける。

 二つ隣の教室からあの部室へと向かう、あの丸まった背中を。

 

 

 ばっしーん! と、いつもとほぼ同じ場所で追い付いた背中を思いっきり叩いたうちは、にひひと笑ってこう言うのだ。

 もう夕方間際だというのに、朝一番に相手に贈るはずのこの言葉を。

 

 

 

「おっはよー、比企谷!」

 

 

 

続く

 





ありがとうございました!
奉仕活動日誌なのに、未だ一切奉仕をしないSSの第二話でした!

タイトル詐欺にならないように、次あたりからLet’ご奉仕!>さがみん




この作品を書いてて思ったのですが、『千佐さんの為!』『自分を認めたい為!』とか格好良いこと言ってるくせに、舌の根も乾かない内に次の瞬間にはすぐ我欲まみれになって調子に乗っちゃうこのダメ女っぷり、私嫌いじゃないですw

ではではまた次回です☆






と、ここで前のなんか読み返してられるかよ!という読者さまへ向けて、一応今作のオリキャラ紹介です。
まぁたぶん千佐以外もう出てきませんがw



結城由紀

さがみんの取り巻きのひとり。
原作やアニメで、さがみんと一緒に花火大会に来ていた女子って設定の女の子です。

前作では、進級数日でさがみんを見捨て、それを悔やんで「さがみんを救けて欲しい」と奉仕部へ依頼しにいった二人組の内のひとり。


折澤早織

結城と同じくさがみんの取り巻きのひとり。

原作で八幡の悪口を言い触らしてる時に、戸部に話し掛けられて顔を赤くしていた女の子。
つまりまさかのとべっちファン(笑)


千佐早智

前作で、クラスでハブられている身の内を明かし、奉仕部へ依頼してきた一年生女子。

中学の時から派手なグループの中心として立ち回り、高校入学と共にそんな態度がウザがられてハブられたという、若干さがみんのような小物臭漂う女の子。



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