17号は戦艦霧島に憑依するようですよ? 作:榛猫(筆休め中)
sideKIRISIMA
深海棲艦達を全て沈めた俺達は、ふと、襲われていた艦娘達の事を思い出した。
良く見ると、艦娘達は大した傷もなく、沈む心配もなさそうだ。
(私達が駆けつけるのが早かったのが功を奏しましたね...でも、何故このような海域に...)
まぁ、何か理由があるんだろ......。
とりあえず、話を聞いてみるか。
俺は艦娘の一団に近づき、話しかける。
「皆さん無事ですか?危ない所でしたね」
そうして近づいたところであることに気が付いた。
目の前にいる艦娘の中に俺...正確には
(もう一人の私は初めてですか?私達艦娘は人間のようにここに別れている訳ではないんです。同じ船の魂を受け継いだ、同固体が複数存在しているんですよ)
へえ、変わって得るんだな艦娘ってのは......。
だが言われてみればそうだ。
だが、いま俺達には新たな姉妹がいる。
少し考えれば気付くことか......
まあ、今は置いておくか。
そうして考えることを止め、意識を目の前の艦娘達へとむける。
「助けていただいてありがとうございました。おかげで誰一人沈むことなく生き残ることが出来ました。この子たちに変わってお礼を言わせてください」
そう言ってペコリと頭を下げる目の前の艦娘。
それに倣うように後ろにいた艦娘達も頭を下げる。
「いえいえ、頭を上げてください!私は当然のことをしただけですから」
そんなやり取りをしていると、中のアイツが声を掛けてきた。
(もう一人の私...この人達、もしかして...)
...あぁ、そうかもしれないな..早速舞い込んできたな......。
「失礼ですが、どうしてこんなところに?ここは敵の強さもかなり高い所のはずですが...」
「(ピクッ)いえ、実は少し、遠征中に迷ってしまって...」
...今、明らかに反応したな。
(えぇ、反応してました。怪しいですね...)
お前にもそう見えたか?少し聞いてみるか。
「それは大変でしたね...因みにそちらの提督はその事をご存知なのですか?」
「......はい、とても心配なさってくれていました」
「そうなんです...司令官は凄く優しい方ですから...」
「そうですか...」
今の間......。明らかに戸惑っていたな......。
これは黒と見てよさそうだ。
仕方ない、ここは正直に話して本当の事を話してもらうしかないか。
「実はですね、私、江ノ島所属のブラック鎮守府調査艦...。要するに艦娘達に酷い扱いをしていないかを調査している者なんです。あなた方の司令は本当に遠征に出したのですか?」
「っ!?」
「霧島さん、この人ならもしかしたら...」
「ですが由良さん...」
しかし渋る霧島に......。
「話しましょう!霧島さん!」
「アイツが居なくなれば皆もきっと助けられます!」
これは確定だな......。
(えぇ、決まりですね)
「しかし...」
「「「「「霧島さん!」」」」」
それでも渋る霧島に今まで口を閉ざしていた他の駆逐艦の艦娘たちが一斉に叫ぶ。
ここは俺ももう一押ししてみるか......
「霧島さん...。話していただけますね」
「......分かりました...お話します。私達の鎮守府の現状を...」
ようやくか、さて、今度の奴はどんなクズ野郎なんだ?
「......」