17号は戦艦霧島に憑依するようですよ?   作:榛猫(筆休め中)

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再開の姉妹

声をかけてきた主を見て俺は無意識に言葉を発していた。

 

 

「姉さん?」

 

と、そこまで行って慌てて口を噤む。

 

今の聞かれてないよな?もし聞かれてたとしたら面倒なことになっちまう...。

 

(と、とととととにかく落ち着けましょう!)

 

お前が一番落ち着け!何言ってるか分からなくなってるぞ

 

と、二人して混乱していると...。

 

 

「Woooooow!本当に霧島デ-ス!」

 

そう言いながら女は私の方に駆けてきて勢い良く抱きしめてきた。

 

その行動に俺は更に困惑するも一周回って冷静になることが出来た。

 

ちなみに霧島はというと......。

 

 

(お、おおおおお姉様が私をだだだ抱きしめててててて...)

 

といった調子で中で慌てふためきまくっていた。

 

 

「こ、金剛お姉様…苦しいです」

 

なんとか普段の霧島の演技を思い出しそう告げる。

 

 

「・・・・・・・」

 

しかし金剛からの返事はない。聞こえていないのか?

 

 

「お姉様?」

 

もう一度声をかけると今度は気が付いたようで慌てたように返事が返ってくる。

 

 

「oh…どうしたんデス?」

 

 

「いえ、返事がなかったのでどうしたのかと思いまして...」

 

 

「そうだったんデス?なんでもないヨ」

 

 

「はぁ、なら良いのですが...」

 

何もないならいいんだが、気づかれてなければいいか。

 

 

「ところでお姉様はどうしてここに?」

 

俺は疑問を聞いてみる。

 

 

「忘れてたネ!霧島を迎えに来たのデース!」

 

迎え?という事は...

 

 

「金剛お姉様が同室の方なのですか?」

 

そう問いかけると金剛は笑顔でサムズアップして答えてくれる。

 

 

「Yes!私ともう一人居るヨ」

 

もう一人か、さっきみたいなことにならないように警戒だけはしておくか...

 

 

「そうなんですか?三人部屋なのですね」

 

 

「ホントは四人部屋なんデスけど今は霧島も入れて三人ダヨ!」

 

 

「あぁ、そういう事だったんですね」

 

四人部屋に三人ってことは前の所ほど大勢いるわけじゃないらしいな...。

 

 

「Yes!それじゃあGuideしますからついて来て下さいネー!」

 

 

「はい!金剛お姉様!」

 

やれやれ、これじゃあ先が思いやられる...

 

そう内心でため息を吐きつつ俺は金剛の後をついていくのだった。

 

 

 

 

 

____________________

 

 

 

 

しばらく金剛の後をついていくとある部屋の前まで連れてこられた。

 

 

「ここが私達の部屋ネ!」

 

金剛の言葉に私は部屋の標識を見る。

 

 

 __

|  |

|金剛|

|  |

|榛名|

|__|

 

 

そこには確かに金剛の名前が記されていた。

 

 

「サア、霧島!中に入るヨ!」

 

 

「え?あ、ちょっと!金剛お姉様!?まだ心の準備が...」

 

そうこうしているうちに金剛に引っ張られ中へと連れ込まれる

 

 

「榛名ー!New Faceを連れてきたヨ!」

 

 

「お姉様!あまり引っ張らないで「霧島?」え?」

 

金剛に抗議の言葉を送っていると声がかけられる。

 

声のした方を向くとそこには今俺達が身に着けているのとそっくりなデザインの衣服を身に纏った長髪の女がいた。

 

その姿を見て先程の二の舞にならないよう記憶を探り出す。

 

その中で唯一ヒットしたものがあった。

 

 

「もしかして...榛名?」

 

 

「えぇ!久しぶりね、霧島」

 

ここに来てのまさかの姉妹艦二隻と再会か、運がいいのか悪いのか...。

 

(金剛お姉様に榛名まで...また会えるなんて...!!)

 

霧島の奴はさっきから泣いてばっかで頼りになりそうにない...

 

ここは記憶からどんなやり取りをしていたのか絞り出すしかないか

 

 

「そうね、まさかまた会えるなんて思ってもみなかったわ」

 

記憶を必死に思い出していると自然と涙が出ていた。

 

 

「え?どうしたの!?」

 

 

「霧島?」

 

 

「いえ..っまたこうして..っ二人に会えるなんて..っ思ってもみなかったので..っ」

 

涙ながらに話していると二人から抱きしめられていた。

 

 

「大変だったんですね...」

 

 

「大丈夫...もう一人じゃないヨ」

 

 

「......っっ!」

 

その言葉にまた涙が溢れた、どうやら俺はこの身体になって相当涙脆くなってしまったらしい......。

 

その後、一頻り泣いた俺は他の戦艦娘に軽く挨拶をして金剛主催のティータイムに参加するのだった。

 

 

 

____________________

 

 

 

その日の夜中、俺は寝付けず外で夜空を眺めていた。

 

 

「眠れないデスか?」

 

その声に振り返ると金剛が横にやって来ていた。

 

 

「はい、なんだか寝付けなくて...」

 

そう言ってまた夜空を見上げる。

 

 

アイツらは元気にやれてるんだろうか...」

 

 

「心配デスか?」

 

 

「あぁ、少しな...ッ!?」

 

そこまで答えて俺は慌てて口を閉じる。

 

その様子を見て、金剛が小さく微笑みながら話す。

 

 

「やっと本当の姿を見せたネ、霧島」

 

 

「...気づいてたのか?」

 

 

「Yes、姉妹なんだから当然ヨ!」

 

そう言ってエッヘンと胸を張る金剛を見て俺は小さくため息を吐く。

 

 

「ハァ..気づいてたとはな...それで、どうする?妹を消した俺を殺すか?」

 

すると金剛は首を横に振る。

 

 

「そんなことしないヨ、たとえあなたが何者であってもあなたは私の大切な妹ネ」

 

大切な妹...か、元男としては複雑な心境だ...。

 

 

「ふっ...姉さんも物好きだよな...」

 

 

「wats?何故デース?」

 

 

「俺みたいな妹の身体を奪った得体のしれない奴を家族として見るなんて物好きにしか見えないな」

 

 

「むぅ...なんか複雑デース。フフッでも、あなたはこっちの方が似合ってるヨ、どうして霧島のふりなんかしてるんデス?」

 

 

「本人に言われたんだ、大混乱になるからってな」

 

あー...と納得したような表情をする金剛。

 

 

「なら、私達の前ではその姿でいてクダサイ」

 

 

「いいのか?お前はともかくあの榛名とかいう奴は俺の事を知らないだろ?」

 

 

「榛名なら大丈夫ネ!きっとあなたの事も受け入れてクレマース!」

 

いったいどこからその自信が来るんだ...?

 

 

「......そうだと良いな」

 

そうして、また俺は夜空を見上げる。

 

空には星の光はなく、真っ暗な闇夜が広がるだけであった。

 

 

 

 

_______________

 

 

 

翌朝、俺は姉達と赤城の見送りの元、ターミナルに来ていた。

 

 

「もう出立するのですね」

 

 

「霧島!私達の仲間をよろしくネ!」

 

 

「黒い提督たちを懲らしめてきて!私も全力で応援してます!」

 

 

「ありがとうございます。それでは、行って参ります!」

 

そう言って私は三人に背を向け、出撃ポイントに立つ。

 

 

「霧島艦隊、出撃します」

 

その掛け声と共に俺は大海原へと旅立つのだった。

 

 

まだ見ぬ艦娘たちを救うために......。

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