芳香に出る人のはなしー

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ガン

 

「くそ、何十年ここで働けば良いんだよ!!」

 

カリカリカリ

「あと1250年と268日だ。」

 

「東条上等兵は相変わらずの石頭だなおい。」

 

「最終戦争論作者様の器の広い、更に先見性がある人物は足元が疎かですね。」

 

「「・・・はぁ。」」

地獄の地下迷宮・・・フロアA-45号室に二人の囚人がいた。

石原莞爾と東条英機である。

 

 

 

石原莞爾は未来を見ていた。

何十年も先の先を・・・

しかし手足が足りなかった。

 

 

 

東条英機は現実を見ていた。

昭和天皇からは義臣と呼ばれ、頼れる男と呼ばれていた。

しかし人気がなかった。

 

 

結果敗戦と同時に石原莞爾は先を見据えた行動をし過ぎて病気になり、東条英機は天皇を守るために悪となり自殺した。

相反する2人は地獄で同じ部屋で共同生活をするはめになる。

 

 

 

2人の共通点は国が一番大切だったことと部下思いだったことだろう。

石原は部下のために野営施設の改良を依頼したりした。

東条は部下に細かい気配りが好かれた。

 

 

 

 

「神に謁見できただけでもありがたいと思わないのかね?石原莞爾。」

 

「神だからこそだ。あれはしたっぱの神だ。ただの閻魔の補佐官だぞ!!それで満足するから戦争に負けるのだ東条上等兵。」

 

「陛下から信用できないと言われたくせに・・・。」

 

「部下に手のひら返しされたくせに・・・。」

 

 

 

石原莞爾はとことん天皇から何がしたいのかわからないと言われ続けた。

部下の一部には危険と思って離れた人物もいたのだ・・・ただ辻のように心酔してしまった人物もいたが・・・。

 

東条英機はとことん国民から人気が出なかった。

憲兵を多用しすぎたためであり、仕事を兼任しすぎたために天皇から授かった権力を乱用しているとも見られたらしい。

 

 

2人は地獄で1日に5時間ほど映像を見せられる。

戦争を経験した子供達の2人に対する評価を言われるのだ。

 

『戦争はいかん。私は長崎で原爆の10日後に家に戻ったらなにも残ってなかった。隣のちーちゃんやさっちゃんも・・・。』

 

『後遺症が残った近所に兄貴がいたんだ。戦争が終わって12年かな・・・海で泳いでたら兄貴が動かなくなった。古傷が開いて塩水の激痛が止めをさしてしまってな。』

 

『怖かった・・・満州で親に捨てられそうになったときもあった。仲良かったホイ君が石を投げて日帝って叫んだのは忘れられない。』

 

『軍人は嫌だ。東条英機は自殺して自分だけ助かろうとするし、石原莞爾も結局保身に走った・・・信用できない。』

 

「「・・・我々が尽くした者はなんだったのだ。」」

数万人を超える人物を見てきた感想だった。


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