東北から世界へ羽ばたくずんだの奇跡───。
拙い文章ですが、東北ずん子とその仲間達。そしてずんだ教の日常を綴れればと思っております。基本は公式とその小説の設定をところどころ引用します。

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初投稿です。
なお今回は東北ずん子の公式WEBページに掲載されているガバガバ自己紹介文君を自己解釈しただけの話となりまスゥゥゥゥ。


ウンメイノー

 春…それは出会いの季節…。春…それは別れの季節…。

 この季節、世の中は新しく何かを始める者と何かに別れを告げる者に溢れる。それは等しく、新たに一歩を踏み出すためのきっかけと成り得、そしてまた等しく、終わりを迎えるためのきっかけであり、こと日本においてそれは顕著である。

 そして今、日本は東北、季節は春、新たな出会いを果たそうとする少女がここに一人…。

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~宮城県某所~

 

 春、それは厳しい寒さを乗り越え芽吹いた草木に、柔らかくそして暖かい陽と風がもたらされる季節。しかしここ東北においては、未だ肌寒く、陽の暖かさで春を語ることは出来ても風は未だ冬の厳しさを持って吹き付ける。それがこのような海岸であれば、更に冷たい太平洋の海風が吹き荒び容赦無く生物の体温を奪い去る。まして今日は曇天であり、暖かき陽射しも遮られた今、それは海岸沿いを歩く少女に対しても遠慮無く猛威を振るっていた。

 

 「うぅ、流石にもう四月とはいえまだ海風は冷たいですね…。我ながらずんだを作るためとはいえ、少し遠出して枝豆やずんだペーストを買いすぎてしまいました…。思ったより時間が掛かってしまいました。雲行きも怪しいですし、早く家に帰らないとイタコ姉様ときりたんに夕食後のずんだロールケーキを作ってあげられません。」

 

 烏の濡羽のような黒髪と特徴のある髪留めが印象的な少女は両手に食材の入った袋を抱え、急ぎ足で帰路につく。

 

 空は少女の言うように雲行きが怪しく、いつ雨が降り出してもおかしくはないぐらいである。そうこうしている間にも、雲はどんどんと発達してゆき、遂には雷まで鳴り始める始末である。少女もこれはいけない、と足を速めるが、少女が三陸海岸近くを歩いているときに『それ』は起こった。

 

 やにわに、たちどころに、それはもう即座に。彼女の頭上の空を覆い尽くす雷雲が、黄緑色に、そう、譬えるならばずんだのような色に発光するや否や、溜め込んだ莫大なエネルギーを地上に向けて打ち放った。少女が歩く海岸には少女より高い防風林があった。が、どんな運命の悪戯であろうか。雷はまさしく矢の如く、少女へと落ちる。

 

 「きゃっ…な…!?」

 

 少女は突然の稲光に驚き頭上を見上げようとする。が、それよりも早くずんだ色の雷は少女の体に脳天から突き刺さった。雷に打たれた少女は少女はその場に倒れ込み、二、三度痙攣した後動かなくなるのであった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────

 

 「ん…ここ、は…?」

 

 意識が浮上し、少女は目を覚ます。起きた直後で霞む目を開けると、先ず真っ白な天井が視界に飛び込んでくる。視線のみを動かすと、点滴や医療器具とおぼしき物が見えた。未だ寝ぼけた思考でも、ここが病院またはそれに類する施設であることが彼女には理解出来た。この病室は珍しいことに一人部屋であるようだ。であるが故の静寂が少女を包み、外から聞こえてくるクビキリギリス…であろうか、夜虫の声が病室にまで届く。

 

 「うっ…よいしょ…痛っ、うぅ全身がそれとなく痛いです…。」

 

 少女は上半身を起こす。その際に、雷に打たれたからであろうか、その後に受け身をとらず倒れ込んだからであろうか、はたまた両方か。それは定かでは無いが、軽い痺れにも似た痛みが体を貫く。

 

 少女は慣れぬ痛みに困惑し、首をひねりながらも、自分がここにいる原因を思案する。

 

 (あの時一体何が起きたのでしょうか…何か光って直後に頭に凄い衝撃があったかと思うと目の前が真っ暗になって…………)

「あっ!そうだ!そうでした!早く帰ってお姉ちゃん達にずんだロールケーキを食べさせてあげないといけないんでした!」

 

 こうしてはいられん、とばかりに少女は掛かっていた布団を剥ぎ取り、材料として購入したはずの枝豆とずんだペーストを探す。まもなく目的のブツが近くのテーブルに置かれているのを発見する。

 

 「はぁ~良かったぁ…。…ん?なんでしょうかこの無造作にテーブルの上に置かれた餅は…ずんだ餅にしたら、いや、ずんだ汁粉でも美味しそうですね。と、ともかく、これで三日間はずんだフルコースを食べられます!………ん?なんでしょうかこの…弓と矢は。一体何でこんな物が病院に?」

 

 少女は咄嗟に起き上がったので気付かなかったようだが…ベッドの上に、およそ病院という施設には似つかわしくないであろう弓矢を発見する。それは通常の弓矢とは違った、独特なカラーリングと形状(まさしく枝豆である)が目を引くが、少女の知識ではその弓はどうやら和弓のようであった。

 

 (なぜでしょう…私が弓道をやっているから、とも、どことなく枝豆っぽいから…とも違う。この弓矢には漠然と、しかし強く興味を惹かれます…。何か、この弓を構えて、矢を携えて、あの無造作に置かれた餅に向かって矢にずんだを塗りつけて射ら無ければならない…更に言えば、あの餅をずんだで染め上げる…この弓矢からはそんな意思を感じます)

 

 「ちょっとだけ…先っぽ…先っぽだけなら…一発だけなら誤射かもしれません。」

 

 少女はふらふらと弓矢に近寄ると、買ってきたずんだペーストを鏃に塗りたくると、堂に入った構えで矢を番え弓を構えた、その瞬間であった。 引き絞った矢の先端のずんだがよりずんだらしく緑緑と、つぶつぶとし始める。驚きではあるが、なぜよりにもよってずんだなのであろうか。この弓にしてこのずんだあり、つまりはそういうことであろうか。

 

 「世にずんだのあらんことを」

 

 少女はどこぞのビーハイヴの如くそう呟くと、幽鬼の如く構える。しかしそれにぶれは無い。そして一瞬の停止の後、彼女は一射を放った。餅へ向かって。今この瞬間風を裂き餅へ走る矢は、一直線に進んだ後にその進行方向上の餅を貫くことだろう。

 

 (!私は一体何をして!食べ物に向かって弓を射るなんて…このままじゃお餅を粗末にしちゃいます!まだずんだ餅にしてないのに!) 

 

 少女の懸念はもっともであり、このまま矢は餅を貫いた勢いのまま、餅を吹き飛ばし地面に突き刺さ……りはしなかった!

なんと矢は餅に刺さった瞬間運動を停止しそのまま発光。光がその後数瞬で消滅した頃には、そこにはずんだ餅へと変わった餅が残るのみであった…。

 

 「………なんということでしょう。」

 

 少女も目の前で起こった摩訶不思議な現象に戸惑いを隠せない様子であったが、すぐに我に返る。

 

 「凄いです…。素晴らしい…素晴らしいです!この弓矢が有ればどんな食べ物もずんだ味にすることが出来ます!!きっとこれは日頃からずんだをこよなく愛している私にずんだが授けて下さったのですね!良いでしょう。判りました…。この東北ずん子、この世界をずんだで染め上げて見せましょう!」

 

 少女はなにやら取り憑かれたかのように笑い、意味不明なことを口走る。と、その最中であった。

 

 「ずんちゃぁ~~ん!!」

 

 「ずん姉様ぁぁ!!」

 

 突然病室のドアが開き、それはそれは特徴的な少女が二人、飛び込んでくる。

 一人は猫耳と銀髪が特徴的な少女。もう一人は、背中に背負われている二門のきりたんぽが特徴的な幼女。それに気付いた弓を持つ少女は、その声に満面の笑みで振り向く。

 

 「あっイタコ姉様ときりたんじゃ無いですか。どうしたんですかそんなに慌てて…。」

 

 「ずん姉様体は、頭は大丈夫ですか!?」

 

 「いきなり何を言い出すんですかきりちゃん!?私はこの通りピンピンしていますよ?」

 

 「ずんちゃんが海岸で雷に打たれて病院に搬送されたって聞いて駆けつけてきたのですわ!それで、どこかおかしいところや、痛むところはなくて?(ずんだ関連以外で)」

 

 「そうですよ!私ずん姉様の身に…主に太ももに何かあったらどうしようかと…心配で心配で(ずんだ関連以外で)」

 

 猫耳銀髪少女─イタコと、きりたんぽ幼女─きりたんの心配は少女───ずん子と呼称する─にとっては有り難い事ではあったのだが、実際そこまで痛むところはほとんど無く目立った傷も無かった。いや、そういえばおかしな事、いや変わったことと言えば、とずん子は、その手に持つ弓に視線を向ける。

 

 「あっそうです!そういえば見て下さいこれ…この…そう!云うなればずんだアローを!」

 

 「ずんだ…アロー…ですの?ずんちゃんそんな弓持っていましたっけ?」

 

 「姉様の安直すぎるネーミングはともかく、変わったことがその…ずんだアローなんですか?」

 

 二人はずずい、と押し出されたずんだアローに目を向ける。見間違いようも無くアローである。緑色だからずんだなのであろうか?と二人は思ったが、その疑問は置いておくこととして、取り敢えずその弓が何であるのか、どうしてここにあるのかを聞く事にした。

 

 「えぇ。この弓はなんと!弓で射った食べ物にずんだを融合させることが出来るみたいなんですよ!見ててくださいよ、姉さん、きりたん。今からそこの無個性なお餅をずんだ色に染め上げて見せますから。」

 

 「ちょちょ...ちょっとお待ちなさいな!?なにサラッと病室で弓を構えてるんですの!?まさか本当に雷に打たれておかしくなってしまったんですの!?」

 

 「そうですよ!幾らずん姉様がずんだ狂とはいえ、そんなTPOを弁えない行動をとるはずがありません!」

 

 「…ひどい言われようですね…。ならば、尚のこと論より証拠を見せると致しましょう。」

 

 そう言うが早いか、ずん子は矢の先端にずんだを塗りつけると、少し離れたテーブルの上にぽつねんと置いてある餅に狙いを定める。それを見た二人が本格的に慌て始めるのをよそに、それまでの雰囲気とは打って変わって一変。ずん子は洗練された動きで射法八節をなぞり──射る。

 

 「ッッ…!」

 

 

 ────見る者が息をのむ程、それは見事。

 

 ───凄絶…それを表すならば、まさしくこの一言に尽きる。

 

 ──放たれたそれは空を裂き、白き餅の弾力的な結界を翠の矢で以て刺し穿ち、光り輝き、

 

 

 「……まさか本当に…」

 

 「……ずんだ餅になってしまうとは…ですわ…」

 

 「ですから先ほどから申し上げていた通り、私はずんだを広める為の力を手に入れたのです!」

 

 

 

 

 

 ─美味しそうなずんだ餅へと変貌させていた。

 

 

 

 

 

 




きりたんのVOICEROID発売と、東北ずん子のアニメ化が決定しましたね。
これでずんだが日本国民だけで無く世界中に浸透することでしょう。

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