という事で書かずにはいられませんでした。いやまあ、ハンターなんてもんを出したらグレースがどうしようもないので仕方ないんだろうなとは思ってるんですけど。
せめてつい先日発表されたDLCで出てきませんかね。値段はリッカーの3倍以上でお願いします。
それで時系列としては、本編開始前、No.97加入直後です。
キャラおさらい & 追加キャラ。
No.1: 片目
一番強い。タイラントに匹敵する。
No.6: 能天気
いつもぼうっとしている。その癖して戦闘もかなり出来るし頭もかなり回る。
No.7: 紅
雌。頭もかなり回るが、戦闘はそれと比較すると劣る。
No.10: 痩身
一番足が速い。
No.13: 色欲狂い
頭が回る。B.O.Wも人間も雄雌問わず犯す。
No.15: 長物使い
鉄棒を肌身離さず持っている。
No.21: 悪食
B.O.Wも食べる。でかい。膂力と体力は一番ある。
No.27: 主人公
一番頭が回る。戦闘は長く生きてきた割には並。
No.30: 幸運
運が良いだけ。頭も戦闘も長く生きてきた割には並。
No.97: 古傷
元々別組織のハンターα。No.1が生け捕りにして鞍替えさせた。
実力はNo.1に劣らない。
中には9年以上振りに動かすキャラも居たり。
寂れた郊外の荒れた道路を走り、小刻みに揺れるトラックの、外からは見えない荷台の中。
薄い明かりが一つ。中にはハンターαという名のB.O.W……人と同等の体躯ながらも、銃弾をも弾く鱗と、人の首を刎ねる事も容易い長く太い腕を併せ持つ、トカゲと人を組み合わせたような姿形の生物兵器が複数詰められていた。
トラックを駆るのは、とある犯罪組織。それが飼っている数多いハンターα達の中でも、選りすぐりの個体達。
数体は退屈そうに爪を眺めていたり、ただ座ってじっとしている。
数体はある一体を警戒心を露わにして目を離さない。
そして一体は、その警戒されている一体を庇うように、隣に座っている。
広くはない荷台の中で、静かな緊張感を醸し出している、その一体。
それは、直近に敵として交戦した個体。そしてこの組織の中で最も強いハンターαであるNo.1が生け捕りにし、この組織に鞍替えさせたハンターαだった。
ナンバーは単純に、一番最後に付けられて、No.97。歴戦の古傷が至る所に残っているも、五体満足で、片目の光を失っているNo.1とは異なり、両目もしっかりと見える。
だが、酷く居心地が悪いこの空間の中では、そんな歴戦の風貌など微塵も見せないまま、ひたすらにじっとしているばかりだった。
古傷を庇うように前に座っている片目。
警戒しているのは、紅と悪食と痩身と、それから長物使い。
我関せずと言うように、もしくは自由気ままに過ごしているのは、能天気に色欲狂いと、それから幸運。
そんな険悪な空間で、寝るにも寝られず、片目の一番近くで、ただ時間が過ぎ去るのを待っている自分。
今回はどんなミッションを課せられるのかも知らされていないが、この古傷が本当に自分達に馴染めるかどうかのテストも兼ねている事だろう。
この古傷を含む敵組織のハンターαに殺された仲間には、No.30までの……古参の仲間も数体含んでいる。
最初にこの組織に入ったハンターαも、最初はその30体も居たのに今は指の本数と殆ど一緒になってしまった。
一番最初に入った内、自分より数の大きいナンバーももうNo.30の幸運だけ。
……せめて、また同じハンターαとの戦闘はやめて欲しい。
連続してそんな事をされたら、自分の中の、壊れてしまったらもう元には戻らないような、せめてと守っている小さなものすらも、壊れてしまいそうな気がしている。
それは、古傷も含めて同じだろう。
ちらりと、片目と古傷の方も見た。この中で怪しい素振りをしただけでも、きっと自分達の命は無くなってしまうかもしれないと理解しているその二体は、身動きをする事すら憚られている。どうにも、もう既に疲れてしまっているようにも見えた。
……いつまでトラックが走っているのか分からないが、こんな時間がもっともっと続いたら、ミッションが始まる前に最強たる二体が使い物にならなくなってしまう。
それだけは避けるべき事だった。
仕方ない。
立ち上がり、揺れるトラックの中をふらふらと歩いて、寝ている幸運を揺さぶって起こした。あからさまに嫌な顔をされるが、渋々というように着いてくる。
弱いというのも、稀に役に立つ。単純な実力では最も弱い自分と幸運が、片目と古傷を隠すように前に座った。片目と古傷に、堂々と背中を見せて。
場の緊張が、少しだけ薄れた。
「……キルルッ」
助かった。
片目が感謝を伝えるように、小さく鳴いた。
肩を少しだけ動かす事で返事をした。
*
ぼうっと揺れる明かりを見て。トラックの揺れに合わせてうつらうつらとして。
目が覚めた色欲狂いの、おっ勃ったそれが少しばかり臭いを醸すと、雑に蹴られて端に追いやられていた。
それから悪食の腹から音が鳴った頃、やっとトラックが止まった。
程なくしてトラックの扉が開く。出てくるように指示されるも、結局は建物の中の、ちょっと広くなった檻の中に移るだけ。
目の前には飯が置かれていた。いつもよりは多め。甘い水もあった。
伸びをして凝り固まった体を解しながら周りを見れば、組織外の人間も半分くらい混じっていた。
……自分達が生まれた場所に居た人間の格好をしていた。
同じく組織に命を握られているが故に、時には自分達と協力してもくれる人間達とは違って、常に冷たい目でしか見て来ない、自分達をそういうモノだとしか見ない人間達。
ただ、多分今回のミッションはそこまで死ぬ危険性まではなさそうな気がする。
悪食が早速飯に手をつけようとしたところで。
その、組織でない研究者の格好をした人間が檻の外から声を掛けてきた。
「飯の前に聞け。
今回の貴様等のミッションは、B.O.Wとの戦闘だ」
……命に危険はないと思ったのに。
それと、もしかして……。
「身構えなくて良い。今回のB.O.Wはハンターαじゃない。リッカーだ」
最悪ではなかったとほっとするも束の間、目の前の壁に映像が映し出された。
なんだ……これ? 脳味噌が剥き出しで、全身に鱗どころか皮すらなくて……?
「厳密に言えば、B.O.Wとは少し違ってTウイルスに侵された人間の成れの果てなんだがな。この形で繁殖出来るところからB.O.Wに格上げされた経緯がある。
まあ、そんな事はどうでも良くて。
今からこいつが人間を襲っている映像を見せる」
……爪は、まあ自分達と同じような形で。壁を這い回れるのも同じ。流石に天井は無理だと思うけれど。
舌で突き刺す!? 凄い速さで……自分や幸運には避けられなさそうだな。片目には出来そうだが。
そう思って片目の方を見ると、既にワクワクするように体を慣らしていた。
それと多分……。
「見ての通り、こいつらの武器は、俊敏性と、爪と、伸びて突き刺せる舌だ。
そして、こいつらには目がない、というよりかは、脳がデカくなり過ぎて、自身の頭蓋すらもぶっ壊して、目ん玉を隠しちまったんだな。その代わりに耳が発達していて、微細な音にも反応して襲いかかってくる。
だが、その癖してこいつらには知性がない。頭を拳銃で撃たれても本当に当たりどころが悪くなければたちどころに治っちまう。デカいだけで大した中身は詰まってない。
要するに、こういう映像を見て、私達の話も理解出来るハンターαの中でも上澄みな貴様等と比べてしまえば、出来る事もよっぽど限られている、暴れさせるくらいしか役に立たないB.O.Wだ」
……。
「ただ今回の貴様等が戦うリッカーも、上澄みだ。暴れるしか能のない事には変わりないが、そういう乱雑な作戦に複数回投入されて生き残ってきた奴等と戦って貰う。
ま、要するに、貴様等が買われる前に良くやってきた事と同じだな。価値を示せ、って事だ」
別に、何だろうと自分達は生き続ける為に足掻いてきただけだ。やる事は変わらない。
「それと、より良い価値が示せたならば、褒美をやっても良い。とりわけ貴様達を知った顧客達からは、随分と儲けさせて貰っているしな」
……それには少し興味がある、が。
「それから」
組織の人間が口を挟んできて、自分に目を合わせた。
「察しているだろうが、今回はNo.97が本当に馴染めるかの確認も兼ねている。
No.97はNo.1、No.27と組んでも良いが、それだけで組むのは禁じる」
…………面倒だな。
*
飯を食いながら、考え事をするように上の空をしているNo.27。
檻の外で、組織の人間と、依頼元が小さく話す。
「あれが、奴等の精神的支柱、ねぇ」
「あれが居なきゃ、No.1だってもっと早くに死んでいた。手榴弾を一番最初に使ったのもあいつだ」
「ふぅん……」
観察してみれば、一匹で上の空をしているNo.27の事を、他のハンターα達は邪魔しようとは微塵もしていない。No.97だけがそんなNo.27と他の皆の事を不思議そうに見回している。
「他にも賢さで言えば比肩する奴も幾つか居るがな。No.6, 7, 13辺りとか。だが、そいつらはNo.27より腕が立つ。
だからこそ、考えるのはNo.27に任せている節がある」
「厳しくすれば、より成長の可能性もある?」
「……これ以上、初期出荷組を蔑ろにするつもりはないぞ。こいつらはウチにとってもう貴重な財産だ。試験的に受け入れた時より、想像以上に、値段以上にな。
今回だってリッカー程度ならどれだけ腕が立とうと、被害なく潰して見せると踏んでの判断だ」
「そう、残念」
チーム分け。
正直なところ、片目と古傷だけでリッカーとやらは何体でも片付けられるとも思うが、そういう訳にもいかない。
かと言って、片目と古傷に誰かを付いて行かせるなら、自分も付いて行った方が良い。自分が間に挟まらないと片目と古傷が集中出来ずに最悪が有り得る気がする。
片目と古傷と自分と、そうだな、もう一体だけ誰か。……敵意を露わにしてない奴で、多少なりとも古傷としてもどういう奴か分かってるのは……うん、まあ、色欲狂いになるか。トラックの中での事もあったし。
それと、残りは……任せておけば良いか。幸運以外、自分より強いのには変わりないのだから。
色欲狂いは、幸運と違って嫌な顔はしなかった。
古傷の方がこいつと? と、今でも少し開いている割れ目に目を向けながら怪訝そうな顔をするも、色欲狂いはどこか上の空。
どうせ、あのリッカーはどんな感触なのだろうと想像しているに違いない。
残りは好きにさせたら、能天気と長物使いと、それ以外でそれぞれ組む事になっていた。いつでもぼーっと過ごしている割にひょいひょい何でもこなしてしまう能天気と、お気に入りの鉄棒をいつでも持ち歩いて武器としても使う長物使い。実力としてはそれぞれ釣り合いが取れている。
それと、長物使いは幸運の事が嫌いだから分かれているのも良い。
今度は組織の人間が檻の前に立って、再び何かを説明し始めようとする。
「さて。そろそろ時間だ。
最後に今回のフィールドを説明しておく」
再び映像が映し出された。真上から見た形の、真ん中がぽっかり空いている四角い建物。
「廃棄された療養所だ。2階建てで、中庭がある。
中庭は問題ないが、建物の外側にはハンターαやリッカーにしか聞こえない音を流してある。
多少は外に出ても問題ないが、音が強くなってきたら気をつけろよ?」
人間は自分の首をトントンと叩いた。
要するに、そこまでがフィールドという訳だ。
「そして、入場地点だが、今俺達が居る場所がここだ」
建物のすぐ外にあった四角い点を指し示される。
檻の片側はトラックの中。もう片側は如何にも開きそうな壁。
「そっちの壁が開いたらミッション開始だ。そしてミッション終了は、どちらかが全滅するまで。
そして、今は昼過ぎだ。陽が落ち切るまでに被害なし、ミッションの終了まで行ったら褒美も与えてやろう」
……生きる事ばかりに必死で、そういうものはどうしても欲しくなる。でも、その為に命を落としてしまってはくだらないにも程がある。
今回は、とりわけ自分達はそんな欲を出そうとは思わない方が良いだろう。
「準備は、良いか?」
長物使いが、鉄棒をドン、と床に叩いて答える。
紅が相変わらず不安にしている幸運の腕を掴んで落ち着かせている。
能天気もいつもと殆ど変わらないにせよ、脱力を意識的にしている。
痩身は軽く体を跳ねさせ、悪食は腹を撫でている。
色欲狂いの呼吸は少し荒く……言ってしまえばリッカーを犯すのを楽しみにしている。
そんな、割れ目が開いている色欲狂いの事を、呆れた目で見る片目と、信じられない目で見る古傷。
……まあ、険悪よりはよっぽど良い。色欲狂いがそれを見越してそんな事をしているとも思えないし。
「それでは時間だ。行って来い!」
ギギィ……と重く軋む音を立てながら、扉が開いた。
目の前には至る所の窓ガラスも砕けて久しいような、古びた木造の建物が待ち受けていた。
*
眩しい太陽、乾いた空気と乾いた土。曇っていて湿っている方が好みだが、檻の中に閉じ込められているよりは余程に良い。
……首輪もなしに、ただ気ままに過ごせたらどれだけ良いか。
そんな思いを一瞬だけ。
そして、前を見直す。
取り敢えずは、とまだチーム毎に分かれる事はせずに、建物に近付く事にした。
リッカーという初めての獲物にどうしても逸る片目と、それに付いていく古傷が先頭になって、建物の外周まで辿り着いた時。
その二匹が咄嗟に身構えた。
音は……立てていないはずだ。もしかして、騙したのか??
そう思った時。
カンッ、カンッ。
建物の中から、硬質なものに爪を叩いたような、辺りに響き渡る音。
……幾度のミッションを生き残ってきた、自分達と同じようなリッカー。
明らかに……その耳は、目が見える以上に周りの事を把握している。
そしてそんな、あからさまな音を立てたリッカーは、いつまで経っても片目と古傷の前に姿を現す事はなかった。
そういう訳で、
長く生き延びてきた中で知性と戦闘力を更に増したハンター達 vs 戦闘を生き延びる内にエコーロケーション能力を身につけたリッカー達
です。まあ、9/10は生き残る事は確定している訳ですが……。
MHST3発売までに書き終えたいけど、無理な気がしている。