3日連投です。←
息抜きのつもりで書いてたら、結構長くなってしまいました...
長すぎるかな?とも思ったのですが、切るタイミングを逃してしまいました笑
内容の話をすると、今回はいろはが少しいつもの調子を取り戻した気がします。
(前回の読み直したらちょっとキャラぶれてた気がしまして...)
あと、地の文も少し硬すぎかな?という印象を持ったので、語り口を気持ち柔らかくしてみました!
それでは本編第2話です、どうぞ
「あ、ヒッキー遅い!なんで先行っちゃうし!てかなんであたしより遅いし!」
あ、結衣先輩だ。久しぶりだなー、この感じ。
先輩の肩越しに、ぷくーっと頬を膨らませている美少女が目に入った。
んー、やっぱりかわいいなぁ…こういう顔わたしがしてもほとんど効果がないのに、目の前の先輩は少し赤くなって言い訳をはじめた。
「いや、平塚先生に雑用押しつけられてただけだから」
それだけ言って自分の席に着こうと歩き出した先輩の後ろにわたしがいることに、結衣先輩が気付いた。
「あれ?いろはちゃんだ、久しぶり!やっはろー」
「こんにちはー、結衣先輩、雪ノ下先輩」
そう言ってわたしは相変わらず謎のあいさつを投げかけてくる結衣先輩と、その向こうで読みかけの本をパタンと閉じた雪ノ下先輩にあいさつをした。
「あら、ずいぶんと久しぶりね。一色さん」
と、一見淡泊にも思われるあいさつを返してきた雪ノ下先輩だが、実際には随分と優しい微笑を湛えていた。まぁ、普通の人が見てもわかんないんだろうけど。
ていうか…
なんか普通すぎません?こんなもんなの?
いろいろ考えてたわたしがバカみたいじゃないですかー。
そう思いながらもわたしは定位置に腰かける。その動きはほとんど無意識で、自分でもびっくりするぐらいしっくりくるものがあった。
「でもほんと久しぶりだよね、最近全然来ないから心配だったんだ~。なんかあったの?」
「あー、いえ、ちょっと生徒会のほうでバタバタしてましてー」
あなたたちに何かあったと思って悩んでたんですよ!
とは言えるわけもなく、適当にはぐらかした。
さすがに苦しいかな?とも思ったけどそうでもないらしい
「卒業式も近いものね。しっかり自立してくれてるみたいでよかったわ」
一瞬チラッと先輩の方に視線を向けた気がしたが、雪ノ下先輩が私の発言に同調してくれた。
この人に嘘をついておくのは後々怖い気もするけど、確かに卒業式の件でいろいろ忙しかったのは事実だし、まぁいっか。
「うちの備品も、たまには休ませないと長持ちしないもの」
「…ナチュラルに備品扱いするのやめてもらえませんかね」
「あら、私は一言もあなたのことだなんて言っていないわよ」
ぐぅ…と唸る先輩を尻目に、雪ノ下先輩は本を置いて立ちあがると、少し上機嫌に窓際へ移動する。
「一色さんも紅茶でいいかしら?」
「え、あ、はい。お願いしまーす」
んー、なんか…
普通すぎるというか、バレンタイン前に感じていた妙な違和感とか、微妙に取り繕った雰囲気みたいなのが一切感じられないんだよね…。
まぁそんなこと考えてても仕方ないか。今日はいっぱい甘やかしてもらうつもりでここに来たんだし、しっかり甘えないと損だよね!
× × ×
それから私は、愚痴を聞いてもらったり、スピーチ原稿のチェックをしてもらいながら、久しぶりの奉仕部を満喫した。
「もうこんな時間ね…。今日はこの辺にしておきましょうか」
見ると、時計は既に完全下校時間の20分前を指していた。
意外と時間が経ってたみたいだ。ホントは今日、ひとつだけ先輩に相談したいことがあったんだけど、この調子だと明日も問題なく部活やってるだろうし明日でいっか。
それにしても、いったい何があったらあの雰囲気からこんな自然に戻れるんだろう…。
もしかして、先輩とあの二人のどっちかが付き合っちゃってたり!?…しないか。
まぁそれはないにしても、わたしが知らないところで何か大きなものが動き出した気がして少し不安なんだよね…先輩そういうのあんまり顔に出さないですし。
「それでは、私たちは先に帰るわね。比企谷くん、戸締りは頼んだわよ」
「おう」
「それじゃあ、お疲れ様。一色さんも」
「おつかれー、ヒッキー、いろはちゃん」
「あ、え、おつかれさまでーす…?」
「…なんで疑問形なんだよお前は」
どうやら結構な間考えてしまっていたみたいです。
その間に帰り支度を済ませた結衣先輩と雪ノ下先輩は一足先に部室を出てしまって、今この部屋にいるのはわたしと先輩の二人だけ…
…どうしてこうなった。
「ゆきのん待ってよ~!」
遠くで結衣先輩が雪ノ下先輩を呼ぶ声が聞こえ、そしてそのまま結衣先輩が雪ノ下先輩の腕に抱きついてゆるゆりしているところが想像できるまである。
てゆうか、わたしこの状況ちょっとヤバいんですけど…
ゆきのん待ってよ~♪
じゃなくて、あー、もう!
さっきまでは普通にいつもの一色いろはで居られたのに、二人っきりになった途端、またどうしたらいいか分からなくなってしまった。
わたしってこんなに純情な感じじゃなかったと思うんだけどなぁ…
それもこれも、久しぶりに会ったのに最初っから優しさMAXで接してきた先輩がいけないんです!MAXコーヒー並みに甘々な先輩のせいです!飲んだことないけど!
そうです、これは私のせいじゃない!
それにしても先輩帰る気配ないな…早く出ろってこと?
でもせっかく図らずも二人きりになれたんだし、明日にしようと思ってたけど、本当はもう少し話しておきたいことがあるんです。
「なぁ、いっし…」「あの、せんぱ…」
あ。
被ってしまった…
「…」
「…どうぞ、せんぱいから…」
「お、おう…その、あれだ。…なんか話があるんじゃねぇのかと思ってな…」
「え…?」
予想していなかった発言に、ただでさえ通常運転が怪しかったわたしは、またもや先輩の前で言葉に詰まってしまった。今日のわたしはどうかしてる。
ていうかわたし、そんな分かりやすいですかねー。
まぁ話があったのは事実だし、ここは素直に相談に乗ってもらうことにしましょう!
「いや、その…ないならいい。俺の勘違いだ、忘れ…」
「あ、ありますっ!」
やっちゃったぁぁぁ!
勢い余って食い気味に返事をしてしまった…。
「お、おう。そうか」
せんぱい引いてるじゃないですかー!
まぁ今のはわたしが悪いですケド...。
それにしても、このままではダメだ。
これじゃあ今日の目標の一つだった、“先輩をからかう”が達成されない…!
ここはひとつ、気合を入れてこっちのペースに持っていく必要がありそうです。
んんっ!
咳払いをひとつ。
喉の調子、良好。
萌え袖OK。
よし、いける。
先輩の制服の裾をちょこっとつまみ、片手は口元に当てて上目遣い。
そしてとどめは、吐息たっぷりの誘惑ボイスで…。
「せんぱい…相談が、あるんですけどぉ…。どこか…寄って行きませんかぁ…?」
みるみるうちに先輩の耳が赤くなっていき、先輩の目があたふたと泳ぎ始める。
そして最後にもうひと押しすれば、わたしの勝ちだ。
よし、これで今日のペースは完全にもらいましたよ!
…と、思っていた時期がわたしにもありました。
「なんでお前そんなに嬉しそうなの?若干にやけてるのが超怖いんだが…」
えっ、にや…ッ!?
うそ!そんな顔に出てた!?
うわぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!
ボッと火を噴くように、自分の顔が紅潮するのを感じる…。
「何やってんのお前…、はぁ…。寄り道なら付き合ってやるから、早く出ろ。下校時間過ぎちまうぞ」
「うぅ…。はい、お願いします…」
結局わたしが自爆しちゃいました、まる。
やっぱり今日のわたしはどうかしている…。
× × ×
「あのー、せんぱい…頭おかしいんですかぁ?」
「いやお前、サイゼに謝れよ…。」
少々気まずい移動時間だったけど、何とかいつも通りの会話ができるまでには先輩との距離感を思い出し、先輩に相談事を聞いてもらおうとお店を探したところ…
サイゼに連れてこられました。
まぁ先輩ならたぶんここを選ぶと思ってましたけど…。
「それにあれだ、俺はそこまで頭はおかしくないと思うぞ?目とか目とか、あと目とか、諸々おかしいと自負している部分はあるが、相対的に見れば頭はおかしくない方だ。むしろ良いまである」
相対的に見て頭がわりといい部分なら、ほかのところはもう目も当てられませんね…。
「へぇー」
反応し始めるとめんどくさく長引きそうだったので、生返事で返すことにした。
まぁでも、この前先輩に連れて行ってもらったあの…まつたけ…?みたいな名前のラーメン屋さんはびっくりするほど美味しかったし、たまにはこういうのも悪くはないかもしれない。
先輩が普段どんなものを食べてるのか、ってことも今後の参考になりそうですしね♪
「で…一色、何頼む?」
メニューらしきものを差し出されたけど、こういうトコとは本当に縁がないから見せられても正直わからないんですよね~。
とりあえずはリサーチがてら、先輩のオススメでも聞いておきましょう。
「わたしあんまりわからないんで、せんぱいと同じものお願いしまーす」
「っ…。いちいち言い方があざといんだよ…。食えないない物とかあるか?」
「んー特にないです」
そこら辺はさすが先輩というべきでしょうか、しっかりわたしの好き嫌いまで確認してから注文を決めてくれます。
まぁそういうのって、妹さんへの対応で自然と身についただけなんでしょうけど…。て、それって妹と同列視されてるってことなのかな...? んー。
けどやっぱり、先輩のそういうさりげない気遣いみたいなのはちょっとだけかっこ…じゃなくて、あざとい部分ではあります。
それに、オススメを聞かれたのがよっぽど嬉しかったのか、ちょっとテンション上がってて可愛いし…。
わたしに食べれないものがないことを確認すると先輩は、メニューも見ずに呼び出しボタンを押した。
「え、せんぱいメニュー見ないんですか!?」
さすがに驚いて聞いてみると、先輩はなにやら不敵な笑みを浮かべていらっしゃった。
あぁ、これ絶対めんどくさいやつだ…。
「ふっ…。なめてもらっちゃ困りますよ一色さん。俺くらいのレベルになると、メニューなんざ見なくても、商品名を暗記してるのは当たり前…加えてキッチンから聞こえてるオーダリングコードを覚えてるまであるからな」
「うわぁ…」
これはさすがにドン引きますよ。
オーダリングコード覚えてるって何なんですか…。
もうサイゼリヤでバイトでもした方がいいんじゃないですかね?働きたくないでござる!って言ってる先輩はさすがに将来的にヤバいと思うので、ここらで社会勉強させとかないといけない気がするんですよ…わたしの将来のためにも。
× × ×
結果だけ言うと、
先輩が注文してくれたドリアは、予想以上に美味しかった。
決して食レポみたいな感想が出てくるような美味しさではないけど、結構クセになる味で、普段から男子ウケを狙ってオシャレなカフェとかばかりに通っているわたしにはとても新鮮に感じられて、それがまた少しわくわくするような…そんな感じだった。
こないだのラーメンといいこれといい、どうやらわたしの舌にはこういった庶民的な味の方が合っているのかもしれない。
これもまた、先輩と一緒にいる時間が増えたことによって発見できた、自分の知らない一面だった。
なんか先輩とは、図らずも味覚が似ているようです…。
「どうだ?うまかっただろ」
「うぅ、悔しいですけど、はい…美味しかったです」
「おお…やけに素直だな…。まぁでも、一色はなんだかんだ俺と似たような味覚してる気がしてたんだけどな」
むぅ…それはその通りですが、先輩からそれを言われるとちょっとアレなんで。
いやアレってなんだよ。アレはアレですよ。わたしにも分かんないです。
まぁとにかく、先輩がいうのはダメです!先輩のくせに生意気です!
てなわけで…
「なんですかそれ口説いてるんですか味覚が同じだから君の作る料理なら美味しく食べられそうだよ毎朝俺の味噌汁作ってくれってことですか、ごめんなさいわたし朝はパン派なのでわたしがご飯派になってから出直してきてください」
ふぅ…。
少し気合い入りすぎたかな?
というか、よく考えたらこれ全然断れてないんだよね…。
「それで噛まないとか逆に怖ぇよ、あと俺何回振られればいいんですかね…」
まぁ、先輩はそんなことにはこれっぽっちも気付いてくれないんですけど。
まったくこの鈍感腐れ目さんは...乙女心というものが全く分かってないですね…。
そんなとこで期待なんてしてませんけど。
とまぁ、お腹もいっぱいになったことですし、このままだとズルズル脱線していきそうなので、本題に入らせていただきますか。
「せーんぱい、そろそろ本題に入らせてくださいねっ」
「え、いやなんで俺が脱線させたみたいになってんの冤罪だよね…ハチマンワルクナイ」
「くださいねっ」
「…は、ひゃい」
ふふっ、キョドってる先輩可愛いな~
でも先輩が悪いんですからね、わたしに口応えするなんて8年ほど早いんですよ!
あ、なんで8年かと言いますと、大学出て2年ほど腰掛けで働いたあと24ぐらいでは結婚をですね…そうしたら一応家主なわけですから多少の異議を認めるのも吝かではないといいますか…。
っと、脱線しちゃいましたね。
あまり時間もないのでおふざけはこの辺にしときましょう。
「それじゃあせんぱい、さっそくなんですけど…」
店に入って1時間弱、ようやくわたしたちは本題に入ったのでした。
全然話が進みませんね(-_-;)
自分の文章力、特にまとめ方の、低さに困っております...
ところで、少し雰囲気を変えてみた語り口はいかがだったでしょうか?
なにぶん創作物を書くのは初めてでして、色々手探りでやっていってる感じなのでなかなか安定しません...
なので、感想、ご指摘など頂けると、後学のためにもなりますので是非!
それでは引き続き、よろしくお願いします。