アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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映画公開日が、昨年の10月19日ということで、そろそろ『Detonation』の話題に触れたいと思います。

ネタバレがありますので、映画を見ていない人はご注意ください。



そろそろいいよね? Detonation

 あけましておめでとうございます。

 みなさん、今年もよろしくお願いしますねっ。

 

 

 そんなわけで新年1回目の本日は、劇場版第4弾『魔法少女リリカルなのは Detonation』について話したいと思います。

 

 ネタバレを多く含むので、映画を観ていない方は注意してください。

 

 また、リリカルなのはファンにとってはショッキングな内容になっているかもなので、お餅を喉に詰まらせたり、アルハザードを探す旅に出たりしないよう、注意してお読みください。

 

 それでは、スタートですっ!

 

 

「『Detonation』で、スターライトブレイカーが放たれなかった最大の理由は……どどん、エルトリア式フォーミュラとの相性うんぬんではなく、

 劇場版『StrikerS』を制作することが、完全になくなったからぁぁ~~~~っ!!」

 

 

 お正月の高町家リビングでわたしが告げると、アインハルトさんを始め、リオコロ、ミウラさん、ユミナさん――みんなが押し黙った。

 そして、なのはママとフェイトママは、そっと目を逸らす。

 

 

「ど、ど、どーいうことですかぁぁ!? 私、昨年末、劇場版第5弾『魔法少女リリカルなのは The MOVIE StrikerS』に出演するため、一生懸命プレゼンしたんですけどぉぉ――っ!?」

 

 

「すみません、アインハルトさん……。わかってはいた……わかってはいたんですが……アインハルトさんの頑張りを無駄にしたくなくて、黙ってましたぁぁ――っ!」

 

「待って、ヴィヴィオ。じゃ、あたしはもう、一生映画に出れないってこと?」

 

「私のゴーレム創成が……」

 

「あわわわわわ……」

 

「わ……私のオーディオコメンタリー、総合司会連続記録が……」

 

「とりあえず、その辺も含めて、順番に説明していきましょうね――」

 

 

 

●劇場版『StrikerS』はない?

 

 

 

 振り袖を着たアインハルトさんが手を挙げる。

 とりあえず、重箱の栗きんとんに突き刺した箸から手を放しましょうよー。

 

「わ、わかりました。ヴィヴィオさん。謎は全て解けました。

 確か『りりかる歳時記』の第47回に、

 

『なんや映画の偉い人によるとな? 『StrikerS』はそのまんまやと絶対2時間に収まらへんねんて』

 

 という台詞があったので、劇場版『StrikerS』は制作されない――なんて結論に達したのではないでしょうか?」

 

 

「「「「おー」」」」

 

 

「やりますね、アインハルトさん!

 しかーし、今回に関してはまったく関係なかったりします。

 なぜなら、『Reflection』と『Detonation』は前後編だったじゃないですか。同じように映画2本分あれば、『StrikerS』も問題なく映画化できるからです!

 まあ、予算とか、色んな大人の事情はおいといてですけどねー」

 

「なっ……。だったら映画、最初から『StrikerS』でよかったじゃないですかぁぁ!」

 

「あー」

 

 そこは言っちゃダメですよー。

 

「わかった!」

 

「はい、リオ」

 

「今回、映画でスターライトブレイカーを撃てなかったなのはさんが、腹いせに暴れまくったせいで、映画の撮影スタジオから出禁を食らったから!」

 

 

「「「「お~……お?」」」」

 

 

「リ~オちゃん」

 

「はい?」

 

 振り返ったリオが「あばばばば」と、なのはママからアイアンクローを食らっている。

 

「でも……確かに〝エクシードブレイカー〟という新技はあったにせよ、〝スターライトブレイカー〟といえば、リリカルなのはの代名詞。

 水戸黄門でいえば、印籠。

 ウルトラマンでいえば、必殺光線。

 仮面ライダーでいえば、ライダーキック。

 ドラゴンボールでいえば、かめはめ波。

 セイバーでいえば、エクスカリバー。

 それが、劇場版、一番の見せ場で放たれない――というのは、ちょっと変だと思ってたんだよね」

 

「流石コロナ。わたしの最も古くからの友人だけあるね」

 

「まあ、それほどでもあるけど」

 

「浴衣姿の抱き枕カバーがエッチなだけあるね」

 

「それアインハルトさんもでしょぉぉ!?」

 

「とばっちりですっ!」

 

「まあ、そんなわけで、スターライトブレイカーが放たれなかった理由を探ることで、劇場版『StrikerS』がなくなった理由もわかるんだよ」

 

 

 

●聖闘士に1度見た技は通用しない

 

 

 

「では、ここで問題です。ミウラさん」

 

「はい?」

 

「前作『Reflection』から登場した〝臨海テーマパーク『オールストン・シー』〟ですが、何かに似ていると思いませんか?」

 

「そ……それは口に出していいテーマパークなのでしょうか……?」

 

「どーんと口に出して言っちゃいなよ、YOU! ネズミーとか、発勁島とか――」

 

「はーい。リオはもうちょっと黙っとこーねー。フェイトママ、お願い!」

 

「ふんっ――」

 

 フェイトママのザンバーホームランで、なのはママが開けた窓から、リオが寒空の下に飛んでいく。

 

「じゃ、ピッチャーミウラさんに代わりまして、ユミナさん。さあ、答えちゃいないよ、YOU!」

 

「あんまりリオちゃんと変わってない!?

 えっと、ひょっとしてなんだけど、この前のアインハルトさんの話にも出てきたよね。

『StrikerS サウンドステージX』に登場した、ミッドチルダの海上に建設されたレジャーランド――〝マリンガーデン〟だったりする?」

 

「ピンポン、ピンポン!

 さっすがユミナさん、年の功!」

 

「いえ、陛下。2歳しか違いませんからね!?」

 

「それじゃ、一気に比較して行きますよ――」

 

 

 

1・舞台

 

●劇場版

・オールストン・シー(海上テーマパーク)

 

●『StrikerS サウンドステージX』

・マリンガーデン(海上レジャーランド)

 

 

2・古代ベルカのキーキャラクターが眠っていた場所

 

●劇場版

・遺跡(ユーリ ※エルトリア過去)

・海鳴市沖の海中(ユーリ)

 

●『StrikerS サウンドステージX』

・海底遺跡(イクス)

 

 

3・新装備

 

●劇場版

・ストライクカノン(味方複数)

・フォートレスユニット(なのは)

 

●『Force』

・ストライクカノン(味方複数)

・フォートレス装備(なのは)

 

 

4・ボスキャラ(ラスボスではない)の特殊能力1

 

●劇場版

・イリス群体(イリス)

※次々にコピーを作り、無限に増えていく。

 

●『StrikerS サウンドステージX』

・マリアージュコアの生成(イクス)

※人の死体を利用し、無限に増えていく。

 

 

5・ボスキャラ(ラスボスではない)の特殊能力2

 

●劇場版

・結晶樹(ユーリ)

※「対魔導師・対魔力」戦闘を主眼とされているため、通常の魔導防御が機能しない。

 

●『Force』

・魔導殺し(エクリプス因子適合者)

※魔法によって発生するエネルギーの消滅。現行の魔法技術による武装が機能しない。

 

 

6・ラスボス・黒幕

 

●劇場版(フィル・マクスウェル)

・男性

・優秀な研究者

・エルトリア中央政府との関係

・ラスボスに相応しい個人戦闘能力

 

●『StrikerS』+『Force』

・男性(スカリエッティ ハーディス)

・優秀な研究者(スカリエッティ ハーディス)

・最高評議会との関係(スカリエッティ)

・ラスボスに相応しい個人戦闘能力(ハーディス)

 

 

7・敵側の強キャラ

 

●劇場版

・イリス群体「固有型」

※高い戦闘能力。量産型に対する指揮能力。外見・性格はそれぞれ異なる。

 

●『StrikerS』

・戦闘機人ナンバーズ

※高い戦闘能力。外見・性格はそれぞれ異なる。

 

●『StrikerS サウンドステージX』

・マリアージュ(軍団長)

※高い戦闘能力。量産型に対する指揮能力。

 

 

8・最終兵器

 

●劇場版

・軌道上からの衛星砲

※地上の人を人質にした取引

 

●『StrikerS』

・聖王のゆりかご

※軌道上に到達すれば2つの月の魔力で無敵。ミッドの地上全てが人質。

 

9・決着

 

●劇場版

・大気圏外での砲撃

 

●『StrikerS』

・大気圏外での艦隊射撃

 

 

 

「――そして何より、映画でのなのはママが、最後に放った砲撃魔法」

 

 

「「「「「ごくり……」」」」」

 

 

「さっきもコロナが言ってたけど、これまでのシリーズを考えれば、スターライトブレイカーほど、ラストを飾るに相応しい魔法はありません。

 というより、劇中で一度も撃たなかったので、あの最後の瞬間、

 

『そっか、このときのために取っておいたのか!』

 

 と、思ったほど。

 ところが、ラストに選ばれた魔法は、ディバインバスター。それも、レイジングハートの先端からではなく、なのはママ自身の、手のひらから放たれています……。

 もう、みんなわかったよね?」

 

 

「「「「「スバルさんの、拳で撃ち出すディバインバスター!?」」」」」

 

 

「その通り!

『Reflection』でも、やたらと素手で殴りつける描写が印象的だったな……と思ったら、『StrikerS』の格闘要素を入れこんでいたのでしたぁぁ!」

 

 

「「「「「そうなの!?」」」」」

 

 

「まあ、その辺りは、人によって感じ方はそれぞれだと思いますが……ただ、

 これで『StrikerS』の映画を制作したら、観客はどう感じると思う?

『StrikerS』を知らない人だって、

 

『このナンバーズって……前作のイリス群体「固有型」に似てない?』

『このスカリエッティってキャラ、前作のマクスウェル所長っぽいよね』

 

 と、なるわけです……」

 

 

「「「「「あ~」」」」」

 

 

「つまり、これだけ『StrikerS』以降の要素を登場させてしまった以上、もはや劇場版『StrikerS』は映画化できない、制作されることは完全になくなってしまったのだぁぁ――――っっ!!」

 

 

「そ……そんな……私の映画進出の夢が……」

 

「あ、あたし、ルーフェンに帰らないと……」

 

「つ……積んであるガンプラ組み立てないと……」

 

「ま……またはやてさんの変身シーンが削……」

 

 

「……ん、ちょっと待って、ヴィヴィオちゃん陛下」

 

 

「どうしましたかユミナさん。劇場版艦これ第2弾でも決まりましたか?」

 

「ううん、そーいうことじゃなくて。

 逆に考えれば、さっき比較して似ていた部分を変更して、新しい要素を加えれば、TVアニメ版を見ていた人も、見ていない人も新鮮な気持ちで楽しめる、最強の『StrikerS』ができちゃうんじゃないかな?」

 

 

「「「「おおおおおおおおおおおおお!」」」」

 

 

「――ぐはっ!

 や……やりますね、ユミナさん……」

 

「うん、殴ってないけどね」

 

「ただ……リリカルなのはの映画……今の〝劇中劇〟というスタイルを取っている限り、劇場版『StrikerS』はアウトなんですよぉぉ!」

 

 

「「「「「な、なんだってー!?」」」」」

 

 

「まずはコチラ。

『StrikerS サウンドステージX』でのやり取りをお聞きください――」

 

 

ルネッサ「閲覧ロックがかけられているのは何故でしょう?」

ギンガ 「JS事件自体、非公開項目の多い事件だから、それでひっかかるんじゃないかなあ。関係者のプライバシーもあるし――」

 

 

「「「「「ま、まさか……」」」」」

 

 

「――そう。これまでの劇場版に関しては、結構むか……し……」

 

 ママたちの視線が!?

 

「……なのはママたちの子供時代の出来事で、ついでに管理外世界の事件ということもあり、まあ、映画化しても大きな問題はありませんでした。

 ところが、『StrikerS』はつい最近、それもミッドチルダで起きた事件なので、映画化するには色々と問題が多い……」

 

 

「「「「「確かに!」」」」」

 

 

「そこで、今回の劇場版は、そもそもディアーチェたちから記憶封鎖を受けた『GOD』の事件をベースに、映画化できない作品を加えて――」

 

 

『記憶改変されたGODの出来事』

『StrikerSの要素』

『StrikerS サウンドステージXの要素』

『Forceの要素』

劇場版『Reflection』&『Detonation』

 

 

「――として制作されたと考えれば、みんなも納得してくれるかなと思うんだけど、どうでしょう?」

 

「……そうですね。ヴィヴィオさんが聖王の複製体であることを、世間に広く公表するのはマズいですから……」

 

「名前をV.V.(ヴイツー)にしちゃうとか……」

 

「うん、やめてー」

 

「わ、私オレンジ役でもいいから……」

 

「うん、やめてー」

 

「ナンバーズ――ノーヴェ会長のこともありますし、迂闊には映画化できないですよね」

 

「ヴィヴィオちゃん陛下の言う通り、劇場版艦これ第2弾を待つしか~」

 

「もちろん、劇中劇――という設定をなくし、完全に、

 

『並行世界のリリカルなのは』

 

 ということにしてしまえば、劇場版『StrikerS』も可能だと思います。

 ただし、その場合、わたしたちの世界線では映画が制作されていない。つまり、わたしたちは映画を見ていない、見れないことになるので、これまでのオーディオコメンタリーと違い、わたしたちに出番はありません」

 

「わ、私の総合司会はぁぁ!?」

 

「そうですねー。

 いっそのこと、この話みたいに、みんな全てをわかった上で会話するような世界線なら、アリなんじゃないかなーと。

 ふっふっふ、ユミナさん……。

 その場合、司会枠は取り合いですけどねー。

 わたしだって狙っちゃいますよぉぉ!」

 

「な……って、いっそのこといつもみたいに2人で司会やっちゃうとか、どうでしょう、陛下?」

 

「あ、いいですねー」

 

 

「「「「ずっこい!」」」」

 

 

「ただ、これはあくまで、劇場版『StrikerS』が無理といっているだけで、劇場版第5弾が無理といっているわけではありません」

 

 

「「「「「あ!」」」」」

 

 

「――そう。ママたちの子供時代の事件を、原作なしの、完全オリジナルの映画として制作してしまえば、何の問題もないのですっ!」

 

 

「「「「「それだぁぁ――っ!!」」」」」

 

 

「まあ、その場合、またわたしたち『ViVid』勢には、やっぱり映像としての出番がなく、オーディオコメンタリーに出演するだけになっちゃうんですけどねー」

 

 

「「「「「あ~」」」」」

 

 

「ねぇ、なのはママー。いっそのこと『StrikerS』以降の時間軸を舞台に、架空の事件で映画制作できないかなー?

 アリアハンから勇者がやってきて、なのはママと戦うとかー。

 竜魔人になったエリオが、なのはパレスに乗りこんでくるとかー」

 

 

「え、なんで私がボスキャラ枠なの!?」

 

 

「ほら『サイバー●ォーミュラ』だって、最終的には、レーサーとして強くなり過ぎた主人公がラスボス枠になったでしょ?」

 

「あ~、あれ? それってすでに『ViVid』でやってしまったような……」

 

「うっ、確かにそんな気もするけど……。

 ほら、わたしとなのはママのバトルって、言うなれば、葛木先生とキャスターが居間で夫婦喧嘩するようなものでしょ? 先生は本気を出せても、キャスターは愛する宗一郎様に全力全開できない――みたいな」

 

「その例えもどうかと思うけど……」

 

 すると、両手に栗きんとんを突き刺した箸を1本ずつ持ち、バンザイの格好をしたアインハルトさんが、いつになくハイテンションでまくしたてる。

 

 

「待ってください、ヴィヴィオさん!

 劇場版の『The MOVIE 1st』と『The MOVIE 2nd A's』には、TVアニメ版の原作が存在した――ということを逆手にとり、

『Reflection』&『Detonation』のTVアニメ版――いえ、その原作ともいうべき『GOD』をTVアニメ化するというのはいかがでしょう?」

 

「つまり、わたしとアインハルトさんも出演できる――ということですね?」

 

「はい!」

 

 アインハルトさんの突き出した栗きんとんを、わたしがパクリとくわえる。

 そして――パン! とハイタッチ。

 

 

「「パーフェクトっ!」」

 

 

「「「「全然、パーフェクトじゃないよぉぉ!?」」」」

 

 

 最近劇場版が続いたので、みなさんも、TVアニメで、なのはママたちの活躍(ついでにわたし)を見たいと思いませんか?

 

 

 

 




あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

劇場版の内容については、
「アクエリオンEVOLか!?」
とか、
「ラスボス急に出てきたな」
とか、
「デュランダルってもう、あのOPソングしか思い浮かばないよ!?」
とか、
「結局、永遠結晶って何だったの?」
とか、
「シャマル先生最強伝説!」
とか、
多々、思うところはあったのですが……。
あとはもう、個人の感想だと思うので、面白かった人もいれば、不満があった人もいたことでしょう。
ただ、キリエの性格は『GOD』版のままの方がよかったかな~、と思っています。
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