アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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『ユーリ・エーベルヴァインは女の子ではなく男の娘』
という説を検証するため、高町ヴィヴィオは、原作『GOD』版の惑星エルトリアへ。
果たしてヴィヴィオは、ユーリの性別を特定できるのか!?



我のユーリが男の娘のわけがない!

 さて本日は、

 

『ユーリ・エーベルヴァインは女の子ではなく男の娘』

 

 という説を検証していきたいと思います。

 結構前に依頼されたのですが、ちょうど100話のアニバーサリーと重なる時期、ついでにクリスマス~お正月とイベントシーズンだったので、伸びに伸び、今回になってしまいました。

 本当に申し訳ありません。

 さて、『ユーリ男の娘説』の根拠ですが、

 

 

①スカートを履いてない。

 

②『INNOCENT』の大人バージョンの姿に、胸やくびれがない。

 

③インタビューで、ユーリのデザインは中性的にするのを心がけた。

 

④〝ユーリ〟という名前は男性名。

 

 

 などだそうです。

 確かに『ユーリ・エーベルヴァイン 紫天の極星』などのカードイラストを見ると、伝説の〝72(如月●早)〟を越える――いえ、この場合72を越えないと言うべきでしょうか――ちょー平面だったりします。

 

 フラット、フラット♪

 

 う~ん……。

 

 

「って、別にわたしが頭を悩ませなくても、本人に訊けばいいだけじゃん!」

 

 

 というわけで、早速ユーリに会いに――とはいっても、ネタバレになる劇場版エルトリアではなく原作『GOD』版の惑星エルトリアへ。

 フローリアンハウスのドアを叩く。

 

 

「たーのーもー」

 

 

 …………。

 

 

「おかしいな……? 誰も出て来ない……」

 

 

 レヴィなら、バルニフィカス片手に大声で飛び出してきそうなものなのだけど……。

 家の裏手に回って、キリエさんが育てている花壇の様子などをチェックする。

 

 

「ま、まさか……。とうとう〝死触〟の影響がこの家にまで!? みんなはすでにグランツ博士のあとを追うように息を引き取って……」

 

 

 ――スコーン!

 

 

「あいたー」

 

 

 背後から頭を叩かれた。振り返ると、お玉を片手にディアーチェ――王様がムスッと仁王立ちしていた。

 

「勝手に我らを殺すな! 縁起でもない。だいたい桃色の花壇は、今日もあやつのようにしぶとく元気に育っておるわ!」

 

「あはは、まあ、そうなんですけどねー」

 

 博士が残したという新種の花が、綺麗に咲いている。わずかに土が濡れているので、今朝もふつーに水やりをしたのだろう。

 

「――というわけで王様。お久しぶりです。本日もご健勝なようで何よりです」

 

「ふんっ、当たり前だ。我が病にかかるとでも思ったか?」

 

「ですねー。考えてみれば、はやてさんも車椅子のころから足のこと以外は元気でしたし。あー、ちょうどキリエさんの花みたいにしぶとい――」

 

「ええぃ! 我と子鴉と、ついでに桃色を重ねるなァァ!」

 

「あたっ! あたっ!」

 

 お玉でポカポカ叩くのやめてー。

 

「魔法少女らしく、魔法使いましょーよー」

 

「まったく。それで、今日は何用だ? 未来にポンポン来おってからに」

 

『未来 → 過去』より『過去 → 未来』の方が影響は少ないらしい。

 

 最悪、記憶封鎖もわたしとクリスだけで済む。

 

「実は、ユーリに会いに来たんですけど……。

 というか、みんなは?」

 

「むう、それはタイミングが悪かったな。ちょうど今朝から全員で街に出かけている。買い物をするにも、ここは少し離れているのでな、往復に時間がかかるのだ」

 

「なるほど……そういうことでしたか……。

 つまり、王様はぼっちでお留守番と?」

 

「ぼっちとか言うなッ! 貴様、我に喧嘩を売ってるのか!? 子鴉といい貴様といい……。せっかくの機会だから、少々手間がかかる料理でもしようと思ってだな……」

 

「そういえば『2nd A's』のドラマCDによると、『Force』のころのはやてさん、忙しくてめっきり料理する機会が減ってるとか――。

 ひょっとしたら、すでに王様の方が、料理の腕前が上かもですねー」

 

「当たり前だ。我が子鴉ごときに遅れを取ることなど、あるはずがなかろう」

 

「その件は、あとでわたしが王様の手料理をいただいて判断するとして――」

 

「おい」

 

「ねぇ、王様。ユーリって女の子? それとも男の娘? どっちなんですか??」

 

「はぁ? いきなり何を。我らのユーリが男の娘のわけあるかぁぁ!」

 

「でもでも王様――」

 

 わたしは『ユーリ男の娘説』を伝える。

 

「それにほら、2018年の秋アニメでも、ロマンシングゾンビランドサガのリリィ――まさお事件とか、あったじゃないですか」

 

「あー、まあ、そーいう事件もあったがな。だからといってユーリがだな……」

 

「まさおくんの件も、みんな一緒に共同生活していても気づかなかったんですよ? 王様、ユーリの身体をじっくり観察したことありますか?」

 

「むう……」

 

「でなければ、ユーリが男の娘という可能性も捨て切れないのではないでしょうか?」

 

「はぁ……わかった。うぬがそこまでいうなら仕方がなかろう。

 我が居城(フローリアン家)に上がることを許そう。

 大書庫(居間の本棚)に収蔵された、貴重な〝古代の文献(『マテリアル娘。』の漫画など)〟で調べてやろうではないか」

 

「古代の……あー、そっか……」

 

『GOD』の惑星エルトリアは、時間軸が未来なので、わたしたちの時代に書かれた本は、全て〝古代の文献〟扱いになるのだ。

 あの漫画たちが希少な書物扱いである。

 

「まずは『魔法少女リリカルなのはINNOCENT 公式ビジュアル大事典』から紐解くとするか――」

 

「ん? ちょっとたんま! 何ですか、その本……? 聞いたことないんですけど??」

 

「ああ。ひょっとしたら、うぬらの世界とは別の世界線で発売された書物かもしれんな。ゲームなどに使用されたカード、美麗イラストが全て収録されている一品だ」

 

「ナニソレ!? わたしもちょー欲しいんですけどぉぉ!」

 

『ストライクウィッチーズ 軌跡の輪舞曲 OFFICIAL VISUAL FILE』――みたいに、『INNOCENT』もイベントやカードのイラスト集を出してくれたらよかったのにぃぃ!

 今からでも遅くないから編集、発行しましょうよー。

 

「ふむ……ユーリのカード一覧……。確かにパンツスカートっぽい格好が多いか……。

 しかし、振り袖に、ウェディングドレス、スカートのサンタ服。ワンピースも着ておるし、やはり女の子であろう。

 それと、これは漫画の限定カバーに使われたイラストらしいが、うぬの母親と一緒にメイド服を着ているぞ?」

 

「でもでも、時代は世紀末……じゃなかった、ジェンダーレス。男性がそういう格好をしても構わないんじゃ。特にユーリは似合ってますし」

 

「ユーリが似合っている――という点は、我も認めざるをえんが……。

 というか、よくよく考えてみれば、我ら『GOD』と『INNOCENT』は別の世界ではないか。

 先に調べるのであれば、

 漫画『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY- マテリアル娘。』

 シリーズであったな」

 

「そういわれるとー。ただ、性別に関しては変更ないと思いますけど。そのせいで、トーレのイラストなんてスゴいことになってますし」

 

「まあ、そういう需要もあるであろう――」

 

 王様がパラパラと漫画のページをめくっていく。

 

「ふむ。例えば『マテリアル娘。だっしゅ』の温泉回はどうだ? 我らと一緒に、ユーリも温泉に入っているぞ」

 

「まあ、子供ですし。男の娘でも入れるかと。

 混浴って可能性もありますし。

『INNOCENT』の『グランツ研究所一同 温泉タイム』のカードイラストでも、一緒に温泉に入ってますよね?

 あとは……ほらほら、漫画『INNOCENT』の2巻、6話の表紙。王様たち4人、お風呂で洗いっこしてますよ?」

 

「くっ……。で、あれば、ひな祭りはどうだ? 女の子の祭りを一緒に祝っておるぞ」

 

「んー、別に男の娘が祝ってもいいんじゃ。ほら、兄妹がいる家なんて一緒にやるだろうし、そんな感じだと思えば……」

 

「く~っ、ああ言えばこう言う! 貴様はどこの子鴉だァァ――っ!?」

 

 

『呼んだか、王様?』

 

 

「――って、どうして貴様がしゃしゃり出てくるのだ、子鴉ぅぅ!?」

 

「援軍ですよ、援軍。映像通信による援軍です。わたしたちだけじゃ先行きが怪し……行き詰まってきましたから。そろそろ外部の意見をですねー。

 あー、八神司令、お仕事中すみません」

 

 

『ええよ。どーせ、ヴォルフラムん中の執務室で暇しとったしなー』

 

 

 それはそれでどーかと思うけど、『Force』が始まるまでは、ミッドも平和なのだ。

 

「くぅぅ、レヴィが見たら大喜びしそうな戦艦に乗りおってからにぃぃ!」

 

「確かに、レヴィなら『今すぐ乗りに行こー』とか言い出しそうですねぇ」

 

 

『まー、ロボには変形せえへんけどなー。フッケバインと戦う前に改造するんもアリかな?』

 

 

「それ、未来変わっちゃいますからー」

 

「えーい、ヴィヴィオ、とっとと通信を切れぇぇ――いッ!」

 

 

『もう、つれへんなー、王様。せっかく耳寄りな情報持ってきたのに』

 

 

「耳寄りな情報だと?」

 

 

『そやで。まずはコレや――』

 

 

『マテリアル娘。 page6 チェンジ☆ユーリ ユーリ・エーベルヴァイン』その4コマ目。

 ユーリに対する説明台詞より――

『ちょっと天然な〝娘〟である』

 

 

「娘ェェ! なんてこったい、これ、もう女の子確定じゃないですか!」

 

「むう……」

 

 

『次はコレや――』

 

 

『マテリアル娘。INNOCENT SR デュエル21 オリジナル☆カスタム お礼ですよ』その4コマ目。

 アインスとユーリに対しての、お豆腐屋さんの台詞――

『あらかた売れたのは、〝嬢ちゃんたち〟のおかげだ!』

 

 

「王様! このおじさん、2人を女の子扱いしてますよぉぉ! もちろん、ユーリも問題なく受け入れてますし」

 

「くっ……」

 

 

『最後はコレや――』

 

 

『りりかる歳時記 第43回 87ページ』

ユーリ「大きくなったら……みんなをまとめてぎゅってできるかなって……」

キリエ「も――、それじゃあ、家(ウチ)で一番おっきな存在(おねーちゃん)にならなきゃいけないじゃないの――」

 

 

「〝おにーちゃん〟ではなく〝おねーちゃん〟とルビが振ってある! これは決定的だぁぁ!」

 

「うぬぬぬ……」

 

 映像通信の向こうで、ドジっ子潜水艦艦長みたいな声が聞こえてくる。

 

 

『――はやてちゃーん、お仕事の時間ですよー』

 

『おっと、見つかってもーた。もっと話したいんやけど、あとは2人で頑張ってなー。健闘を祈ってますー』

 

 

 空間ディスプレーから、夜天の主の顔が消えた。

 

「むう……子鴉のやつに言われると、無性に『ユーリ男の娘説』の証拠を探したくなるのはなぜだッ!?」

 

「やめて王様ぁぁ!?」

 

「例えばの話だ。そう、例えば……だぞ?

 ユーリの水着姿――。

 漫画、カード共に、上着を羽織っておったなと。しかも、ショートパンツっぽい。

 もっとユーリに似合いそうな、可愛らしい水着が無数に存在する中で、あえてこのチョイスというのは……。

 有名なところで、性別秀吉もそうであったなと……」

 

「あー、戸塚彩加なんかもそうですよね?」

 

「中の人とも若干関係してくるが、ハス太もな……って」

 

 

「「うがぁああああああああああああッッ!?」」

 

 

「ダメダメダメぇぇ! どーして王様が、男の娘派に寝返ってるんですかぁぁ!?」

 

「くっ……。なぜだ、なぜ、ユーリだけこんな水着姿なのだぁぁ!?」

 

 王様がカカカカカン――と、お玉で家の柱を叩き出す。

 むぅ、これはマズい!?

 

「ハッ! そ、そーですよ、王様! こんな漫画とかアプリゲーとか、二次資料に頼っているからダメなんですよ!

 そもそもの原作である、PSP用ゲームをプレイし直せばいいんじゃ!?」

 

「な、なんと! その手があったかぁぁ!

 流石は高町なのはの娘! でかしたぞっ!」

 

「いや~、それほどでも~」

 

 とはいえ、今更PSP用ゲームを再プレイってのは……ふう。

 

 

「じゃ、わたし今日はそろそろこの辺でおいとまさせて――」

 

 

 ガッ――と肩をつかまれた。

 

「まあ、待て、ヴィヴィオ。同じ王様同士、たまには親睦を深めるのもよかろう。確か、我の料理を味わいたいと申しておったな。今から用意するから……貴様はゲームをプレイしろ!」

 

「ひぃぃ!?」

 

「安心しろ。ユーリの登場は中盤以降。よって、プレイ時間も半分で済む計算だ」

 

「それはそーなんですけどぉぉ――っ!?」

 

 

 なんだかんだで、2人がかりでプレイし続けた結果……。

 

 

 ――パタン。

 

 

 わたしは床にへばった。

 

「だ……ダメです……王様……。ないです、ないよー、ユーリの性別を特定できるシーン……」

 

「ぐぬぬぬぬ……」

 

「だいたい王様、初めてユーリが登場したシーンで――」

 

 

キリエ「ちょっと王様? システムU-Dが人型してるなんて、聞いてないんですケドッ!?」

ディアーチェ「むう、おかしい。我が記憶でも、人の姿を取っているなどとは……」

 

 

「――って、ちょーアバウトだったじゃないですかぁぁ!?」

 

「むう、おかしい」

 

「おかしくないですからぁぁ!?」

 

「こ……こうなったら、

『魔法少女リリカルなのはA’s PORTABLE ‐THE GEARS OF DESTINY‐ 公式ビジュアルブック』

 を持てーいッ!

 基本に立ち返るのだ! ユーリのキャラクター紹介があるであろう!」

 

「そ、それは盲点だったかも!」

 

 王様やわたしのキャラ紹介と違い、ラスボスであるユーリだけ、離れたページに記載されている……が、

 

「ダメです王様! ありません! 『公式攻略ガイドブック』も見てみましたが、やっぱり性別は書いてないです!」

 

「な、なんと……」

 

「――ていうか、王様たちのとこにも、わざわざ性別なんて書いてないですけどね! フェイトママのとこにもないし!」

 

「くっ……。我らの場合は子鴉たちを元にしているから女性体は確定として……ユーリは、もともと人間だったからな」

 

「性別、覚えてないんですか?」

 

「むう……。ユーリの名を思い出したのもシュテルだったしな……」

 

 あー。

『GOD』のエンディングでそんなこと言ってたっけ……。

 

「はあ~。もう諦めましょうか、王様。

 これ以上調べなくても、はやてさんのお陰で、ほとんど女の子確定みたいなものですし」

 

「くっ……。子鴉経由というのが納得いかんが、こうなっては是非もな……いや、ちょっと待て……」

 

 王様が『公式ビジュアルファンブック』のページをパラパラめくる。瞳が素早く動く。斜めに繰り返す。速読していく。

 

「コレだ……。あった、あったぞ、ヴィヴィオ!

 ユーリが男の娘ではない、女の子の証拠だッ!」

 

「ホントですか!?」

 

「うむ。子鴉ではない。我が見つけた。見るがよい――」

 

 そう言って『公式ビジュアルファンブック』を手渡してくる。

 

「でも、さっきキャラ紹介には書いてないって」

 

「いや、そこではない。〝ストーリー紹介〟の部分だ。

 例えば『SEQUENCE10 SCENE42』のストーリーを読んでいくと――」

 

 

『U-Dのその言葉にも屈せず、シュテルとレヴィは敢然と〝彼女〟に立ち向かう』

 

 

「他にも『Final SEQUENCE』では――」

 

 

『落下する〝彼女〟を抱きとめるディアーチェ』

『ユーリ・エーベルヴァインという本来の名を取り戻した〝彼女〟は』

 

 

「エンディング後の『SEQUENCE X』においても――」

 

 

『〝彼女〟の能力の高さに全員が舌を巻いた』

『――〝彼女〟は強く願うのだった』

 

 

「こ、コレって……」

 

「うむ。ユーリのことを表現するときは、必ず三人称で〝彼女〟と表記しておるのだ。

 もちろん、今紹介しただけではないぞ?

 ユーリに関係したストーリー紹介は、全て〝彼女〟表記になっておる。

 これだけ〝彼女〟〝彼女〟と連呼しておいて、

『実は〝彼女〟じゃありませんでしたー』

 とか、流石にないであろう?」

 

「た、確かに……。長い文章中は、百歩譲って見逃したとしても、

『――〝彼女〟は強く願うのだった』

 って、ストーリー紹介のラストを締める、大事な一文ですから。これを見逃す可能性は極めて低いかと……」

 

「うむ。これで、

『実は、ユーリは男の娘でしたー』

 とか公式発表されても、我にはお手上げだぞ?」

 

「あはは。そうですね。漫画家さんを始めとした周囲みんなにも黙っていた――ってことですからねぇ……」

 

「とはいえ、だ。映画のネタバレになるから詳しくは話せんが、劇場版のユーリに関しては、むしろ性別がない――男の娘ではないにしろ、中性である可能性が高い。

 映画のユーリはでかくもならんしな。

 その理由は、映画を観た者であればわかるであろう?」

 

「中性って……最近のアニメで例えれば、スライムみたいな?」

 

「ふむ。おそらくあんな感じの肉体であろうな」

 

 これ以上はネタバレになるので、聞かせられないよ!

 

「じゃあ、王様。

 結局のところ、どうして『INNOCENT』の大人モードのユーリは、リオやミウラさん――いえ、それ以上にぺったんなんですか?

 ほら、『りりかる歳時記』には、ユーリも大きくなるような話が――」

 

「うむ。あの大きくなる――というのは、胸ではなく身長のこと。

 また、先程の『公式ビジュアルファンブック』のメインスタッフ座談会によると――」

 

 

都築:――あとはしのざきさんへの指定で「胸があるようには描かないでください」、「ゼロです」と(笑)。

しのざき:それははっきり言われていました(笑)。他の原画さんに色指定とかお願いすると、やはり影をつけてくるのでそれを削ったりしてました(笑)。

 

 

「つまり、スタッフはみんな、ユーリのことを女の子だと思っていたってことですよね」

 

「うむ。一般プレイヤーならまだしも、スタッフにまで秘密にする理由はないからな。それだけ仕事が増えてしまう。ただでさえ制作スケジュールはギリギリのはず。そんなバカなことはせんだろう」

 

「ということは、『INNOCENT』の大人モードのユーリって……?」

 

「おそらく、ここからは完全に推察になるが、大人の姿のユーリのイラストにも、『GOD』のとき同様に、上から何らかの見えざる圧力がかかり、まるでプリペイドカードやギフトカードの銀色の部分のように、削り、削られ、フラットになったのであろう」

 

「番号が見えなくなるくらい削っちゃいましたー、みたいな?」

 

「うむ。イラストレーターの努力の賜物よ」

 

「いやー、それ、努力の方向性が間違ってますよねぇ」

 

「まったくだな――」

 

 

「「はっはっは――」」

 

 

 わたしと王様が声に出して笑っていると、玄関ドアの向こうから、『GOD』であのはやてさんに、

 

『な……なんやこの重圧……魔力量の桁が違う!?』

 

 と言わしめた、巨大なパワーが漂ってくる。

 

 

 ギギッ――ゆっくりドアが開く。

 

 

「ディアーチェ……ヴィヴィオ……」

 

 

 小さな影。長い金髪がわさわさ逆立つ。砕け得ぬ闇時代を彷彿とさせる灼熱の翼が、夜の帳のごとく広がっていく。

 

 

「ゆ、ユーリ……!?」

 

「もしかして聞いておったの……」

 

 

「ディアーチェが1人で寂しがっているかと思い、早く帰ってきてみればぁぁ、2人とも、そこになおってくださぁぁ――いっ!

 ――エンシェント……マトリクスッ!」

 

 

 暗黒の大剣が、わたしと王様を貫き……ちゅどーん! 大爆発!

 

 

 

「「ぎにゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ~っ!?」」

 

 

 

 ちょ……ちょっと立ち上がれそうにないので……今日のところはフローリアン家で一泊します……がくっ。

 

 

 




…………。

どんなに怪しかろうと、奇をてらって男の娘にしなくても、普通に女の子でいいかなと思います。可愛いので。映画は中性っぽいですが、やっぱり、女の子でいいんじゃないかなあ……可愛いので。可愛いので。本当に大事なことは3回言います(笑)。

ところで『GOD』版ユーリといえば、古代ベルカ時代の過去、そのころのディアーチェたちとの関係生について、ゲーム中はほとんど触れられていませんでした。
マテリアル娘。でも同様です。
なので、その辺りも描いたTVアニメ版『GOD』をやってくれないかな~、と思ってみたり。
おそらく『INNOCENT』で語られていた設定が、そのまま『GOD』版ユーリの過去にも当てはまるのだとは思うのですが……。
はてさて?
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