アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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クリスマスなので、なのは・フェイト・はやて――3人をメインにしました。
ちなみに、作中にもヒント(?)が出てきますが、事前にこのキーワードで画像をググって見ておくと楽しさ倍増です。

『なのは クリスマス』
子供のころ(なのはとフェイトの2人)と、大人のとき(3人)のクリスマスイラスト。

『なのは フェイト 犬』
アニマルコスチュームの3人。

合計3枚。
いずれも、ビジュアルコレクションに載っている公式イラストです。
たぶん、見てもらえれば「あ~」と納得してもらえるのではないかと……。

それではみなさま良いお年を~。



クリスマスSP ~八神はやて奇跡の一枚~

 クリスマス――といえば〝聖なる夜〟。

 クリスマスツリーにケーキにプレゼント、そして、真っ赤なサンタにトナカイさんが街にあふれる地球のお祭りだ。

 しかし、残念なことにミッドチルダでは馴染みのない――ほとんど知られていない――習慣でもある。

 それでも、ママたちにとっては一年の最後を彩る大切なイベントらしくて……。

 

「今年はみんなのオフが重なってラッキーやったなー」

「そうだね~、みんなでクリスマスパーティーなんて」

「エリオとキャロも来れればよかったのに……」

 

 ――と、いうわけで、本日は八神司令のおうちでクリスマスパーティーです!

 とはいえ、

 

『アレ(なのは)と一緒に飲んでいたら体がもたん……』

『私は朝食の用意があるから……』

『たまには、あの3人だけにしてやるのもいいだろ……』

 

 と、夜天の騎士たちは早々に退場。

 だけど、

 

 ――わたし、気になります!

 

 あの3人が、3人だけのとき、一体どんな会話をしているのか!

 

 ――というわけで、唯一残ってくれたザフィーラにもふもふしつつ、サンタクロースのように、部屋の中の様子をこっそり見学したいと思います。

 

 

     ●

 

 

「そういえばクリスマスといえば、なんやけど……」

「なに、はやてちゃん、またデートする相手がいない~、とか、彼氏の話?」

「いい加減、諦めればいいのに……」

「諦めておらへんからぁぁ――っ!? じゃなくて、クリスマスイラストの話や」

「クリスマスイラスト??」

「そうや。昔――『StrikerS』のころ、3人で撮ったやつがあるやろ?

 ミニスカサンタのなのはちゃんが真ん中で、右にはやっぱりミニスカサンタのフェイトちゃんが、大きなプレゼント袋を持って――なのに、左の私だけトナカイの格好をしとるやつや。

 忘れとったら『なのは クリスマス』でググれば、すぐに出てくるで」

「あ~」

「あったね、こんなの。懐かしい~」

「当時は気にしなかったけど、今考えると私だけトナカイっておかしいやろ。私もサンタでいいと思わへん?」

「いや~、どうだろ」

「……オチ?」

「そう、オチやオチ。どうして私ばっかオチなんやろ。ほら、前にみんなで動物の格好したときも、なのはちゃんがわんこ。フェイトちゃんがにゃんこ。なのに最後の私はタヌキ……いやいやいや、別にタヌキが悪いわけではないで? でも、犬、猫、ときて、私だけ狸って、やっぱりおかしいやろ?」

「あ、はは……」

「しかも、なのはちゃんはあざとくパンツ見せとるし、フェイトちゃんは『にゃん!』って可愛くポーズを決めとるし……」

「あざとくって、私そんなにパンツ見せてるかな?」

「見せとる、見せとる。3人で一緒に撮るとフェイトちゃんが鉄壁なのに、なのはちゃんだけいっつもサービスサービスぅ――や」

「あ、それちょっとわかるかも」

「フェイトちゃんまでぇぇ!?」

「小さいころ――『A's』のときに2人だけで写ってるクリスマスイラスト。右の私がトナカイの格好で――あ、私は別にトナカイでも構わないんだけど、問題は左のミニスカサンタなのはが、ピンクのパンツを見せてること。

 隙が多いのか、わざとなのか、本気で悩んだこともありました」

「え~」

「正直、わざとの方がまだ納得や。もしこれを意識しないでやっとるとしたら、まさに――なのは、おそろしい子! や」

「なので、私は心配で心配で……」

「今でもなのはちゃんの面倒を見ていると?」

「そうそう」

「うわ~、何か風向きが悪いというか旗色が悪いというか……」

「ふっふっふ、今日は観念せぇや、なのはちゃ~ん!」

「う~ん、だったらさ、はやてちゃんもサンタの格好してみる?」

「えっ、ええんか?」

「いや、別に許可制じゃないし。それに、トリプルサンタも悪くないでしょ? ジェットストリームアタックやトライアングルアタックみたいに」

「なのは、そこはトリプルブレイカーにしとこうよ」

「ああ、おそろいの衣装といえば制服くらいしかなかったのに……ついに……」

「そんな大げさな。アイドル風の衣装とかあったじゃない。――ちなみに、はやてちゃんはパンツ見せるの大丈夫?」

「あ~、できればなしの方向で。恥ずかしいし」

「いやいや、普通はナシだからね!?」

「フェイトちゃんだって時々イラストで見せてるくせに~」

「うぐっ!?」

「と、まあ、それは置いといて。じゃあ、はやてちゃんのサンタ衣装は、私とフェイトちゃんと区別化する意味もこめて、ズボンにするってことでいい?」

「ええよ」

「じゃ、あとは帽子に白いもふもふおひげをつけて――はい、完成っ!」

「おおぅ! どうや、フェイトちゃん似合っとるか?」

「……えっと、似合ってはいるけど、これ、ただのサンタクロースだよね。別にはやてじゃなくてもいいんじゃ」

 

「……だまされた!?」

 

「あはは、冗談、冗談だから」

「ううっ……いつから私はオチ担当になったんやろ?」

「関西弁だから?」

「ううっ……だとしても、ここに『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A'sオフィシャルコンプリートブック』があります」

「いつの間に……」

「これの43ページに、私のキャラクター紹介があるんやけど。

 

 

『ただ穏やかに暮らせれば』

『治る見込みのない足』

『辛さも涙も抱え込む少女』

 

 命を削られつつあっても、騎士たちの前では常に笑顔。どんなに痛くて苦しくても、みんなが悲しむのは嫌だから。両親がいない、足が不自由で学校にも通えない。そんな泣き言をこぼすことすらいっさいない。

 

 

 ――からの、トナカイ(現在)。

 どういうこっちゃ!? おかしいやろ!?

 薄幸の美少女設定はどこいったんやぁぁ――っ!?」

「待って、はやてちゃん! 

 メタ発言になっちゃうけど、劇場版はあくまであとで作られた作品と考えれば、ここは『魔法少女リリカルなのは/魔法少女リリカルなのはA's ビジュアルファンブック』を見るべきでは?」

「なのはもいつの間に……」

「なるほど、流石は管理局のエース・オブ・エースや……」

「関係ないよね!?」

「じゃ、読むでー。

 

 20ページ……『騎士たちに守られているいたいけなお姫様』。

 

 ――からの、トナカイ(やっぱり現在)。

 おかしい……私がトナカイになる要素がまったくないんやけど!?」

「お、落ち着いてはやて!」

「責任者を呼べぇ~い!」

「それは難しいかなぁ~。でも、わかりました。はやてちゃん、今年のクリスマスは私とフェイトちゃんがトナカイ役で、はやてちゃんがサンタクロースでいこう! 流行りのミモレ丈(膝下丈)スカートにすれば、パンツも見えないし」

「ホントに? 本当にええんかっ!?」

「うん、フェイトちゃんもいいよね?」

「もちろん、私はなのはと一緒なら」

「よし、じゃ、レイジングハート衣装お願いね――」

「バルディッシュも――」

「ほら、リインも寝とる場合やないで――」

 

 

「「「――セーット・アーップ!」」」

 

 

     ●

 

 

「ふわぁ~、本当に仲がいいんだから……そろそろ寝よっか、ザフィーラ?」

 

 わたしは青い狼の背中を揺さぶると、寝室へ向かう。

 そして、トナカイやサンタの格好をしたママたちをチラリと振り返った。

 

 

「メリークリスマス、地球の魔法使いさんたち」

 

 

 ミッドチルダに来てくれてありがとう。

 

 わたしにとってのサンタクロースは、きっと貴方たちなのだから――。

 

 

 

     ●

 

 

 と、ここで終わると綺麗だったのだけど、もうちょっとだけ続くんじゃ~。

 

 

     ●

 

 

 そんなわけで後日。

 ナカジマジムの練習を終えたミウラさんを、珍しくはやてさんが迎えに来ていた。

 

「そうだヴィヴィオ――」

 

 ちょい、ちょい、と手招きする。

 

「?」

 

 わたしが駆け寄ると、

 

「ほら、これこの前の写真や。ヴィヴィオ途中まで見とったやろ?」

「あ、はは……」

 

 ――バレてたかぁ~。

 

 流石は夜天の主、歩くロストロギア――八神司令。

 たぶん、こういうところがタヌキ扱いされる所以なのだろうな、と思う。

 すると、

 

「なに、なに、何見てるの、ヴィヴィオー?」

「こら、リオ! すみませんお邪魔しちゃって」

「何かあったんですか?」

「えっと……」

 

 みんなが集まってくる。

 

「うわっ、なのはさんとフェイトさんのトナカイ姿、ちょーかわいいんだけど!?」

「あ、ホントだ!」

「ボクも着てみたいけど、絶対に似合いませんよぉ~」

「あ、あの、ヴィヴィオさん……」

 

 アインハルトさんがチラッ、チラッ、ってこっち見てる~。たぶん、一緒に着ませんかって意味だぁぁ――っ!

 

「――って、はやてさん大丈夫ですか!?」

 

 八神司令が、ラオウみたいに地面に膝がつくのをこらえている。

 

「……ごふっ、ど、どういうこっちゃ!? トナカイばっか人気で、どうして私のサンタ衣装に注目がいかへん……はっ!? まさか……まさか、パンツ、パンツが見えへんせいなんかぁぁ――っ!?」

「いやいやいや――って、突っこんでる場合じゃない! ね、ねぇ、みんな! 八神司令の赤い衣装はどうかな?」

「……えっと、これ、ヴィータさんのコスプレですか?」

「!?」

「そっか! みんなクリスマスのこと知らないから、当然サンタクロースのことも……」

「そ、そやったぁぁ――っ!?」

 

 はやてさんがリング上でひさしぶりのorzポーズ。

 

「ちょ、八神司令が燃え尽きちゃ……はっ!? これがホントのホワイトクリスマス?」

 

 パシャッ――と撮影。

 

 届け、ママのもとへ――。

 

 

 ここに、八神はやての一年を締めくくる奇跡の一枚が誕生した。

 

 

 

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