アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

14 / 127
もしも『大人モードが禁止の大会』が開催されたら――誰が優勝する!?

ということで、開いてみました。

●本命:コロナ 大きくても小さくても関係ない!
●対抗:アインハルトさん ちっちゃくても強いよ!
●大穴:ヴィヴィオ 主人公補正があるよ!(?)

よければ、みなさんも予想しながらお読みください。



大人モード禁止大会

「ついに私の時代がきたぁぁ――っ!」

 

 

 ナカジマジム。

 珍しくコロナが「いやっほー」と飛び跳ねた。

 今度『大人モードに変身するのは禁止』の大会が開かれる――と、ノーヴェから聞いて歓声を上げたのだ。

 

「ヴィヴィオやアインハルトさんが『デッド オア アライブ』や『閃乱カグラ』みたいに胸をたゆんたゆん揺らしている中、私ひとりもちーんと戦ってきたかいがあったぁぁ!」

「あ~」

 

 ゴーレムマイスターのコロナは、魔力制御のリソースを創成戦技に回すため、大人モードで戦わないのだ。使えるようになっても。

 

「ねっ、あたしはあたしは?」

 

 揺れているか、揺れていないのか……。

 

「……」

 

 ジムのみんなが無言でリオの肩に手を置いた。

 

「……ひどい」

「あはは……でも、みんながみんな大人モードできるわけじゃないしね」

 

 コロナのように、こういったレギュレーションのある大会を待ち望んでいた選手も大勢いるはずだ。

 

「――で、ヴィヴィオ。小柄なお前にとっては不利な大会になるわけだが、出場するのか?」

「もちろんだよ、ノーヴェ!

 リーチは短くなるけど、この体格でどこまで通用するのかも試してみたいし、むしろワクワクしてるよ!」

「まったくお前らしいな。で、アインハルトはどうするんだ?」

「もちろん出場します」

 

 

「「「ちっちゃいのに!?」」」

 

 

「ちょ、ど、どうしてみなさんで声をそろえるんですか!?

 ち、小さいか大きいかは関係ありません。覇王流こそ最強――ということを世に知らしめるよい機会だと思っていますから」

 

 

 こうして、前代未聞。完全大人モード禁止大会が幕を開ける!

 

 

     ●

 

 

 試合当日。

 第1試合――。

 

「ふっふっふ~」

 

 口がふもっふの形。いつにも増して自信満々なコロナがリングに立つ。

 

「一回戦で当たるようなモブ選手には興味ありませんから。私の目標――ライバルはヴィヴィオとアインハルトさんのみ!」

「あたしはあたしは!」

「……え?」

「……え?」

 

 リング上のコロナと、リング下のリオが顔を見合わせる。

 

「ひ、ひどいぃぃ!」

「あ~」

 

 リオ、早く帰っておいで~。

 

「体のサイズが一緒なら、ゴーレム創成とネフィリムフィストのある私に死角なし!

 アインハルトさん、当たるのは準決勝ですが、それまで負けないでくださいね。今日こそ、あのときの借りを返しますから!」

「はい!」

 

 初めてのインターミドル。予選三回戦。因縁の2人。

 あのときの激闘をもう一度――というやつだ。

 

「――って、コロナ、後ろ後ろぉぉ!」

「……はい? 後ろって……ええっ!? 私まだゴーレム創成してないよ!?」

「それ、ゴーレムじゃなくてデンドロさんだからぁぁ!」

 

 ジャニス・ゴート選手――ウインターカップでアインハルトさんと戦った、あの190cm180kgという巨漢のWGCデンドロビウム級ワールドランカーだ。

 

 

 ――カーン!

 

 

 ――プチッ。

 

 

「タンカ、タンカぁぁ――っ!」

 

 

「「「コロナぁぁ!?」」」

 

 

「そ、そっか。大人モード禁止ってことは、もともと体の大きな人にとっては超有利ってことでもあるんだ……」

 

 コロナに引き続き、わたしやリオが敗退していく中で、アインハルトさんだけが勝ち残る。

 

「鍛えてますから」

 

 どこかの仮面ライダーみたいで頼もしい。

 アインハルトさんも、いつか家電に詳しくなるのだろうか……。

 すると、

 

「私だって鍛えてたのに~」

「コロナ、元気だして。今度ゴライアスMk-IIとか創るの手伝うから」

「ホントに? フルアーマーゴライアスでもいい?」

「う、うん、任せといて」

 

 これ以上、装甲盛るんだぁ~。

 

「安心してください。コロナさんの仇は私が取りますから」

 

 流石アインハルトさん。やっぱり頼もしい……とはいえ、

 

「いくらアインハルトさんでも、体格差がありすぎるんで、注意してくださいね?」

「大丈夫ですよ。覇王流に一度見た技は二度と通用しませんから」

「聖闘士みたいでカッコイイ! そっか、ウインターカップで一度戦ってますもんね!」

 

 

 ――カーン!

 

 

 こうして、準決勝でアインハルトさんVSデンドロさんの試合が始まったのだけど、

 

「あ、でも、アインハルトさん、前は瞬殺だったから技を見てないんじゃ……」

「え?」

 

 ゴングと共に、デンドロさんが巨体をいかしたボディプレス。しかも、魔法でジャンプ力を強化しているため、かなり高所からの一撃だ。

 単純だけど、破壊力はとんでもない。

 

「こうかはばつぐんだ! アインハルトさん逃げてぇぇ!!」

「いいえ、ヴィヴィオさん。覇王流は――退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! ですっ!!」

「それわたし(聖王)の台詞ぅぅ!」

「いや、それサウザー(聖帝)の台詞だから……」

 

 ようやく帰ってきたリオが、こそっとツッコミを入れる。

 

 

「――覇王空破断!」

 

 

 嵐のような衝撃。

 デンドロさんの巨体が弾かれ、より高く宙を舞った。

 

「流石アインハルトさん……」

 

 たった一発。わずか一撃であのデンドロさんの体を貫き、気を失わせたのだ。

 白目をむいた姿に勝利を確信したのか、アインハルトさんはカッコよく振り返ると「ふっ」と息を吐いた。

 ところが、

 

「アインハルトさん、上、上ぇぇ――っ!」

「はい?」

 

 

 ――プチッ。

 

 

 気を失った人は重くなる――というが、いわんや、デンドロさんともなれば尚更だ。

 

 

「担架、担架ぁぁ――っ!」

 

 

「アインハルトさん……」

 

 

 試合結果は両者ノックアウト。

 引き分けである。

 

 

 ちなみに決勝戦は、

 

「スミマセン! 何かボクが優勝しちゃって……」

 

 こそっと、地味に勝ち進んでいたミウラさんが不戦勝でした。

 

 

「そっか、ミウラさんも普段の試合から大人モード使ってないから……」

「使ってますよっっ!?」

 

 

 




告白します。

ずっとミウラは大人モードを使っていないと思っていました。
だけど、これを書くにあたって検索したら、使っていました。

ごめんなさい、ミウラさん……。

結果、オチを書き直す羽目になって苦労したので許してください。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。