ということで、開いてみました。
●本命:コロナ 大きくても小さくても関係ない!
●対抗:アインハルトさん ちっちゃくても強いよ!
●大穴:ヴィヴィオ 主人公補正があるよ!(?)
よければ、みなさんも予想しながらお読みください。
「ついに私の時代がきたぁぁ――っ!」
ナカジマジム。
珍しくコロナが「いやっほー」と飛び跳ねた。
今度『大人モードに変身するのは禁止』の大会が開かれる――と、ノーヴェから聞いて歓声を上げたのだ。
「ヴィヴィオやアインハルトさんが『デッド オア アライブ』や『閃乱カグラ』みたいに胸をたゆんたゆん揺らしている中、私ひとりもちーんと戦ってきたかいがあったぁぁ!」
「あ~」
ゴーレムマイスターのコロナは、魔力制御のリソースを創成戦技に回すため、大人モードで戦わないのだ。使えるようになっても。
「ねっ、あたしはあたしは?」
揺れているか、揺れていないのか……。
「……」
ジムのみんなが無言でリオの肩に手を置いた。
「……ひどい」
「あはは……でも、みんながみんな大人モードできるわけじゃないしね」
コロナのように、こういったレギュレーションのある大会を待ち望んでいた選手も大勢いるはずだ。
「――で、ヴィヴィオ。小柄なお前にとっては不利な大会になるわけだが、出場するのか?」
「もちろんだよ、ノーヴェ!
リーチは短くなるけど、この体格でどこまで通用するのかも試してみたいし、むしろワクワクしてるよ!」
「まったくお前らしいな。で、アインハルトはどうするんだ?」
「もちろん出場します」
「「「ちっちゃいのに!?」」」
「ちょ、ど、どうしてみなさんで声をそろえるんですか!?
ち、小さいか大きいかは関係ありません。覇王流こそ最強――ということを世に知らしめるよい機会だと思っていますから」
こうして、前代未聞。完全大人モード禁止大会が幕を開ける!
●
試合当日。
第1試合――。
「ふっふっふ~」
口がふもっふの形。いつにも増して自信満々なコロナがリングに立つ。
「一回戦で当たるようなモブ選手には興味ありませんから。私の目標――ライバルはヴィヴィオとアインハルトさんのみ!」
「あたしはあたしは!」
「……え?」
「……え?」
リング上のコロナと、リング下のリオが顔を見合わせる。
「ひ、ひどいぃぃ!」
「あ~」
リオ、早く帰っておいで~。
「体のサイズが一緒なら、ゴーレム創成とネフィリムフィストのある私に死角なし!
アインハルトさん、当たるのは準決勝ですが、それまで負けないでくださいね。今日こそ、あのときの借りを返しますから!」
「はい!」
初めてのインターミドル。予選三回戦。因縁の2人。
あのときの激闘をもう一度――というやつだ。
「――って、コロナ、後ろ後ろぉぉ!」
「……はい? 後ろって……ええっ!? 私まだゴーレム創成してないよ!?」
「それ、ゴーレムじゃなくてデンドロさんだからぁぁ!」
ジャニス・ゴート選手――ウインターカップでアインハルトさんと戦った、あの190cm180kgという巨漢のWGCデンドロビウム級ワールドランカーだ。
――カーン!
――プチッ。
「タンカ、タンカぁぁ――っ!」
「「「コロナぁぁ!?」」」
「そ、そっか。大人モード禁止ってことは、もともと体の大きな人にとっては超有利ってことでもあるんだ……」
コロナに引き続き、わたしやリオが敗退していく中で、アインハルトさんだけが勝ち残る。
「鍛えてますから」
どこかの仮面ライダーみたいで頼もしい。
アインハルトさんも、いつか家電に詳しくなるのだろうか……。
すると、
「私だって鍛えてたのに~」
「コロナ、元気だして。今度ゴライアスMk-IIとか創るの手伝うから」
「ホントに? フルアーマーゴライアスでもいい?」
「う、うん、任せといて」
これ以上、装甲盛るんだぁ~。
「安心してください。コロナさんの仇は私が取りますから」
流石アインハルトさん。やっぱり頼もしい……とはいえ、
「いくらアインハルトさんでも、体格差がありすぎるんで、注意してくださいね?」
「大丈夫ですよ。覇王流に一度見た技は二度と通用しませんから」
「聖闘士みたいでカッコイイ! そっか、ウインターカップで一度戦ってますもんね!」
――カーン!
こうして、準決勝でアインハルトさんVSデンドロさんの試合が始まったのだけど、
「あ、でも、アインハルトさん、前は瞬殺だったから技を見てないんじゃ……」
「え?」
ゴングと共に、デンドロさんが巨体をいかしたボディプレス。しかも、魔法でジャンプ力を強化しているため、かなり高所からの一撃だ。
単純だけど、破壊力はとんでもない。
「こうかはばつぐんだ! アインハルトさん逃げてぇぇ!!」
「いいえ、ヴィヴィオさん。覇王流は――退かぬ! 媚びぬ! 省みぬ! ですっ!!」
「それわたし(聖王)の台詞ぅぅ!」
「いや、それサウザー(聖帝)の台詞だから……」
ようやく帰ってきたリオが、こそっとツッコミを入れる。
「――覇王空破断!」
嵐のような衝撃。
デンドロさんの巨体が弾かれ、より高く宙を舞った。
「流石アインハルトさん……」
たった一発。わずか一撃であのデンドロさんの体を貫き、気を失わせたのだ。
白目をむいた姿に勝利を確信したのか、アインハルトさんはカッコよく振り返ると「ふっ」と息を吐いた。
ところが、
「アインハルトさん、上、上ぇぇ――っ!」
「はい?」
――プチッ。
気を失った人は重くなる――というが、いわんや、デンドロさんともなれば尚更だ。
「担架、担架ぁぁ――っ!」
「アインハルトさん……」
試合結果は両者ノックアウト。
引き分けである。
ちなみに決勝戦は、
「スミマセン! 何かボクが優勝しちゃって……」
こそっと、地味に勝ち進んでいたミウラさんが不戦勝でした。
「そっか、ミウラさんも普段の試合から大人モード使ってないから……」
「使ってますよっっ!?」
告白します。
ずっとミウラは大人モードを使っていないと思っていました。
だけど、これを書くにあたって検索したら、使っていました。
ごめんなさい、ミウラさん……。
結果、オチを書き直す羽目になって苦労したので許してください。