アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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先週の『大人モード禁止大会』。
一回戦で敗北したコロナは「誰も見たことがない最強のゴーレムを創成してみせる!」と意気込んで帰宅したのだけど……。

『もしもコロナさんがゴライアス以外に新しいゴーレムを作るとしたら……?』

というわけで、どんなゴーレムが爆誕するのか、みなさんも色々と想像しながら読んでみてください。



コロナのV作戦

「はっ、はっ、はっ……」

 

 休日。

 朝食を食べ終えると、わたしは急いでコロナの家に向かっていた。

 理由はシンプル。

 昨晩から、いくらコロナにメールしても、返信がないからだ。

 

「やっぱり、理由はアレかなあ~」

 

 最近のコロナはスランプだ――と思う。

 先週の試合も一回戦負けだったし……。

 だからだろうか?

 コロナは、

 

『こうなったら、ゴーレムマイスターの名にかけて、ミッドチルダのみんなが見たことない最強のゴーレムを創成してみせる!』

 

 と、意気込んでいたのだ。

 けれど、そんなトリプルレアなゴーレムなんて、一朝一夕にはできないわけで、

 

「また、いつかみたいに自分ひとりで悩まなければいいんだけど……」

 

 

 ――ピンポーン!

 

 

 ガチャリ――と、扉が開いて現れたのは、赤ジャージ姿のコロナ。

 

 

「いつものオシャレなコロナじゃない!?」

 

 

 眼鏡。髪型もいつものおさげではなく、ボサボサのまま肩口で一つに束ねていた。

 

「ど、どうしたのコロナ!?」

 

 その格好。

 

「ごめんね、ヴィヴィオ。メールも返さなくて。昨日からずっと初代ガンダムのBlu-rayボックスを見てたから……」

「どうしてガンダムっ!?」

「ほら、最強のゴーレムといえば、やっぱりガンダムでしょ?」

「最強だとは思うけど――ガンダムはゴーレムじゃないからね?」

「まあまあ、似たようなものでしょ?」

「う、う~ん、そう言われると……」

 

 コックピットに乗るか、乗らないか。操縦方法の違いくらい……かも。

 

「それに、ほとんどのミッドの人たちは、地球のガンダムを知らないでしょ? だから、みんなが見たことない最強のゴーレムを創ろうと思ったら、自然とガンダムに行き着いちゃったの」

「た、確かに……でも、ストライクアーツでガンダムって、何かこう違うよーな……」

 

 イメージが合わない。

 

「やっぱりそう思う?」

「なんだ、コロナもそう思ってたんだ……」

「初代よりGガンの方が良かったかな?」

「そういうことじゃないよ!?」

「私はマスターガンダムで行こうと思ってたんだけど、ヴィヴィオはゴッド派なの?」

「そういうことでもないよっ!!?」

 

 確かに、コロナのバリアジャケットはマスターガンダムのカラーリングっぽいけど……いやいや、まさかね!?

 

「じゃ、次元覇王流で」

「ビルドバーニングもダメ! だいたいアインハルトさんと被っちゃうでしょ!」

「もう、ヴィヴィオったらアインハルトさんのことになると熱くなるんだから」

「いやいや、そんな恋バナみたいに言われても……」

 

 ――と、まあ、いつまでも玄関で長話をしているわけにもいかない。

 

「おじゃましーます!」と、コロナ部屋に向かい、クッションに座って第2ラウンド開始のゴング。

 

「ねぇコロナ、よく聞いて。

 ガンダムは強いと思うけど、わたしたちが戦う舞台とは、戦場が異なるでしょ?

 だから、ガンダムにこだわらず、色々なイメージを取り入れて、もっと想像の翼を広げるべき――だと思うんだよ」

「なるほど……つまり、スパロボね!」

「え……あ、うん、古今東西の最強ロボが集結してるしね」

 

 あながち間違いではない。

 

「そっか、そうだよね。確かにヴィヴィオの言う通り、私のゴーレムはスーパー系。ガンダムみたいなリアル系じゃない……」

 

 そんなこと一言も言ってないけどね!?

 

「まあ、区分が難しい機体もあるから一概には言えないけど、コロナの戦闘スタイルや戦術に合ったゴーレムがいいと思うよ?」

「う~ん、ガオガイガーとかゼオライマー的な?」

「うん、今とあんまり変わらないよね。ちなみに冥王攻撃とかイクスが泣いちゃいそうなんで、やめとこうね」

「だったら……」

 

 コロナはこれまでスパロボに参戦した作品のタイトルと機体を、ブランゼル――デバイスに表示させて眺めていく。

 

 そして、

 

「あっ!」

 

 コロナがスクロールを止めた先は、

 

「ゾイド……」

「そっか。ゴーレムって別に人型にこだわる必要ないんだ! コロナ、ティオやクリスのこともよく可愛がってるし――いいんじゃないかな?」

 

 さらに機体を絞り込んでいく。

 

「うん、わたしこの子に決めたっ!」

 

 何かに似ている気もするけど、野暮なことは言わない。

 

 だって、コロナがひさしぶりに――わたしの大好きな――向日葵みたいな笑みを浮かべたのだから。

 

 

     ●

 

 

 数日後。

 完成したゴーレムのお披露目も兼ねて、ジムで『コロナVSアインハルトさん』の練習試合が行われることになった。

 

 

「見せてもらおうか、新しいガンダムの性能とやらを!」

 

 

「リオ~、勝手にアインハルトさんの台詞を捏造しないの!」

「だって~、コロナ絶対ガンダムにすると思ったんだもん!」

 

 リング下で、わたしとリオが言い争いをしていると、リング上のコロナがころころ笑った。

 

「だったらリオ、私の新しいゴーレムを見てびっくりするかもね」

 

 つられてアインハルトさんも微笑んだ。

 

「楽しみですね、コロナさん。見せてください、あなたの新しいゴーレムの力を!」

 

「はい! これが私の――誰も見たことがない――新しいゴーレム!

 

 

 お願いブランゼル!

 

 

 創成起動――創主コロナと魔導器ブランゼルの名において――出でよ蒼き獅子!

 

 

 ――シールドライガァァ――――ッ!!」

 

 

 コロナの掛け声と共に、リング上に巨大な青い獅子が創成される。たくましい四肢。鮮やかな――ヴィヴィッドブルーのボディ。

 

 

 ――GAOOOOOOOOO!

 

 

 その咆哮は、まさに百獣の王。

 

「うわっ!?」

 

 リオが尻餅をついてシールドライガーを見上げた。

 

「どう、驚いたでしょ?」

「うん、びっくりした……」

 

 わたしは「それだけじゃないんだよ」と、コロナに代わって説明する。

 

「コロナを背中に乗せたまま、相手に向かって突進。そこで――計算上――アインハルトさんの『覇王断空拳』すら防ぐエネルギーシールドならぬラウンドシールドを展開。コロナがネフィリムフィストを放つ隙をつくるんだよ!」

 

 まさに、攻防一体。

 コロナのために生み出された、最強の獣型ゴーレムなのだ!

 

「どうですかアインハルトさん? コロナすごいでしょ!」

 

 

「はい。これは立派な…………ザフィーラさんですね!」

 

 

「……」

「……」

「……」

 

 

 もうザフィーラにしか見えないよっ!?

 

 

 




「ザッフィーは狼だから『コマンドウルフAC(蒼い狼型ゾイド)』では?」

と、ゾイドに詳しい方に叱られそうですが、性能や、ザフィーラの『盾の守護獣』という異名を考えると『シールドライガー』の方が似ているかな、と思ったのですが、どうでしょう?

ちなみに、ゾイドみたいなタイプは、結構いい勝負ができる数少ないゴーレムだと思っています。
それでも、この練習試合、結局アインハルトさんの勝利で終わりそうですが……。
(勝てるイメージがわかないよ!!)
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