アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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「わたしたちのミウラさんがこんなにちっちゃいわけがない!」
というわけで、
「ミウラさんは変身しても小さいけど、本当に大人モードを使っているの?」
という(意外と多かった)疑問を、裁判形式(?)で検証したいと思います。

『逆転ミウラ裁判!』の続きになるので、まだ読んでいない方は、そちらからご覧ください。



続・逆転ミウラ裁判!

「これで終わりだと思った? ミウラちゃん、ヴィヴィオ」

「ま、まだ何かあるんですかぁぁ!?」

「なのはママもうやめて! ミウラさんのライフは胸と一緒で永遠にゼロだよぅぅ!」

「ええええええええ!?」

 

 

 というわけで(随分と前になっちゃいますが)前回の続き。

 

 

 ママが手を挙げる。

 

「フェイトちゃんサイバンチョ。検察側は、ミウラちゃんが大人モードを使っている。なのに、ちっちゃいままである――その理由を知る唯一の人物を、証人として呼びたいと思います!」

 

 

「「「ええええええええ!?」」」

 

 

「そんな必要もうないよね!?」

 

 明らかにオーバーキル。

 ヴィータさんも困惑気味だ。

 

「おいおい、まだ誰か呼ぶのかよ? もしかして親御さんか??」

「違いまーす」

「だったら……あー、コーチのノーヴェか、それとも意表をついてお前の手下のスバルやティアナ――」

 

 手下……。

 

「いや、待てよ、だいたいそんなこと知ってるやつが本当にいるのか?」

「チッチッチ、私の証人は――まあ、ある意味手下なんだけど――スターズ分隊副隊長、鉄槌の騎士ヴィータちゃん――あなただぁぁ!」

 

 なのはママが〝異議あり〟――みたいなポーズでヴィータさんをババーンと指差した。

 

「はぁぁ? どういうことだよ!」

 

 わたしも同感。

 

「ママ、どういうこと?」

 

 なのはママは「まあまあ」と、ヴィータさんをなだめつつ、証言台――ミウラさんの隣に移動させた。

 2人ともちっちゃいので、背もたれのない1人掛けソファーなら問題なく座れる。

 並んでいると、なんだか姉妹みたいで微笑ましい。

 

「高町家と八神家のみなさん、この2人をご覧ください。何か気づきませんか?」

 

 ん~。

 

「……そういえば」

「髪の色が似てる?」

「あとは小さいところだな」

「そうです。

 ミウラちゃんは髪が短いので、

 

『ヴィヴィオ=なのは』

『アインハルト=フェイト』

 

 のように、

 

『ミウラ=はやて』

 

 ポジションだと思われがちです。

 ところが、実際は違ったのです。

 ミウラちゃんの身体資質――しなやかで強靭。そして何より、打撃の威力と突進力はもう一流の域。

 これ、誰かに似ていると思いませんか?」

「そう言われると……」

 

 全員の視線が一点に集まる。

 

 

「お、おい、どうしてみんなしてあたしを見るんだよ!?」

 

 

「そうです。

 ここで私が発表するのは、

『ミウラちゃん、ヴィータちゃんの隠し子』説です!」

 

 

「「「な、な、なんだってェェェェ――――っっ!!?」」」

 

 

「な、ないから絶対。ママ! いくららんでもそれはないから!!」

「ヴィヴィオ、噛んでるよ?」

「だ、だって~」

 

 そんな馬鹿な説を出されたら驚きもする。

 リオだって、そんなアホなことは言い出さないだろう。

 

「ったく、おめーは昔から馬鹿なことを……。だいたい、あたしの子だとして、誰との子だよ」

「……う~ん、はやてちゃん?」

「…………まあ、それならいいか」

「いやいや、よくないですからぁぁ――っ!」

 

 水と油のように見えて、いいコンビネーションすぎる!

 なのはママが苦笑する。

 

「まあ、はやてちゃんとの子供ってのは冗談としても、ミウラちゃんとヴィータちゃんって共通点が多いと思わない?」

「それはそうだけど……」

 

 なぜかシグナムさんが笑っている。

 

「確かに面白い説だな」

「おいシグナムてめぇ!」

「だがな、怪獣」

「怪獣言わないでくださーい」

「お前は一つ大事なことを忘れているぞ。年齢はどう説明をつける? ミウラは今年で13歳。そのころは、まだ私たちもお前もミッドではなく海鳴にいたはずだ」

 

 そうだ。

 ママだって小学生だったはず。

 

「そこなんですよシグナムさん。13年前というと、私が11歳のときです。あのとき何があったか覚えていませんか?」

「お前が11歳のとき?」

 

 

「あああああああああああああああ!!」

 

 

 と、叫んだのはフェイトママだった。

 

「なのはが大怪我したときだ!」

「ああ! テスタロッサが試験に2度も落ちたときか!!」

「シグナム、そういう覚え方はしないでください!」

「まあまあ。私がフェイトちゃんに心配かけたせいですから――つまり、あのフェイトちゃんが試験に2度も落ちるくらい、みんなに心配をかけた。

 だけど、あのとき一番落ちこんだのが誰だったか、みんな覚えてる?」

「それは……」

「ヴィータやな」

「なっ!?」

「そう。

 

『一緒に出撃してたあたしは、誰より早く気づかなきゃいけなかった』

 

 とか、

 

『あたしは空で、なのはを守ってやらなきゃいけねぇ』

 

 とか、

 

『あたしはスターズの副隊長だからな。おまえのことは、あたしが守ってやる』

 

 とか、ギップルを召喚できそうな台詞で、私は深い愛情を感じたわけです。いや~、親友冥利につきますね。友達っていいな~」

「なっ……あ、あれは……だぁーっ! んなこと言ってねぇぇ!!」

 

 ヴィータさんは顔を真っ赤にして否定したけど、

 

 

 ――カン!

 

 

「証人、嘘はいけません」

「そうだな」

「てめっ、シグナム! おめーはどっちの味方だよ!!」

「つまり、私の推測では、13年前――。

 私の負ったケガに責任を感じたヴィータちゃんは酷く落ちこんでしまった。

 そして気弱になったヴィータちゃんは…………と、まあ色々あったんじゃないかな~と思うわけですよ。

 そう考えると、いくら道場があるといっても、

 

『あたしは、はやてのため以外で無駄に戦う気はねー』

 

 と言っていたあのヴィータちゃんが、特定の誰かを弟子にした。

 さらに、私ですら観客席からヴィヴィオを応援するだけなのに、セコンドを勤めるほどミウラちゃんに深く肩入れする理由も――みんな、納得できると思わない?」

「だぁぁ、んなことあるかってーの!」

 

 ヴィータさんが、今にもグラーフアイゼンを振り回しそうなほど憤る。

 

「私、ミウラちゃんの両親が山の中で小さなレストランをやってる――って聞いてからずっと疑ってたんだよ。

 実は、オーナーがはやてちゃんじゃないかって……」

「ええぇぇ!?」

「初めてのインターミドル公式戦。娘の晴れ舞台なのに姿が見えない――いや、見えないんじゃなくて、すでにあの会場にいたとしたら……。

 ミウラちゃんもヴィヴィオと一緒で、はやてママやヴィータママやシグナムママやシャマルママがいたとしたら――」

 

 多いな……。

 

「全てが丸く収まる。パズルのピースがピタッとはまる――そうは思わない?」

 

 ママ、流石にそれは穿ち過ぎじゃ……。

 と、思っていたらヴィータさんがついにブチ切れた。

 

 

「ガァァ!

 おかしな考えで、ミウラと家族に迷惑をかけるんじゃねぇぇ!

 いいか、よく聞け!

 あたしがミウラに肩入れする理由は一つ、ザフィーラと一緒で、あたしがコイツの素質に惚れこんだからだっ!

 あたしみたいなタイプはいっぱいいても、あたしみたいに敵をものともせず突破できるやつはまずいねー。それは教導をしていてもよくわかった」

 

 ヴィータさんの顔が紅い。

 

「それと、もう一つ。その、なんだ……」

 

 はて?

 ヴィータさんがやけにわたしの方をチラチラ見ている。

 最後になのはママを見据えた。

 

「お前があんまり楽しそうにヴィヴィオのことを話すもんだから……その、子供を育てるとかは無理でも、特定の一個人を育てるってのを、あたしもやってみたいと思ったんだよ。

 おめぇーみたいにな!

 だぁぁ! んなこと言わせんな!!」

「ほう~、ふぅ~ん」

 

 なのはママはヴィータさんの背後に回りこむ。

 

「そりゃ確かに愛弟子だね~」

「だーっ! 胸を乗せるな胸を、重いんだよ! 育ちやがって」

 

 そんな2人の隣で、ミウラさんが気恥ずかしそうにうつむいている。

 もしかして……。

 ママは最初から隠し子説なんてどうでもよくて、実際は、ただヴィータさんの本音をミウラさんに伝えたかっただけなんじゃ……。

 

 

 ――カン、カン、カン。

 

 

「それでは検察側――なのは、証人――ヴィータは否定していますが?」

「は~い。ヴィータちゃんの隠し子説は取り下げまーす。

 でも、ミウラちゃんが大人モードを使っているってことには変わりないからね」

 

 そうだった~。

 どんなにでっち上げても、オフィシャルサイトには敵わない。

 

「ううっ……」

 

 やっぱりなのはママの壁は高かった。

 

「ゴメンね、ミウラさん」

「いえ、本当に平気ですから……それに、ちょっとうれしかったですよ?」

「2人とも納得したみたいだね。じゃ、私とフェイトちゃんの勝ちってことで」

「ちょ、サイバンチョと結託しないでよぉぉ!」

 

 ところが、

 

 

「異議あり! や」

 

 

「はやて、さん……?」

「ミウラもヴィヴィオも、諦めたらそこで試合終了やで」

「試合じゃないよ!? 地球出身者は安西先生大好きだよね!」

 

 なのはママとはやてさんが睨み合う。

 

「ムムム、いくら八神部隊長でも、この状況は覆せないよ~?」

「それはどうやろな、高町教導官。よし、いくで、シャマル、シグナム!」

「がってん、はやてちゃん」

「え、主……本当にやるのですか?」

「大丈夫、大丈夫。シグナム、メディカルシャマルのときもノリノリやったやろ?」

 

 はやてさんは「ちょっと用意してくるからな~」と言い残し、シャマル先生とシグナムさんを連れて隣の部屋に向かった。

 

「えっと……ヴィータちゃん、はやてちゃんたち何やるか聞いてる?」

「いや、聞いてねー。ザフィーラは?」

「聞いてないな」

 

 わたしも尋ねる。

 

「ミウラさん知ってる?」

「い、いえ……」

 

 メディカルシャマル――って単語が、すでに不安をあおるのだけど……。

 

 

『準備オッケーやで~』

 

 

 早い。一分とかからず戻ってきたはやてさんの格好は、タヌキの……きぐるみ……?

 さらにシグナムさんは……え? ツインテールのオーバーオール?? なに、このレアショット。

 

「撮るな怪獣! テスタロッサもだ!」

 

 あとで送ってもらおう。

 ちなみにシャマル先生は、いつもと変わらない白衣姿。

 はやてさんがノリノリで叫び出す。

 

 

「3・2・1、どっか~ん!

 

 わ~い、なぜなにシャマル先生~!

 

 お~い、みんな集まれ~。

 なぜなにシャマル先生の時間だよ~」

 

 

 そうきたか~。

 地球出身者と、なのはママから英才教育を受けたわたしは知っているが、ミウラさんは頭に「???」を浮かべまくっている。

 まあ、初めて見たら、こういう反応だよねぇ~。

 タヌキ姿のはやてさんが、ツインテールのシグナムさん(顔ちょー真っ赤)に声をかける。

 

「ねえ、ねえ、シグナムおねーさん、どうしてミウラやヴィヴィオは18才の姿に変身できるの?」

「た、タヌキさん……お、大人モードって知ってる?」

「なんのことかわかんないや、ボクなにしろタヌキだしい~……って、なんで私がタヌキやねぇぇ――ん!? 誰やこの脚本書いたの!」

「いえ、主ですが……」

「しもた~」

 

 あ~。

 

「では解説しましょう!」

 

 シャマル先生……いつもより生き生きしてるなぁ~。

 白衣が似合う人って、こういうの好きそうだよねぇ……。

 

「『大人モード』とは、広義において子供が大人の姿に変身する魔法を意味します。

 では、この『大人モード』が、一体どの系統の魔法に属するのか――というと、実は明確な解答がありません。

 

①変身魔法

②身体強化魔法

 

 など、話によって変化するからです。

 ――と、まあ、そんなことを言い出したらバリアジャケットだって変身魔法みたいなものだから……。

 なので『大人モード』も〝変身するタイプの身体強化魔法〟とでも考えておけば問題ないでしょう。

 ただし『大人モード』という名称は、あくまで〝愛称〟だと思ってください。

 一般的には馴染みやすい『変身魔法』。

 専門的には『強化モード』の名で知られています。

 そうですね……例えば『ViVid Strike!』のヴィヴィオの台詞で、

 

『そういえばフーカさん、リンネ選手と戦うなら強化モードを使えなきゃですよね』

 

 とか。

 アインハルトちゃんの台詞で、

 

『変身魔法と言ったらわかりやすいですか? 魔法で体格を変化させるんです』

 

 さらにヴィヴィオの台詞で、

 

『自分の成人時か、その少し手前くらいになったときの姿を先取りする形ですね』

 

 というモノがありました」

 

 あ~、あったな~、そういうの……。

 

「はーい、シャマルせんせー」

「はい、なのはちゃん」

「私、ストライクフリーダムだからよくわからないんだけど、これが、どうして私への反証になるの?」

「そうね。ここで、アインハルトちゃんの台詞が重要なヒントになります。

 

『目を閉じて成長した自分をイメージして、18才くらいがいいでしょう』

 

 つまり、デバイスが未来の姿を予測して変身するわけではない――ということです」

 

 確かに、あの時点では、まだフーカさんはウラカン――デバイスを持っていなかった。

 

「それだけじゃないわ。18歳くらいの自分――なんて言われて簡単にイメージできるものかしら?

 なのはちゃんならどう?

 9歳のころ、18歳になった自分を具体的にイメージできた?」

「いや~、無理でしょう。もし、どうしてもと言われたら、家族――お父さんやお母さん、それにお兄ちゃんやお姉ちゃんを参考にイメージしたと思います」

「そうね。それが普通だわ。ヴィヴィオの変身だって、家族――なのはちゃんがベースになってるでしょ?」

「ええ、まあ……たぶん」

 

 聖王モード。自分ではよく覚えていないけれど、間違いなくそうなのだろう。

 

「だから、ミウラちゃんも誰かの姿を参考にして18歳の自分をイメージした――と考える方が自然なの」

 

 だけど、

 

「待ってください、シャマル先生。だったらミウラさんだって、わたしやなのはママみたく家族を意識するはずじゃ……」

「そうね。ヴィヴィオの言う通り。でも、ヴィヴィオのママはエース・オブ・エース。なのはちゃんのご実家も、道場があって強い剣士よね?」

 

 確かに……。

 

「だけど、ミウラちゃんのおうちは違う」

「戦いとは無縁、ですね……」

 

 ただのレストラン。

 

「そう。だから、もしミウラちゃんが試合のために大人――もっと強い自分――をイメージしようと思ったら、両親よりも、格闘技の先生がベースになる。

 だから、同じ女性で、戦闘スタイルの似たヴィータちゃんの姿を、自分の将来と重ねたんでしょうね」

 

 わたしがなのはママに憧れたように、ミウラさんもヴィータさんみたいに強くなりたい――と願ったのかもしれない。

 

「あとは、現実問題として、ミウラちゃんはスターセイバーがないと大人モードが安定しないから……。

 できるだけ、負担がかからない、今とかけ離れた姿にならない――という点でも都合がよかったんでしょうね。

 だから、ミウラちゃんの大人モードは、ヴィータちゃんと同じ小柄な体型である――と説明できるわけね」

 

 ということは、

 

「大人モードがちっちゃくても、実際の成長には関係ないってことですか?」

「そういうことになるわね。

 この裁判、大人モードを使っているかどうか――という争点なら、完全になのはちゃんの勝利。

 だけど、ミウラちゃんが将来大きくなれるかどうか――という点においては、ヴィヴィオの勝利とも言えるのよ」

 

 シャマル先生が話し終えると、フェイトママがバルディッシュで机を叩く。

 

 

 ――カン。

 

 

「それでは、被告人――ミウラ・リナルディに対する判決を言い渡します。

 判決は――無罪!」

「やったぁぁ!」

「そもそも何の罪だよ……」

「そして、検察側と弁護側の母娘対決は引き分け」

「おぉぉ~」

「あちゃ~、母の威厳が……」

「それとミウラ――」

「はい! フェイトさんサイバンチョ」

「ヴィヴィオが言っていたけど、将来ははやてのようなショートカットが似合う素敵な大人の女性になる――私もそう信じているからね」

「はい」

「だから、もう少しオシャレにも気をつかうように。ミウラだって魅力的な女の子なんだから」

「あ……はい」

 

 ミウラさんが頭をかいて照れている。

 さっすがフェイトママサイバンチョ。

 執務官は伊達じゃない!

 

「あう~」

 

 一方で、もうひとりのママは涙目でフェイトママの側に寄っていく。

 

「わぁ~ん、最後の最後で撃墜されちゃったよ~」

「まあまあ、これでよかったんじゃない?」

「それはそうなんだけどね~」

 

 フェイトママが、なのはママの頭を「よしよし」となでている。

 あの2人はまた人目もはばからず……。

 とはいえ、

 

「やりましたね、ミウラさん!」

「はい、ヴィヴィオさん!」

 

 わたしはわたしで、ミウラさんとハイタッチ。

 これも全てシャマル先生――いや、脚本を書いた、はやてさんのお膳立てのお陰なのだろう。

 さっすが八神司令!

 

「まったく。なのはのやつ、なんつー裁判を……」

 

 疲れ目のヴィータさんが「あ~」と、ソファーからずり落ちた。でも、ホッとした表情でもある。

 

「よかったですね~」

「あ~、まったく、おめーは高町家の良心だよな。アイツの娘にしとくにゃ惜しい逸材だ……」

「あはは……」

 

 そんなヴィータさんを見ていたら、ふと疑問がわいてきた。

 

「あの、はやてさん、一つ質問があるんですが……」

 

 タヌキのコスプレのまま「なんでも聞いてえーよ」とポンポコ腹を叩く。

 

「わたしやミウラさんの大人モードはイメージで変身した18歳。だから、実際にはもっと大きく成長するよ――って話じゃないですか」

「うん、そうやな」

「ってことは、逆に、ミウラさんもヴィータさんみたいに成長しない。大人モードよりもっと育たない可能性もある――ってことですか?」

「……あー」

 

 ミウラさんが慌てて立ち上がる。

 

「なっ、何を聞いてるんですかヴィヴィオさぁ~ん! はやてさん、そんなことないですよね!?」

「……ふう」

「ちょ、どうして目をそらすんですかぁぁ――っ!?」

「私、タヌキだからわからんな~」

「もうそのコーナー終わりましたよね!?」

「あはは、ミウラさんのツッコミも、ヴィータさんみたいになってきましたね」

「ヴィヴィオさんのせいじゃないですかぁー」

 

 わたしはポンと手を打った。

 

「そうだ。もしこのままちっちゃいままだったら、いっそのこと本当にヴィータさんの愛娘――みたいに名乗っちゃったらどうです?」

「ゲホッ! おいおい……」

「う~、悪くはないというか複雑な気分です……」

 

 わたしたちの会話を聞きつけて、なのはママが「ほぅ~」と唸った。

 また悪い顔を……。

 

「次の戦技披露会もこのネタで行けそうだね。2人とも、もう一戦いっとく?」

「またやるのかよ!? こんのエスターク野郎めっ!」

 

 また地獄の帝王呼ばわり……。

 

「ボクももうしばらくは……」

 

 ヴィータ&ミウラの似た者師弟コンビは否定的だけど、

 

「ええ~っ、いいじゃないですか! ねぇ、ミウラさんやりましょうよ~」

「ちょ、ひっつかないでくださ~い、ヴィータさぁ~ん、助けてくださぁ~い」

 

 ミウラさんを逃さぬようがっちりホールド。

 

「よいではないか~、よいではないか~」

「ふぅぇぇ~~ん!」

「この光景、どこかで見たような……」

「あ~、懐かしいな~」

 

 フェイトママとはやてさんが笑っている。

 そんなわたしの姿にヴィータさんがボソッと一言、

 

 

「やっぱおめーは、なのはの娘だよ。こんのプチタークめ!」

 

 

 えー。

 

 

 褒め言葉?

 

 

 




ミウラさんが大人モードを使っていることは前回で確定したので、今回は、
「どうしてミウラさんの大人モードはちっちゃいの?」
かを、考察してみました。

作中『ミウラのヴィータ子供説』がありましたが、あくまで17巻までの内容です。
両親やレストランの話は度々出てくるけれど、実際に登場したことがなかったので、強引にこじつけてしまいました。
自分が気づいていないだけで、どこかに登場していたり、未発売ですが、18巻以降の物語に登場していたりしたら、自分のミスです。ごめんなさい。

また、
『なぜなにシャマル先生』の元ネタは、『なぜなにナデシコ』です。
もし知らない方がいたら検索してみてください。
一部ではそれなりに有名なので、知っていても損はしないと思うので。

次回はたぶん、
『帰ったら王様たちがいた』
です。
では、また来週~。
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