アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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ある日、高町ヴィヴィオが帰宅すると、家のリビングでマテリアルズ――ディアーチェ、シュテル、レヴィの3人がくつろいでいた。

「どうしているの!?」
「ふっ、何をたわけたことを……我らは劇場版第3弾『魔法少女リリカルなのは Reflection』に出演するために来たのだぁぁ!!」

と、王様は言うけれど……??


※こちらは、『魔法少女リリカルなのは』のPSP用ゲームソフト2作のネタバレが含まれています。未プレイの方は十分注意してお読みください。



帰ったら王様たちがいた

「たっだいまぁ~」

 

 ある日、わたしが家に帰りリビングのドアを開けると、

 

 

「おう、帰ったか小娘。勝手に上がっておるぞ」

「お邪魔しています」

「ヴィヴィオ、おっかえりーっ!!」

 

 

 紫天一家。

 闇王――ディアーチェ。

 星光――シュテル。

 雷刃――レヴィ。

 マテリアルズとも呼ばれる3人が、ソファーでくつろいでいた。

 

 

「……………………はっ!?」

 

 

 普段は思い出せないトーマの件を含めて、完全に記憶封鎖が解かれる。

 

 

「どうして3人がうちにいるのぉぉ!?」

 

 

 何だかんだでちょくちょくやってくるこの3人。とはいえ、いきなり家にいるのは、ミウラさんがスカートを履いてきた――くらいのインパクト。

 

「はっ! ママは? ママはこのこと知ってるの!?」

「あやつなら、まだ帰ってはおらぬぞ」

「……じゃ、どうやって家に? まさか、ルパンみたいにガラス切りで丸く……」

「するか、このたわけ!」

「もちろん、王サマのジャガーノートで」

「ドあほぅ! 家ごと破壊してどうするぅぅ!?」

 

 ああ、この反応……。

 本物の王様だぁ~。

 

「小娘。何を満ち足りた顔をしておる……」

「正解は、この家の本人認証システムが私とレヴィの存在に誤作動を起こしたと推測できます」

「入り口で、ボクが『入れてー』って言ったら、開いちゃったんだよね」

「あ~、なるほどぉ~」

 

 声、一緒だしね……。

 

「あっ!」

 

 忘れてた。

 

「すぐにお茶を出しますね!」

「お構いなく」

 

 んんっ?

 クンクン――すでに、わたしが淹れるより格段に鼻孔をくすぐるお茶の香りが漂っている。

 

「勝手に使わせていただいたのですが、問題があったでしょうか?」

「あー、いえいえ、問題なんてまったくなかったです。むしろ、あとでその技を教えて欲しいかなぁ~と思いまして」

「喜んで」

 

 すると、

 

「ねぇ、ヴィヴィオ~、ゲームで遊んでもいい~?」

「あ、うん、いいよ~って、レヴィはもう遊び倒してるよねっ!? こんなに散らかってるリビングは久しぶりだよ!」

 

 などとはしゃいでいると、

 

「ヴィヴィオ。貴様、いつもこんなに突っこんだり反応したりしているのか……?」

「ええ、まあ、なのはママとフェイトママがいるんで……」

 

 王様が「ふっ」と笑った。

 謎の親近感というか連帯感が生まれる。

 

「そこで握手を交わされるのは不愉快なのですが……」

「いいんじゃない、仲良くて」

 

 わたしはカバンを置くと、改めて話を切り出した。

 

「それで、王様たちはどうしてこっちの世界に?」

「ふむ、それはもちろん、時空管理局が制作する教導ビデオ――劇場版第3弾『魔法少女リリカルなのは Reflection』――にアミタとキリエが出演すると聞いてな。そろそろ我らの出番であろうと、わざわざエルトリアから来てやったのだ。ありがたく思え!」

「……」

 

 わたしはわずかに逡巡し、

 

「あの~、王様たち、出番ないかもです」

 

 

「……………………な、何だとォォ!? 貴様ぁぁ、『マテリアル娘。』と『INNOCENTS』が終わったら、我らはもう用なしとでも言うつもりかぁぁ――っ!?」

 

 

「ディアーチェ、近すぎです」

 

 

 ――ゴスッ!

 

 

「ぐほぅ! ルシフェリオンで叩くな! 死ぬわっ!」

「我が王、少し頭を冷やしましょうか……」

「お……おう、そ、そうだな……」

 

 う~ん、

 

「ね、レヴィ。いつもこんななの?」

「うん、だいたいこんなだよー」

 

 なのはママに相通ずるモノがある。

 仲がいいわけだ……。

 わたしは『王様たちの出番がないかも』と言った事情を説明する。

 

「実は『Reflectio』の情報って意外と少なくて、わたしが知っているのも、

 

①劇場版第2弾『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』から約3カ月後。

 

②前後編2部作。

 

③『A’s』から『StrikerS』までの空白期間を描く。

 

④PSP用ゲーム『魔法少女リリカルなのはA's PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-』(長いんで、以後『GOD』に省略しますねー)から、アミタさんとキリエさんが登場する。

 

ってことぐらいなんです」

「ふむ、どうだシュテル?」

「はい。私たちが知っている内容と大差ありませんね」

 

 どうやって知ったんだろう……ということはさておき、王様が命令を下す。

 

「ならばシュテル。今すぐウィキを検索せい!」

「御意」

「ちょっと待ったぁぁ――っ! ウィキを見るより先に、公式ホームページを見た方がいいですよ?」

 

 最近、これで痛い目を見たばかりなのだ。

 

「ふむ、まあいいだろう。映せ」

 

 モニターに表示された公式ホームページ。

 ところが、

 

「何だこれは? キャラ紹介もストーリー紹介も何もないではないか!」

「簡単な【NEWS】に【CAST】【STAFF】それに公開日くらいですね」

「どこかに隠しリンクがあるとか?」

「それだ。シュテル、探せ」

「ここにリンクがあります、が……」

 

 シュテルさんの指が、画面の左上――〈THEATER〉で停止する。

 

「たわけ、それは公開予定の映画館だ!」

 

 こうなると、あとはもう特に見るべきモノはない。

 

「今回は、あんまり情報を得られなかったなぁ~」

「そんなことないんじゃない?」

 

 とレヴィ。

 

「ほえ?」

「ほら、このイラスト。『Force』みたいな格好したなのは――フェイトとも切り替わるんだけど――の背景」

 

 ちなみに〈THEATER〉のページなら、背景のみを観賞できる。

 

「ほう。なんじゃこの夢の国みたいな人工島は? 海鳴にあったか??」

「新しく建設された――という可能性もあるかと」

 

 むしろ、

 

「エルトリアの風景ってことはないんですか?」

「こんな潤沢に水があったら苦労せんわ」

「いずれはこのように復興したいですね」

「真ん中にお城っぽいのがあるから、テーマパークなんでしょ? いいな~、ボクも遊びに行きたいー」

 

 別の次元世界や古代遺跡――なんて可能性もあるけれど、これ以上はわからない。

 王様が指示を下す。

 

「次はPVだ。あるのだろ?」

 

 流れ出すと、すぐに王様が舌打ちした。

 

「そういうことか。我は大きな勘違いをしておったようだ」

「どういうことですか?」

「『GOD』が『闇の欠片事件』から約3か月後――だったせいで『Reflection』も『The MOVIE 2nd A's』から、約3か月後が舞台と勘違いしておったのだ」

「へ? あってるんじゃないんですか??」

「シュテル、説明してやれ」

「はい。このPVで流れる日常風景は、『The MOVIE 2nd A's』の〝エピローグ〟から約3か月後。つまり『闇の書事件』が解決してから2年プラス3か月後ということです」

「ああああ! そういうことかぁぁ!」

「ふぇ~、よくわかったね、王サマ」

「あったり前だ! よく見ろ、子鴉のやつが元気に走り回っておる。あやつが自力で歩けるようになったのは、事件から2年後だからな」

「はぁ~、王様って何だかんだではやてさんについて詳しいですよねー」

「知るかっ!」

「キリエに言わせれば、我が王はツンデレ? というモノらしいですから」

「誰がツンデレだっ!? あの桃色、帰ったらしめるっ!」

 

 王様はグチグチ言いながらも、

 

「それと、ここを見ろ。パジャマのツヴァイの背景――」

 

 枕を持ったリインさんのことだ。

 

「何だこの水没都市は?」

「あ~、そう言われると……」

「2年で地球温暖化でも進んだのか??」

「いや~、それはないかと……」

「だったら、セカンドインパクトで使徒が攻めてこない限り、舞台は海鳴ではない――という結論に達するな」

「はぁ、なるほど~」

 

 流石は王様。

 

「じゃあ、ママが砲撃してるこの変な足場って」

「うむ。先ほどレヴィが気づいたテーマパークのような人工島であろうな」

 

 王様は本当に何でもわかる。

 

「――で、ボクたちはどうして映画に出れないの王サマ?」

「そ、それはだな……ええぃ! シュテル、ウィキだウィキ!」

 

 あはは……。

 結局、最後はウィキ頼みなんだぁ~。

 うん、わかるけど……。

 すると、

 

「……我が王。残念ですが『ウィキペディア』に『Reflection』専用のページはありませんでした」

「なんと!?」

「ですが『NanohaWiki』になら専用ページがあります」

「ほう、開いてみよ」

 

 が、

 

「ここに書いてあるの、最初にヴィヴィオが話してくれた内容と変わんないよ~?」

「それほど、公式で発表されている情報量が少ないということか……」

 

 諦めずに眺めていると、

 

「……ん? ここ、王様、ここ見てくださいっ! 登場人物の一番下――女の子。

『完全な新規キャラクター。序盤から登場する重要人物』

 ってありますよ!」

「女の子だと? でかしたヴィヴィオ! こやつのイラストの1枚でもあれば、突破口が開けるやもしれん――」

 

 けれど、新キャラの『女の子』は、いくら検索しても引っかからない。

 ソースすらわからなかった。

 

「ボク、もうツカレタぁぁ~~っ!」

「これ以上は無意味、か……」

「う~ん、またノーヒントになっちゃいましたね~」

「いえ、そうとも限りませんよ?」

 

 シュテルが指し示したのは『NanohaWiki』の概要に載っていた一文。

 

 

『Reflectionには「反射」「反響」「鏡像」などの意味があるが本作との関係は不明。(りりかる歳時記52回)』

 

 

「なるほど。『Reflection』をヒントにして内容を読み解こうということか」

「はい」

「〝reflection〟といえば、映像、鏡などに映った影、反射光、熟考、影響、反映、それに――よく似た人、なんて意味がありますよね?」

「よく似た人――って、やっぱりボクたちのことなんじゃない?」

「早るなレヴィ。また肩透かしを食らってはかなわんからな。シュテル『A's』と『StrikerS』の時はどうだった? 空白期間の物語ならば意味も同じようにとらえるべきであろう」

「そうですね。これも『NanohaWiki』に書かれていましたが、

 

『エース……技術が優れていて、華麗で優秀に戦える魔導師』

 

『ストライカー……その人がいれば、困難な状況を打破できる、どんな厳しい状況でも突破できる、そういう信頼を持って呼ばれる名前』

 

 どちらも魔導師の尊称のようです」

「尊称か……であれば、『Reflection』も物事ではなく人物――子鴉たちを鏡とした、我ら3基のマテリアルズのことを意味している可能性が高いかもしれんぞ」

「お~っ! やっぱりボクら出番があるかもだー」

「むしろ未来組、貴様やアインハルト、トーマは出番がないかもしれんな」

 

 なんてこったい!

 王様たちにばかりいい思いをさせてなるものかぁぁ――っ!

 

「甘い、甘い、バレンタインのチョコぐらい甘いですよ、王様ぁぁ!」

「何だと?」

「『Reflection』を人物としてとらえた場合、もう一つ意味が隠されているんです!」

「ふん、言ってみろ」

「それは――〝カーバンクル〟! 味方全員に魔法を反射するリフレクの魔法をかけてくれる、もふもふな生き物のことを意味してるんですよぉぉっ!」

「たわけぇぇ! それFFの召喚獣だろうが!」

 

 一撃で返された!?

 

「詳しいですね、ディアーチェ」

「さすが王サマー」

「まさか気づかれるとは~」

「ふんっ、当たり前だ。我は王だからな、ドラクエ、FFから『未来神話ジャーヴァス』まで全てのRPGを網羅しておる!」

「『未来神話ジャーヴァス』って……」

 

 ファミコンRPG初のバッテリーバックアップ搭載ソフトだっけ……。

 そんなのママだってプレイしたことないよ~。

 

「一応、エルトリアの復興に役立つかと思ってな……」

 

 文明崩壊後。荒廃した未来の地球が舞台なので、まあ、似ていなくもない……かも。

 シュテルが小さくため息を吐いた。

 

「カーバンクルやジャーヴァスはさておき、『Reflection』が私たちを意味している――と解釈した場合、アミタとキリエの行動も互いの鏡像として理解できます。

 が、最も重要な人物――ユーリが抜け落ちてしまうのではありませんか? リインフォースの鏡というよりは、かつて一部だったモノですから」

「むっ……むむっ、確かに」

 

 すると、レヴィがポンと手を打った。

 

「あー、アレじゃない? 〝reflection〟って情報工学のリフレクション。

 プログラムが、自身の構造をデータのように読み取ったり、書き換えたりすること――だったよね?」

「……レヴィ、おまっ、アホの子設定はどこへやったぁぁ――っ!?」

 

 王様がレヴィの水色の髪をぐちゃぐちゃにかき混ぜる。

 

「イタい、イタいってば王サマ~。前にユーリが話してたんだって」

「むぅ……ユーリが、か……」

「なるほど。これは盲点でしたね」

「そっかぁ~。みんなそれぞれが鏡のような存在になっていて、マテリアルズやシステムU-Dそれにギアーズにとっては、リフレクションとしての意味合いもある。

 さらに、全体を通して未来へと続く〝自己言及〟の戦いでもある――それはつまりテーマなわけで……いやいや、ここで納得しちゃったら高町家の名が廃るっ!」

「そこまでたどり着きながら……もういいだろ、貴様の家はどうなっておる……? 天邪鬼一家か?」

 

 わたしは起死回生(?)となる、新たな一手を投じる。

 

「アミタさんとキリエさんは時間移動してやってきた、いわば時魔道士です。ここまではいいですか?」

「桃色の二つ名は『時の操手』だからな、まあ、そこまでは許してやろう」

「であれば、時魔道士のフローリアン姉妹だけが、唯一、時魔法のリフレクを使えるわけで、『Reflection』とはアミタさんとキリエさん姉妹を指して――」

「だからFFタクティクスから離れろと!」

「ていうか、例の謎の『女の子』はどう説明つけるんですかぁぁ――っ!?」

 

 新キャラの正体がわかるまでは、王様たちだけ出演なんて、認めるわけにはいかないのだ!

 

「ああ~、あ奴か。たぶん、ユーリのことだろ」

「……へ?」

「もしくは、我ら3人とユーリが合体した存在。もともとマテリアルズとU-Dは、一つの存在だったのだからな」

 

 

「「な、なんだってぇぇ――っ!?」」

 

 

「いや、今さら驚くこともあるまい。過去の世界で話したはずだが……」

「あ~、記憶封鎖の影響で~」

 

 そんな話聞いたっけ~?

 

「というかレヴィ、貴様は驚くなっ!」

「だって~」

「まあよい。それと小娘。貴様とアホな会話をしていて気づいたことがある……が、シュテル。貴様も気づいているのだろう? 説明してやれ」

「はい。我が王」

 

 あ~、補習授業を受ける生徒ってのは、きっとこんな気分なんだろうなぁ~。

 学校では立たされたこともないのにっ!

 

「あの……お手やわらかにお願いしまーす……」

「シュテる~ん、ボクにもわかるよーにね」

「善処します。

 そうですね、そもそもの誤りは、私たちが劇場版第3弾『魔法少女リリカルなのは Reflection』を、〝劇中劇〟だと信じこんでいたことです」

 

 おや?

 

「でも『The Movie 1st』も『The MOVIE 2nd A's』も映画ですよね? ママたちも監修してましたし、わたしだって友達と見に行きましたよ?」

「んにゅ~、難しいことはわかんないけど、別世界のなのはたちのことでもあるよー。ボクたち会ったことあるしね!」

「え、そうなの!?」

 

 初耳だ。

 

「それに関しては、いずれもが正解で、いずれもが間違いではありません。

 ここで問題となるのは、アミタとキリエが〝時間移動をしたかどうか〟なんです」

 

 時間移動をしたかどうか……。

 

「あ、ああああああああ! そっか!」

「え、え、どーいうことぉ~?」

「流石はナノハの娘。察しが良いです」

「ほらレヴィ、わたしたちって普段は記憶封鎖を受けているから、アミタさんやキリエさんは時間移動じゃなくて、管理外世界からやってきた――って認識してるんだよ。

 だから、もし〝時間移動〟のシーンが映画にあったら」

「あ~、映画じゃなくて、ホントにあったハナシになるのかぁ~!」

「うん! 管理局にも資料はないし、ママたちだって覚えてないんだから、作れるはずがないんだよ」

「はい。2人とも花マルです。

 そして、おそらく〝時間移動〟のシーンは登場します。

 だからこそ、タイトルも『The MOVIE 3rd Reflection』から『魔法少女リリカルなのはReflection』に変更されたのでしょう。

 これまでの劇場版とは違い、劇中劇ではない――という意味もこめて」

「はぁ~、そっか~。……あれ?

 でも、それじゃ、わたしが知ってる『砕け得ぬ闇事件』――『GOD』と、まったく違うストーリーになっちゃいますよね??

『A’s』から『StrikerS』までの空白期間を描く――って話なのに、別世界のママたちの物語になっちゃうんじゃ……」

「そーだよー。シュテるん、やっぱおかしんじゃないのー? もしボクたちとユーリが一つになってたら、ボクたちなのはやオリジナル、それに、ヴィヴィオとも会ってないってことになるしー」

「そ、そーだよねっ!」

 

 そもそも、ここで話していること自体、おかしくなってしまう。

 わたしとレヴィは「そんなのヤダー」と異議を唱える。

 

「えぇぇい! 駄々っ子どもめが! 静かにせぇぇ!」

 

 スパパンッ――と、王様が丸めた雑誌でわたしとレヴィの頭を叩いた。

 

「いいか、よく聞け?

 別世界、平行世界、パラレル世界――名称は違っても全て同じことだが、貴様らもすでに、この世界がいくつもの世界から成り立っていることは気づいておろう」

「はい。それは……」

「うん、知ってるよー」

「だとすれば、

 

 

●Aルート(TVアニメ版ルート)……『魔法少女リリカルなのは』(『無印』) → 『A's』(※リインフォース・アインスが消失する) → なのは大怪我 (入局から約2年後) → 『StrikerS』 → 『ViVid』 → 『ViVid Strike!』 → 『Force』

 

 

●Bルート(PSP版ルート)……『無印』 → 『A's』(※リインフォース・アインスが消失しない) → 『BOA』(『A's』直後・PSP版1作目・マテリアルズ登場) → 『GOD』(約3か月後・エルトリアを救うためキリエやってくる) → なのは大怪我 → 『StrikerS』 → 『ViVid』 → 『ViVid Strike!』 → 『Force』

 

 

●Cルート(劇場版ルート)……『The Movie 1st』 → 『The MOVIE 2nd A's』(※リインフォース・アインスが消失する) → 『Reflection』(約2年3か月後・エルトリアを救うためキリエやってくる)

 

 

 便宜上、この3ルートに分けた。

 厳密に言えば、もっと分岐するであろうし、

『ViVid Strike!』の扱いにも思うところはあるが……まあ、こんなものであろう。

 ヴィヴィオ、レヴィ、これを見て気づいたことはあるか?」

「AのTVアニメ版ルートって、王様たちが出てこないですよね」

「そうだな」

「今度の映画のヤツと、なのはがケガしたのってだいたい同じ時期じゃない?」

「あ、ホントだ!」

 

 王様が口の端を吊り上げた。

 

「ようやく気づいたか。

 つまり、

 

 

●Aルート(TVアニメ版ルート)……『魔法少女リリカルなのは』(『無印』) → 『A's』(※リインフォース・アインスが消失する) → 『Reflection』 → なのは大怪我 → 『StrikerS』 → 『ViVid』 → 『ViVid Strike!』 → 『Force』

 

 

 と、置き換えることも可能なわけだ。

 バリアジャケットの違いなどは些細なこと。

 新装備が『Force』のストライクカノンに似てる?

 そんなもの『The MOVIE 2nd A's』で『StrikerS』の装備を先取りしていたのだから、当然次は『Force』の装備だろう。問題ない。

 事件の内容は、『Reflection』と変わらなかったととらえればよい。

 さらに、『Reflection』で頑張りすぎて、体に負担が残っていたから、結果として直後の大怪我につながった――と、とらえることもできるわけだ」

「はわ~、これって、全て解決しちゃったんじゃ……」

 

 ところが、レヴィが首を捻る。

 

「ねー、王サマー」

「なんだレヴィ」

「だったら、今のボクたちってBルートってこと?」

 

 確かにそうだ。

 シュテルが割って入る。

 

「そう解釈してもいいですが、先ほどディアーチェは、便宜上3ルートに分けたとおっしゃいました」

「そういうことだ。分岐はもっとあるぞ。例えば、

 

 

●Dルート(劇場版+PSP版ルート)……『The Movie 1st』 → 『The MOVIE 2nd A's』(※リインフォース・アインスが消失しない) → 『BOA』(バリアジャケット違う、PSP版1作目) → 『GOD』(リーゼ姉妹出ない。エルトリアを救うためキリエやってくる) → なのは大怪我 → 『StrikerS』 → 『ViVid』 → 『ViVid Strike!』 → 『Force』

 

 

 なんて世界もあるだろう。

 もっと言えば、

 

 

●Xルート……『魔法少女リリカルなのはINNOCENT』

 

●Yルート……『とらいあんぐるハート3』 

 

●Zルート……『とらいあんぐるハート3』 → 『とらいあんぐるハート3 リリカルおもちゃ箱』

 

 

 なども、どちらが先か後かは置いておくとして、パラレル世界の一部であろうな」

「うわぁ~」

 

 もう、何がなんだか……。

 

「ふっ、そう複雑に考えるな。

『シュタインズゲート』、あるいは他のアドベンチャーゲームでもいい。

 最終的に、全ての平行世界の記憶を持っている世界――という分岐も存在するであろう? それと似たようなものだ」

 

 シュテルが頷く。

 

「だから、私たちがこのような会話をしていても、おかしくない――ということなのですよ」

 

 すると、王様が「ほう」と小さく笑った。

 

「そういうことか。リフレクションにはメタ発言(メタ認知)のような意味合いもあるのだが、AルートとCルート、互いにメタ世界である――ということが『Reflection』に隠された、真の意味なのかもしれんぞ?」

「ゴメン、王サマ。ボクもう無理……」

「わたしも~」

「ふんっ、子供にはまだ早かったか。あとで貴様の母親――いや、子鴉辺りにでも聞いておけ。貴様でもわかるよう話してくれるだろうからな」

 

 何だかんだで、はやてさんのこと信頼してるよね~、王様。

 

「あー、ボクも聞いてこよーっと」

「レヴィ……貴様は我の話を聞けぇぇい! そして理解しろっ!」

「ム~リぃ~~っ!」

 

 そうだっ!

 

「あの~、王様」

「どうした、まだ何かあるのか?」

「わたし、アミタさんやキリエさんが出るっていうんで、今回の映画は単純に、ゲームだった『GOD』のストーリーを映像化した作品――だと思っていたんですが……」

「まあ、違うであろうな」

「なんで、結局『Reflection』は、どんなお話になるのかな~って、気になっちゃって」

「我に教えろと?」

「え~っと、はい、そうなんですけど……ダメ、ですか?」

「ふっ、仕方あるまい。今日は気分がいい。特別に我自ら『Reflection』のストーリーをまとめて、先取りで語ってやろう」

「良いのですか、ディアーチェ?」

「構わん」

「王サマはやくぅ~」

「お前もか、レヴィ……まあよい、貴様らまとめて傾聴せよっ!」

 

 

     ●

 

 

『魔法少女リリカルなのはReflection(闇王バージョン)』

 

 

『闇の書事件』から2年。

 養子縁組を受け入れたフェイト。

 元気に走り回れるほどに回復した子鴉。

 そして、優秀な魔導師に成長したことで、逆に「あの時、もっとできたことがあったんじゃ……」と悩むなのは。

 未だ、明確なビジョンは定まっていないけれど、3人にとっても一つの区切りを迎えていたころ。

 海鳴市では、奇妙な魔力反応と共に、謎の女の子の姿が度々目撃されていた。

 

 一方で、故郷エルトリアと父を救うためには、システムU-Dの持つ『永遠結晶エグザミア』が必要である。

 フローリアン姉妹の妹――キリエは、時間遡行システムを使い、遠い異世界である現在の地球へやってくる。

 けれど、システムU-Dは、起動させれば世界を破壊するほど危険な存在。

 

「闇の書に眠っているうちにU-Dを手に入れる!」

 

 魔導書を奪うため、はやてを襲うキリエ。

 しかし、2年前リインフォース・アインスの犠牲により、本来の姿を取り戻した夜天の書に、U-Dの姿はなかった。

 

「おかしい。この時代、この世界に、システムU-Dが現れるはずなのに……」

 

 そう。

 夜天の書から切り離された闇の書の残滓は2年という歳月をかけて、女の子の形に実体化しようとしていたのだ。

 阻止に動く管理局の魔導師たち。

 

「彼らにU-Dを破壊されるわけにはいかない!」

 

 キリエのプログラムにより〝完全体〟へと進化するシステムU-D――いや、砕け得ぬ闇ユーリ・エーヴェルヴァイン!

 妹を追ってきた姉アミタの介入。

 それに、なのは、フェイト、はやてといった一騎当千のエース級魔導師たちの力で、一度は消滅するユーリ。

 

 ところが、彼らの強大な魔力によって、逆にエグザミアの力が解放。かつてのナハトヴァールをも超える、古代ベルカが生み出した狂気の無限連環機構が起動する。

 再生していくユーリ。

 それどころか、彼女はさらなる高み――究極体へと進化する!

 なのはたちとフローリアン姉妹は協力。暴走するユーリを止めようとするが、

 

 

「灼熱の牙『カーディナルレッド』

 全てを焼き尽くす『ファイヤーレッド』

 結晶世界への導き『ダイヤモンドレッド』

 

 ――輝けっ! 召喚獣カーバンクルぅぅ!!(阿澄佳奈ボイスでよろ)」

 

 

 ユーリはカーバンクルを召喚すると「リフレク、リフレク」なのはたちの魔法をことごとく反射する。

 さらに、ユーリから溢れる闇が、なのはたちを飲みこむ。そこは、かつて闇の書がフェイトに見せた夢のような空間で――さあ、ここで我ら3人が登場だ!

 なのはたちの鏡像になって問いかける。

 

「ナノハ、あなたはかつての戦いから何も変わっていない……。

 ユーリのことも、リインフォース・アインスの時と同じ。あなたには、破壊することしかできない……」

 

 なのはの脳裏に、消えていくアインスの姿や、泣き崩れるはやての姿が思い浮かぶ。

 

「ううん、そんなことない……あの時はダメだったけど……今度こそ助けてみせる!」

 

 しかし、召喚獣カーバンクルの力で「リフレク、リフレク」するユーリを、どうしても止めることができない。

 

「アレを破る方法が、一つだけあります」

 

 なのはは、フローリアン姉妹が提案した賭けに乗る。

 

「なのは、やめて!」

「それだけはあかん、なのはちゃん!」

「わかってる、無茶だってことは……。

 だけど、私はもう誰の涙も見たくない。

 だから決めたんだ。私の魔法が届く距離にあるモノは、全部守って行くんだって――」

 

 時魔道士アミタとキリエの魔法――フォーミュラエルトリアの力によって、巨大な砲身と総合支援ユニットが召喚される。

 

「これがストライクカノンとフォートレス……。魔力の無効化に対抗できる、未来の私の装備……」

 

 デバイスとは違う。初めて扱う魔力駆動の兵器によって、なのはの小さな体は翻弄される。

 

「例え今、この時を最後に飛べなくなっても私は諦めない――。

 思いを貫く力を――。

 スターライトブレイカーS.C フルバーストぉぉぉぉ――――っっ!!」

 

 なのはの砲撃が、もふもふしたカーバンクルを撃ち抜く。

 消えるリフレク。

 

「なのはがくれたチャンスを無駄にはしないっ!

 雷光一閃――プラズマザンバァァァァ!」

 

 フェイトの一撃を皮切りに、みんなの全力全開がユーリに直撃。

 動きが止まり、再生までのわずかな隙が生じる。

 

「私も今度こそ救ってみせる!」

 

 ひとりユーリに近づくはやて。アインスの生まれ変わりとも言うべきツヴァイの力を借り、システムを上書き。制御プログラムを起動。そして、ついに暴走の原因エグザミアの停止に成功する。

 

 こうして『砕け得ぬ闇事件』は解決。

 

 ユーリは「自分の力が役に立つなら」と、赤毛、桃色と一緒に遥か未来の異世界エルトリアへ旅立つ。

 

 そして、なのは、フェイト、はやての3人は、それぞれの進むべき未来像を、明確に意識するのだった。

 

 

     ●

 

 

「――と、まあ、こんなところだな」

「……えっと、悪くはないけど、考察したことが反映されていないというか、色々ヘンな部分が混じっているというか……どうして詠唱がFFアンリミテッド!?」

「何を言っておる。ヴィヴィオ、貴様の要望を全て取り入れてやった結果ではないか」

「た、確かに言いましたけどぉ~」

 

 要望じゃないよ!?

 

「私は出番があって満足しました」

「シュテルはね!」

「ん~、ユーリがデジモンみたいに進化してたよねー」

「そう、レヴィ、それ!」

 

 完全体とか究極体。ユーリモンみたいなノリだし。

 

「ふう……いいか貴様ら、今話したストーリーは『Reflection』とは別物だ」

「えええっ、あんなに長々語っておいてぇぇ――っ!?」

「ボク、後半寝ちゃったよ~?」

「寝るな、ドアホぅ! だいたい、最初に〝闇王バージョン〟と言っておいたはずだが」

「うわっ、ホントだ、書いてあったぁ~」

 

 騙された!

 

「よく考えてみよ。この長さでは映画1本分にしかなるまい」

「そ、そうだった……今度の映画は前後編2本なんだっけ!」

「つまり、今語った闇王バージョンは『GOD』をベースに、貴様の面白おかしいアイディアを加えたいわば――我のお遊びだ」

「あぅ~」

「だいたい、こんなところでストーリーを知ってしまったら、つまらぬではないか」

「でも~」

 

 シュテルが落ち着きなさいと、わたしのカップにお茶を注いでくれる。

 

「いいですか、ヴィヴィオ。本物の『Reflection』は映画館で、頭を空っぽにして、自分の目で確かめる方が面白い――そう、ディアーチェは言いたいのですよ」

 

 ママの声で言われたら反論できない。

 するとレヴィが、

 

「でも、ユーリが『リフレク、リフレク』する可能性もあるんでしょ?」

「そうだな。無限に存在するパラレル世界のどこかに、そんな世界があったとしても我は否定せん」

「じゃ、ボクも自分の『Reflection』を考えてみよ~っと。もっと、ボクが大活躍するようなストーリーでっ!」

「それも、パラレル世界になるかもしれませんね。では、私も一つ考えてみましょうか」

「あはは! わたしだって負けないよ~、王様、シュテル、レヴィ!!」

 

 

 信じるか信じないかはみなさん次第ってことで。

 

 

 




そろそろ、もう少し詳しく映画の内容を知りたいな――と思い、調べたら、前と変わっていなくてビックリ。
そんなわけで、
「情報が少ない今なら、まだ、好き勝手に解釈できる!」
と、書いてみました。

ただ、途中で気づいたんですが、
「あれ? これ書いてる最中に公式から詳しい情報が発表されたら、全てボツになるんじゃ……」
というわけで、恐怖におののく毎日。
今、この瞬間にも発表されたらオシマイ。

そんなわけで、ココで参考にしている情報は、あくまで猫の日(2月22日)くらいまでのモノ――ということで、それ以降に追加されていたらゴメンなさい。
「全然違うじゃん!」と、突っこんで笑ってください。

とはいえ、色々と調べるのが大変で(PSP版の攻略本を持ってて良かった……)、疲れたので、しばらくは本来の、ゆる~い内容で行きたいと思います。


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