アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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ルール

①ニンテンドーDS用ゲーム『トモダチコレクション(初代)』を使用する

②ヴィヴィオを住人唯一の男性キャラにする

③ヴィヴィオ以外の住人を全て女性キャラにする

④ヴィヴィオと最初に恋人関係になった人を優勝とする


※前回の続きになるので、まだ読んでいない方は、先に『高町ヴィヴィオのトモコレやってみた 1日目』と『高町ヴィヴィオのトモコレやってみた 2日目』をご覧ください。



高町ヴィヴィオのトモコレやってみた 3日目

●〈ViVi島〉住人名簿(登録順)

 

①ヴィヴィオ(唯一の男性・意外と友達が少ない?)

②アインハルト(ヴィヴィオ以外に対しては、友達になりたがるものの、お断りされることが多い)

③コロナ(絶好調ランキング最下位)

④ゴライアス(こっそりゴライアスENDになりそうで怖い)

⑤リオ(裏切り者)

⑥ノーヴェ(綺羅星)

⑦ミウラ(影が薄い)

⑧ルーテシア(ほぼ絡んでこない)

⑨なのは(我道を行く)

⑩フェイト(普通)

⑪はやて(思ったより何もしてこない)

⑫シャンテ(もうこまちゃんでいいや)

⑬チンク(ちっちゃいから人気?)

⑭ザフィーラ(〈ViVi島〉で一番人気)

⑮シグナム(絶好調ランキング1位)

⑯ヴィータ(パッとしない)

⑰シャマル(さらにパッとしない)

⑱ジーク(もっとパッとしない)

⑲アルフ(やっぱりパッとしない)

⑳リンネ(人気ランキング最下位・誰か友達になってあげてぇぇ!)

㉑フーカ(本人はいないけど、分身は人気)

 

 

     ●

 

 

 トモコレは、プレイしていない間もゲーム内で時間が経過する。

 なので、初プレイの翌日。

 ジムでDSを開くと、住人たちの人間関係にめまぐるしい変化が起きていた。

 

 

「知らない間に、リオとザフィーラが親友同士になってるぅぅ――っ!?」

 

 

 ちなみに『トモダチコレクション』の『親友』は、通常の〝友達〟のランクアップ版みたいなものだ。

 性別は関係なし。

 男女どちらでも『親友』になれる。

 ただし『親友』になれるのは、1キャラにつきたった1人。

 ある意味、恋人に匹敵するポジション――と言えるだろう。

 隣でリオがポンと手を叩く。

 

「わかった! あたしが実家でシャオを飼ってるからだよっ!!」

「あぁ~、あの虎?」

「猫だよっ!」

 

 

「「いやいやいや」」

 

 

 すかさず、わたしとコロナがツッコミを入れる。

 

「でも、あの虎みたいな猫とじゃれていたリオさんの姿を思い出すと、狼フォームの師匠とも仲良くできそうな……」

「うっ、ミウラさんの言う通りかも……」

 

 なんだろう?

 リンネさんの件といい、だんだんと現実とゲームがリンクしているようで怖い。

 とはいえ、

 

「わたしとアインハルトさんは友達のままなのに……ああっ! シャンテとフーカさんも親友になってるぅぅ! それに、チンクとフェイトママまでぇぇ~っ!!?」

 

 う~ん……。

 先陣を切り、チュートリアルで友達関係になったわたしとアインハルトさん。もっと関係が深まっていてもおかしくないはず。

 なのに、ちっとも前に進めない。

 越えられない壁でもあるのだろうか?

 昨晩、こっそりネットで調べたのだけど、狙い通り最初の友達とくっついた――なんて人はほとんどいない。

 むしろ、みんな自分の思い通りにならなくて困っていた。

 だから『トモダチコレクション』は面白い――とも言えるのだけど。

 あ~、恋人は無理でも、せめて親友ポジションくらいは確保したいなぁ~。

 

「あの、ヴィヴィオさん、どうなさいましたか?」

 

 隣のアインハルトさんが、わたしの顔をのぞきこむ。

 

「いえいえ、何でもありませんから。さあ、ゲームを続けましょうか――」

 

 と、前に向き直ると、

 

「ちょ、リンネさんがゴロンと床に転がっているんですけどぉぉ――っ!? あの、リンネさん大丈夫ですか!?」

「ふ、フーちゃんの親友が……シャンテさんに……も、もうだめぽ……」

「あ~」

 

 わたしなんかより、よっぽど精神が大ピンチ。

 空気を読まないことで有名なアインハルトさんですら「あわあわ」声をかけられない。

 

「ここはチームナカジマのリーダーとしてわたしが――」

「いやいや、いつリーダーに……」

「いいですかリンネさん。これはゲームです。ゲームなんですよ?」

 

 現実ではない。

 

「いえ、たぶん、私とフーちゃんしかいない島を作っても、1か月経っても進展がないとか、そういうやつです、はい」

 

 有り得そうで困る。

 とはいえ、

 

「安心してください。ほら、わたしとアインハルトさんも、そんな感じになりそうなんで……」

「で、でも……」

 

 リンネさんは、まだ立ち直れない。

 

「だったら、他にも友達を作ればいいんですよ。せっかくなんで、いい機会じゃないですか。ゲーム中とはいえ、フーカさん以外にも友達を作る。今はまだ0人ですけど、きっと仲良くなれますよ。わたしの分身やアインハルトさん、リオ、コロナ、みんなの分身と」

 

 そうだ。

 これはわたしにだって言えることだ。

 

「ヴィヴィさん……」

「そうですよ、ボクだっていますからね!」

「……あ、そうそう、ミウラさんも」

「ちょ、今忘れてませんでしたかぁぁ!?」

 

 そんなわたしたちのやり取りを見ていたリンネさんが、ようやく顔をほころばせる。

 

「わかりました。私も頑張って友達を作ってみます。私の分身ガンバレ!」

 

 

 そんなわけで、高町ヴィヴィオのトモコレやってみた3日目――始まります。

 

 

     ●

 

 

「さっきからジークさんだけ、やたらとトランプ勝負を挑んでくるんですけど……」

 

 代わりに悩み事の相談がまったくない。

 アインハルトさんが「ジークさんらしいですね」と苦笑する。

 

「確かに……」

 

 

 

「あ、あっ、あっっ、みんな見て!

 つ、ついに来たァァァ――っ!!

 なのはママが、なのはママがっ、わたしと友達になりたいって……。

 キャァァ――ッ!!!」

「させるかぁぁ! し~っぱい! しぃ~っぱいっ!!」

「フッ……見るがいいリオ、コレがわたしとなのはママの絆パワーだぁぁ! ――ほら、成功!」

 

 ちなみに、なのはママだけ満足度レベルが3にアップ。

 わたしはレベル1なのに……。

 さすママ。

 

 

 

「え? こ、コロナもチンクに浮気なの」

「浮気って……」

「あ、失敗したよ」

「ヴィヴィオうれしそう……えっと、これって喜んだ方がいいのかな?」

 

 

 

「ヴィータさんもチンクと……。ホント、どうしてこんなに人気あるんだろ?」

 

 リオもさっぱりわからないようで、

 

「認めたくはないけど……」

「若さゆえの過ちみたいな?」

「いやいや、そうじゃなくて、あたしとしては前に否定したけど、リアルと一緒でちっちゃいと人気が出るのかもね~」

「う、う~ん……」

 

 どうだろう?

 と、思いつつ隣のアインハルトさんを見やって、

 

「あ~」

「どうして納得するんですかぁぁ!?」

 

 

 

「シャマル先生から、お宝『汚い雑巾』をもらったんだけど……」

「嫌がらせ?」

 

 

 

「おっ、ルールーがわたしと友達になりたがってる。さっすがルーテシアだね、わかってるぅぅ~」

 

 当然、成功。

 さらに連続して、

 

●フーカ → ヴィヴィオ

 

「うん、うん。フーカさんもわかってるなぁ~」

「あれでしょ? 長いものには巻かれろ――みたいな」

「ヴィヴィオは、フーカさんにとっていつも自分の先を行く、ちっちゃいけど尊敬すべき先輩――だもんね」

「えへへぇ~」

 

 などと、わたしが照れていると、

 

 

「ぐ、グフゥゥ~~」

 

 

 青い巨星の乗機みたいな声を発して、リンネさんが倒れこむ。

 

「え、ちょ、リンネさん!? 突然どうしたんですかぁぁ――っ!?」

「わ、私、ヴィヴィさんに公式戦2連敗中でした……。や、やっぱりフーちゃんも強い人と友達になりたいですよね」

「あ~」

 

 マズい。

 また、リンネさんがベッドで毛布をかぶった繭みたいになっちゃうよぉぉ!?

 ここは一発ギャグで乗り切るしかない!

 わたしはリオ&コロナにアイコンタクトを送る。

 そして、ワイングラスを片手に、深く椅子に腰かけたようなポーズで、

 

「パンがなければ、列強の王達を全て倒し、ベルカの天地に覇を成せばいいじゃな~い」

「よっ、聖王女!」

「陛下万歳っ!」

「ヴィヴィオさん、それ私の台詞じゃないですかぁぁ――っ!?」

 

 アインハルトさんの尊い犠牲により、どうにかリンネさんも落ち着きを取り戻した。

 

「よかった、よかった」

「よくないですっ!」

 

 

 

「ん~、始めてトランプ(ババ抜き)で負けたんだけど、相手がミウラさんの分身ってのが、なんとも因縁を感じますねー」

「はは、すみません……」

 

 

 

 リオがノーヴェにちょっかいを出す。

 

「イヤァァ、やめて~、わたしの友達を奪わないでぇぇ!」

「ハッハッハ、よいではないか、よいではないか~」

「……あ、失敗した」

 

 絶対成功すると思ったのに……。

 ちょうどやってきたノーヴェに、リオとわたしは口をそろえて言う。

 

「ノーヴェひどい!」

「ノーヴェ、ダメだよ?」

「あたしにどうしろと!?」

 

 

 

 ノーヴェとアルフが友達になったところで、

 

「ほ~ら、お前ら、そろそろ練習時間だぞ」

「あ、ホントだっ!?」

 

 わたしがDSを閉じようとすると、

 

「ヴィヴィオー、その前に友達がどれくらいできたか見てみようよ~」

 

 リオの言葉に、ノーヴェも「それで練習に気合が入るならいいんじゃないか」と苦笑する。

 市役所の『トモダチリスト』から確認すると、

 

「わたしの友達は――アインハルトさん、フーカさん、なのはママ、ルールー、それからノーヴェの5人だね」

 

 何だかんだで、結構増えていた。

 

「ちなみにアインハルトさんは……わたしとミウラさんだけですね」

「……」

「何もこんなとこまでリアルじゃなくてもいいのにね~」

 

 と笑うリオに対し、

 

「何なんですかその感想はぁぁ!? ――覇王断空拳!」

「ぐぼぁ~」

 

 あ~。

 

「それにしても問題はリンネさんかな~。どうして友達が1人もできないんだろう? 本人も気合十分なのに……アインハルトさんわかりますか?」

「そ、そんなこと、私の口から言えるわけないじゃないですかぁぁ!?」

 

 両手のひらを前に突き出すと、アインハルトさんが全力で頭を振った。

 

「いえいえ、リアルじゃなくてトモコレでの話で……あ、リンネさんが試合では一度も見たことないポーズで叩きのめされてるぅぅ――っ!!?」

 

 具体的に言うと、キルミーダンスのラストみたいな感じ。

 ――何だろう?

 リンネさんは、こう、ゲームを越えたボッチ星を背負っているとしか思えない。

 ちなみに、ゲーム中でのリンネさんのプロフィールを見ると、好物の欄に『ミートソースパスタ』とだけ書いてある。

 なんだか「リンネさんらしいな~」と思ったのは、わたしだけだろうか?

 

 

 

 その後も、休憩時間の度にDSを開いてはのぞいていたのだけど……。

 

 

 

「い、いつの間にかコロナとヴィータさんが親友に!? ちょ、どうしてコロナ、わたしじゃないのぉぉ――っ! わたしとは遊びだったんだねぇぇ!」

「お、落ち着いてヴィヴィオ、ゲームだからゲーム!」

「う~」

 

 とか、

 

●チンク → ノーヴェ

 

 など、納得の友達の輪が広がっていく。

 

 

 

 そして、練習後――。

 予想外の結末が、わたしたちを待ち構えていた。

 

 

 

「アレ? ねぇリオ、わたしの部屋に赤いマークがついてるんだけど?」

「ん? ちょ、ヴィヴィオ、それって!」

「へ? 何か特別なイベントなの――」

 

 いつものように、タッチペンの先端で軽く叩くと、

 

「えっとなになに……『実はアインハルトのことが好きです。告白したいのですが……』って、え、ホントに? うそ……来たァァァァ――――――っ!! 信じられない、始めて2日目でもう来たの!? っていうか、相手アインハルトさんだよっ! 偉いぞわたしぃぃ!」

 

 

「「「「え~」」」」

 

 

 アインハルトさん以外からは大ブーイングである。

 

「『告白を手伝う』

 

 ――当たり前!

 

『どんな感じに告白したらいいですか』

 

 ――ロマンチックもいいけど、やはりここは王道で、正統派!

 

『どこで告白するのがいいでしょうか』

 

 ――もちろん教室!」

「ヴィヴィオ、自分の趣味を全力全開しすぎじゃ……」

「いいんだよ、だって、わたしからの告白なんだもん!」

 

 そうなのだ。

 誰がわたしに告白して恋人になるか――の勝負だったのに、まさかわたしからアインハルトさんに告白するとは……。

 まさに予想外の結末。

 さらに質問は続く。

 

「『その前に着替えた方がいいですか』

 

 ――もちろんだよ!

 

 せっかくの初めての告白だし、お金に糸目はつけないから、一番いい服をぉぉ!」

 

 本音がダダ漏れだった。

 

「――って、リオ大変だよぉぉ!?」

「はいはい、今度はなに~?」

「わたし、最初の服しか持ってない!」

「あれ、服屋さんで買ってないの?」

「え、服屋さんなんてあるの?」

 

 すると、リオが「あぁぁ!?」と、イタズラがバレた時みたいな顔をした。

 

「服屋さんって、男女それぞれ2人以上いないとオープンしないんだっけ!」

 

 そう。

〈ViVi島〉は、男性がわたし1人しかいないため、服屋さんが開店しないのだ。

 

「えぇぇぇ!? どうしたらいいの?」

「う~ん、告白は中断できないし、今回はもう間に合わないから諦めるしか……」

「そ、そんなぁ~」

 

 そんなわたしの手の甲に、小さくも温かい手が重なった。

 

「大丈夫ですよ、ヴィヴィオさん。私は何度でも待っていますから」

「アインハルトさん……」

 

 リオがボソっと、

 

「失敗すると、2人とも相手への気持ちがダウンするんだけどね~」

 

 NTRはやめてぇぇ!

 そして、わたしの分身が無謀にも告白。

 

 

「玉砕上等! ナカジマ式ストライクアーツ、高町ヴィヴィオ、これがわたしの生き様だぁぁ――っ!!」

 

 

『いつもあの席から見つめていました。付き合って下さい』

 

 

『こちらこそお願いします』

 

 

「……あれ? 成功……しちゃった??」

「ええぇぇ~、いきなり成功しちゃったの?」

「うん、そうみたい」

「ないわ~」

 

 コロナが「グスッ」と涙を流す。

 

「よかったね、ヴィヴィオ」

「ありがとう、コロナ!」

 

 最後に、

 

「ヴィヴィオさん……」

「アインハルトさん……」

 

 手を取り合い、

 

 

「「わたしたちの大勝利ですっ!」」

 

 

 わたしとアインハルトさんの絆は、世界も時間も空間も越えてつながっているのだ!

 

 

 

 ――というわけで、誰が最初にヴィヴィオと恋人関係になるかを競う勝負、優勝はアインハルトさんでした!

 

 

     ●

 

 

 翌日。

 わたしたちは、改めてトモコレの掲示板ランキングを見ることに決めた。

 

 

『絶好調ランキング』

 

●1位……シグナム 919ポイント

●2位……はやて  846ポイント

●3位……なのは  804ポイント

 

 

「結局、1日目と変わらないメンバーって……わかるけど、おかしいよね」

 

 この3人は、どんだけゲームの世界にまで影響を与えるんだろう?

 

 

 

『人気ランキング』

 

●1位……ザフィーラ 110ポイント

●2位……ヴィヴィオ  92ポイント

●3位……フーカ    88ポイント

 

 

「結局、ザフィーラがトップのままかぁ~。でも、リオを蹴落としてわたしが2位にランクアップだよ!」

「う~」

 

 ちなみに、同点で4位が4人。

 

 

●4位……コロナ  50ポイント

●4位……リオ   50ポイント

●4位……ノーヴェ 50ポイント

●4位……シャンテ 50ポイント

 

 

 意外なことにチンクが入っていない。

 友達の多さと人気度は別なのだろうか?

 

「リオとコロナが同点かぁ~」

「あたし、前と全然変わってないんだけど……ま、コロナと一緒ならいっか」

「だね」

 

 しかし、

 

 

●21位(最下位)……リンネ 0ポイント

 

 

「ど、どういうことですか……どういうことなんですかぁぁ!?」

 

 

「「「「「あ~」」」」」

 

 

「その『あ~』は、何の『あ~』なんですかぁぁ――っ!?」

 

 おっかしぃなぁ~。

 いまだに0ポイントって、ゲーム的にありえるのだろうか?

 昨日ならまだしも、もう始まって3日目なのに……。

 リンネ・ベルリネッタ――ある意味『持っている』女性である。

 

 

 

『モテ女ランキング』

 

●1位……アインハルト 70ポイント

●2位……ノーヴェ   20ポイント

●3位……なのは    12ポイント

 

     ~

 

●21位……リンネ   0ポイント

 

 

「ま、また私がOポイント……」

 

 リンネさんの脚が、子鹿みたいにプルプルしている。

 

「何と申しますか、ここまで来ると、いっそ清々しいモノがありますね~」

 

 ていうか、アインハルトさんがぶっちぎりで1位というのもスゴいのだけど。

 リオが言う。

 

「ねぇ、ヴィヴィオ。これってさ、男性がヴィヴィオしかいないんだから、ヴィヴィオからアタックした女性のランキング――でもあるんだよ?」

「え、そうなの?」

「自覚もない。最早、清々しいまでのアインハルトさんびぃぃき!」

「わたしのせいじゃないよねっ!?」

 

 ゲーム中の分身がやったこと。

 

「ううっ、これはきっと全てヴィヴィさんが操ってるんですぅぅ~。ストライクアーツの技術も私より上手いですしぃぃ!」

「いやいや、ソレとコレとは話が別ですからね。それに、これといって贔屓した覚えもないんだけどなぁ……」

 

 選択肢も公平だったはず。

 

「だったらさ『お気に入りランキング』を見るってのはどう? ゲームのプレイヤーが、どの住人を可愛がっているか――部屋を訪ねたりするとポイントが加算される――が、一目でわかるんだよ」

 

 わたしが覚えていない。無意識の行動が明らかになる。

 

「ヴィヴィさん、早く見てくださいっ!」

「は、はい……」

 

 

 

『お気に入りランキング』

 

●1位……ヴィヴィオ  37ポイント

●2位……リオ     15ポイント

●3位……シグナム   12ポイント

●4位……アインハルト 11ポイント

●4位……なのは    11ポイント

 

 

「ヴィヴィオ、どんだけ自分好き?」

「ちょ、これは違うくてぇぇ――っ!」

 

 っていうかリオ2位なんだ……。

 

「それで私は……?」

 

 

●16位……ノーヴェ 5ポイント

●16位……リンネ  5ポイント

 

 

「あれ~、順位は低いけど0ポイントじゃないし、ノーヴェと同じだよ? だったらビリは……」

 

 

●21位(最下位)……コロナ  2ポイント

 

 

「ちょっとヴィヴィオ、どうして私がビリなのぉぉ!」

「あ、あれ~? えっと、たぶんそれはコロナの分身が、本物のコロナと同じで我慢強い性格だからじゃないかと。そう――悩み事をひとりで抱え込んで表に出さないから、訪問する機会が少なかったんだよ!」

「……な、なるほど。納得しちゃったかも」

「あ、あの~」

「はい、リンネさん」

 

 恐る恐るといった様子で尋ねてくる。

 

「それじゃ、私がゲームでも友達ができない理由って……?」

「ん、ん~……リンネさんの持って生まれた何か?」

「いやぁぁ――っ! フーちゃん助けてぇぇ――あ、そうだ、フーちゃん、フーちゃんの友達関係はどうなっているんですか?」

 

 調べると、

 

「親友のこまちゃん――じゃなかったシャンテを初めてとして……いっぱいいますね、フーカさん」

「イヤァァ――っ!」

 

 そんなリンネさんの肩を、アインハルトさんがつかむ。

 

「あくまでゲームなんですから、そこまで深刻に思うことはありません。友達だってこれから自然にできますよ」

「まあ、そういうアインハルトさんも、恋人がわたしで、友達がミウラさんだけなんですけどね」

「いいんです、覇王流は少数精鋭ですから」

「そう言われると……」

 

 確かに、ナカジマジムのトップ3だ。

 

「おっと、そういえばわたしは……昨日と変わらず恋人がアインハルトさんで……んんっ、親友ができてるよ! しかもノーヴェだぁぁ――っ!!」

「おおぅ……ヴィヴィオに格闘技を教えてきたかいがあったなぁ……ぐすっ……」

「そんな大げさな……いやいや、泣いて喜ぶほどじゃないよ!?」

 

 みんなで赤い髪をなでなでする。

 

「ちなみにノーヴェは親友がわたしで、あと友達がアルフにザフィーラ、チンク」

「それ、何となく納得の面子だな」

 

 流石はトモコレ。

 

「う~ん、お気に入り度はリンネさんと同じはずなのに、どうしてこうなった!?」

「いやぁぁ――っ!」

「大丈夫だ、リンネ。お前もいつかあたしみたいになれるさ!」

「上から目線すぎるっ!」

 

 すると、ずっと沈黙を守っていたあの抜剣少女が、ついに口を開いた。

 

「あ、あの~、ボクはどうだったんでしょうか?」

「……え?」

「その『どちら様ですか?』みたいな顔つきやめてくださいよぉぉ!」

「冗談ですよ、冗談。ワスレテタワケジャナイデスヨ?」

「ひぃぃ~っ!」

 

 ミウラさんは純粋なので反応が楽しい

「えっと、ミウラさんはですね、友達がアインハルトさん――」

「はい」

「――以上」

「へ?」

「ミウラさん、ゲームでも地味ですね~」

「イヤァァ~ッ!」

「いっそのこと、リンネさんみたいに友達0人ならインパクトあったのに、1人だけいるってところが……」

「あぅ~」

 

 

 

 ここで、最後の締めとして、住人同士の相性がわかる『相性テスター』の建物を建設する。

 しかし、服屋さんと一緒で、男女それぞれ2人以上の登録が必要なため、エリオを男性キャラとして追加した。

 

 

 

『恋愛相性ランキング』

 

●1位……ヴィヴィオ&ルーテシア 80パーセント

●1位……ヴィヴィオ&フーカ   80パーセント

 

 

「わたしとルールーって、こんなに相性よかったんだ……」

「ふ、フーちゃんの浮気ものぉぉ――っ!」

 

 

●3位……ヴィヴィオ&はやて   69パーセント

 

 

「意外かも」

「ヴィヴィオさんと八神司令の組み合わせ。私は何となくわかる気がします。どちらも感情だけでなく、理屈で物事を考えていますから」

 

     ~

 

●6位……ヴィヴィオ&リンネ   64パーセント

 

 

「こ、こんなに上位なのに、ヴィヴィさんどうして私と友達になってくれないんですかぁぁ――っ!?」

「ど、どうしてでしょうか?」

 

 なってあげなよ、わたしぃ~。

 

 

●13位……ヴィヴィオ&なのは    24パーセント

 

 

「う~ん、もうちょっと高くてもいいんだけどなぁ~」

 

 性格が一緒だと相性がよくなる――というのは、必ずしも正しい情報ではなかったようだ。

 

 

●15位……ヴィヴィオ&アインハルト 19パーセント

 

 

「えぇぇ~っ!? アインハルトさんとわたしって20パーセント切ってるんだ……」

 

 これでよく恋人関係になったものである。

 小さな画面には、

 

 

『無理のあるふたり』タイプ

 ただし、アインハルトはどうにかしたいと思っているようです

 

 

 と、あった。

 

「納得です」

「わたしもですよぉぉ!」

 

 ちなみに、リンネさんとフーカさんの相性は25パーセントで、

 

 

『イマイチな仲』タイプ

 お互い無関心です

 

 

 だった。

 

「そ、そんな……」

 

 リンネさんが、ついにヤムチャのポーズに……。

 もう、どんな慰めの言葉も、彼女の耳には届かないだろう。

 

 

     ●

 

 

「ふう……」

 

 DSを閉じると、わたしは今回の勝負を思い出しながら深く息を吐いた。

 実際、たったの2日しかプレイしていないはずなのに、長く、長く、それは長く、色々なモノを得て、失った――そんなトモコレ生活だったように感じられる。

 そんなわたしの虹彩異色の瞳を、アインハルトさんがジッと見つめてきた。

 

「今回の『トモダチコレクション』でよくわかりました。

 私にソックリな分身ですらこうなんですから、やはり、私自身にとっても、ヴィヴィオさんの存在は必要不可欠なようです。

 そんなことを改めて考えさせられる2日間でした。

 ヴィヴィオさん、これからもよろしくお願いしますね」

「はい、もちろんです。こちらこそよろしくお願いします!

 いや~、イイ話だなぁ~」

 

 

「ちっとも良くないですよぉぉ!?」

 

 

 と、早くも復活したリンネさんが憤る。

 うん、リンネさんもメンタルが鍛えられたということで……やっぱりこれは、イイ話なのだろう。

 

 

 




というわけで、優勝はアインハルトさんでした!

トモコレをプレイしたことのある方なら、何となくわかってもらえるかと。
これってかなりのレアケースだと思うのですが……どうでしょう?
イベントの起きた順番も含めて、ゲーム中の出来事は全てリアルに実況です。前後もそのまま文章にしました。

ヴィヴィオとしては――自分からの告白ではありましたが――期待通り、狙い通りの結末でした。
でも、普通に考えたら「ないな~」です。
どこからか怪電波(Wi-Fi)でも飛んできてDSに干渉したんじゃないかと……でも、本体の無線切ってたし……偶然とはいえ驚きです。ホント、管理局の白い人が愛娘のために何かしたんじゃないかと思うくらいに(笑)。

ただ、こういった想定外の驚きは、トモコレをプレイした誰もが少なからず経験するものらしいです。きっと、今回は、それがプラス方向に働いたのでしょう。

たぶん、なんですが、前半でヴィヴィオに友達ができなかったことが勝因(?)かと。地道にアインハルトさんとの愛を育んだのかもです(笑)。

何にせよ「ヴィヴィオおめでとう!」って感じで。

もし、これを読んで「トモコレ買った」「久しぶりにやってみた」という方がいたら、あなたのトモコレライフを楽しんでください。
ビックリするくらい面白い顛末になることを祈ってます。

あと、リンネに関しては、どうしてああなったのか……(笑)。
他の方のトモコレでは幸せになっていることを祈ります。
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