アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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☆聖王教会放送局出張所より抜粋
『今宵は、元祖使い魔3人組をゲストに迎え、我らが高町ヴィヴィオ陛下との、グダグダトークでお送りしたいと思います!』

ザフィーラ、アルフ、ユーノと、まったくもって誰得なのかわからない面子ですが、よくよく考えると、ヴィヴィオを加えたこの4人組、『魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS』2巻の最終ページで、仲良く一緒の写真に収まっています。
中々、集まるチャンスもないと思うので、たまにはこういうのもアリかな~と。

『ViVid Strike!』6話を見ました。
ミウラの出番が少ないけど、これだけキャラが多いとしょうがないよな~、と思っていたらまさかのミウラ回。
「人は、フラグの数が多いほどボコられる――」
って感じで……。
回復魔法のある世界でよかった……は!? 来週シャマルが登場したらいいな~。



使い魔はつらいよ

「――はい、そんなわけで、今日は無限書庫の司書長室からLIVE中継でお送りしたいと思います。

 それでは、本日トリプルスレットマッチ形式で対談する、3人の使い魔さんたちをご紹介します!

 

 1枠はこの人! ヴォルケンリッターが誇る『盾の守護獣』にして『蒼き狼』!

 八神はやて司令の使い魔、その名も、ザフィーラぁぁ――――っ!

 

 キャー、ザフィーひさしぶり!」

「ああ、今日はヨロシク頼む、ヴィヴィオ」

「うん! あとでまた昔みたいにモフモフさせてね」

「善処しよう」

「フッフッフ、お待たせしました!

2枠はこの人、もう出番がないなんて言わせない。昔はママたちとやんちゃしてたけど、今ではすっかりオレンジの子犬フォームが板についた『ハラオウン家の守護獣』にしてフェイトママの使い魔、その名も、アルフぅぅぅぅ――――――っ!」

「おいーっす! あ~、なんかひさしぶりに表舞台に立つと緊張するわね」

「わたし、大っきいアルフっていまだに違和感あるよ?」

「そうきたか。昔はコッチがメインだったんだけどね、まあ、今日はお手柔らかに」

「はい! それでは視聴者のみなさん、長らくお待たせしました。

 本日の主役にして、第3枠。

 淫獣! 淫獣! と蔑まれつつも、汚名返上したような、してないよーな、声がキュートな匿名希望こと、なのはママの使い魔。

 その名も、フェレット仮面――――ンっ!」

「って、それ匿名希望になってないよね!?」

「はい、ここでクロノ・ハラオウン提督から通信が入りました」

 

『フェレットマスクにしたらどうだ?』

 

「一緒だろそれ! ていうか見てるのかよ、いや、それ以前に、使い魔じゃないから!」

「はい、いただきました!」

「ネタじゃないから!」

「まあまあ、もう諦めなって。もうネタみたいなもんだろ? ユー……フェレット仮面」

「そうだな。使い魔であろうとなかろうと、我々は主人に尽くすだけだ。ユー……フェレット仮面」

「主人って……」

「あ、ここでなのはママから通信です」

 

『もう、私の使い魔でいいんじゃないかな?』

 

「……」

「と、とりあえず今日は……そう、今日だけ使い魔ってことでお送りしたいと――」

 

 ――コンコン!

 

「失礼しまーす」

「あ、今本番中なんで……って、あれ、ルールー?」

「ヴィヴィオ? どうしてこんなところに?」

「それはこっちの台詞だよ!」

「私はほら、匿名希望のF執務官から、そこの見るからに怪しいフェレット頭を拘束しろって緊急指令を受けて来たんだけど……」

「F執務官って……」

「……」

「あの子、すっかり権力を濫用する側になっちゃって……あたしも鼻が高いよ!」

「アルフ、そこは喜ぶところじゃないからね!?」

「よし、さっそくたいーほを!」

「ルールーも捕まえなくていいから!」

「え、そうなの? じゃ、帰るけど……ザフィーラさんにアルフさんか……ふむ、ガリューも置いてく?」

「た、確かに――ようやく立ち直ったから解説すると――召喚獣だけど僕よりはよっぽど使い魔らしいんじゃないかな?」

「そう言われると……」

「だが、ガリューはしゃべらないからな」

「え?」

「を?」

「ん?」

 

「「「ザフィーラが突っ込んだぁぁ!?」」」

 

     ●

 

「――ヴィータさんからの通信『おまいう』でした~。それでは、ルールーが帰ったところで、そろそろ、本日の対談を行うことになった経緯について、触れていきたいと思います」

「そりゃ言わずもがなでしょ?」

「えっと……」

「アルフはせっかちだからね、僕が説明するよ――。

『ViVid Strike!』の5話で、スパーリングパートナーの話が出たとき、それがアルフとザフィーラだったらテンション上がったのに! ということらしいよ?」

「あ~、『聖闘士星矢Ω』で、鋼鉄聖闘士(スチールセイント)が登場したときみたいな感じですか?」

「その例えはどうかと思うけど、予想外に懐かしい顔ぶれが登場すると、うれしくなるよね」

「私は特に期待していなかったからな。問題ない」

「あたしはちょっぴり期待したけどね~、やっぱなかったけど」

「アルフとザフィーラは『リリカルなのは』の世界でも、元祖ストライクアーツって感じだもんね。スパーリングパートナーとしても頼もしいよ!」

「でもさ、ザフィーラはまだいいわよ。『ViVid』のときも、ちゃんと出番あったじゃない」

「ミウラのオマケだがな」

「いや~、あたしは思うわけよ。ザフィーラが、はやてんとこのミウラちゃんの師匠なら、本来あたしが、なのはとフェイトの娘であるヴィヴィオの師匠ポジなんじゃないかな~って。そしたらノーヴェでしょ、いや、あの子が悪いわけじゃないんだけど、あたしゃこっそり泣いたわよ」

「うう、なんかゴメンなさい……」

「僕も『ViVid』じゃ出番少ないしな~」

「あれ? フェレット司書長『ViVid』に出てましたっけ?」

「フェレット司書長って……」

「出ていたか?」

「出てないでしょ?」

「出てるよ!? 原作の8巻で中段ぶち抜きで大きく出てるよ! かっこいいポーズで! まあ、アニメには出なかったけど」

「フェレットだから?」

「話が無限書庫までいかなかったからだよ!」

「『ViVid Strike!』で、話が一気に飛びましたからね~、1年びゅ~んと」

「だからさ、僕としては、こういうシーンを期待してたんだよ……」

 

     ●

 

「ストライクアーツなんて、もうやめちゃいたい!」

 

 無名の選手に弱点をつかれたわたしは、アインハルトさんやリオ、コロナ、ミウラさん、それに期待してくれたママたちの前で無様に負けた。

 

「わかってたよ、わたしの体と魔力資質が格闘に向いてないってことは……だけど……」

 

 それでも、どうにかできると思っていた。

 努力すれば、がんばればきっと勝てると思っていたのだ。

 それなのに……。

 わたしだけが負けた。

 

「みんなにも、なのはママにも会わせる顔がないよ……」

 

 もう、ジムにも、うちにもは帰れない。

 雨の中、ひとりずぶぬれになって歩き続けたわたしは、いつの間にかあの場所にやってきていた。

 ストライクアーツにのめりこむ前は、毎日のように通っていた、懐かしいあの場所――無限書庫へ。

 

 

「ヴィヴィオ?」

 

 

 わたしは唐突に声をかけられた。

 目の前に、カサをさしたオレンジの少女が立っている。

 

「……アルフ?」

「そんなずぶぬれになって、まるで昔のフェイトみたいじゃないか! ほら、早く中に入って入って」

「い、イヤっ! 離してよアルフ!」

「……いいから」

「やだ! やだっ!」

「……裏から入ればいいんだろ?」

 

 アルフは軽々とわたしを抱きかかえると、誰にも見つからないよう、司書長室まで運びこんでくれた。

 すると、司書長のユーノが慌てて駆け寄ってくる。

 

「ヴィヴィオ!? アルフこれは一体どういうことなんだ!」

「いいから、あんたは風呂の用意。ユーノがいっつも泊まるせいで、バスルームにも結構予算がついたんだ、これが」

「……了解。なのはとフェイトには、僕から伝えておくよ――」

 

 

 途中、フェレットになったユーノが、一緒にお風呂に入ろうとして、アルフに叩き出されたりもしたけれど、2人は真剣に事情を聞いてくれた。

 

 

「ヴィヴィオ、もうストライクアーツをやめたいのかい?」

「……っ」

「それとも、もっと強くなりたいのかい?」

 

 アルフはジッとわたしの目を見て問いかけた。

 

「わ、わたしは……わたしは……もっと強くなりたい! なのはママとフェイトママの子供だって誇れるくらい! もう、誰にも負けないくらい強くなりたいよ!!」

「だったら簡単だ。ね、ユーノ?」

「ああ。僕とアルフで、それぞれ、なのはとフェイトが子供のころ使っていた技と魔法を教えてあげるよ」

 

 なのはママとフェイトママの技と魔法……。

 

「それで、強くなれるのかな……?」

「ヴィヴィオの知っているママたちは、誰かに負けたことがあるかい?」

「……ううん、ない!」

 

 ――そうだ。

 

 わたしはまだまだ強くなれる!

 

「さあ、ここから反撃だ。行くよ、ヴィヴィオ!」

「はい!」

 

 

 こうしてわたしは『全力全開』の4文字を背負い、再びストライクアーツのリングに立つ!

 

     ●

 

「――なんてどう?」

「長いよっ!? そしてフェレットでお風呂に入る意味ないよね!?」

「僕はね、サービスシーンは必要だと思うんだ……」

「そんな遠い目で言われましても!?」

「あー、それにはあたしも賛成~」

「ちょ、アルフが裏切ったぁぁ!?」

「私も、月に1~2回は、主やヴィータと一緒に入るが?」

「え、こんな時にまさかのカミングアウトぉぉ――っ!?」

「トリミングやシャンプーが必要だと言われてな……」

「そっちかぁ~」

「ざ、ザフィーラ! 僕にも師匠と呼ばせてくれぇぇ――――んっ!?」

 

 ――チュトォォォォォン!

 

「は!? 何なのよ、今の?」

「部屋の壁に穴が空いているな」

「ちょ、僕の――フェレットの頭の毛が焦げてるんだけど!?」

「あ、匿名希望の白いマ、マ王から通信です!」

 

『お座り』

 

「ゴメンナサイ……」

「あんたもフェレットより、子犬フォームの方がいいんじゃない?」

「おっと、ここでフェイトママから通信が入りました!」

 

『ヴィヴィオ、家の外で小型犬を飼いたくない?』

 

「雨ざらし!?」

「フェイトママ、無限書庫で飼おうね~」

「それ、フォローじゃないよね!?」

「ユーノ・スクライア。そんな情けない有り様で、お前はヴィヴィオに技や魔法を教えられるのか?」

「急に真面目だな!? えっと、忘れている人が多いので説明しておくと、なのはの最初の師匠は僕だからね。なのはに魔法を教えたのもこの僕……っていうか、今、僕のこと名前で呼んだよね!? ザフィーラさぁぁん!?」

「振り返るな」

「まあまあ、いまさらだろ?」

「くぅぅ~、正しいけど、悔しいぃぃ!」

「あ~、もう手がつけられないんで、話題戻しますね~。3人から見て『ViVid Strike!』はどうなんでしょうか?」

「そうだな、ミウラの出番が少ないと思っていたら、6話でとんでもないことに。リンネ・ベルリネッタ、試合の帰り道には気をつけるんだな」

「あたしは、リンネがちょっと昔のフェイトに似てると思うわけよ。まあ、フェイトの方が美少女だったけどね!」

「主人公フーカのデバイスがヒョウだから、ライバルであるリンネのデバイスを、フェレットにしたらどうかな?」

 

「「却下!」」

 

「ちょ、いいじゃないか! フェレット!」

「私は問題ないがな」

「流石はザフィーラ師匠! 話がわかる!」

「フェレットだろうがなんだろうが、まとめてボコるだけだ」

「ひどいっ!?」

「いやいや、百歩譲ってフェレットはいいとしても、リンネさんには、もう立派なデバイスありますから。大事な宝石の形をした」

「ユーノ。あんまり、あの子の思い出を汚すんじゃないよ」

 

「くっ……僕だって、僕だって1期みたいに出番が欲しいんだぁぁ――っ!」

 

「うっ、切実すぎてあたしには何も言えねぇ!」

「はあ……フェレット司書長、安心してください。お忘れですか? 中の人的には、いっぱい出てるじゃないですか! わたしと話している今だって一人二役……」

「そ、それは……そうなんだけど……」

「フェレット・スクライア。気にすることはない。私やお前がいたからこそ、今のヴィヴィオやミウラたちの活躍があると思えばな」

「ザフィーラ、かっこいい……」

「え、何か間違えてない?」

「そうだね。それで十分なのかもしれない。たとえ出番がなくても、あたしら使い魔にとっては、ご主人様の幸せが自分の幸せなんだよ。あんたもわかるだろ?」

「わからないよ!?」

「精進するといい」

「僕の名前を精進してよ!」

「あ、そういえば、アルフも中の人、ルールーと一緒だよね?」

「え? ……まあね。ルーテシアなら人気もあるし『ViVid Strike!』にも登場するかな~って、でも、6話でないとなると怪しいかな~って、あれ、ザフィーラ? 急に固まってどうしたのよ!?」

 

「……わ、私も『ViVid Strike!』に出てみたかった」

 

「ざ、ザフィーラ師匠ぉぉ――――っっ!? いくらミウラ回で影も形もなかったらってめげないでくださぁぁ――い!」

「……せ、せめて写真にくらい写っていると思ったのに」

「え~っと……ナニコレ?」

「結局、一番気にしてたのは、ザフィーラだったってことでしょ。ね、ザフィーラ、デバイスの猫2匹に対抗して、あたしらも子犬フォームでタッグを組もうか? 意外と出番あるかもよ? こう、枕もとで丸くなってる感じで」

「ちょ、僕のフェレットも混ぜてよぉぉ!」

「あ~、と、とりあえず、今宵のトリプルスレットマッチは、5079文字で、ザフィーラ選手のKO負けってことで、また来週~」

 

     ●

 

「提供は、陛下万歳! 高町ヴィヴィオを崇める聖王教会でお送りしました」

 

 

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