アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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ヴィヴィオ、アインハルト、はやての3人がイギリスで頑張っていた頃、

なのはとフェイトは、アリサ、すずかの2人をミッドの自宅に招いていた。

久しぶりに4人で集まる同窓会。

そこで、とあるボードゲームをやることになったのだけど……?



高町なのはとアイマスドンジャラ

 ミッドチルダ、高町家リビング、PM9:12。

 

 

「――ハッ! イギリスでヴィヴィオが大変な目に遭ってる気がするッッ!!?」

 

「はあ~っ? 何よそれ、母親のカンってやつ?」

「なのはちゃんも、すっかりお母さんって感じだよね」

「でも、なのはの場合、純粋な魔導師だからそういうのを感じ取る力があるのかも……」

「第六感的なやつってこと? ――そんなのオカルトじゃない」

「うん、そんな感じかな。――まあ、魔法使いだからね」

「――じゃあ、もしかしてなのはちゃん地球に向かっちゃうの? せっかくみんなで集まれたのに」

「ん~、心配はするけど、大丈夫かなって。アインハルトちゃんもいるし、何より、今回の合宿ははやてちゃんが一緒だからね。

 常識的に考えて、あのはやてちゃんをどーにか出来るとは思えないし……」

「あんたの口から常識って言われてもね」

「まあまあ。なのは、あっちには他にグレアムさんとリーゼ姉妹がいるんだよね?」

「昔、2人を手玉に取ったという?」

「そうそう。だから、この戦力はちょっと崩せないかな~って。それに、ヴィヴィオも随分強くなったしね!」

「なんだ、結局親バカなんじゃない」

「だね~」

「にゃはは」

 

 そんなわけで、本日はヴィヴィオ合宿中につき、

 

「私、高町なのはと――」

「フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」

「アリサ・バニングス!」

「月村すずか」

 

 の4人で同窓会です。

 

 

     ●

 

 

 アリサちゃんが、スマホや携帯ゲーム機がちょうどすっぽり入りそうなピンクの紙箱を開ける。

 

「――しっかし、ドンジャラなんてやるの子供のころ以来よね。久しぶりすぎる」

「なのはちゃん、どうしたのこれ?」

「ドン・●ホーテで驚安してて……」

「そんな生々しい話聞きたくないわよ! っていうかミッドチルダにないでしょ!?」

「アリサちゃん、チェーン店がミッドに進出してないとでも思ったの?」

「え、ドンキあるの? ミッドチルダにもドンキあるのぉぉ!?」

「まあまあ、その話は置いといて――」

「置いとかないで教えなさいよ、フェイトぉぉ~っ!」

「まあまあ、伊織ちゃん」

「アリサよぉぉ! ……ったく、それで――」

「あ、これ牌が紙製なんだね」

「説明書にも、

『※牌カード……これよりカードと省略致します』

 って書いてあるしね」

「だーっ! あんたら人の話の腰を折るなぁぁ!!

『ドンジャラSmart アイドルマスター ミリオンライブ!』は、家族ゲームの定番〝ドンジャラ〟を、持ち運びしやすいサイズにして、どこでも遊べるようにした商品なのよ!」

「さっすが伊織! 説明ありがと」

「だからアリサよぉぉ!」

「まあ、ドンジャラSmartって、あんまり売れなかったみたいだけど……シリーズ2作しかないし。

 むしろ、普通のドンジャラにした方が、ファンアイテムとして売れたんじゃないかと思う」

「それは言わないであげてぇぇ~~っ!」

「とりあえず〝親〟決めよっか?」

 

 

「「「「じゃんけん――」」」」

 

 

「ぽぉぉぉぉ~~~~~~っ!

 うおっしゃぁぁ――――っっ!!

 今日も勝ち!!!」

 

 

「アリサちゃん、そんなどこぞのめぐみんみたいな喜び方しなくても……」

「昔から言ってるでしょ。勝負の世界はいつも厳しいのよ」

 

 

 そんなわけで、アリサちゃんが親で、時計回りに、

 

 

『アリサ → なのは → フェイト → すずか』

 

 

 の順番に決まった。

 

「えっとなになに……、

『全ての牌カードをプレイマットの上でよくかき混ぜます――』

 って、何よこのプレイマット……」

「小さいね」

「ランチョンマットみたい」

「学校の机でやる分にはいいけど」

「――いや、それもどうかと思うわよ?」

「家でプレイするには小さいかな」

「はぁ~、しょうがないわね。伊織の勇姿が拝めないのは残念だけど、今日は諦めるしかないか~」

「あ~、あざといポーズの?」

「あざとくないわよっ!」

 

 親のアリサちゃんが9枚、子のわたしたちが8枚カードを取る。

 

「おっと忘れるところだった。はい、みんな――これが得点表だから」

「へ~、ちゃんと人数分4枚入ってるんだ」

「気が利くじゃない……って、なんじゃこりゃぁぁ!?」

「役名が『王道スマイル』に『シアターデュオ』、『いきなりアイドルマスター!』は、配られた時点でドンジャラになってる役だからいいとしても……」

「たぶん、聞いてる方にはさっぱりわからない役名だね」

「『ルーキーズ』に『ラブリースターズ』って……」

「えっと、『ルーキーズ』は『全てのカードが15歳以下』、『ラブリースターズ』は『全てのカードが16歳以上』」

「こんなんわかるかぁぁ!

 春香たちならともかく、〝765THEATERメンバー〟全員の年齢って、クイズレベルじゃない!」

「でもさ、アリサちゃん。配点が一番低いってことは、揃えやすい役ってことだよね?」

「……アイマスファン恐るべし。

 ま、まあ、いいわ。とにかく親のあたしからスタートってことで……って、春香も美希もみんなバラバラじゃない! 伊織にいたっては1枚もないし……とりあえず1枚捨ててと」

「次は私の番だね。私の手札はアリサちゃんが2枚に――」

「だからそれあたしじゃないから」

「あとローソン」

「久しぶりに聞いたわよ、それ。律子のことよね!?」

「それはそれとして、う~ん、得点表を見ても何を揃えたらいいのかさっぱりわからない」

「イラストで惑わされちゃうんだよね。色で見るべきなのか、牌カードの右上にちっちゃく書いてあるVo(ボーカル)、Da(ダンス)、Vi(ビジュアル)で分けるべきなのか……」

「ただ、この3ジャンルについて、説明書では一切触れてないんだよね」

「わかりにくいわぁぁ!」

「次、フェイトちゃんだよ~」

「えっと、アリサが1枚に……」

「だからもう違うと何度言わせれば――っていうか、どーしてあんたらばっかり伊織の牌カードが入ってるのよぉぉ!?」

「はい、次すずか」

「うん」

「ちょ、あたしの話を――」

「ん~、みんなアリサちゃんのことが好きだからじゃないかな……」

「……そ、そう? ま、まあ、そういうことなら許してあげないこともないわね」

「あ、わたしの手札、アリサちゃんが1枚もないや」

「すずかぁぁ~っ!?」

「ところで、この亜美ちゃんと真美ちゃんって揃える時、別カードの扱いなの? 色まで同じだけど……」

「うん、それぞれ他のメンバーと同じ枚数だし、別モノ扱いみたいだよ」

「初心者には罠すぎるわね……」

「ドンジャラァァ! とか言ってカードを見せたら、それ双子で違うキャラだよ! とか言われて」

「酷い……」

「さーて、ようやく一周回ってきたわね……おっと、流石は千早。微妙な表情のイラストなのが気にかかるけど、よく来てくれたわ」

「私の番……うん、765THEATERメンバーが誰だかわからない。特に、サインが読めないキャラは顔と名前が一致しない」

「一般人には、いいとこ初期メンバーが限界かなっと……」

「そもそも、一般人はアイマスドンジャラをやらないけどね」

「はいっと。慣れてきたらドンドン進むわね――」

「ムムッ、オールマイト、私が来たぁぁ!」

「いや、それ、オールマイティカードでしょ!? 他のカードの代わりに使えるやつ」

「――あ、そうそう。前から言おうと思ってたんだけど、アリサちゃんって中学入って髪切ってから地味になったよね」

「地味って言うなッ! あずさだって髪切ったでしょ!」

「そんな知り合いみたいに言われても」

「それに、あずささんは成功だったよね?」

「くっ……ていうか、そもそも、あたしの髪が短くなった理由は、フェイトがツインテやめて髪下ろして、あたしと被るようになったからでしょぉぉ――っ!!」

「どっちも金髪ロングだしね~。きんモザなら忍が大興奮ね。穂乃花ちゃんもだけど」

「いや、なのは、そこでお姉ちゃん口調になられても……」

「アリサちゃんの意思じゃなくて、制作サイドの意思なんだよね」

「ただ、それはそれで……」

「シャマル先生と被ったという」

「そうね。『StrikerS』の公式イラストで、なのはとフェイトとはやてが、あたしとすずかに電話してるやつ――あれ、最初に見たとき、あたしじゃなくてシャマル先生かと思ったわよ」

「「「あ~」」」

 

 覚えてない方は『StrikerS アリサ』で画像をググッてもらえると上の方に出ます。

 

「――てか、どーしてみんなして亜美真美カードばっか捨ててんのよ!?」

「いや、一番最初に捨てたのアリサちゃんだから……」

「くっ……やよいだけは捨てられない……」

「じゃ、私が捨てー」

「やよいぃぃ――――っ!!?」

「そんな小ネタを……」

「まあまあ、アリサちゃんだから」

「あたしだから何よ……って、をいをい、さっき捨てた貴音が……捨てなきゃよかった」

「貴音さんの謎パワーなんじゃ……」

「とか言って、私も貴音さんが来たわけなんだけど……捨て」

「なのはまで……」

「あ、わたしもついにアリサちゃんが来たよ!」

「やるわね、すずか! でも、あたしだけ伊織が来ないってどういうことよっ!?」

「そして、アリサちゃんを捨てる~」

「すずかぁぁ~~っ!?」

「だ、だって、みんな持ってるってことはそれだけ揃えにくいってことでしょ?」

「……う……それは、そう、なんだけど……くっ……あたしの番だから1枚引いて……ふっ、やよい、やっぱあんた最高だわ!」

「何だかアリサちゃんの方向から、すんごい友情パワーを感じたんだけど……って、はい、リーチっ!」

「ちょ、なのはぁぁ!?」

「もう揃ったの!?」

「流石、なのはちゃん!」

「まあまあ、そんなに褒めてもスターライトブレイカーしか出ないよ~」

「うん、それはいらないから」

「それはそうと、説明書を見てて気づいたんだけど、アイマスドンジャラって、1人用ルールがあるんだね」

「ドンジャラなのに?」

「うん。トップアイドル育成モードだって」

「何、アイドル雀士でも育成する気?」

「また懐かしい。そうじゃなくて、自分がプロデューサーさんになるんだって」

「なのは、そういやあんたも現役アイドルのプロ雀士……」

「あ~、アリサちゃんタコスいる?」

「うん、いらないから。っていうか、はやてがいなくてよかった~」

「まあまあ、麻雀とドンジャラは違うから……」

「私だけたぶん、中の人『咲』に出てない……」

「フェイトちゃん……」

 

 などと、しばらく続けたのだけど、

 

「ちっとも上がれない……」

「まあまあ、私たちなんてリーチすらかからないんだから」

「それでなのは、あんた何待ちなのよ?」

「それ言っちゃったら、みんな捨てないでしょ!」

「そこはほら、コンビネーションで」

「いやいや、ドンジャラでコンビネーションって、ウレシードじゃあるまいし……」

「ウレシードって……」

「そんなことより、なのは、例の件は伝えなくていいの?」

「そうでした。ヴィヴィオの友達にアインハルトちゃんって子がいるんだけど」

「あ~、なのはが、昔のフェイトみたいで可愛いって言ってた子でしょ?」

「そうそう」

「もう~、なのはったら」

「2人っきりだと、ついちょっかい出したくなるとも言ってたよね」

「なのはぁぁ~~~~っ!!?」

「いやいやいや、その話は一旦置いておいて――今度、痛い痛い、フェイトちゃん噛まないで、中等科の職場体験があるんだけど、うちの翠屋に来ることに決まったの」

「へ~」

「わざわざ地球の?」

「うん。元々、そんなに器用な子でもないから、知り合いがやってるところがいいんじゃないかって」

「それはまたご苦労なことで」

「そしたら、ヴィヴィオが『わたしもやるぅぅ~』って言い出して」

「あ~、あんたんちの子なら言いそうだわ」

「結局、私も手伝うことになったんだけど……アリサちゃんとすずかちゃんもやる?」

「やるかぁぁ!」

「子供モードで」

「子供モードって……」

「それはちょっと惹かれるワードね」

「まあ、無理にとは――」

「ま、まあ、なのはがどうしてもって言うなら手伝ってあげないこともないけどね!」

「ほんと、アリサは変わらないよね――捨てて、はい、次、すずかの番だよ」

「――っと、ちょっと待ったぁぁ! フェイトちゃん今捨てた牌カードって……?」

「春香だけど?」

「ドンジャラァァ! それいただきっ!

 アリサちゃん、春香ちゃん、あずささんで『団結!ユニット』――240点!」

「流石、なのはちゃんとフェイトちゃん!」

「こんなところで、本気のコンビネーション見せるなぁぁ!」

「あはは、私もなのはもそんなつもりはなかったんだけど……」

「これが私とフェイトちゃんの友情パワーだよっ!」

「まったく、ホント、あんたたちには負けるわよ」

「やっぱりタコスいる?」

「いらなぁ……そうね、一応もらっとくわ。何かが充電されるかもしれないじぇっと、そういえば今更なんだけど、どうしてアイマスドンジャラだったのよ?」

「ネタでいいなら、ドラえもんドンジャラなんてのもあったよね」

「ひみつ道具カードもあるし」

「それは……ほら、昔、藤真先生がアイマスの漫画を書いてたつながりで……」

 

 

「「「あ~」」」

 

 

 




個人的には、あの漫画、そんなに嫌いじゃないです。

というわけで、今回の作中なのはさんが語っていたように、覇王様が中等科の職場体験で翠屋にご出陣。

次回『ご注文はアインハルトさんですか?』

七夕を忘れ、映画まで1か月を切ったのに、こんなの書いてていいのだろうか……?
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