アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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ヴィヴィオが夏休みに突入し、高町家にはやてがお泊まりに来た日のこと。
公平なるじゃんけんの結果、キングサイズのベッドに、
【なのは → はやて → ヴィヴィオ → フェイト】
の並びで眠ることに。
そこで、ヴィヴィオがおねだりすると、はやての口から聖祥小学校時代に起きたという〝とある事件〟が語られる!!



医療少女メディカルじゃないシャマル

 今は夏休み――ということもあり、はやてさんがうちに泊まりに来ています。

 なので本日は――なのはママ、フェイトママ、はやてさん、そしてわたし――高町ヴィヴィオの4人、ベッドの上で、川の字になってパジャマパーティーです。

 

「とはいえ……」

「4人はちょっと……」

「端っこは朝になったら落ちてそーやな」

 

 

「――というわけで、じゃんけんタァァ~~~イムっ!!」

 

 

 もともと、なのはママ・わたし・フェイトママの3人で寝むれるようにと、キングサイズだったベッド。

 そこに――珍しいことに――じゃんけんの結果、端から、なのはママ・はやてさん・わたし・フェイトママ、の組み合わせ。

 早速ダイブして転がると、

 

「……はっ!? 1人だけ(胸が)フカフカじゃない!」

「ほほ~っ、ヴィヴィオ、それは誰のことかな~」

「えっと、それはわたしの隣で――」

「私しかおらへんやろぉぉ――っ!?」

 

 ああ、ママ以外に頭をグリグリされるなんて、

 

「あいたたたた……冗談、冗談ですよ――半分は――はやてさ~ん!」

「半分」

「半分なんだぁ~」

「はぁ~、なのはちゃんたちが大きいだけで私だってそこまで小さいってわけやないんやけど……」

「そーいえば、他人の胸を揉んでばかりいると自分のが小さくなる――って噂を聞いたことありますよー?」

「マジかっ!?」

 

 なのはママとフェイトママが「あ~」と残念そうに呟く。

 

「ヴィヴィオ、そーいうことは『GOD』の時、昔の私に言ってくれないと……もう手遅れや~」

 

「あ~」と、やっぱりママたちが声をそろえて涙した。

 

「『GOD』かぁ~、あ、そうだ!

 はやてさん、せっかくなんでママたちの昔の話が聞きたいんですけど! 特に学生時代! わたしと同い年くらいの頃がいいです!」

「ん~、えーけど、2人は話してくれないんか?」

「いえいえ、聞けばしてくれるんですけど、もっとこう、別の視点からも聞いてみたいな~って」

「なるほどな~。そーいうことなら、そうやな……『血のバレンタイン事件』なんてどうや?」

 

 何だか不吉な事件名来たァァ!

 

「あれか~」

「あったね、そんなこと……」

 

 なのはママとフェイトママも、神妙な顔つきで頷いている。

 もしかして、

 

「虐殺だったり、映画だったり、もしくは、農業用コロニーが核ミサイルで壊滅しちゃったりしたあの事件?」

 

 コズミック・イラで、フリーダムでジャスティスである。

 というか、そもそもバレンタインである。

 

「まあ、バレンタインデーはまったく関係ないんやけどなー。事の発端は、私がなのはちゃんたちの学校に転校したことやった……」

「……」

「ヴィヴィオは知っとると思うけど、当時、なのはちゃん、フェイトちゃん、アリサちゃん、すずかちゃん――の、仲良し4人グループやったろ?」

「はい」

「そこに、私が混ざったわけや。するとどーなると思う?」

「えっと4人が5人になるわけだから……あ、もしかして!」

「そう。体育の時間とか、それまではちょーどツーペアになってたんが、1人あぶれてしまうわけやな」

「あ~」

 

 なのはママが懐かしそうに声を上げる。

 

「まあ、元々フェイトちゃんが来るまでも奇数グループだったんだけどね」

「お陰でなのはを独占できたわけだけど」

 

 フェイトママ……。

 そういえば、あんまり気にしたことなかったけど、わたしも学校ではリオコロと3人グループだ。

 

「まー、わたしの場合、呼べばアインハルトさんが来てくれるからいいけど」

「いやいやいや」

「あの子、中等科だったよね?」

「クラスのみんなも『もう慣れた』って感じで受け入れてくれてるから。そしてユミナさんが連れ帰ってくれる」

 

 回収。

 

「なんや、召喚獣みたいやな……」

「あはは……」

 

 まあ、そんな感じである。

 

「――で、話を戻すと、同じ頃、シャマルんとこに、石田先生からこんな話が舞いこんできたんや。

『2週間、臨時で私立聖祥大学付属小学校の養護教諭をやりませんか――』

 てな」

「結構、急な話だったよね?」

「うん、確か、いつもの保険の先生が事故にあったとかで……」

「レティ提督が地球での生活用に色々手を回してくれた中に、シャマルの養護教諭の資格ゆーんがあって……ただな、登録もしてなかったし、一度は断ったんやけど」

「管理局の仕事もあるしね」

「でも、はやての学校生活を見てみたい――って、誘惑に負けちゃったんだよね」

「あの時、ヴィータちゃんがうらやましがってうるさかったなぁ~」

「あ~、はは……」

 

 半泣きでアイゼンを振り回すヴィータさんの姿が目に浮かぶようだ。

 

「基本、シャマルは料理関係を抜かせば、人当たりもえーし、気も利くし、何かと面倒ごとも率先してやってくれるし、うちの子たちの中でも、一番コミュニケーション能力が高いからなー」

「最初は腹黒いなんて言われてたけど、実際はまったくそんなこともなかったしね」

「そーいうのは、はやてちゃんの役割だもんね? よっ、タヌキ司令っ!」

「いやいやいや、あの頃の私は、もっとこう真っ当な美少女やったかと……」

 

 何やら遠い目をしている。

 

「じゃ、いつからこんな風に?」

「うっ……ん、ん~っ、思い起こせば、フェイトちゃんの純粋さが、私の心に影を落としたよーな……」

「私のせいなの!?」

「――ってのは半分冗談で」

「半分……」

「半分なんだ……」

「まー、私の話は置いといて、2週間の養護教諭というと、ちょーど教育実習生みたいなノリやろ?」

「シャマル先生、大人気だったよね。まさかのフェイトちゃん超え」

「あはは、クラスの男子や学校の先生まで巻きこんで大騒ぎ」

「ケガもしてないのに保健室に来る子が多くて困るって、シャマル言っとったな」

「授業中は男の先生が通ってたんだよね」

「アリサが漫画みたいって言ってたけど」

「ホンマにそんな感じやったな~」

 

 と、楽しそうに笑っていたはずのはやてさんが、急に真剣な顔つきに変わった。

 声のトーンも低くなる。

 

「そんな時やった、あの事件が起きたんは……」

「悲しい事件だったよね……」

「そ、そうかな……?」

 

 血のバレンタインのことだろうか?

 

「ある日、シャマルが例の噂を聞きつけてな――」

「例の噂?」

「そや、さっきの、体育の時間に1人あぶれるっちゅう話や」

「あ~、アレですか……」

「それでシャマルが、私らの体育の時間に乗りこんで来てな……」

「ドッジボールの時間だったっけ?」

「そうそう」

 

 聖祥小学校ドッジ多いな……。

 

「あ、もしかして変身魔法で子供の姿になってたとか? これではやてちゃんと一緒に準備運動できる! みたいな」

「いんや、そのまんまの姿で」

「???」

 

 そこに何の問題があるのだろう。

 

「その……体操服だったんだよ、シャマル先生も」

「へぇ~、やる気まんまんだね!」

「私たちと同じブルマだったけど」

「Oh~」

 

 ナイスブルマ!

 

「日常生活は完璧やったんやけど……」

「学校生活についてはまだまだで……」

「だから、体操服はバリアジャケットや騎士甲冑と同じで、普段は制服だけど、体育の時間、女子は必ずそういう格好をするものだと思いこんでいたみたい」

 

 大人ブルマのシャマル先生が「はやてちゃ~ん!」と、手を振りながら駆けてくる姿を想像してみる。

 何だろう……このいかがわしい感じは。

 

「意外と知られてないんやけど、シャマルはシグナムより胸おっきーしな」

「そうなんですかっ!?」

 

 はやてさんがわたしの目を見てゆっくり頷いた。なのはママも同調する。

 

「そうそう。普段ゆったりした服装だからわからないけど、シャマル先生は脱いだらスゴイからね、ビックリだよ?」

 

 リオが「ふかふか~」と喜びそうだ。

 

「本気で興奮して鼻血出してる男子もいたよね?」

「隣のクラスの先生もだよ?」

「あ~、それで血のバレンタイン事件なんだ……」

「当時、ガンダムSEEDが流行ってたからな~。いつの間にか――特に男子の間で――そんな名称がついとったわけや」

 

 とはいえ、シャマル先生のはやてさんを想う心、というのはよく伝わってくるエピソードなわけで、

 

「どっちかというと、いい話の方だよね――ふわぁ~」

「もう眠くなっちゃった?」

「うん、ちょっとはしゃぎすぎたみたい」

「じゃ、最後に――さっきの話にはオチがあってな。当時、私はまだ足が悪かったから、体育の時間はいつも見学やったという」

「つまり、最初からあぶれるはずがなかったんだよね」

「あ~、そーいうことなんだ~」

 

 よかった~。

 わたしは安堵すると、大きく欠伸をして、眠りに落ちる前に、思いついたことを口にする。

 

「そういえばなんだけど……フェイトママのソニックフォームも、大人ブルマみたいなもんだよね……それじゃ、お休みなさ~い……ぐぅ……」

「……」

「なんちゅー爆弾を残して……」

 

 隣り合うなのはママとはやてさんが、気まずそうに互いの目をのぞきこんだ。

 フェイトママが慌ててわたし越しに、2人に声をかける。

 

「そ、そんなことないよね、ソニックフォームって、そんな……って、なのは!? はやて!? ――どうして2人とも目を逸らすのぉぉ!!?」

 

 なのはママが、無表情のままスタッ――と片手を上げた。

 

「じゃ、私そろそろ寝るんで……」

「そやな。私も明日早いし……フェイトちゃんおやすみやー……ぐぅ」

「ちょ、早っ!? 待ってよ2人とも、私だけ残して、そのこともう少し突っこんで議論しようよ……って、もう起きてよぉぉ! 気になって眠れないんだけどおおぉぉ――っっ!!?」

 

 

     ●

 

 

 翌朝。

 フェイトママだけ頬を「ぷく~っ」と膨らませて、機嫌が悪かったです。

 

 

 

 




フェイトちゃんとばっちり。
というわけで、『ブルマ 何歳まで』でググってみました。
結果……世代とか、DBのブルマとかしか出てきませんでした。そこで、今度は『グラビア 何歳まで』でググってみたところ、だいたい20代半ばくらい。人によっては30くらいでもOKっぽいので、フェイトちゃんもまだまだいける!!! ……はず?

それと、7/24『魔法少女リリカルなのはViVid (19)』発売おめでとうございます!!
映画に気を取られ、うっかり忘れるところでした。
読んでいない人もいると思うので、なのはVSヴィヴィオの試合内容については触れませんが、とりあえず言いたいことは、アインハルトさん空気なんですけど~(笑)。
イクスとアイリンの役目、どちらもアインハルトさんでいいじゃないですか~。
出番ないわけじゃないですけど、そのポジションはちょっと~。
ちなみに、18巻であれだけ頑張ったミウラさんの出番は……ええ、お察しください。読んでいただければ全てわかりますので(笑)。


そんなわけで、映画、絶賛公開中なのに、空気を読まず『GOD』アミタが、ヴィヴィオの机の引き出しから現れる!!

次回『アミティえもん』

で、リリカルマジカルがんばります!
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