アインハルトさんはちっちゃくないよ!   作:立花フミ

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高町家では前回のラストから引き続き、なのはVSフェイトが続いていたのだけど、

「こうなったらフェイトちゃん、久しぶりに全力全開で決着をつけるしかないようだねっ!」

「桃鉄(初代)で勝負だよっ!」

なのは、フェイト、ヴィヴィオ、勝利の女神が微笑むのは誰だ!?



高町家で初代桃鉄やってみた

「「はぁ……はぁ……はぁ……」」

 

 

 管理局のツートップ――白い魔王と金の閃光が睨み合う。

 というわけでみなさんこにゃにゃちわ。高町ヴィヴィオです。

 ユーノ司書長直伝の結界魔法のおかげで高町家は壊れませんでしたが、先週から引き続きママたちのバトルは続行中です。

 

「2人とも~、理由は話したよね~」

 

 さっきまでフェイトママが涙をポロポロ流していたので、なのはママと一緒に慰めていたはずなのだけど……。

 

「それとこれとは話が別……」

「そう。だとしてもヴィヴィオ、わたしとなのはには譲れない理由があるの!」

 

 ん~、あれだ。

 最近はすっかり丸くなったと評判のフェイトママが、リニスさんの話を聞いてちょっとやんちゃな頃のテンションに戻っちゃったような感じかもしれない。

 

「こういう時のフェイトママは、だいたいバインドかけられて撃墜されてるよね? ソースはアニメや映画や小説やコミックなど……」

「うっ……」

 

 閃光さんがわずかに目を逸らすが、無敵のなのはママは容赦ない一撃を言い放つ。

 

 

「こうなったらフェイトちゃん、久しぶりに全力全開で決着をつけるしかないようだねっ!」

 

 

「あ、うん……」

 

 冷静になったのか、フェイトママが「どうしようヴィヴィオ?」みたいな顔でこちらを振り返る。

 

「こうなったら……」

「うん、その発想がすでになのはと一緒だから」

 

「やっちゃえフェイトママぁぁ――っ!」

 

 と、どこぞのイリヤさんばりに叫んだ途端、なのはママが、

 

 

「桃鉄(初代)で勝負だよっ!」

 

 

「「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええ、そっちぃぃ~~~~~~~~~っっ!!?」」

 

 

     ●

 

 

「はい。というわけで、こんなこともあろうかとアリサちゃんから借りてきた――」

 

 どんなことがあったら桃鉄(初代)とゲーム機一式を借りてくる事情があるのかは不明ではあるのだけど、一応解説。

 

 

 桃太●電鉄とは、プレイヤーが鉄道会社の社長となり、目的地を目指しながら物件や鉄道を購入し収益を上げトップを目指すコンピューター・ボードゲームである。

 そのシリーズ数は多く、人生ゲームと並び日本一有名なパーティーゲームと言っても過言ではない。

 

 

「私が勝ったら、私の言うことが正しい。フェイトちゃんが勝ったら、フェイトちゃんの言うことが正しい」

「わたしが勝ったら?」

「引き分け。素直に仲直り」

「うん、いいんじゃないかな」

 

 わたしに損はないし。まあ、フェイトママが負けた時だけ、なのはママの無茶振りが炸裂しそうだけど……。

 

「なのは、やるからには負けないよ?」

「フェイトママも、何だかんだと言ってやる気だよね~」

「桃鉄は昔よくみんなでやったから。日本の地理を覚える勉強にもなったし」

 

 なるほど。

 ミッド出身のフェイトママからしてみれば、取っつきやすく、遊びながら学べるし、一石二鳥だったわけだ。まさに思い出のゲーム。

 

「理論派のアリサと、主人公補正でサイコロ運のいいなのはが一番強かったんだけど、ゲームバランスは、実力7割、運3割。カードさえ上手く使えば、私やすずかも結構勝てたしね」

「へ~」

「あ、初代桃鉄はカードないから」

 

 

「へ~へ~……ええええええええっ!?」

 

 

 完全に運ゲーである。

 

「ううっ……悪魔……じゃなかった貧乏神め……」

「あ、キングボンビーもいないから」

 

 

「へ~へ~へ~……えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっっ!!?」

 

 

「あれ? それは結構いいのかな……??」

 

 というわけで、なのはママVSフェイトママVS高町ヴィヴィオで、初代桃鉄1本勝負――始まります。

 

 

     ●

 

 

「ルールは基本のままで、年数10年、収益は1億円」

「つまり、10年経過した時点で収益がトップの人か、最初に収益が1億円突破した人が勝ちってこと?」

「そうそう、そんな感じ――」

 

 と言いながら、なのはママがプレイヤー名を『なのは』と入力する。ちなみに、役職名は変えられないので『なのは社長』である。

 

「次は私の番……で……って、カタカナがない」

「あ~、初代はファミコンだしね」

「……さらに『ふぇいと』の、小さい『ぇ』もないんだけどぉぉ!?」

「ファミコンだから……」

 

 そんなわけで『ふえいと社長』である。

 そしてわたしの番。

 

「あの~、『ゔ』もないんだけど」

 

 それどころか、小さい『ぃ』もないので、

 

「『ういうい社長』になりました……」

「ういうい……」

「ういうい……」

 

 今ここに、新しい愛称が生まれた……。

 

 

     ●

 

 

 というわけで1年目、各自持ち金100万円、東京駅からゲームスタートである。

 1番手はなのはママ。

 

「目的地は『和歌山』と」

 

 2番手はフェイトママ。

 

「私は『熊本』……あ、最短ルートの矢印は出ない……というか、青いプラス駅と赤いマイナス駅もないんだ……」

「初代は、サイコロを振って移動したあと、2個のサイコロを振って出た目の数に応じてイベントが発生するんだよ」

 

 ちなみに、数字が小さいほど良いイベントが起きるらしい。

 

「……いきなりマイナス200万円なんだけどぉぉ!?」

「大丈夫、大丈夫、借金もないから」

 

 とはいえフェイトママ、1ターン目から無一文である。

 

「わたしは『高知』かぁ~……微妙に行きにくい場所なんだけど……」

 

 初代桃鉄にはワープやぶっとび、空港といった移動マスは存在しない。

 一応フェリーはあるのだけど、

 

 

 千葉 ↔ 長崎

 千葉 ↔ 釧路

 長崎 ↔ 釧路

 

 

 の3航路しかないため、高知のある四国に行くのは大変なのだ。

 ついでに言うとカードもないので、ひたすら6面のサイコロを振って進むしかない。

 

「私はプラス2000万円っ!」

 

 サイコロで1のゾロ目を出したなのはママ、序盤から絶好調である。

 

「これが主人公補正かぁ~」

「うん……」

 

 フェイトママの苦労がしのばれる。

 

「そういえばフェリーに乗ったんだけど、マス目がないんだね」

 

 毎ターン、目的の港に向かって勝手に進んで行く――という仕様らしい。

 なのはママがサイコロを振る。

 

「よし来たァァ! 青森のホタテ屋を無料でゲットぉぉ!!」

「……」

「……」

 

 もう何がなにやら……。

 

 

   1年目決算

 

 

1等  なのは社長

収益  180万円

持ち金 2030万円

 

 

2等  ふえいと社長

収益  50万円

持ち金 50万円

 

 

2等  ういうい社長

収益  50万円

持ち金 950万円

 

 

「フェイトママ……」

「ま、まだ序盤だから……」

「このまま逃げ切るよっ!」

 

 

     ●

 

 

 2年目。

 

「……いきなり『ふえいと社長、東京の本社がピンチです!』とか言われたんだけど」

 

 流石フェイトママ。

 せっかく長崎に到着したのに……。

 

「どーせ物件も何もないし、ほっといてもいいんじゃ……」

「あ、そっか……」

 

 というわけでフェイトママは戻らなかったが、特に問題はなかった。

 悲しい理由ではあるけれど。

 そうこうしているうちに、わずか2年目の秋。

 

 

「よっし、和歌山に到着ぅぅ! プラス2000万円で、次の目的地は『名古屋』っと――」

 

 

 物件や鉄道を買い、最後にサイコロを振ると、隣の駅まで進めるというもの。

 

 

「あれ? これってもしかして紀伊半島経由でぐるっと回って名古屋に到着できるんじゃ! さらにプラス1500万円! 次の目的地は『鳥栖』!」

 

 

 もはや手がつけられない。

 

「こ、これがなのはママ無双か……」

「甘い、甘いよ、なのは……」

「フェイトちゃん!?」

「トラップカードはないけれど、私も熊本に到着っ! なんとプラス6000万円っっ!! そして次の目的地は『青森』……って遠い! そして5000万円でデパートを購入!」

「フェイトママ、残り1050万円で大丈夫?」

 

 たぶん、冬にサイコロを2つ振って〝5〟以上が出ただけでアウトっぽいのだけど。

 

「そこはもう勝負だ……あ、今買ったデパートが臨時収入でプラス2500万円だって!」

 

 なんと!?

 

 

   2年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  1760万円

持ち金 4110万円

 

 

2等  なのは社長

収益  1200万円

持ち金 3230万円

 

 

3等  ういうい社長

収益  50万円

持ち金 850万円

 

 

「やるね、フェイトちゃん! 流石は私の永遠のライバル」

「なのはこそ!」

「わたしだけ蚊帳の外なんですけど~」

 

 

     ●

 

 

 3年目。

 フェイトママはフェリーに乗り釧路を目指す。

 わたしだけ未だに目的地(高知)に到着することすらできないまま秋。フェイトママの振ったサイコロの目がわたしに希望の光をもたらした。

 

「えっと、一番貧乏な人に札幌のラーメン屋をプレゼントだから、ヴィヴィオにだね」

「うっ、うっ……ありがとうフェイトママ! フェイトママは優しいから大好きっ!」

「くぅぅぅ~~~~~~~~~~~~~またフェイトちゃんばっか、露骨な点数稼ぎをぉぉ!」

 

 

   3年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  1760万円

持ち金 5920万円

 

 

2等  なのは社長

収益  1200万円

持ち金 4730万円

 

 

3等  ういうい社長

収益  180万円

持ち金 2830万円

 

 

「あまり大きな変化はなしっと」

「誰も目的地につかなかったしね」

「わたしだけフェイトママのお陰で収益が伸びました」

「うう~~~っ、私もフェイトちゃんに負けてられないよぉぉ!」

 

 

     ●

 

 

 4年目。

 インフレが起き、もらえるお金が2倍。出ていくお金も2倍になった。

 

「というわけでヴィヴィオ、早速ママからのプレゼントだよ!」

 

 なのはママのサイコロ運により、わたしは函館の温泉を無料でいただくことに。

 

「さっすがなのはママっ!」

 

 とか何とか言っているうちに、ついにわたしも高知に到着。

 

「プラス6000万円で、次の目的地は『大分』かぁ~、今度はそんなに遠くなくてよかった~」

 

 さらに京都の漬物屋をタダでもらう。

 タダでもらった物件は、これで3件目である。

 

「何となくヴィヴィオらしいというか……」

「そうだね、ヴィヴィオらしい……」

「あれ? 2人ともそういう認識なのぉぉ!?」

 

 まあ聖王なので、聖王教会から色々と便宜を図ってもらえたりするのだけど。

 

 

   4年目決算

 

 

1等  ういうい社長

収益  2840万円

持ち金 8870万円

 

 

2等  ふえいと社長

収益  2140万円

持ち金 8820万円

 

 

3等  なのは社長

収益  1950万円

持ち金 3080万円

 

 

「あれ、トップになってる……?」

「むむむ、やるねヴィヴィオ」

「くっ……ちょっと持ち金が頼りないけど、まだまだ勝負は折り返しだからね!」

 

 

     ●

 

 

 5年目。

 なのはママが鳥栖に到着。

 

「プラス5000万円で、次は『仙台』かあ……距離が微妙だなぁ……」

 

 続けてフェイトママが青森に到着。

 今更だけど、この2人ってだいたい同じタイミングで、まったく違う場所にある目的地に到着している気がする……。

 こんなところまで仲良しじゃなくてもいいのに……。

 

「見てみて、なのは、ヴィヴィオ、援助金2億円だよ!」

「うわ……」

「私の4倍ぃぃ!?」

 

 次の目的地は『岐阜』と遠かったけれど、フェイトママはもう勝った気まんまんだ。

 

「わたしは……ちょ、夏に6のゾロ目でマイナス400万ってひどいよぉぉ!?」

「逆に考えたらどうかな? 冬じゃなくてよかったとか」

「うっ、確かに……」

 

 これが冬だったら億単位でマイナス。目も当てられない。

 そのなのはママといえば、

 

「よし、仙台からタダで温泉ゲット!」

「わたしも米原から温泉もらったよ!」

「なのはもヴィヴィオもよかったね」

 

 フェイトママ、勝者の余裕である。

 

 

   5年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  5740万円

持ち金 2億960万円

 

 

2等  なのは社長

収益  3330万円

持ち金 4910万円

 

 

3等  ういうい社長

収益  3090万円

持ち金 1億1960万円

 

 

「あう、1年で引っくり返された……」

「う~ん、フェイトちゃんが圧倒的だな~」

「2人とも2位争い頑張ってね」

 

 

     ●

 

 

 6年目。

 

「よし、大分に着いたよ。プラス5000万円で次の目的地は『函館』と」

 

 さらにわたしはサイコロを振って特急に乗ることに。後の特急系カードの原型だろう。一気に10マス進むことに成功する。

 そして、わたしたちの運命を大きく左右する冬がやってきた。

 なのはママがいつも通りサイコロを振ると、

 

「マイナス6000万円っっ!!?」

「なのはママ大丈夫なの!?」

「う、うん。どうにか、残り170万円だけど」

 

 ギリギリである。

 

「これ、フェイトちゃんも同じの出たらアウトだよね?」

「私は大丈夫だから」

 

 前の駅で大量に物件購入をしたため、残り持ち金が4460万円なのだ。

 まあ、これまでのプレイ内容を考えると、4000万円以上持っていれば余裕で安全圏なのだけど、

 

「フェイトちゃん出ろ出ろ~」

 

 なのはママの怪しい祈りを受けつつ、フェイトママがサイコロを2つ振る。

 目の合計は5+6で〝11〟。

 

「あ」

「あぁ」

 

 

「ま、マイナス1億円……っっ!?

 あああああぁぁぁ~~~っ、5540万も足りないんだけどぉぉ!!?」

 

 

 先程購入したばかり、青森のホテルを5000万円、温泉を500万円で売却。残りを熊本のラーメン屋250万円でどうにか完済する。

 

 

   6年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  7190万円

持ち金 7400万円

 

 

2等  ういうい社長

収益  5820万円

持ち金 1億2680万円

 

 

3等  なのは社長

収益  3330万円

持ち金 3500万円

 

 

「それでもフェイトママ1位なんだ……」

「何気にヴィヴィオが追いついてきてる……」

「もうすぐ仙台に着くし、そうすれば私にも逆転のチャンスががが……」

 

 

     ●

 

 

 7年目。

 なのはママがついに、桃鉄名物のあの人に遭遇してしまう。

 

「す、スリの銀次ぃぃ~~~~っ!?」

「1作目からいたんだ……」

 

 持ち金を半分盗まれて1800万円になる。

 

「もとが少なかったからたいしたダメージじゃないけど、これが仙台に着いたあとだったら……」

 

 などと言っていたら、仙台まであと4歩というところで、

 

「ヘリで岐阜に飛ばされたァァ――っ!!?

 ひ、酷い……」

 

「なのは……」

「なのはママ……」

 

 その落ちこみようときたら目も当てられないよ。

 一方フェイトママは、なのはママが飛ばされた目的地の岐阜まで残り3歩というところで、特急に乗り換え12マス進めるという。

 

「い、意味ないけど、よし、プラス5000万円で次は『名古屋』と」

 

 続けてフェイトママはらくらく隣の名古屋駅に到着。

 

「プラス1000万円で、次は『大分』だね」

 

 フェイトママ大躍進の年でした。

 

 

   7年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  8740万円

持ち金 1億7140万円

 

 

2等  ういうい社長

収益  4570万円

持ち金 1億7050万円

 

 

3等  なのは社長

収益  3330万円

持ち金 5130万円

 

 

「フェイトちゃんが強すぎるというより、わ、私のリアルラックが……」

「今日の夕食は私が作るから、ね」

「もう争う必要性がまったく感じられないんだけど……」

 

 ちなみに、わたしの収益が減っているのはデパートが1件不調だったせいである。

 

 

     ●

 

 

 8年目。

 これといったイベントはなかったのだけど、なのはママが、

 

「よっし、盛岡のスーパーをタダでもらった」

 

 と言っていたら次のターン、

 

「またマイナス6000万円って……2670万円も足りないんだけどぉぉ!?」

 

 いただいた物件を早速手放すハメに……。

 

 

   8年目決算

 

 

1等  ふえいと社長

収益  8870万円

持ち金 2億7510万円

 

 

2等  ういうい社長

収益  8320万円

持ち金 1億7050万円

 

 

3等  なのは社長

収益  3200万円

持ち金 3280万円

 

 

「え、ヴィヴィオ、どうして追いついてきてるのぉぉ!?」

「うん、ホテル買ったから」

「いいんだいいんだ、私なんてもう……」

 

 ヤバイ。

 なのはママが面倒臭くなってる……。

 

 

     ●

 

 9年目。

 いよいよ残り2年である。

 ここからわたしの大逆転が始まる……はず。

 

「よぉぉし、ついに函館に到着! 援助金2億3000万円ゲットだぜぇぇ! 合計所持金が4億突破しましたぁ~~っ!!」

 

 ちなみに、わたしの次の目的地は『岡山』に決まったけれど、残り2年では到着できない可能性が高い。

 そしてなのはママ。

 

「や、やっと仙台に着いた……おお、1億9000万円……ああ、ホントなら3年も前に手にしていたのに……次は『稚内』だし……ううっ、もうこうなったら一世一代の大勝負をかけるしかない!

 ホテル1億円に、デパート1億円!」

 

 さらに、偶然止まった隠し物件の〝笹かまぼこ屋〟を5000万円で購入。

 持ち金が残り1880万円。

 これで恐怖の〝冬〟に突入である。

 

「なのはママ、ホントに大丈夫なの?」

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ……」

 

 ママ的には「失敗した失敗した失敗した」の方が似合っているのだけど。

 あ、これ前振りか!?

 そしてトップ街道を爆進中のフェイトママだったのだけど、

 

 

「き、緊急会議で札幌ぉぉ――っ!?

 あと少しで大分に着いたのにぃぃ――っ!」

 

 

 それさっきも見たな。

 なのはママが優しくフェイトママの肩に手を置いた。

 

「だからそんなとこまでコンビの相性発揮しなくても~」

 

 そしてわたしはといえば、函館のホテルを4倍の金額――4億円で売れるというイベント。

 そして、運命の時。

 

 

「いくよ、たぁぁ――――っっ!!」

 

 

「おぉ……」

「流石なのは……」

 

 なのはママ、マイナス1600万円。残り280万円で見事乗り切ってみせる。

 流石は主人公。

 ここ一番の勝負強さは流石である。

 

 

   9年目決算

 

 

1等  ういうい社長

収益  9570万円

持ち金 7億5140万円

 

 

2等  なのは社長

収益  9450万円

持ち金 9730万円

 

 

3等  ふえいと社長

収益  8870万円

持ち金 3億8780万円

 

 

「えぇぇ――っ! なのはにまで逆転されたのぉぉ――っっ!?」

「まあまあ、フェイトちゃんまだ3億持ってるし」

「そんなこと言ったらヴィヴィオなんて7億……7億ぅぅ~~~~っ!!?」

「うん、スッゴイことになってます」

「あ、1つ言い忘れてたけど、初代桃鉄だと持ち金は勝敗に影響しないから」

「それって、持ち金を残さず、とにかく物件を多く買った方がいいってこと?」

「そうそう。もちろん、冬に破産しない程度に残しといてね」

 

 

     ●

 

 

 10年目。

 ラスト1年。

 ここに来てさらにインフレが起き、サイコロによる収入や支出が倍になる。

 フェイトママが「う~ん」と唸った。

 

「ここでフェリーに乗ったらゲームが終わるから、それまでにどこかの駅に止まって物件を買わないと……」

 

 1年前までトップだったフェイトママが最下位である。

 わたしはといえば、

 

「せっかく秋田駅に止まったのに、フェイトママに物件が買い占められてるっっ!?」

 

 なのはママは最後まで諦めず稚内を目指し、北へと汽車を進める。

 そしてフェイトママのターン。

 

「やった! 隠し物件の〝夕張メロン畑〟2億円を発見。もちろん購入!」

「ううっ、わたしなんてこんな大富豪なのに、このままじゃ7億円持ったまま逆転負けに……」

 

 いざ駅に停まろうと思うと、中々停まれない。

 と思ったら残り2ターン。奇跡のように秋に振ったサイコロで隣の駅まで進めることに。

 

「よ、よし……」

 

 あとは目的地の盛岡に、購入可能な高価な物件さえあれば……。

 

 

「こ、これは……牧場5億円、買わせていただきますっ!!」

 

 

「あちゃ~、これはもうヴィヴィオの優勝だね」

「ああ、こうなったらせめてなのはに負けないように2位だけでも確保して……って、サイコロの目がまた〝11〟ぃぃ~~~~っ!?」

 

 フェイトママ、6年目の恐怖の再来。

 それも2倍になっているので、

 

「マイナス2億円~~~~っっ!!?

 あ、駅に停まれなかったお陰でギリギリある」

 

 残り持ち金380万円。

 

「ほ、本当に危なかった……」

 

 わたしとなのはママは、左右からフェイトママの肩を優しくポンポン叩いた。

 ここでゲームは終了。

 順位とは別に、まずは各部門のトップが発表される。

 

 

 ホテル王 ういうい社長

 鉄道王  ふえいと社長

 外食王  ういうい社長

 

 

「どれか1つくらい勝ちたかったな~」

「移動系はやっぱりフェイトママが強いね」

「う~ん、たまたまだよ?」

 

 

 そして、日本一の大社長になって、大きなビルを建てたのは……。

 

 

   10年目(ラスト)決算

 

 

1等  ういうい社長

収益  2億5330万円

持ち金 1億1740万円

 

 

2等  ふえいと社長

収益  1億3620万円

持ち金 380万円

 

 

3等  なのは社長

収益  9550万円

持ち金 1億2530万円

 

 

「やった! わたしの優勝だぁぁ――っ!!」

 

 パチパチパチ。

 

「おめでとー、ヴィヴィオ」

「はぁ、負けちゃった」

「なのはママもフェイトママも――とっくにしてるとは思うけど――仲直りね」

「ま、そういうことなら、ね、フェイトちゃん」

「そうだね、なのは」

 

 というわけで、

 

 

 EDに表示されるのは、懐かしいハチの姿をかたどったハドソンのマークに、今の状況にピッタリな「めでたし めでたし」の文字でした。

 

 

 みなさんお疲れ様でした~。

 

 

 

 




一応、勝負内容は、桃鉄以外に、人生ゲームや人生劇場、カタン――なんかも用意していたのですが、〝初代〟の響きに負けて桃鉄になりました(某アニメ最終話の影響もあったりなかったり)。派手さはありませんでしたが、コンピューターゲームなのに、古き良き時代のボードゲームに似た感覚で、これはこれでアリかと。最初は不安でしたが、カードや貧乏神がいなくても楽しめるものですね。
間違いなく名作だと思います。
長くシリーズが続くわけだ……というわけで、

「え、今年の騎馬戦は親子競技なのっ!?」

昨年、アインハルトさんが初等科のリレーを爆走(ViVid LIFE2巻を参照)した結果、今年から合同開催になった体育祭。
目玉競技として、ゴーレムによる親子参加の騎馬戦が行われることに。

ヴィヴィオ、リオ、コロナ、アインハルト、ユミナ、そして、なのは。それぞれが創成する必勝のゴーレムとは!?

次回『スーパー騎馬大戦FINAL』

で、リリカルマジカルがんばります!
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