某有名キャラクターのレースゲームをパクったと言われるが……その通りである!
しかし、その歴史は古く、くぎゅ……じゃなかったアリサ・バニングスのお金の力によって制作された。ちなみに、当初はキャラクターが3人しかいなかったので、これが本当の薄いゲーム……だったのだが、現在では逆に増えすぎて困っている。
リン・民明書房刊『高町なのは戦いの歴史』より
『ViVid Strike!』10話の感想。
1話で決着がつかなかった……。
『ViVid』のときの、ヴィヴィオ対ミウラ戦を思い出しました。
あのときも、ヴィヴィオに勝って欲しいけど、ミウラが勝って……なので、個人的にはリンネに勝って欲しい……って、リンネ主人公じゃなかった!?
どちらが勝つにせよ、2人ともボロボロなので、結局アインハルトさんの不戦勝。
くっ……いつのまにこんなに策士に……。
高町家・鉄の掟。
それは、全力全開で拳を交えたら友達になれ――というモノである。
なので――なのはママの許可をもらうと――わたしは早速リンネさんを家に招待したのだ。
「大手ファッションメーカー『ベルリネッタ・ブランド』のお嬢様だし、きっと、今日も、リンネさんの髪色に合わせた、素敵な白い洋服なんだろうなぁ~。
あの白いバリアジャケットも、ブランドデザイナーによる特注品だって話だし……」
そうワクワクしながら待っていると、
――ピンポーン!
「あ、はーい! リンネさんいらっしゃーい!」
ガチャリ――とドアを開ける。
「本日はお招きいただきありがとうございます」
礼儀ただしく一礼して、顔を上げたリンネさんは、予想通り真っ白い、
「――死に装束じゃないですかぁぁ――――――っっ!?」
●
「スミマセン、スミマセン! コーチに高町選手の家に招待されたと話したら――。
『高町選手の家、ですか……。リンネ、気をつけなさい。高町選手の母親は、あの管理局の白い悪魔とか魔王と呼ばれている――高町なのは一等空尉です。
あなたも映画を見たことあるでしょ?
子供のころからあんなですから、大人になったらもう、ね……。私たちとは次元の違う生き物です。
だから、絶対に粗相のないように。ただでさえ、あなたは高町選手にケガを負わせているのだか――ハッ!?
ひょっとしたらこれはもう、招待という名を借りた羊の皮を被って校舎裏へ呼び出す狼的な――お、おしおきなの!?』
そうしたら家族会議で、
『これしかない!』
という結論に達しまして……あ、一応ベルリネッタ・ブランドの新作白装束ですよ?」
「ホントだ。ブランドロゴが入ってる! じゃなくて、どんな家族会議ですか!? それに、いくらなのはママでも、そこまで魔王じゃないですよ~」
そう言って、わたしはリビングへ続くドアを開いた。
すると、
「あ」
真っ白いバリアジャケットに身を包み、砲撃モードのレイジングハートをリンネさんに向けた噂の白い魔王が、
「スターライト……ブレイカァァ――ッッ!!」
「ひぃぃ――っ!?」
「ちょ――――っ!?」
わたしとリンネさんの目の前で、まばゆいピンクの光が弾けた。
――パンパ~ン!
「いらっしゃ~い、リンネちゃん。驚いた? レイジングハート、クラッカーモードだよ? 今年のクリスマスにお披露目予定だったんだけど、まさか、こんなに早く使うことになろうとは……って……あれ?」
「リンネさん、リンネさん!? うわぁぁ、泡吹いてるよぉぉ――っ!?」
●
「スミマセン、スミマセン! ハートが弱くてごめんなさい!」
「あー、リンネちゃん。体は頑丈だけど、精神が弱いって、ゴッドマジンガーみたいなものだね」
「なのはママ、その例えわかりにくいから。あと、ゴッドマジンガーは別に精神弱くないから。人が乗ってなくても勝手に動くし」
ちなみに『ニコニコ大百科』からゴッドマジンガーを引用させてもらうと、
『ムー王国の守護神。通常時は石像だが、ムーの民がピンチになると火野ヤマトと一体化し、戦う。
飛び道具は持たず、武器は専用の剣のみ。主にパンチや直接掴んで力任せに引き千切るなど肉弾戦を行う。
神秘的で荘厳な存在感を持つが、無口のうえにかなりの気分屋でヤマトとムーの民をよく振り回す』
「――だいたいリンネさんと一緒だ!?」
スパロボ! スパロボ!
お待ちしてます!
「ううっ……また豆腐メンタルでご迷惑をおかけしました……」
「いえいえ、今のは、なのはママが悪いんですから」
すると、リンネさんがキョロキョロ周囲を見回した。
「……あの、それで、高町選手のお母様はどちらに? 声はすれども姿は見えず……」
「あ~、リンネさんを驚かせた罰で――今日は一日子供モードの刑です」
「さあ! 今日は全力全開で『NANOHAカート』をやるよぉぉ――っ!」
ソファーに座った9歳くらいのツインテール少女が、コントローラー片手に拳を突き上げた。
テーブルの上にはジュースとお菓子。
準備万端である。
●
「あ、あの……私、ゲームはあまりしたことなくて……」
なのはママがソファーの上に立ち上がる。
「そんなリンネちゃんに解説しよう――。
『NANOHAカート』とは、高町なのはやフェイト・テスタロッサなどの人気キャラクターが、次元世界ならではの機能や性能を持った乗り物に乗りこみ、魔法やデバイスを駆使しながら競争するレースゲームのことだよ!」
ちなみに、HPゲージもあって、ゼロになると、しばらくレースに復帰できなくなるのだ。
「は、はあ……」
「大丈夫ですよ、操作も簡単ですし。それに――こんなこともあろうかと、すでにリンネさんのキャラも追加してありますから」
画面には、リンネさんと思しき――ねんどろいどみたいな――デフォルメキャラクターが乗る白いカートが映っていた。
「ホントだ!? いつの間に……」
「ちなみにフーカさんもいますよ。確かに強くはなったんですが……『わし』とか『~じゃ』と台詞が入る以外、性能はアインハルトさんの下位互換なんで。レースゲームだと表現しづらいんですよね。連続魔とか使えればいいのに……」
「フーちゃん、赤魔道士みたい……」
すると、なのはママが優しくリンネさんの肩を抱いた。
「まあ、習うより慣れろってね。最初っから上手い子なんていないよ。まずは1回やってみようか?」
「さっすがなのはママ。見た目は子供、頭脳は年の功――」
「ん、ヴィヴィオ、何か言ったかな~」
「スビマセン……言い間違えました……」
そんなわけでレース開始したのはいいのだけど、
「あ、あの、私のカートだけ、ひどくスピードが遅くありませんか……?」
「あ~、リンネさんのキャラの特徴なんですよ。スピードが遅い代わりに、ダートや壁にぶつかっても――」
「まったくスピードが落ちません!?」
「はい。ある意味、初心者向けのカートかもしれませんね。マズかったですか?」
「いえ、いかにも私らしいというか、今の私にはちょうどいいです。そういえば、ヴィヴィオさんのカートは?」
「スピードタイプです。すっごい速いんですけどね……例えば、リンネさんに当たったりすると――」
――スコーン!
「ちょ、吹っ飛んでったんですけどぉぉ!? あと、HPゲージが一気に3分の1も減りましたよ!?」
「ええ、ちょー速いんですが、ちょー打たれ弱いんです。まあ、わたしらしいといえば、わたしらしいんですが……」
ちなみに、隠しキャラの聖王モードのときは頑丈だし、ゆりかご号は無敵なのだ。
「じゃ、なのはさんのカートは……」
「どーけ、どけぇぇ――いっ!」
次々とコンピュータに体当たりして吹き飛ばしていく。
「何ですか! あのガンダムヴァーチェみたいなGNフィールドは!?」
「GNフィールドじゃないですけどね! バリアタイプの防御魔法をまとって、突撃してきます」
某有名レースゲームのスター状態が、ずっと続くようなものだ。
すると、なのはママが「ふっふっふ」と笑みを浮かべる。
「よーし、カートリッジゲット! 魔力ゲージも溜まったことだし、そろそろ行くよぉぉ――っ、3、2、1,くらえぇぇ、スターライトブレイカーぁぁ――っ!」
コースが真っ白に染まる。
「ひぃぃ――っ! 私のカートも吹っ飛んだあげくにHPゲージが真っ赤にぃぃ!?」
「ええ、コース上にいると、ほぼ即死です――ていうか、人間タイプで耐え切ったのは初めて見ました――なので、スターライトブレイカーのカウントダウンが始まったら、コースアウトして避けてください」
「今さら言われても!」
「じゃ、もう一発、いっくよぉぉ――っ!」
「いやぁぁ――っ! って、コースアウトしてもスピードが落ちない私は、結構有利なのでは!?」
「甘い、甘い! ――シュートッ!」
無数のピンクの魔法弾が、カーブを描いてコース外のリンネに襲いかかる。
「スターライトブレイカーじゃなくて、誘導追尾弾!?」
「はい。なのはママは口で言うのと、実際に飛んでくる魔法が違うので厄介なんです」
「人気カリスマ教導官が教える、戦いの駆け引きだよ!」
「はい! 勉強になります――って、高町選手、これどうやって防げばいいんですかぁぁ!?」
「アクセルシューターはコース外まで追ってくるので、全キャラ共通のラウンドシールド(Rボタン)を張って防いでください」
「な、なるほど……一応、全ての攻撃に対抗策が用意されているんですね?」
「はい……それでも、なのはママは強キャラなんですけどね」
「はあ、流石は高町選手のお母様。管理局のストライクフリーダム! 憧れますっ!」
「憧れるんだぁ~」
「私も、リンネ・バルバトスとか言われたい!」
「鉄血だね!? すでにだいたいそんな感じだけど!」
●
4時間後――。
「いや~、満足、満足!」
「……ママがね」
「……ううっ、スターライトブレイカー怖いぃぃ」
死して屍拾う者なし。
リンネさんが操作に慣れてからは、色々なキャラクターを使ったのだけど、だいたいなのはママが勝った。
特に、なのはママが操作キャラに高町なのはを選ぶと(無印~劇場第2期まで、どれでも)悪魔のように強かった。
「だからフェイトママに大人気ないって言われるんだよ!?」
「さ~て、夕食の支度でもしよーかな。もちろんリンネちゃんも食べてくよね?」
「あ、はい! ご迷惑でなければ……ありがとうございます」
キッチンに向かうなのはママを見送ると、リンネさんがわたしを見て微笑んだ。
「本当に、素敵なお母様ですね……」
「はい! でも、リンネさんのご家族だって素敵じゃないですか。家族会議で白装束を選んじゃうなんて、とっても楽しそうです」
「それはもう言わないでください!」
「あははっ、それに――私もリンネさんと同じで養子として引き取られたらから、何となくわかるんです。いい家族なんだなあって」
「高町選手……」
「もう、高町選手じゃなくて、ヴィヴィオでいいですよ。だいたい、わたしの方が年下なんですから」
「あ、はい! じゃ、じゃあ……ヴィヴィさんで」
「うん、一気に飛びましたね」
「違うんです、違うんです! これはフーちゃんがそう呼んでたからでぇぇ!」
などと、地味に痛いリンネ選手のポカポカを食らっていると
、
「あ、そうだ。リンネちゃんも明日からの合宿に行くでしょ?」
キッチンから、なのはママの声が聞こえてきた。
「……合宿?」
「いや~、今回は出席者が少なくて。みんなは私がしごきすぎだって言うんだけど、そんなことないよねぇ~、ヴィヴィオ?」
「……」
私は無言で明後日の方を向いた。
――答えられません!
「えっと、それで合宿というのは……」
「そうだ! リンネちゃんタフネスだし、大人チームの方でもいいよね?」
「えっと……」
「模擬戦で、リンネちゃんにも本物のスターライトブレイカーをガンガン撃ちこんであげるから、楽しみに待っててね!」
「……ほ、本物のスターライトブレイカー? あ、あんなの正面から受けろと……ちょ、ヴィヴィさん、あの、どうして横を向いているんですか……ヴィヴィさん、ヴィヴィさぁぁ――んっ!?」
わたしは、そっと切符を差し出しました。
●
後日。
フーカさんが、
「ヴィヴィさん、リンネのやつが高町家は魔王城じゃ言うとったんですが、どがぁな意味ですか?」
「……え~っと、友情の証、かな」