……はずだったのだけど!?
みなさんお覇王ございます。
アインハルト・ストラトスです。
今回は、ヴィヴィオさんが、その……ちょっと諸事情でお話しできないので、変わって私の視点から物語をお送りしたいと思います。
ヴィヴィオさんのように、面白おかしくはできないと思いますが、精一杯がんばりますので、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
「――というわけで、本日はここナカジマジムから、ヴィヴィオさんの強化計画を発信していきたいと思います。
司会は私――アインハルト・ストラトス。
参加者は、いつものメンバー。
ノーヴェ会長、リオさん、コロナさん、フーカ、ユミナさん、あと忘れるところだったミウラさんの6人ですね」
「アインハルトさん、いきなりボクのこと忘れないでくださいよぉぉ!?」
「いえ、ヴィヴィオさんがいつも忘れていらっしゃるので、そういうものなのかと……。
お約束とか、様式美とか、そういったものなんですよね?」
「「「「「真面目だ!」」」」」
「そうなんですけど、そうなんですけど~、ちなうんです、ちなうんです~」
「おーい、アインハルト。いきなり呼ばれて来たんだが、これ、どーなってるんだ? ミウラはもだえてるし……」
「ノーヴェ会長……リングの上をご覧ください。
前回の一件で、ヴィヴィオさんがすっかりふてくされてしまい、どこから持ってきたのかわからない布団に潜りこむと、丸くなってストライキ中なんです」
「マジか……」
「「ヴィヴィオ~、そんなことしてると、深夜アニメが溜まっちゃうよ~」」
リオコロさんの説得にも応じず……あ、今、じゃっかん動いた気もしますが……ええ、どうにかこらえて出てきませんでしたね。
「陛下~、いい加減、機嫌直しましょうよ~。ちょっと奮発して、ハーゲ●ダッツもありますよ~」
『ユミナさんの中の人は『タ●リ倶楽部』のシュウマイ回に出てたからいいでしょ~っ!』
「それ今関係ないですよねぇぇ!?」
消えゆくグリーンピースの謎――というのは、中々に興味深かったですけど。
『いいんだ……いいんだ……どーせ、わたしなんて……どんなにトレーニングしても、オリヴィエみたいに強くなれないんだから……』
「あ~」
「アリシアさん = フェイトさんだとして……」
「なのはさんが無意識のうちにヴィヴィオのことを気に入ったのも……」
「フェイトさんって、アリシアさんのこと……」
「2人がヴィヴィさんのことを猫可愛がりしてるのって……」
『あああああああああ~~~~っ!?』
「みなさん、ここぞとばかりにヴィヴィオさんをイジるのはやめてください。私の断空拳が火を噴きますよ?」
「「「「「「しないから、しないから~」」」」」」
「そんなわけで、今回ばかりは、なのはさんとフェイトさんの手に負えないので――お仕事もありますしね――ヴィヴィオさんの復活は私たちに託された――というわけなんです。
まあ、何だかんだと言って、ジムに来ているところは、ヴィヴィオさんらしいといえばらしいですが……。ぜひ見習いたい姿勢ですね」
「「「「「「いやいやいや」」」」」」
「それで、ヴィヴィオ強化計画だっけ?
アインハルト――お前は、どうやってヴィヴィオを強くする気なんだ?」
「そうでね……とりあえず、トレーニング量を2倍にするというのはいかがでしょう?
単純計算で2倍強くなれます」
「「「「「「いやいやいや」」」」」」
「あれ~?」
『……ううっ、みんながどんどん強くなっていくのに、わたしだけ魔力量が絶望的に伸びないかもしれないんですよぉぉ~~っ!?』
「アニメでよく見かけるお悩みですね。
ここはやはり、サイラオーグさんみたいに体を鍛えるしかないのでは?」
『……ううっ、いくら鍛えても、アリシアさんみたいに、ちっちゃいままかもしれないんですよ~』
「あ~」
八方塞がりだった。
「つまり、現在のテクニカルヒッターとしてのスタイルのまま、さらに強くなる方法を模索しなければならない――というわけですね。
ノーヴェ会長……ふぁいっ!」
「いや、丸投げするなよ……。
まあ、でも……そうだな。
一番手っ取り早いのは、新必殺技だろうな」
「……普通の意見ですね」
「ふつーで悪かったなぁぁ!?」
「はい、はい、はーい!」
「はい、リオさん」
「だったらさ、新しい変身とかどう?
新フォーム。最強フォーム的な――」
「つまり、変身魔法――強化モードを見直せということですね。なるほど……それは一理ありますね」
「いや、仮面ライダー的な――」
「コロナさんは、何か意見はありますか?」
「え? あー、いっそのこと、フルアーマーとかどうかな?
フルアーマーヴィヴィオ――みたいな」
「なるほど。つまり、なのはさんのエクシードモードやフォートレスのように、デバイス面からの強化を目的としているのですね」
「そーじゃなくて、ガンダ――」
「あの~」
「はい、ミウラさん」
「それでしたら、ボクと同じように、収束系魔法を打撃に応用すればいいのではないでしょうか?
確か、なのはさんの教え子であるティアナさんも収束砲で火力を補っているとお聞きしました。
ヴィヴィオさんも、なのはさんから収束技術を教わってはいるんですよね?」
「なるほど! それは素晴らしいご意見ですね。流石はナカジマジムのブラックホース、ミウラさん……」
「せめて、ちゃんとダークホースっていってくださいよぉぉ!?」
「あの、ハルさん……」
「はい、フーカ」
「わしが思うに、ヴィヴィさんも覇王流に入門する――ってのは、どうじゃろ?」
「ほう」
「断空の技術が、伝統武術の〝勁〟だとすれば、小柄で非力なヴィヴィさんのような方にこそ、覇王流は相応しいと思うんじゃが……」
「それは盲点でしたね。フーカ、ハナマルです。明日はスパーリング100番勝負につきあってあげましょう」
「お……押忍……っ……」
「もうフーカ、いくらうれしいからって、そんなにブルブル震えなくてもいいんですよ?」
「「「「「絶対、違うっ!」」」」」
「最後にユミナさん、何か気づいたことはありますか?」
「あー、えー、私? そうだね~。陛下……ヴィヴィオちゃんは小柄だから、ポーキーとか……」
「ポーキー……?」
『それ、はるかなレシーブですよねぇぇ!?』
「ほら、肌色の量なら負けてないし……何より、陛下なら、大も小も1人で兼ねるから、観客からも大人気!」
『いやー』
「なるほど。ユミナさんが言いたいことは、観客からの声援を力に変える――ということですね?」
「え? そうじゃなくてビーチバ――」
「いえ、ユミナさん、謙遜しなくても結構です。これも盲点でした。確かに、私も試合でピンチに陥ったとき、何度もみなさんの声援で立ち上がった覚えがありますし……」
「「「「「「ポジティブ過ぎるっ!」」」」」」
「――わかりました。
ヴィヴィオさん強化計画、本日の結論は――
変身魔法やバリアジャケットの見直しに、デバイスの強化。
そして、断空の技法に、収束で集めた魔力を乗せることで、これまでのヴィヴィオさんにはない破壊力ある必殺技――神撃に至る一撃を生み出す。
もちろん、さらなるファンを獲得するため、魅せる試合を目指す。
――こんなところでしょうか?」
ざわざわ……。
「い、意外にまともだ……?」
「これ、意外にいけるんじゃ……?」
「で、いつ爆発するの……?」
「しませんよっ!?」
『――なるほど、噂通り、愉快なことになっているようだね』
「「「「「「今度は、誰ぇぇ――っ!?」」」」」」
30歳前後だろうか?
印象的なゲジゲジ眉毛。
ジムに入ってきたのは、体格の良い長身で、スーツ姿の男性だった。
初めての空間だというのに、まったく緊張した様子もなく、真っ直ぐノーヴェ会長に向かって歩いていく。
……この人、出来るっ!
「はじめまして、ノーヴェ・ナカジマ会長。私はヴァンデイン・コーポレーションの専務取締役、ハーディス・ヴァンデインと申します。以後お見知りおきを――」
そう言って名刺を手渡すと、ニカッと人好きのする笑みをこぼした。
「の、ノーヴェが名刺を受け取ってる……?」
「あたしだって会長なんだよ! 名刺の1枚や2枚受け取るわぁぁ――っ!?」
きゃー、とリオコロさんが会長に追われて逃げ惑う。
「人づてに現代の聖王陛下が困っている――と聞きましてね。ちょうど私用で近くを通りがかったものだからアドバイスでも――と思い、こうして立ち寄らせてもらった次第です」
ハーディス氏の出現に、ジム中がざわめいた。
「「「「「「……ま……『魔法戦記リリカルなのはForce』のラスボスキタァァ――――――――ッッ!!?」」」」」」
「ラスボスとは心外な。私は善良な一市民だよ。高町教導官のように、ちゃんと娘もいるしね」
ふむ……。
「……確かに、この小説で『Force』は未来の出来事。あなたをラスボスと呼ぶのは、時期尚早ではありますね。
ですが、そんなあなたがどうしてここへ?」
「それはもちろん、これで陛下やナカジマ会長と面識を持てれば、我が社の商品を、聖王教会やストライクアーツ関係団体、さらには管理局にまで売りこむことができるからね。
うちのデバイスは結構優秀なんだよ?
出来る男は恋愛と同じで、こういうチャンスを見逃さないものなのさ」
「なるほど。即物的ですね」
「即物的とは、これは耳が痛い。娘にも叱られそうだよ。
けれど、それだけじゃあないよ。もう1つ。
高町ヴィヴィオ聖王陛下の出生にまつわる能力のことなら、今は軌道拘置所にいて答えることができない〝彼〟に変わって、私が答えなくてはならない――と、思ったからね」
「は?」
「Dr.ジェイル・スカリエッティと面会するのは、手続きが大変なんだろう?」
「まさか……っ!?」
「「「「「「ハーディス氏とスカさんって、知り合いだったのぉぉ!?」」」」」」
「どうかな?
会ったことがあるかもしれないし……ないかもしれない。
知人だったかもしれないし、親友だったかもしれない。
あるいは『マリアージュ事件』のトレヴィア氏のように、同志だったかもしれない。
ま、彼の場合、一方通行だったけどね。
それとも――」
ハーディス氏が、マーボー神父みたいな笑みを浮かべる。
「私は、プロジェクトFで生み出された、スカリエッティのクローンの1人かもしれない」
「「「「「「ええええええええええええええええええええええええええええ!!?」」」」」」
「――なんて、答えたら君たちは満足かな」
「「「「「「はぁぁ!?」」」」」」
「冗談だよ、冗談。
さっきも言ったけど、私は単なる善良な一市民だからね。それも小市民だよ?
Dr.スカリエッティのような、広域次元犯罪者と一緒にされたら困るよ。ハラオウン執務官にホームランされたあげく逮捕されるのはゴメンだからね。
地上には私の娘だっているんだから」
「そういえば、ハガレンのキング・ブラッドレイも奥さんと息子さんが――」
「リオ・ウェズリー君、あまり漫画ばかり読んでいると、そのアホ毛を引っこ抜いて、量産したちびリオを管理局に売っ払っちゃうよ?」
「やめてぇぇ!?」
「さて、ヴィヴィオ陛下――。
君は、自分の弱さの原因が、聖王女オリヴィエの遺伝子の欠損部位を埋めた、亡きアリシア・テスタロッサ嬢の遺伝子にあるのではないか――と疑っているようだけど、それは間違いだろうね」
『え?』
「どういうことでしょうか?」
「私が思うに、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトという人物は、世間一般で考えられているほど、魔力量の多い魔導師(ベルカの騎士)ではなかった――というのが真相だろうね」
『っ!? で、でも……古代ベルカで、武技において最強を誇ったって……ですよね、アインハルトさんっ!?』
「はい、その通りです。私の覇王の記憶に誓ってそれは間違いありません」
「そうだね。彼女が最強を誇ったのは、歴史的に判断しても間違いないだろう。
けれど、彼女が産まれながらにして強かったのか――という問いに対してはどうかな?
この件は、君たちの方がよく知っているだろうけどね。
『ViVid』10~11巻で語られた『エレミアの手記』によると、
『余談だが、ヴィヴィ様の聖王核には、少し不思議な謂れがある。
ヴィヴィ様が産まれるとき、母君は亡くなられているのだが、母君がお持ちだった聖王核が、そのままヴィヴィ様の体内に吸収されたのだという』
つまりだ――わかるかい?
オリヴィエ王女は、離れていても、無意識であっても――聖王核を引きつける、コントロールできるほど、聖王核との相性が抜群だったんだ。
むしろ、聖王核の方から彼女を選んだかのようにね。
例えば、インテリジェントデバイスなんかもそうだね。
有名なところでは、高町教導官と愛機レイジングハート。
レイジングハートが、拾得者であるユーノ司書長をはじめ、誰のことも自身の主として認めることをしなかった――というのは、君たちならよく知っている事実だろ」
『……はい』
「ええ、私も映画で拝見しました」
「さて、もう少し例えてみようか。
『高町教導官 = オリヴィエ』
『ユーノ司書長 = 他の中枢王家の子ら』
『レイジングハート = 聖王核』
さて、誰が一番レイジングハートの力を引き出せたでしょうか?」
「僕が一番、ガンダムをぉぉ――」
「リオ君……ま、今回は白い悪魔つながりでよしとしようじゃないか」
「お、お~、セ~フ……」
「つまり、あなたの言いたいことは、オリヴィエは聖王核の魔力を、誰よりも上手く引き出すことができた。
また、誰よりも聖王核に愛されていた。
それにより、古代ベルカ最強と評されるほど、誰よりも強靭な肉体と、誰よりも巨大な魔力を手に入れることができた――ということですね?」
「正解だよ。
おそらく、この聖王核との相性が、ゆりかごとの適合率にも関わってくるんだろうね」
『だから、聖王核のないオリヴィエは、最強ではない。わたしのように、ちょっと魔力が高いだけの女の子だった――ということですか?』
「That's right その通り」
『だけど……』
「そうですね。それだけでオリヴィエが弱かった――と断じるのは愚かです。聖王核がなくとも、素の魔力量が高かった可能性は十分にありますから」
「ふむ……。もう6年近く前のことだから、忘れているかもしれないけどね。
トラック横転事故の際――」
「実は、リトバスみたいなことになっていたとかっ!?」
「黒髪ロングに変身するリオ君には、エターナル胸ぺったんの称号をあげようじゃないか」
「やめてェェ!?」
「機動六課に保護されるまでの間。
陛下は、スカリエッティのガジェットドローンⅠ型を、6機も破壊しているんだよ」
『あー……そんなこともありましたっけ……』
「『StrikerS』の3話で、当時のティアナ執務官たち4名が、陸戦用空間シミュレーターでⅠ型8機と戦ったときのことを覚えているかい?
AMFや素早い動きに、かなり苦戦していただろう。
ところが――。
少し魔力が強い程度で、攻撃魔法の1つも覚えていないボロボロの5歳の女の子が、Ⅰ型を6機も破壊してみせた。
一体、どうやったんだろうね?」
『……えっと、あのときのことはイマイチよく覚えていないと申しますか』
「ひょっとして、ヴィヴィオさんの秘められし力が覚醒したとか……?」
「僕の王の力がああああ!」
『やめてぇぇ――っ!?』
「あながち間違いでもないのだけどね。
答えは〝聖王核(レリック)〟だよ。
奇しくも陛下は、その身で、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトと聖王核のつながりを、再現してみせたんだよ。
体内に埋めこむ必要すらない。
鎖でつながれたケースに入っていれば、肉体から離れていても構わない。
あたかも、母親の体内にあった聖王核が、オリヴィエの肉体に移動したように……。
聖王核から魔力を引き出すと、強靭な肉体――素手で、機械のボディをもつガジェットを粉砕。
攻撃魔法なんて知らなくても、巨大な純粋魔力だけでAMFを中和、吹き飛ばし、残りのガジェットを消滅させた。
――ま、こんなところだろうね。
どうだい?
これでも陛下は、自分はオリヴィエより弱い――だなんて言い張るつもりかい?」
『で、でも……それは、全部、ハーディスさんの想像で……』
「そうだね。
だけど……いや、だからこそかな。
かつて――
ウーノ 「レリック反応を追跡していたドローンⅠ型6機、全て破壊されています」
スカリエッティ「ほう、破壊したのは局の魔導師か、それとも当たりを引いたか」
ウーノ 「確定はできませんが、どうやら後者のようです」
スカリエッティ「素晴らしい。さっそく追跡をかけるとしよう」
ウーノとスカリエッティは、陛下を〝当たり〟だと信じたんだよ。
そんなことができるのは、聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンしかいない――と、わかっていたからね。
確か……あのとき、ノーヴェ会長も、スカリエッティや映像通信のウーノと共に、その場にいらしたとか」
「……ああ」
「彼、うれしそうだったでしょ?」
「あんた、やっぱり……」
「大丈夫。今はまだ、君たちの味方だよ。
『Force』が始まるまではね」
「わーったよ。今はまだ、な……」
彼もまた謎多き人物のようですが、『Force』休載中の今となっては、これ以上追求することはできません。
むしろ、私が気になるのはヴィヴィオさんの方。
「むむむ……かつてのヴィヴィオさんが、そんなに強かっただなんて……」
『まあ、聖王核(レリック)があったからこそ、ですけどねー。今のわたしはご存知の通りで――』
「何を言ってるんだい?
レリックの1つや2つ、管理局に保管されているだろう?
たぶん、聖王教会にも、聖骸布などと一緒に保存されているはずだよ?
ひょっとしたら、ユーノ司書長やスクライア一族が発掘したモノもあるかもしれない」
『あ……』
「そう。陛下がレリックを手に入れる方法なんて、少し考えれば、いくらでもあるんだよ。
自分で探しに行く――というのも1つの手だろうね」
「そ、そんな方法まで……」
「さて、6年前の時点で、軽々とガジェットドローンを破壊できるほどの魔力量を誇ったわけだけど……。
今の鍛えた陛下なら、一体どれほどの強さを引き出すことができるのやら……。
まさに、オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの再来だろうね――」
『あわわ……』
「そんなわけで陛下。
これからヴァンデイン・コーポレーションの商品をどうぞよろしく。
君の素敵な2人のお母様にも、よろしく伝えてもらえるかな?
あとは、そうだね、八神捜査指令にクロノ提督、それと聖王教会にも、うちの武装端末を紹介してもらえるとうれしいのだけど……」
そう言うと、いずれ敵となる『Force』のラスボスことハーディス・ヴァンデイン氏は、したり顔でジムを去っていった。
姿が見えなくなる――と同時に、リング上の天岩戸(布団)が開き、ようやくヴィヴィオさんが愛らしい姿を現す。
「……ど、どうしましょうか、アインハルトさんっ!?」
慌てた声音でリングから下りてくる。
「ヴィヴィオさん……」
「レリックなんですけど……」
「ハーディス氏の甘言に惑わされず、落ち着いてください」
「なのはママのレイジングハートみたいに、ネックレスにして、首からぶら下げた方がいいでしょうか?
それとも、クリスと一緒に、外装のウサギのぬいぐるみの中に入れておくとかっ!?」
「すでに、レリックを手に入れるの前提ですかっ!?」
「そ……そうなると、わたしって厳しいトレーニングなんてしなくても、レリックさえあれば最強になれるってことですよね?」
「ハーディス氏の話を聞く限り、そのようですが……」
「だったら、その上で、さらに、アインハルトさんたちが考えてくれた、
変身魔法やバリアジャケットの見直しに、デバイスの強化。
断空と収束による新必殺技をマスターなんてしちゃった日には……。
あと、トレーニングも2倍しちゃって……。
もはや、みんなが足元にも及ばないほど強く――超サイヤ人と地球人くらい実力差が開いちゃう――ってことですか!?
どうしよう……スカウターが爆発しちゃうよ!?」
「「「「「「ああ~」」」」」」
――パンパン!
「よーし、全員撤収! 練習再開しろー」
「「「「「押忍っ!」」」」」
「あ……あれ~? どうしてみんな、わたしのパワーアップ計画に協力してくれないのぉぉ!?
さっきは、あんなに乗り気だったのにぃぃ~」
「ヴィヴィオさん……今わかりました。
どうして『魔法少女リリカルなのはViVid』において、最も使い手に相応しい、なのはさんの娘であるヴィヴィオさんが、収束系魔法を使わなかったのか……」
「急に、そんなこと言われましても~」
「それはですね…………ハンデだったんですよぉぉ!?」
「ええええええええええええっ!?」
「いざとなったら、レリックで、スッコ~ン――とパワーアップしてしまうヴィヴィオさんへのハンデです!」
「いやいや、そんなことないですって!?」
「クラウス……今やっと、私もあなたの気持ちがわかった気がします……。
あなたも苦労したんですね……。
ですが、チートはダメですよね、チートは……」
「えー」
「そんなわけで、ヴィヴィオさんのこれ以上のパワーアップは禁止ぃぃ――っ!!」
「なんですと~!?」
『GOD』のユーリもそうでしたが、リリカルなのはの世界では、戦闘訓練をしなくても魔力量が多いだけで、圧倒的な力を有することができます。
そう、
『レリック + トレーニング』
のヴィヴィオは、冗談ではなく、リリカルなのは屈指の強キャラだったのです!!
もう、紙装甲なんて言わせないよぉぉ!(笑)
とはいえ、ストライクアーツの公式試合でレリックは禁止でしょうから、彼女の真の力を活かすには、結局のところ、母親や、はやておばさん(ママの友人ってことは、おばさんポジションで間違っていないはず!?)のように、管理局に入るのが一番な気がするのですが……。
役職・階級/ゆりかご級艦船艦長・提督
次元世界の平和を考えるなら、たぶんこれがベストのはず……??
ハーディス氏については実際のところどうなのかなーと。
『Force』がいいところで休載してしまったので、なんともかんとも……。
次回までに、もう少し調べてみようとは思うんですが……。
う~ん……。
どうなんでしょう?