というわけで、今回はタイトルに〝チンク〟とありながら、チンク本人が登場しない、八神家でのお泊り&ホームパーティー!!
「チンクもヴォルケンリッターみたいに年を取らないのかも――」
というヴィヴィオの一言から始まった極限バトル!
果たしてヴォルケンリッターは、酔った『なのは&フェイト&はやて』を止めることができるのか!?
そして、ヴィヴィオはこの状況下で〝チンクの謎〟を解き明かすことができるのか!?
ツッコミ役は、(ヴィヴィオのライバルらしい)ミウラ・リナルディでお送りします!!
ミッドチルダ南部。
八神家。
PM 9:00
「「「永遠のロリっ子コンビ(ユニゾンもするよ!)には、私たちメインヒロインズ(×3人)の気持ちなんて、わかんないんだああああああああああああああああああああああああああ!!
スターライト――
プラズマザンバ――
ラグナロク――
――ブレイカァァァァ――――ッッ!!」」」
「「あ――――」」
ちゅどーん――という轟音&爆風と共に、3筋の閃光が八神家のリビングを蹂躙。
壁をブチ抜き、海の彼方へと消えていく。
残されたのは、わたしの真横で、両手両足を投げ出したうつ伏せの格好のまま、黒焦げになっている鉄槌の騎士と、祝福されてないっぽい風の2人。
「わーお、あと1ミリずれてたら、わたしも巻き添えに……。
いや~、ここが海沿いでよかったですよねぇ~、ミウラさん。ご近所に被害が出なくて」
「なんて、のんきなこと言ってる場合じゃないですよぉぉ、ヴィヴィオさぁぁ~~んっ!?」
●
そんなわけで、みなさん聖王わ。
高町ヴィヴィオです。
本日は、八神司令のお宅でお泊りホームパーティーです。
どんな感じか、イラストで知りたい方は、ねことうふ先生のコミック『魔法少女リリカルなのはViVid LIFE Advance』をご覧ください。
――だいたい事件(笑)が起きます。
そんな定期的なイベントではあるのですが、今回はいつになくバイオレンスなことに……。
●
「すでに犠牲者が2名……。
どうしてこんなことに~」
「いやいや、だいたいヴィヴィオさんのせいですよねぇぇ――っ!?」
…………。
コホン。
なんてことはない。
前回のラストでチンクが登場したので、その件について口にしただけなのだ。
「わたしはただ、15年前にゼストさんと戦ったときから姿が変わらないから、チンクもヴォルケンリッターみたいに年を取らないのかも――。
って、あおっただけですよ?」
「今、あおったって言いましたよねぇぇ!?」
酔ったなのはママが、ふらり立ち上がる。
「ひっく……これはチンクを、自分ばっかり年を取らない罪でタイーホしないと~」
「……待つんや、なのはちゃん。
ひょっとしたら、戦闘機人はみんな年を取らない可能性も~。
ナカジマ家、一網打尽にするで~」
「なのは……はやて……。
取り調べ……。
ついに、母さんから譲り受けたムチ――使っちゃう?」
「って、フェイトママ、なに譲り受けてるのぉぉ――っ!?」
あわわ――と、慌てて緑の人が止めに入る。
「3人とも待って!
戦闘機人と言っても、スバルやギンガは年を取るでしょ。空港火災のとき、2人ともちっちゃかったし」
「あ~」
「そういえば……」
「そやったな~」
……ふむ。
「よっ、さっすがシャマル先生! 最年長っ!!」
「えっと、いわゆる知恵袋的な?」
「そこ、最年長いわないの! あと、おばあちゃんじゃないから!」
「……ひっく、最、年長?」
「……本当にそうかな?」
「……私ら、本当はもうシャマルより年上ってことは――」
「あー、設定資料集によると、シャマル先生の外見年齢は22歳だそうですねー」
「ちょ、ヴィヴィオさぁぁ~~んっ!?」
『ViVid Strike!』で、すでに24歳に達した3人娘(?)が、ゆら~り幽鬼のごとく振り向いた。
「「「あー、これはシャマルもトリプルブレイカーの刑だねぇ…………」」」
「どうしてぇぇ――――」
シャマル先生の「風の護盾!」という声が聞こえたのだけど、聞こえただけで――ちゅどーん!
自身の料理のように黒焦げだっ!
「くっ……あの3人娘(?)の前では、湖の騎士の防御魔法も紙のようだ……」
「やっぱりヴィヴィオさんのせいじゃないですかぁぁ! ていうか、3人娘のあとに(?)なんてつけなくていいんですよぉぉ!?」
すると満を持して――ガタンッ!
赤ワインが似合う女騎士――髪の色が赤いからだけだけどね――他1名が立ち上がる。
「くっ、殺……」
「ヴィヴィオさんは黙っててくださぁぁい!」
「やはり、ここは私が出るしかないようだな……。行くぞ、アギト!」
「おうぅ! ……って、本当にやんの?」
なんだかできあがっているシグナムさんと違ってアギトは冷静だ。
「おっと、出るかユニゾン烈火の将ぅぅ!?」
「そ、そうですよね。いくら管理局最強の3人娘が相手でも、酔った状態ならシグナムさんとアギトさんの2人で――」
シグナムさんが吼える。
「確か、スバルとギンガはスカリエッティ以外の誰かが生み出した戦闘機人だと聞いている!
つまり、同じ戦闘機人でも、ナンバーズだけが年を取らない――ということではないのか?」
「さっすが剣の騎士、Sランクっ!」
「それ剣技と関係ないですよねぇぇ!?」
「ユニゾン、インッ!」(酔シグナム)
「それ肩車してるだけですよねぇぇ!?」
「でも、シグナムさん。
『ViVid Strike!』で、ノーヴェの赤髪、伸びてましたよ?
『ショート → セミロング』
くらいに」
アギトを肩に座らせた格好で、冷静なんだか冷静じゃないんだかわからない表情で、ヴォルケンリッターの将が答えた。
「そうだったな……。
だとすれば、スバル、ギンガ、ノーヴェの共通点……」
「3人ともクイントの遺伝子を元にしてるってことだろ?」
「さっすがアギト、元スカさん一味!」
「元スカさん一味って……いや、まあ、そうなんだけどさ」
元スカさん一味――という単語に、なのはママがピクリと反応する。
「……ひっく、むむっ……これは最初にタイーホしないと……?」
「ラグナロク、いつでも行けるでぇぇ!」
「ふっふっふ、シグナムも覚悟してください!」
「テスタロッサか……よし! ばっちこーい!」(酔シグナム)
「いや、くんなよっ!?」
――ちゅどーん!
三度ブレイカーの煌めきが八神家を破壊する。
「けほけほ……ついに天井まで……」
「うわ~ん、シグナムさん、アギトさぁぁん!」
く・ろ・こ・げ。
「尊い犠牲だった……南無……」
「死んでませんよぉぉ――っ!?」
すると、ガタッと音がして、瓦礫の下から青いマユゲ犬が姿を現す。
「先ほどから、おとなしく聞いていたのだが……」
おとなしく聞きすぎだ!
「ザフィーラ!」
「師匠!」
この惨劇に耐え切るとは……。
(あんまり役に立たない……とかいったら怒られそうだけど)盾の守護獣の、面目躍如といったところか……。
「外見でいうなら、スカリエッティも若い姿のままだったと記憶しているが」
なのはママがポンっと手を打った。
「……あ、なるほろ」
「……自分にもナンバーズと同じアンチエイジングを施していた……とか?」
美容か!?
「そーや!
『魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS 2巻』
で、スカリエッティがウーノに散髪してもらっとるシーンがあったところを見ると、スカリエッティ製は〝年を取らんけど髪は伸びる〟――とか、どうや!?」
「なんてピンポイントな機能! でも、あ~、だからノーヴェも髪だけ伸びたと」
ミウラさんが妙に頭をコクコクしている。
「そうですよね。ナンバーズのみなさんは女性ばかりですし、やっぱり、女性としては髪が伸びないと困りますもんね……」
「わからなくもないが……」
「「「「ミウラ/さん/ちゃんがいう?」」」」
「どーしてここだけ息ぴったりなんですかぁぁ――っ!?」
「まあ、まあ、ミウラさん。
はやてさんって、とっくりが似合いますよね?」
「どこの信楽焼ですかぁぁ!?」
「狸といえばザフィーラ。
『Force』4巻で、
ウェンディ「ちびたぬ隊長、尊敬するっス」
ティアナ 「あと、その妙な愛称は本人の前ではくれぐれも言わないように」
って言われてたの読んで、どう思った?」
「ああ、あのシーンか……。
流石に主も、もういいお年だ。
呼ぶのであれば〝ちびだぬ〟ではなく〝古だぬ〟だろう」
「…………クラウソラス」
夜天の主がぼそっと呟く。
白い閃光。
なのはママでいうところのディバインバスターが今日のわんこを直撃――ちゅどーん!
「し、師匠ぉぉっ!?」
「さっすが、ちびたぬ隊長! 単騎でこの破壊力ぅぅ!」
「だいたいヴィヴィオさんのせいですよねぇぇっ!?
師匠たちに何か恨みでもあるんですかぁぁ!?」
「やだなー、ミウラさん。
わたし平常運転じゃないですかぁ~」
「……そうでした~」
「それはそれとして、ミウラさん。
わたし、ここまでのやり取りで、謎が全て解けましたよ!」
「ええ~、どこにそんな要素が……」
「文系が赤点ギリギリだった人には、わからないかもしれませんが……」
「ぐっは!?」
「『StrikerS 魔法辞典』によると、スバルさんとギンガさん――タイプゼロの2人は、
『同じ戦闘機人であるナンバーズらとは異なる製作者の手で、異なる製作コンセプトで製作された機体』
とあります。
スバルさんやギンガさんは、成長する過程で強くなっていく。
もし最初から強ければ、空港火災のとき一般人と同じように逃げ惑う必要はありません。
けれど、後の戦闘結果を見てもわかるように、ピーク時は、スカリエッティ製の戦闘機人よりも高い戦闘力を得ることができます。
タイプゼロの欠点は、確かに強いけれど、成長に時間がかかりすぎる――ということ。
また、肉体が成長するということは、逆に衰えるということでもあります。
つまり、スバルさんやギンガさんは、年を取る――ということです。
一方でナンバーズは、最初から大人の姿、安定した強さを誇っています。
経験や技術、装備などでの能力アップはあっても大幅な成長はない。
『StrikerS 魔法辞典』の『戦闘機人』の項目にある、
『天賦の才や地道な訓練に頼る「魔導師」に頼らず――』
『確実に安定した数を揃えることができる武力――』
からもわかるように、量産を前提に完成された兵器として考えるなら、むしろ、ナンバーズの方が正しい姿だと思われます」
「な……なるほど。
ピーク時の強さを犠牲にすることで、肉体的な衰えを減らし、安定した強さを得ることを優先した――それが、チンクさんが年を取らないように見える秘密だということですね!」
「はい。
ただ、スカさん自身は、
『魔法少女リリカルなのはStrikerS THE COMICS 2巻』
で、
『生命ならではのゆらぎとでも言おうか、ただの機体では出せない輝きだ』
と言っているので、成長や感情によるステータスアップを理解していたんでしょうね。
時間のかかる肉体的な成長は、ナンバーズに採用しませんでしたが。
だからこそ、タイプゼロの2人を、貴重な研究対象として捕まえようとしたんだと思います」
「でも、ヴィヴィオさん……。
そうなると、チンクさんだけでなく元ナンバーズのみなさん――ノーヴェ会長はもちろん、セインさんにウェンディさん、オットーさんも、この先みんな見た目が若いままってことでしょうか?」
「ん~、たぶん、そうなると思うんですが……」
半壊した八神家で、なのはママたちがワイン片手にストレッチを開始する。
「……ぷっは。そっかー、ここはやっぱり、ナカジマ家に行くしかないみたいだねぇ~」
「……あー、ひっく。チンクの確保を最優先に、次点で他のナンバーズってとこやな~」
「……ムチ、使ってもいいよね、ムチ……」
真・ソニックフォームで、ムチをピシピシ振るうフェイトママ……。
こ、これは、わたしの命に換えても写真を撮らねば!
「あ、そういえば今日、ノーヴェがナカジマ家でご飯食べるーとか言ってたっけ」
「どうしてまた、こんな時にぃぃ!?」
「いやー、
『今日はうち、八神家でお泊りホームパーティーなんだよ~』
とか話したら、
『あたしも久しぶりにセインたちを誘って、ナカジマ家に里帰りでもすっかなー』
みたいなノリに?」
「いい話なんですが、いい話なんですが……」
「「「――それは好都合!」」」
「どうして、そう、火に油を注ぐようなことをぉぉ!?」
「ちゃんと、
『ミウラさんも、ホームパーティーに参加するんだよ』
って、ノーヴェに伝えたけど?
そしたら余計にやる気になって……」
「勝手に巻きこまないでくださぁぁい!?」
なのはママとフェイトママ、そしてはやてさんの3人が、デバイス片手に向かい合う。
「「「……ひっく。
レイジングハート――
バルディッシュ――
シュベルトクロイツ――
――セーット、アーップ!」」」
おーっ!
こんなところでTVアニメ版『A's』の名シーンの再現っぽいのが見れるなんて――じゃなくて、バリアジャケット着ちゃったんですけどぉぉ!?
「3人とも殺る気だ……」
「どうするんですかもぉぉ!?」
「ええ、言わなきゃよかったと後悔してます」
「どうして、そう、毎回毎回、刹那的な生き方を~」
「わたしは神眼の刻の中で生きる女の子ですから」
「いきなり神眼とか持ち出されても~」
「それが――わたしの受け継ぐ高町家の魂(ソウル)ですから!」
「ムダにカッコいい!
でも、その生き方ダメですよぉぉ!?」
「そんなわけでミウラさん。
チンクとノーヴェには逃げるよう連絡しておいたので――」
「いつの間に!?
そーいうの早いですよね……」
「少しでも責任を取るため――時間稼ぎに、これから2人で最後の抵抗を試みましょう!
わたしも黒いバリアジャケット――聖王モードで挑みますから」
「こんなところで本気の戦装束ですかぁぁ!?」
「ほらミウラさんも、試合みたいに大人モードでバリアジャケット装着してください!」
「ううっ……こうなったら破れかぶれです!」
金色の星型デバイスを取り出す。
「スターセイバー――セーット、アーップ!」
ミウラさんのスーパー変身タイムをじっくり眺めていると、
「……はっ!?
まさか!?
なのはママ、フェイトママ、はやておば――」
「ミストルティン!」
魔力の槍が飛んでくる。
「ひぃぃ、あっぶな!?」
危うく石化するところだった。
「嘘です。ゴメンナサイ」
試合モードで助かった~。
とっさのセイクリッドディフェンダーが間に合ってくれた。
「憧れのはやてお姉さん、前から思っていたんですが……ミウラさんって、ただの人間の割に、妙に頑丈な気がしませんか?」
「…………あー、それは、あるな~」
『ViVid』12巻でわたしがアインハルトさんと戦うシーンと、18巻でわたしがミウラさんと戦うシーンを見比べて欲しい。
アインハルトさんですら倒れるほどの打撃を何度も打ちこんでいるのに、ミウラさんは何度でも立ち上がってくる。
そう。
まるで、スバルさんのように……。
そして、
「成長してるんだかしてないんだかわからない大人モードの存在……」
「ま、まさかー」
「そうです。
今回のオチ――じゃなかった、真の結論は、
ミウラさんも戦闘機人なんじゃぁぁ――っ!?」
「へ?」
「なるほど……それはあるかもー」
「ないですよぉぉ!?」
――ガシッ!
否定した瞬間、ミウラさんは左右から、なのはママとフェイトママに腕をつかまれた。
「……ひっく。じゃ、ミウラちゃん」
「……ちょっと隣の部屋行こかー」
「……痛くしないから――ピシピシ――ね」
「え、ちょ……待ってくだ……あぁぁ~」
――パタン。
かろうじて残っていた扉が閉まり、ミウラさんの姿が消える。
「ふう……。
ついに、パンデモニウムへの扉が閉じたか……。
ノーヴェ、チンク……わたし、がんばったよ……」
『がんばってるのボクですよねぇぇっ!?』
…………。
明日の練習後、ミウラさんには、コンビニで一番高いアイスを奢ろうと思う。
個人的に、戦闘機人の最も気になるポイントは、
『戦闘機人がどうやって成長しているのか?』
だったりします。
例えば、ナンバーズのように成長しないのであれば、わかりやすい。
壊れたパーツを交換すればいいだけ。
けれど、スバルやギンガのように、成長する戦闘機人はどうなのでしょう?
昔からサイボーグ系の作品は多いのですが、
①使われているパーツも成長する。
②肉体の成長に合わせて、パーツを新しいものと交換する。
この2パターンが多いような気がします。
多少のケガは、デバイスのように自動修復されたのでしょうが……。
生体パーツが多いかと思ったのですが、スバルの腕のケガ、結構メカメカしかったので、微妙なんですよねぇ……。
『GOD』版フローリアン姉妹(ギアーズ)もそうでしたが……。
これが判明すれば、年を取るかどうかの謎も解けるはず。
色々と思うところはあるのですが、いつか調べてみたいです。