イリヤさんの魔法少女戦記   作:イリヤスフィール親衛隊

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vita版のエクステラ予約したんですがvita本体を持っていないのでとりあえず届いたら飾っておきます。どうも、イリヤスフィール親衛隊です。とりあえず書いておくべきことは以下のふたつ。

プリヤの魔力弾は魔術のカテゴリーではなく単なる純粋な魔力の塊でしかないため対魔力を抜けるのだと、感想にて教えていただきました。なるほど。ということは、諸葛公明さんが「罠だ!」と言って放つ魔力弾も、あれは罠ではなく純粋な魔力の塊だということなんでしょうか(困惑。

正直この作品コケたかなと思っていた矢先にランキングに掲載され、「日間載ったぜヤホーイ!」と喜んでいたら、あれよあれよとお気に入りと評価者数が五倍になってしまい、それを見てあまりのプレッシャーで一気に冷静になりました(有り難う御座います。


美遊「あの人なら心配ないと思う、けど…………」

 

 

 

∇∇∇本編∇∇∇

 

 

 

【イリヤ】とセイバーが戦っている一方で、イリヤと美遊のキャスター戦も熾烈を極めていた。

 

空を自在に飛び回り攻撃を行うイリヤと、飛行こそ身につけられなかったものの、魔力で足場を構築して空中を駆けるという発想の転換でキャスターと戦うための手段を手にした美遊は前回からして明らかに成長を遂げていた。

 

「この前より動きが鈍いですわね……」

 

「アイツとの戦闘のダメージが抜けきってないみたいね。好都合だわ」

 

今回は完全にサポートに回っているルヴィアと凛は緊張感からか手の内で宝石を弄りながら二人のカレイドライナーの戦いを見守る。

 

『イリヤさん!威力は低くて構いません!とにかく遠距離から撃ちまくってキャスターの気を引いてください!』

 

「低威力で……散弾、弾幕…………」

 

ぶつぶつと呟きながら脳内でシミュレートを繰り返すイリヤの脳裏に浮かんだ光景は、仮面の魔法少女が放ったライダーを押し潰さんばかりの魔力弾の雨とそれに伴って巻き起こった超威力の爆発。

 

あっ、と気づいた時にはイリヤはルビーを振るっていた。放たれるのは低威力の散弾、などではなく一発一発が高い密度で圧縮された魔力弾の嵐。

 

広域に張られたそれは、キャスターの転移の魔術を封じると同時に確実にキャスターのヘイトをイリヤへと集めることに成功した。

 

「なんてバカ魔力よ……」

 

「凄まじいですわね。ついこの前まで魔術の魔の字も知らなかったとは思えない魔力コントロールですわ……」

 

イリヤの天性のセンスに呆れ返る凛とルヴィア。美遊も眼前で起こった出来事に驚きを隠せずに目を見開いた。しかし、それも束の間。予想外のことではあったが、それでも冷静にチャンスを逃すまいと行動を次に移す。

 

「ランサー……限定召喚」

 

クラスカードより、英霊の切り札たる宝具のみを限定的に召喚する。それは紅の槍。心臓を喰らうモノ。因果逆転を生じる権能に等しき呪いを内包した魔槍。

 

「刺し穿つ……」

 

強化された身体能力で足場を蹴ってキャスターの背後へと一瞬で迫る。キャスターが此方に気づくも、宝具を発動させた今となっては既に後の祭である。何故なら、これは心臓を貫いたという結果を作ってから槍を放っているのだから。

 

「死棘の槍ッ!!」

 

美遊の放った槍は寸分の狂いもなく、キャスターの心臓を穿ち貫いた。

 

手元へと降ってきたキャスターのクラスカードを見つめていた美遊にイリヤが近づきながら声をかける。

 

「やったね!ミユさん!」

 

「イリヤスフィール……さっきのは」

 

「勝利の余韻に浸ってる暇はないわよ二人とも!さっさとアイツの加勢に行く!」

 

美遊が何かを言いかけるが、凛の言葉によって遮られる。

 

「そ、そうだった!あの人を助けに行かなきゃ!」

 

「あの人なら心配ないと思う、けど…………」

 

目に見えて慌てるイリヤと、言葉とは裏腹に魔力が揺れている方向を気にする美遊。そして同じように凛とルヴィアも険しい顔で二色の光が柱のように天へと昇る様を見ていた。

 

 

 

∇∇∇

 

 

 

圧倒的質量で迫る黒い光の大河を前にして、【イリヤ】は自らの内の恐怖感情を自覚しながら、それでも冷静さを欠かない。

 

転移魔術を行使すればセイバーの一撃を避けることぐらい容易である。だが、それではダメなのだと【イリヤ】は逃げの一手を選択肢から除外する。

 

ここで逃げたら義姉としての威厳が廃るというもの。義妹のすべてを受け止めてこその義姉であろう。常ならば不可能であるが、今の自分にはそれを為すだけの力がある。

 

「マスター権限により、凍結していた一部機能を解凍。使用許可を申請」

 

『了解しました~!申請を受理、限定的な第二魔法の行使を許可しますー!』

 

限定的な第二魔法の行使とは。

 

宝石剣ゼルレッチというものがある。刀身が宝石で作られた棍棒のような見た目の剣で、その名前からわかるように魔導元帥ゼルレッチが生み出し、自身の名をつけた、限定的ながらも第二魔法を行使することが可能な魔術礼装。

 

その能力は使用した空間に平行世界へと繋がる小さな穴を穿ち、大気中のマナを採取。無限にある平行世界からマナ供給を得る事で光の斬撃を無限に放つというもの。その威力はサーヴァントの宝具六発分を裕に越えて未知数である。

つまり、限定的な第二魔法の行使とはこれと同様の力を引き出せることと同義である。

 

これまで魔力供給という形で己の内世界にしか影響を与えなかった平行世界からの魔力の流用を、外世界へと影響を与えるようにシフトする。オドではなくマナへの干渉。それはひどく繊細で緻密なコントロールセンスを要する技である。

 

しかし、【イリヤ】の場合は足りない経験や技量の分は【ルビー】による補助と小聖杯の能力で補って余りある。故に、理論を無視して感覚のみで扱えるのだ。

 

「イっ……けェッ!!」

 

【イリヤ】が【ルビー】を振るった。魔力斬撃とは比べ物にならないほど膨大な魔力による七色の光の斬撃が黒き光と衝突し、拮抗する。黒と虹の光が天へと昇る。

 

「ハァ……ハァ…………ッ」

 

一発放っただけで【イリヤ】は息も切れ切れである。やはりというか体力と精神力の消耗が激しい。全力で放たずとも聖剣の一撃と相殺するだけの威力は凄まじいの一言であるが、逆に言えば全力で放っていないというのに満身創痍の如く体力を消費してしまうのだから、仮に全力で放てたとしても倒れてしまうのが目に見えている。

 

これはとんだ諸刃の剣だと【イリヤ】は思う。無限に放てるとは言っても、それは体力が続く限りの話なのだろう。元よりメリット相応のデメリットは覚悟の上であったし、寧ろデメリットとしてはまだ軽く済んでいる方である。

 

『【イリヤ】さん!どうやら相手さんは休ませてくれる気はないようですよ~?』

 

「えぇ……ッ…………そう、みたいねッ」

 

大技を放った直後とは思えないほど軽やかな動きでセイバーは【イリヤ】へと肉薄する。振るわれた聖剣が棒立ちの【イリヤ】を襲う。しかし、聖剣は【イリヤ】が展開した守護障壁に容易く弾かれた。それを見て、【イリヤ】は息を切らしながら余裕綽々の笑みを浮かべてフフッと声を漏らした。

 

「流石に、この障壁はッ…………抜けないでしょう?」

 

現在、【イリヤ】が展開している守護障壁は従来の物理保護障壁とは最早別物の域にある。それは物理指向制御平面術式を組み込み、障壁に物理的に触れた物の有向量を逸らすことができる障壁。キャスター戦で目にした魔力指向制御平面の術式の応用技術。

 

本当に咄嗟の咄嗟に思いついたものだが、これならセイバーとの接近戦だって行えてしまいそうだ。

 

「ハァ……大分落ち着いたわ」

 

宝具に続いて聖剣を防がれて警戒しているのか、此方の出方を伺うように佇むセイバーを息を整え終えた【イリヤ】は見据える。

 

「じゃあ【ルビー】、もう一発いくわよ」

 

『連続使用はあまりオススメしません~?おそらく次は全開で撃たなくても倒れちゃいますよー!』

 

「でも、それ以外に有効なダメージを与える手立てがない。魔力弾で少しずつケズったところでジリ貧よ。いくら障壁が強固な守りでも、持久戦ともなれば不利になるのはサーヴァントと違って生身の人間でしかないコッチなんだから……」

 

【ルビー】を構えた【イリヤ】の次の行動を阻害せんとセイバーが動いた。弾かれることを承知で障壁へと聖剣を叩きつける。

 

一瞬にして障壁にかなりの魔力を持っていかれる感覚に【イリヤ】は顔を歪めた。しかし、衝突による衝撃すらも逸らす堅牢な守りは【イリヤ】の体勢すらも崩すことは敵わず、逆に【イリヤ】にとっては絶好のチャンスとなる。

 

「ハァアアアッ!!」

 

【イリヤ】はそのまま何も迷うことなく【ルビー】を振り抜く。行使される第二魔法の力の一端。七色の光の斬撃が至近距離で放たれた。

 

消し飛んでいくセイバーの姿を認めながら、体から力が抜けていく。【イリヤ】は遠のく意識を必死に手繰り寄せようとするが。

 

「あっ、ヤバ…………」

 

 

 

∇∇∇

 

 

 

キャスターを倒し、加勢へと飛んだイリヤと美遊が到着した先で見たものは、七色の光の斬撃で消し飛ばされるセイバーと、倒れ行く黒紫の衣装に身を包んだ銀髪紅眼の少女の姿。

 

「あれ?へ……?」

 

『これは~……』

 

『一体どういうことなのでしょう?』

 

目の前の光景に困惑するイリヤ。ルビーとサファイアも例外ではない。無論。

 

「イリヤスフィールが、二人……?」

 

それは美遊もである。

 

固まってしまった二人と二機の前で、宙を舞っていたセイバーのクラスカードが地面へと落ちた。

 

 

 

∇∇∇解説∇∇∇

 

 

 

*宝石剣ゼルレッチ

 

HFルートで無限の魔力を得た間桐桜とセイバーオルタに対抗する為に凜が士郎に投影させて作り上げた。その威力は凄まじく、セイバーのエクスカリバーには及ばないもののかなり出力を誇る。wikiではエクスカリバーにかけて小カリバーと称されていた。

作中では凜対桜の姉妹対決に使用され、桜が使役していた、一体一体がサーヴァントの宝具にも匹敵する影の巨人に対抗する為に使用し、それを六体程纏めて葬るというチート性能を見せつけた。

作中では使用するごとに腕の筋繊維が一本一本切断されていくというデメリットがあったが、 コレは凛が使用した宝石剣が士郎が作り上げた不完全な投影品であるが故の欠陥なのか、それともオリジナルにもこの弱点があるか、はたまた凜の細腕が原因なのかどうかは不明らしい。

今回、登場したのは【ルビー】の機能のひとつであり、正確にはまったく同じものというわけではないが術式そのものに大きな違いはない。デメリットは体力やら精神力やらをゴリゴリ削られること。投影品の宝石剣の威力がサーヴァントの宝具六発分なので、本物であった場合の威力は未知数だろうということで、とりあえずセイバーのエクスカリバーと相殺させることした。

 

 

*物理指向制御平面術式

 

キャスターが使用した魔力指向制御平面の術式を対物理へと応用させたもの。障壁に物理的に触れた物の有向量の指向を制御して逸らすことができる。有向量とは簡単に言えばベクトルのこと。これを反映した物理保護障壁は隔絶した防御力を誇るものの、魔力消費が激しく常時展開は不可能。

 

 

*漂うパワーインフレ臭

 

今回だけで【イリヤ】さんTUEEEEE!!!!が急加速した気がするが、ドライとか見てるとこれでもまだまだ弱い気がする。強くしなきゃ(使命感!

 

 

*イリヤさんの覚醒イベが……

 

クロエが生まれるために必要なセイバー戦での覚醒イベントはとりあえずバーサーカー戦へと引き延ばしに。

 

 

*倒れた【イリヤ】さん

 

身バレフラグ回収完了。次回からまともにプリヤ勢と絡めると思う。

 

 

 




アルトリア「ふっ、見た目通り甘い男だなペンドラゴン。お前が伸びている間に美味しそうなランチはいただいたぞ」
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