そう、この小説の更新が……!
本当に申し訳ありません。
書き方忘れているので、かなりおかしなものになっているかもしれませんが、良ければどうぞご覧下さい。
「『人生を変えてくれた人』……?」
「そうだぞ。それが今年のあのテレビのテーマだ」
サラリと言い放つリボーンは優雅な動作でエスプレッソの注がれたカップを呷る。
それをぼんやりとした様子で見ていた綱吉は目線を彼方へ向けたまま、ポツリと言葉を零した。
「そっかぁ……あれからもう一年経つのか……」
「……てめぇ。何気に「メタ」な発言してんじゃねぇぞアホツナが……!」
低い呻き声と共に綱吉が蹲ったのはその直ぐ後のこと。それを平然と眺めながらカップに口をつけるリボーンの姿は一枚の絵のように美しかった。
「『人生を変えてくれた人』……すか?」
「へぇ。それを聞いて回ってくれって、小僧に頼まれたのか?」
あの後、自宅から追い出された綱吉が出会ったのは、いつもの二人……山本と獄寺だった。
「頼まれた……頼まれたって言うのかなぁ? あれ……」
追い出された時に頂いた言葉を思い出し、綱吉はついつい遠くを見つめてしまう。
頼むと言うにはかなり高圧的であった家庭教師の態度が、その一因かもしれない。
つい視線を遠くへ投げてしまった綱吉に何かを察したのか、二人は顔を見合わせて……しかし、どこか言いにくそうな様子で、綱吉に声をかけた。
「しかし十代目。申し訳ありませんが、自分達はその話に加わるわけにはいきません」
「だよなぁ……ごめんな。ツナ」
「へ?……何で?」
好意的な態度で協力してくれると思い込んでいた分、予想外な二人の反応に、自然と俺も率直な態度しか取れなかった。
「あ~、いや、何というかさ……」
元来、誤魔化すことが不得手な山本が言葉を濁した事で、それの理由に触れることもされたくないのだと察してしまう。
元々リボーンに無理強いされている内情もあって、自分自身も乗り気なわけでは無い。理由は分からないが彼の小さな思いつきの破片とも言えようこのような些事で、後ろめたさなど覚えてほしいわけではなかった。
そんな思考を巡らせた俺は、そうと気づかれないようににへらと気の抜けたような笑みを浮かべた。
「いや良いよ。どうせリボーンの単なる遊びだもん。それにまだまだ聞いてない人はいるしさ」
次のあてなど無いも同然……そもそも、彼ら以外の相手との交友関係など広く浅く……と言うよりも、ほぼ上っ面だけと言って良い。
必要に応じて応答するのみで有り、ともと呼べる人物など作らなかったからだ。リボーンが来るまでは。
(あの頃は俺……内心は幸せになっちゃいけない。楽しんじゃいけないって、思っていたところがあったからな……)
ふと、昔の自分を振り返り、視線は自然と彼方へ向かう。
無論己の罪を忘れたわけでは無い。
人によっては、あれは己のせいでは無いと言うが、事実として、それを成したのは己で有り、それは誰にも否定することは出来ないからだ。
だからこそ、それだけは己の罪として、己が成したこととして、己で受け止めなければならない事だった。
(……でも)
それでも、今はそれだけに囚われることは無いと、彼らが教えてくれた。
(……そういう意味なら)
「人生を変えてくれた人……なんて、一人にはしぼれないよね」
ポロリと、零れた本音に、集まった二人の視線でようやく、俺は自分が口に出していたことに気付いた。
「ご……ごめん! いきなり訳分かんないこと言って……!!」
あわあわと視線を右往左往させる俺に二人が噴き出したのはほぼ同時だった。
「いやぁ……! ツナって本当、そういうところすげぇよな!」
笑いながら顔を綻ばせる山本に、俺は間抜けな顔をしていただろう。
俺自身には彼が何に関心しているのか、全く分からなかったのだから。
「当たり前だ、野球バカっ! こう言える事が十代目の十代目たる所以なんだからな!!」
「はぁ?」
獄寺の要領が分からなすぎる言い分には、間違いなく疑問……以外に呆れが入っていただろう。
「俺には全然分からないよ……!!」
彼らが笑う理由も……それ以前に、リボーンが彼らに聞いて見ろと言った真意もだ。
それなのに、彼らの方がまるで得心したというように微笑むのだから、心の内は複雑である。
「つまりですね十代目。……一人の人間の「一生」を決定できる分岐点、そこに関わった人材は、一人にしぼれるものじゃないし、しぼる必要も無い。……そう言う事っすよね?」
「いや……聞いているのこっちなんだけど。しかも何で疑問系?」
補足した獄寺の言葉で、更に訳が分からなくなったのか、彼らの中心とも言える存在……沢田綱吉と名乗る少年は、気にくわないと言う様子を隠しもせずに、ふてくされている。
子どものような様子にどこか胸が軽くなるような感覚が、獄寺にはしていた。それは傍らにいる山本も同じであろう。
見た目は同じ年の様に見える三人だが、その実、綱吉の年齢はおそらく自分達二人よりも遙かに高い。
その上、内に秘めたる潜在的な力も、二人合わせても遠く及ばないのであろう事は、今までの関わりから分かっていた。
出会った経緯から、そして今まで関わった彼との様々な出来事から、二人にとって「人生を変えてくれた人」は、間違いなく彼だと断言できた。
(だけど……十代目にとっては、そうじゃねぇ)
彼の過ごした幼少期、時折思い出話のように語られる、たくさんの妖怪達。その殆どは、未だ獄寺達には面識は無いが、話を聞くだけで、彼にとっては大切な存在である事だけは分かった。
過去を妬んでも仕方がないと分かっていても、それでも、彼にとっての一番は未だに彼らの方だと思っていた。彼のこの言葉を聞くまでは。
「人生を変えてくれた人……なんて、一人にはしぼれないよね」
ストンと、落ちてきたそれに、思わず笑ってしまう。
しぼれないとそう言う程に、自分達の存在は大きいのだと、その内心を、明かされた気がした。
「……もしかして、これが小僧の狙いなんじゃねぇの?」
山本がひらめいたというように軽い口調で笑う。
「えっ? ……えっ!? どういうこと!!?」
二人で納得する姿に、未だ理解できていない綱吉が目を白黒させている。
最も、二人からすれば、二人自身の小さな矜持としては、少しばかりの恥ずかしさもあるので、あまり理解してほしいことでもないのだが。
「自覚していない言葉だからこそ、胸に響くってこともあるもんダゾ」
そう一人ほくそ笑むリボーンの姿を彼らが知ることはないだろう。
かなり私的な事ですが一つ。
興味の無い人はスルーして下さい。
現在放送中のある某アニメの次回予告に触発されました……(笑)
数百字だったものが数時間で一気に投稿可能字数へ到達したのです……!
はい。
まぁ、勢いって、大事ですよね?(苦笑)