遊戯王GX-転生 それは素晴らしい第二の人生ー    作:大禍時悪

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今回はかなり短いです。なぜかって? そりゃあフフフ…………


十二話・邂逅、イリアステルの三皇帝

王真side

 

 まだ鶏すら目を覚まさないほど朝早く、とあるものを作る。そうしている内にいつのまか日が上っていた。急いでアカデミアの正門に行くと、一つの人影が見えた。

 

「さらば、デュエルアカデミア」

 

「やぁ、万丈目少年どこに行くんだい?」

 

「王真か、俺はトップでいなければならない、だがラーイエローに降格してしまった今、ここに残る理由はなにもない」

 

「どうしても、出ていくつもりかい?」

 

「くどい、何度も言わせるな。俺の決意は揺るぎはしない」

 

「そうかい、じゃあこれをあげるよ余裕があったら食べてくれ、俺が作った弁当だ」

 

「……もらっておく。余裕があったら頂く」

 

 万丈目を見送って教室で授業が始まるまで寝る俺だった。

 

 十代達が、万丈目少年が行方不明になったこと(出ていっただけだが)を知り探しに行こうと話し合っていた時に、携帯にメールの着信音が鳴る、開いてみると。

 

『これから二時間後、アカデミアの火山の火口付近にて待つ』

 

 とだけ書いてあった、正直こんなイベントは無かったはずだし十中八九罠だろう、しかしながら、行かなければならない使命感の様なものを感じていた。普通に教室から抜け出すと後ろから有がついてくる。

 

「王くんにも来たんですね? 謎のメールが……でも……」

 

「あぁ、もちろん原作には無い展開だ。ちゃんと身構えておけよ?」

 

「はい……」

 

 早めに火山の火口付近に移動する。アカデミアから火山まではやたらと距離がある、相手を待たせるのは流石に忍びないからな。

 

 火口付近に辿り着くと白装束の三人がいた、一人目の少年はこちらを見て口の両端を吊り上げニタニタと笑っている、二人目の青年はこちらを確認するや否や、イライラしたような顔で睨み付けてくる、三人目のご老人は他の二人とは違いほぼ無表情でこちらを見つめていた。三者三様だが共通点として、仮面のようなものをそれぞれ右目、左目、口につけていた。

 

「……あんたらだったのか……」

 

「ほう? 二時間後と設定したが……一時間も早くきたか……いい心がけだ……」

 

 口に仮面をつけた巨体のご老人がくぐくもっていて、しゃがれた声でそう言った。

 

「それはそうさ、相手が誰にせよ設定時間よりかは早く来なくちゃ、ねぇホセ」

 

 別段、俺がご老人の名前を呼んでも眉ひとつ動かさなかった、まぁ俺らの事はほぼ知ってるみたいだしね。

 

「ふ~ん、でもさ罠だとは思わなかったの? もしかしたらここで僕たちに殺されちゃうかもよ、ヒャハハハハ」

 

 左目に仮面をつけた少年、ルチアーノが笑いながらそう言ってくる、笑っていたのは最後だけではなく話してる最中もだ。

 

「そりゃ、こんな露骨なもの罠だって思うに決まってんじゃないですか、あえて来たんですよ。あえて」

 

「ふん、舐められたものだな。今すぐこの場で俺の剣の錆びにしてやってもいいんだぜ?」

 

 右目に仮面を付けた青年プラシドが帯刀している剣の柄を握るが、ホセに止められる。

 

「よせ、プラシド今のこやつらを有害だと断定するのはまだ早すぎる」

 

 うんアニメでも知ってたけど、ホセが一番の良識人だ、ホセが良識人じゃなかったら死んでたかもしれない。わりとマジで。今のこやつらは、って言ってたけど未来でなんかやらかしたのか? もちろんやらかす気満々だけど。

 

「そうだな、破滅の未来に向かわなければいいのかい?」

 

「僕たちでもできなかったことが、お前なんかにできるわけがないだろ!」

 

 ルチアーノが半笑いの声が金切り声へとかわり、ホセが目を細めプラシドが剣を持つ手に更に力を込めたように見えた。

 

「シンクロ召喚があるから、破滅の未来に進むことになるんでしょう? だったらシンクロ召喚を発展させなければいいじゃないですか」

 

 俺は有が話終わった後、デッキケースから真っ黒なカード……エクシーズモンスターを取り出す。

 

「なんだ……そのカードは!」

 

「エクシーズモンスター……アンタらの来た世界とは、全く別の進化を遂げたモンスターだ。未来に俺がいるならば、知らない訳ではあるまいて」

 

「なるほど……シンクロ召喚による遊星粒子の加速が、モーメントの爆発なエネルギーを生み出す……即ち、シンクロ召喚が開発されなければ遊星粒子も発見できず、モーメント自体も消滅する……」

 

「Exactly、まぁ俺の勝手な憶測だから、信じられるとは限られないけどね」

 

 持っててよかったエクシーズモンスター、はったりはこれでいいだろう。未来を変える気なんてさらさら無い。

 

「だが、貴様らが本当にそのエクシーズモンスターとやらを、シンクロモンスターの代わりとしてちゃんと普及させるのか?」

 

「知らん、そんなこと俺の管轄外だ。世界の未来は世界が決める、俺が世界の未来を決めるなんて興味ないよ」

 

「なんだよそれ、それこそ他力本願ってやつじゃないのかよ」

 

「なんとでも言え、俺は俺だ。興味の無いことには一切口を出さない主義なんでな」

 

「よかろう、未来が変わらなければまた修正するだけだ」

 

 ホセはもういいだろう、と言わんばかりに目配せをする、プラシドが剣を抜き空間を切り次元の狭間を作る。

 

「いいか、俺たちの邪魔をしたら、すぐに貴様をこの歴史から抹消してくれる」

 

 うん、その言い方はかませ犬っぽいよプラシド君。イリアステルの三人が消えるとどっと疲れが出てきて、フッと息を吐く。

 

 さて、今頃十代たちはSALとご対面したところだろうか、あまり気にはならんが、取り合えず見に行ってみるとしようか。

 

「しっかしこっから眺めて見ると、どんだけ広いんだっつのこの島は、PDAに地図機能がなかったらとっくの昔に遭難してるぞ」

 

「まあまあ、PDAの地図機能に感謝をこめて、十代君達のところに行かないと、あのおさるのデュエルが終わってしまいますよ」

 

むしろ俺としてはもう終わって帰るところで遭遇したいんだけどな、あんなガチムチの黒服を相手になんかしたくないぞ。

 

………………

…………

……

 

「クレイマンでダイレクトアタック! さらに捨て身の突進の効果により、クレイマンの守備力分のダメージを受けてもらうぜ」

 

SAL ライフ1900→1100

 

【捨て身の突進・アニメオリジナル】

通常魔法

自分のライフを1000ポイント払って発動する。

自分フィールド上に表側攻撃表示で存在する攻撃力1000以下のモンスターを1体選択する。

選択したモンスターが戦闘で相手プレイヤーにダメージを与えた場合、そのモンスターの守備力の数値分のダメージを相手に与える。

 

SAL ライフ1100→-900

 

 ちょうどよくデュエルが終わったところで、負けたであろうロボットのようなおかしなヘルメットをつけたお猿が残念そう(表情は見えないが)に、こうべを垂れそして人質? になっているらしいジュンコをお姫様だっこで、安全な場所に下ろしたところで顔を出す。

 

「よう、十代こんなとこでなんでデュエルなんかしてるんだ? ついでにあのメカチックなお猿はなんだ?」

 

「王真か、なんかどこかの研究所から逃げ出したんだって、そんでジュンコがさらわれて、デュエルで勝ったら返してくれるってことでデュエルしてたのさ。それよりお前こそどこ行ってたんだ? せっかく一緒に万丈目を探そうと思ってたのに」

 

「万丈目? 彼なら――――」

 

「よくやったあとは、我々に任せろ!」

 

 タイミング悪くライフルの様な銃を持った黒服たちが、ロボットチックなお猿に銃口を向ける。……黒服たちを相手にせにゃならんのか、でも確かもうすぐ大徳寺教諭が来てくれる気がするし頑張っておちょくって、とどめておこう。

 

しかしおちょくる暇もなく大徳寺先生とファラオ(猫)が来て助けてくれた、お猿も無事仲間のところに帰れたようだ。

 

「んで? さっき万丈目を探すとか言ってたけど、彼なら朝日が出たくらいの早朝にこの島を出て行ったよ。彼なりのけじめなんじゃないかな? なんのけじめかは知らんけど」

 

「そっか……でも大丈夫あいつはきっと戻ってくるって」

 

「そうですよ、彼は結構根に持つタイプみたいですし」

 

 そんな有の冗談を締めとしてこのイベントは終了した。

 

 

 

 

 

 お猿イベントが終わってからおよそ一月、アカデミア内では来来るべき長期休暇。通称冬休みに思いをはせている生徒ばかりである、そんな中王真の部屋にも通用する。いつも通り、十代、翔、隼人、有、雪乃、ゆま、委員長が冬休みの予定について話している……しかし恐ろしい人口密度だ、この人数が普通には入れるのも、ひとえに二人部屋を独占しているせいだろう。話を聞いていると、どうやら俺以外のオシリスレッドはみな休みを寮で過ごし、ブルー女子組は委員長と有以外帰省のようだ。

 

「王真はどうするんだ? 冬休み」

 

「俺か? 俺は帰省組だな。兄さんらが心配だ」

 

 おもに兄さんの胃腸付近が……。

 

「なんだ、王真はいなくなるのかよ。せっかくリベンジしようと思ったのに」

 

 口をとがらせてぼやく十代に俺は苦笑で返す。

 

「そうぼやくな、帰るといっても正月明けには帰ってくるんだ。およそ2週間くらい我慢しろよ」

 

「そうですよ、私も一日だって離れたくない王君から、一日千秋の思いの末に送り出すんですから」

 

「なぁ王真、一日千秋ってなんだ?」

 

「1日が非常に長く感じられることまたは、待ちこがれる気持ちが著しく強いことだ。詰まるところ、姿を見られない日が一日でもあってほしくないってことだな」

 

「それほどに私の王君への愛が強いってことです!!」

 

「やかまうっとおしい、まったく一日千秋の思いなら一度くらい私も一緒に行きますと言ってこないのか?」

 

 うんざりしながら俺は有に聞く。すると有は指先を弄りながら頬を赤らめて。

 

「言いませんよ。まだ早いじゃあないですか、ご両親に御挨拶だなんて」

 

 殴りたい全力でこいつの頭を殴りたい、そして後ろ二人(主に雪乃とゆま)の視線が恐ろしいんだが。俺この二人にフラグ建設したか? いや無い! 断じてそんなことはしていないそもそも現地の人達に転生者バレなんかしたくない、……とか思ったけど、もう師匠にバレてるじゃん。だけども自分から話すなんてしないぜ、めんどくさいしいろいろと。

 

「おまえは何阿呆なことを言ってるんだ、まったく何故にお前を紹介せにゃならんのだ。冬の長期休み中遊びに来たでいいじゃあないか」

 

「それなら!!」

 

「わたしたちも!!」

 

 ここぞとばかりに雪乃とゆまが言う、おいお前ら帰省はどうしたよ。

 

「お断りだ、あくまでたとえだ。来なくていい来るなめんどくさい、世話する人間が3人から、更に増えるとか勘弁してください死んでしまいます」

 

 姉3人プラス1~4とかマジで死ねる、仕事でいなければ、ある程度楽だけど。そういや半年近くになるな、家にいないの。大丈夫かな、ゴミやしきになってなきゃいいけど。

 

 こうして今日という平和な一日が過ぎていく。

 




というわけで今回はデュエル無しの回でした。新しいデッキを作ろうにも、調整に付き合ってくれていた友人は遊戯王をやめてしまったし、アイデアがわかないから作る気も起らずです。

そんなら大会に出ろとかADS入れればいいとか思いますけど、大会でてもガチしかいないし、ADSはパソコンに疎いからまったくわかんないしといったところです。
次回更新は未定。ネタとノリとアイデアが交差したとき物語が始まります。

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