遊戯王GX-転生 それは素晴らしい第二の人生ー 作:大禍時悪
おはようございます、黄衣王真です。今目覚めましたと言っても意識的な意味ですけどね、転生らしいと言えばそうですね。生まれるところから始まりました。
しかし生まれたのは俺ではなく、俺の性格から趣向までまるまる模倣した俺らしい。ただし転生の事は一切知らないみたいだが……つまり自分の行動を別の人として見てる感覚だね。
そして時は経ち神様の宣言通り、デュエルアカデミア入学試験一週間前に本体と意識が合体した様です。携帯を確認すると、家族のアドレスとさりげなく神様の連絡先も登録されていた。すかさず神様にコールする。
「おはよう神様。一生味わえないとてつもなく気持ち悪い体験をありがとうクソッタレ」
そして返事も待たずに通話を切る。この日に神様からの贈り物が届いていた。デッキを取り中を確認した後、デュエルディスクを装着。エクシーズモンスターとシンクロモンスターが反応するかを確認する、勿論揃える所から、見事成功しかも原作アニメと同じエフェクトまでついてスッゴい派手、ゾクゾクしたね。ただあまり広くない自分の部屋でエクシーズ召喚したため家がかなり揺れた。興奮してたからそんなことにも気付かなかったが、家族が俺の部屋を扉の隙間から覗いていたのを。
「おはよう兄さん姉さん驚いた? ごめんねちょっとテンションが有頂天に……ね」
とりあえず兄姉を部屋の外に閉め出して、着替えてから台所に立ち食事の用意、用意していると兄が一人と姉が三人、いつの間にかテーブルついている。黄衣家の名前には皆、王の漢字がつきます、末っ子の王真こと俺、長男の王我兄さん、長女の王華姉さん、次女の王姫姉さん、三女の王世姉さん。みんな仲の良い兄たちですが、皆ブラコンですどうしてこうなったのだろうか。まぁそれを差し引いても良い兄たちですが。
「王真~トースト二枚ねチーズのっけて」
「王真さん、ご飯とお味噌汁を」
「王真ちゃん、シリアルと牛乳はまだなの」
「王世姉さんオーブンの中にあるから王姫姉さん、よそってあるから持っていって王華姉さんもね王我兄さ……」
「大丈夫だ、王真私は自分で用意した。しかしな王真……朝からチャーハンはないんじゃないか」
「いいじゃないか。昨日のが余ってて勿体ないんだから」
そう姉さん達の食事を用意しつつチャーハンを作っていた、なんで姉さん達は俺に頼りきりなんだろうか? デュエルアカデミアへの入学が確定したら、姉さんはどうするんだろうか。
「ところで王真、入試の方は大丈夫なのか? 確か受験番号は111番じゃなかったか? 私たちの弟だから、なんの問題も無いとは思うがな」
「兄さんその話は止めてくれ。考えてる途中で寝ちゃったんだよ、それに買い被りすぎだよ、何とかなるとは思ってるけどね」
そんな他愛もない話をしながら一週間は過ぎてゆく、と言っても兄さんや姉さんに試験用のデッキのテストをしてもらってたんだけどね。
そして試験当日。
「だぁぁぁざっけんなコンチクショウ」
そう叫びながらローラーブレードで、自転車も絶句するほどのスピードで疾駆する。そうしないと非常にまずいし、怒りのやりどころも無い。
「ちくしょう! なんで事故んだよ仕方ないけどさ! 事故起こした奴犬に噛まれろホントに!」
電車の事故、今思えばたしか主人公の十代も、事故で遅れたはずだ。それを覚えていないのは自分の落ち度だから仕方がない。10分程走ると受け付けが見える、階段を飛び越え叫ぶ。
「「まったぁぁぁ」」
誰かと声が被る、だが王真は知っているので気にしない。
「受験番号110遊城十代セーフだよね?」
「受験番号111黄衣王真まだ間に合いますよね!」
ほぼ同時に言い放ち十代がこちらを向く、それが俺と十代のファーストコンタクトだった。
「お前も遅れたのか、俺は遊城十代よろしくな」
「あぁ、電車が遅れてな。全速力でこっちに来たのさ、俺は黄衣王真よろしくな十代。とりあえずさっさと行こう、これ以上遅れるとまずい気がするからな」
………………
…………
……
「おぉやってるやってる」
「試験中だからな……見たところ一桁台の連中だな」
見下げると珍しい白ラン姿の三沢が、ブラッドヴォルスに破壊輪を発動し、勝利を収めた瞬間だった。
「あの一番、見事なコンボだったな」
十代が独り言の様に呟く、王真が反論しようとしたら十代の隣の水色の少年が言った。
「そりゃそうさ。受験番号一番つまり、筆記試験第一位の三沢君だよ」
「むぅ……あれだけでコンボと言うのか、ただトラップを使っただけじゃないか」
「複数のカードを組み合わせて使用するのがコンボじゃないか」
「そういう解釈にしておくよ十代」
「君たちも受験生? 受験番号は?」
「あぁ俺は110番、こっちは111番だ」
「でも百番台のデュエルは一組目で、とっくに終わってるよ」
「おいおいマジかよ水色少年、受け付けでもセーフだったんだぜ? 理由も理由だ受けれるだろう」
『受験番号110番遊城十代君』
よし大丈夫だった、こんなとこで早々入学できませんでしたーなんてことになったら、笑い話にもなりゃしねぇ。
「よし俺の番だ」
意気揚々と階段を降りて行く十代、そんな背中に何となくで声をかける。
「十代、頑張れよ」
「おう任せとけ」
「全く、俺はおまえに何を任せたんだっつの」
「ねぇ君さっきの人と知り合い?」
「いや今さっき出会ったばかりだ、水色少年」
「さっきから水色水色って僕の名前は丸藤翔だよ」
「おっとすまない、名前がわからんから身体的特徴を言うしかなかったんだ、重ねてすまんな翔」
「いや、そんなには怒ってないからいいよ。それより君はいいの?」
「いい? 何がだ? デュエルなら十代の次にできるだろうさ。恐らくはクロノス教諭のアンティークギアデッキだろうさ」
会場を見ると、邪心トークンをリリースして古代の機械巨人(アンティークギア・ゴーレム)をアドバンス召喚している所だった。
ふむ流石はソリッドヴィジョンだ、古代の機械巨人のプレッシャーが半端じゃねえな。泣く子が余計に泣きそうだな……お、フェザーマン殴り飛ばしたな。
「ヤバイな、貫通のせいでライフが半分持ってかれたな。次に教諭がモンスター引いたら終わるな」
「そんな掟破りモンスターじゃないか!」
「掟破りなぁ……まぁ、ああいうやつがこんなところで終わる訳が無いだろうさ」
そう王真が言うと、翔がこれでもかと言わんばかりに反論してくる。
「攻撃力3000に魔法、トラップも使えない。それに貫通持ちだよ、無理に決まってる攻撃力3000を越えるモンスターなんて、そう簡単に出せるもんか! 勝てるわけないよ」
「……そう声を荒立てんな、確かに魔法、トラップは使えんがモンスター効果までは防げない、何らかのモンスター効果で潰せばいい。それにまだアイツは諦めた訳じゃないさ、見てりゃわかる。何とかするさ」
十代がスカイスクレイパーを発動し、フィールドが大量のビルが出現そのうちひとつのビルの上に立つフレイムウィングマンが、炎を纏って古代の機械巨人に突っ込み見事に勝利、崩れ落ちる巨人の残骸に潰される教諭。
「ホントに何とかしちゃった」
「だろ? だから言ったじゃないか、何とかするってさ」
「よぅお疲れさん、良いドローを見せてもらったよ」
「王真見ててくれたか俺のデュエルをさ」
『受験番号111番黄衣王真君』
「あぁしっかりとな……さて俺の出番だな。そうそう面白い物を見せてやるから、しっかり見てろよ」
と言う王真が会場に向かいながら後ろに手を振る。ディスクについているデッキを取り確認すると、とある事に気がついた。
やべぇデッキ間違えた……エクシーズデッキを使う予定だったのに、あろうことか試作デッキ持って来ちまった。前世ではある程度戦えるレベルまではいけているが、まだまだ勝率が心許ない。だがライフ4000だ8000じゃない、いけるはずだ。
「二人目のドロップアウトボーイなのーネ。今度こそ叩き潰して差し上げる~ノデス」
「叩き潰せるならどうぞ、ただし俺はなかなかやるぜ?」
「減らず口を叩けるの~も今の内です~ノ」
それを聞き王真はニヤリと笑い、ディスクにデッキをセットそして展開。教諭はそのままデッキをシャッフルしている、アンティークギアのままで来るらしい
「さぁデュエルだ」
「私のターンドローニョ手札からテラ・フォーミングを発動。その効果により、歯車街を手札に加えそのまま発動するの~ネ」
まずい歯車街が入ってやがるのか、昔のカードだから完全になめてた。それにリアル的にも歯車街はアニメが終わってから出たはずだ。
テラ・フォーミング 通常魔法
自分のデッキからフィールド魔法カード1枚を手札に加える。
歯車街 フィールド魔法。
「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターを召喚する場合に必要なリリースを1体少なくする事ができる。
このカードが破壊され墓地に送られた時、自分の手札・デッキ・墓地から「アンティーク・ギア」と名のついたモンスターを1体特殊召喚する事ができる。
「更に古代の機械獣を攻撃表示で召喚なの~ネ」
古代の機械獣 効果モンスター
攻2000/守2000
このカードは特殊召喚出来ない。
このカードが戦闘によって破壊した相手効果モンスターの効果は無効化される。このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
「まだまだ終わらないの~ネフィールド魔法セット。セットしたことにより、歯車街を破壊され効果発動。手札から古代の機械巨竜を特殊召喚するの~ネ」
古代の機械巨竜 効果モンスター
攻3000/守2000
このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。他の効果は使えないので割愛。
「セットされてい~ル歯車街を発動してターンエンドです~ノ」
クロノス ライフ4000
フィールド歯車街
モンスター2機械獣、機械巨竜
魔法・罠、無し
「よし俺のターンドロー」
「俺はレッドガジェットを攻撃表示で召喚する」
レッドガジェット 効果モンスター。
星4 攻1300/守1500
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから「イエローガジェット」を手札に加えることができる。
「更に融合を発動、手札のイエローガジェットとヴォルカニック・バレットを融合し、重爆撃禽ボム・フェネクスを融合召喚」
「ボム・フェネクス? 聞いたことのないモンスターなの~ネ。しか~し攻撃力2800では我が古代の機械巨竜には、叶わないの~ネ」
融合 通常魔法
手札・自分フィールド上から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する。
「そうなんだ……まぁすぐにわかりますよっと、さぁ派手にいこうぜ重爆撃禽ボム・フェネクスの効果発動、1ターンに一度このカードの攻撃権を放棄して、フィールド上のカード一枚につき300ポイントのダメージを与える。教諭の場にはモンスターが2体と歯車街、俺の場にはモンスターが2体よって1500ポイントのダメージを与える!」
重爆撃禽 ボム・フェネクス 融合・効果モンスター
星8 攻2800/守2300
機械族モンスター+炎族モンスター
自分のメインフェイズ時、フィールド上に存在するカード1枚につき
300ポイントダメージを相手ライフに与える事ができる。この効果を発動するターンこのカードは攻撃する事ができない。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。
「マンマミ~ヤ!!」
クロノス ライフ4000→2500
「更に手札から融合回収を発動、墓地の融合とイエローガジェットを手札に加える」
融合回収 通常魔法
自分の墓地に存在する「融合」魔法カード1枚と、融合に使用した融合素材モンスター1体を手札に加える。
「準備は整ったさぁもういっちょ派手にいこうぜ。手札からもう一度融合を発動。手札のイエローガジェットとフィールドのボム・フェネクスを融合」
そうすると会場がざわざわし始める、『せっかく出した融合モンスターを!』『ここまで来てプレイングミスかよ』『何が出てくるんだワクワクするぜ』『どういうことなんだ!』
「こういう事だ。現れよ融合召喚全てを燃やせ起爆獣ヴァルカノン!!」
「攻撃力2300……先ほどのモンスターの方が、攻撃力は上。そんなモンスターでどうするつもりなの~ネ?」
若干王真はイラッとした、効果を知らないのは仕方がない。ただ全ての価値を攻撃力で判断するのに苛立ちを覚えた。
「攻撃力ばかりが全てじゃねえさ、効果も考慮して有用性を見つけ出す、それが楽しいんじゃねぇかよ。ヴァルカノンの効果発動、融合召喚に成功した時、こいつと相手モンスターを破壊その攻撃力分のダメージを与える!」
起爆獣ヴァルカノン 融合・効果モンスター
星6攻2300/守1600
機械族モンスター+炎族モンスター
このカードが融合召喚に成功した時、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。
選択した相手モンスターとこのカードを破壊して墓地へ送る。その後、墓地へ送られた相手モンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「さぁ崩れろ機械巨竜! ヴァルカノンと共に。クライシス・ブラスト」
ヴァルカノンが機械巨竜に突撃して機械巨竜にしがみつく。機械巨竜が必死に振りほどこうとするが、ヴァルカノンは離れない。そしてヴァルカノンが大爆発、機械巨竜が爆発と共に崩れ落ちクロノス教諭を押し潰す。
クロノス ライフ2500→-500
「イエス!」
王真は拳をつきだし真上に掲げ叫ぶ。
「あり得ないの~ネドロップアウトボーイに、二回も敗北するなんーテ。これはきっと何かの間違いなの~か夢なの~ネ」
「あり得ないなんてことはない。どんな事にも可能性があるその可能性を引き当てただけだぜ!」
「すまんな十代、面白い物を見せられなくて。デッキを間違えたんだ」
ゆっくり歩いて十代と翔のもとに行く。近くには座った白ラン姿の三沢もいた。
「いや随分面白いデュエルだったよ、融合モンスターを使い更なる融合モンスターを繰り出す戦術……」
「横から話しかけんな白ラン、まぁ普段はあんな事はしないさ、あの状況ならあれが最善の策だったからな」
「いや、二番の言う通り面白いデュエルだったぜ。この後、俺とデュエルしようぜ王真!」
「さっき言っただろう? 持ってくるデッキを間違えたんだって。持ってくる予定のデッキなら、いくらでも相手をしてやりたいがな……それと十代、二番ってのはどういうことだ? 三沢は筆記の成績上一番のはずだが?」
「もちろん実技の一番は俺ってことさ!」
「そんなこったろうと思ったよ、なぁ翔」
「僕にふらないでよ。でもあの自信羨ましいな」
「ハッハッハ見るからに自信無さそうだからな、お前さんは。自信なんぞ気にすんなさ、俺だって試作デッキで自信なんか皆無のヒヤヒヤもんだったぞ」
「「「あれで試作デッキ!(なの)」」」
「あ? あぁまだ火力が若干足りないし回りも悪い、中枢のカードが来なければ、それこそ負け一直線だライフ4000なんぞ塵に等しいからな」
「ライフ4000が塵だって? 一体どんなデュエルをしてきたんだ?」
三沢がかなり驚いた表情でこちらを見る。そんなにおかしいか、確かにこちらではライフ4000が普通だが……
「ふむ……普通にライフが一瞬で持ってかれる事なんてザラにある。それとさっきの状態からフェネクスをもう一体追加しても、そのターンで空にされるしな。まぁそんなデッキばかりじゃないが……その手のデッキがかなり多い、そういうデッキの相手をさせれていたしな。」
「まさかそんなデュエルばかりとは……あれで試作でも頷ける」
「試作デッキだが、もう少し弄らないと完成しないさ。こいつとやりたいなら、またいずれな……十代、アカデミアでなら本来のデッキを使ってやる。じゃあなアカデミア会おう十代、翔」
「俺もいるぞ!」
そんな三沢のツッコミをスルーしつつ、後ろに向かって手を振る……家に戻ると、兄さん姉さん達が気の早い合格パーティーの準備をしている所を発見し、手で顔を覆い溜め息をついた。
続く……。