Fate/Grand Order 〜some like it hot〜 作:木野兎刃(元:万屋よっちゃん)
土下座、それは世界において極東にあるとされる日本という国に古来から伝わる伝説。
それは怒り狂う鬼を静め、許されざる場面において数々の勝利をもぎ取ってきた日本の…………否、人類の最終宝具である。
「だーかーら!!貴方は何でそうやって何時も何時も無茶ばかりするの!!」
「メッソーもござらん」
「ふざけてんじゃ無いわよ、カス侍!!」
「幼馴染が辛辣な件について」
絶賛説教中の誠だった。
顔を真っ赤にして怒るオルガマリー、ヘラヘラと土下座しながらボケをかます誠、2人を見てあたふたするマシュ、そしてそのカオス空間を眺めながら爆笑する青いローブを着た謎の男。
何故こんな状況となってしまったのか、何が悪くて何がいけないと言われたらそれはもう誠が悪い。
レイシフト直前に謎の爆発がカルデアを襲った、それによりカルデアはほぼ壊滅状態でマスターも47人が行動不可能な状態と成ってしまった。
その大爆発が起こる前、唐突にトイレに行きたいと言った誠はふらりと中央管制室を後にする。
すると真っ赤に染まったカルデアスと瓦礫に埋もれ血だらけとなっている可愛い後輩の姿、ルーンによる治癒は可能だが誠は悟ってしまった。これは助から無いと。
しかしそれでも気休め程度に治癒魔術をマシュにかけていると隔離されてしまった、そして気が付けば冬木市にレイシフトしていた。
経緯は謎だがとあるサーヴァントによりマシュはデミ・サーヴァントとして生き延びることが出来た。
途絶えそうな通信でロマンの指示のもと霊脈の元へ向かった、その道中に黒い霧に包まれたアサシンのクラスを冠するサーヴァントに襲撃される。
しかし加減があったとはいえ正面から最優のクラスでたるセイバーのサーヴァントと戦える誠にとって油断し正面から襲ってくるアサシンは敵ではなかった。
片腕を斬り落とし、計6カ所の骨を折りアサシンを見事撃退した。
アサシンの背後から隙を窺っていたキャスターのサーヴァント、クーフーリンと意気投合し勢いで契約を結ぶ。その後、オルガマリーと合流したのだがその際にマシュが口を滑らせてしまったのだ。
「しかし嬢ちゃんよ、召喚サークルだったか?早く作った方が良いんじゃねぇの?」
「そうね、分かりました。マシュ、召喚サークルを設立しなさい」
クーフーリンの助けにより危機を脱した誠。
『そうそう、だから饅頭は粒あんの方が良いんだよ〜。ん?どした…………………よし!!通信が繋がったね!!』
食べていた饅頭を慌てて箱にしまい何事もなかったかのようにするふわふわ(思考回路)系チキン男子ことロマ二・アーキマン。
「ちょっと、何で貴方なのよ!!レフは「ロマンンンンン!!粒あんは俺のだろぁぁぁぁぁぁぁあ!?何だ俺に喧嘩売ってんのか。よろしい、ならば戦争だ。お前がマシュ秘蔵の和菓子を黙って食った事を」黙れカス侍!!」
「タバスコ!?」
おやつに取っておいた饅頭を食べられ怒り心頭な誠だがオルガマリーの容赦無いハイキックが誠を襲う。
「それで何故貴方がそこにいるの!?レフはどこよ!?
あと、そっちに誠が召喚した英霊がいるでしょ。こっちに送りなさい」
『レフは何処にいったか分からない、それと誠君のサーヴァントだけど彼女はとても戦える状態じゃない。
戦える状態じゃない…………というより霊基そのものを保っているのがやっとな状態だよ』
その後のロマンの説明はこうだ。
元々病弱スキルがあった沖田だったがそれだけでは無く魔術的な毒素を身体から確認されていた。
何者かによる毒を受け生来の病弱スキルと相俟ってより強力なものとなってしまった。
その強力すぎる毒は今もなお霊基を破壊し続けている、それをダヴィンチちゃんが何か出来ないかと調査中であるとの事。
しかし、ここで肝心なのは毒に侵されているという事実だ。
サーヴァントですら毒に犯せるほどの毒………これが量産されているのならこれほど危険な事は無い。
「どうすんのよ!?サーヴァントが死にそうになる程の毒を人間の私達がどうにか出来るわけ無いじゃ無い!!」
「まぁ落ち着けって嬢ちゃん、そんなものが量産されてる訳無いだろ。
よく考えろ、対魔力のスキルが低いとはいえセイバーのサーヴァントですら死の淵に追いやる程の毒を大量に生成出来るなら施設なんぞ爆破せずとも纏めて殺せるだろ。
加えて誠のサーヴァントは病弱スキルってのがあんだろ?少なくともその毒とやらの解析が終わるまで焦る必要はねぇよ」
釈然としなかったがクーフーリンの話を聞いて幾分か落ち着いたオルガマリー。
解決しなくてはいけない問題は山積みだがそれ以上にこの特異点の調査を進めなければいけない。
沖田に関してはダヴィンチちゃんが何とかしてくれるだろうという希望を持ち刀を手に取る誠。
本来、サーヴァントと戦うには何かしらの神秘を帯びた武器でないと勝負にすらならない。しかし誠の刀は特殊な合金で鍛えたものである為沖田、アサシンとの戦闘でも活躍できた。
「マシュはまだ宝具が開帳できないんだよな?」
「はい、せめて真名さえ分かれば良かったのですが………………これじゃ先輩の足を引っ張るだけになってしまいます」
『やっぱりデミとはいえサーヴァントになったばかりだから宝具もつか「それはねぇな」は?』
ロマンの言葉を遮ってクーフーリンが呟く。
「英霊と宝具ってのはセットなんだ。嬢ちゃんがサーヴァントである以上宝具が使えないなんて事はあり得ない、あるとすれば嬢ちゃんの心がまだそれを使うに至って無いだけだ」
宝具………それは貴い幻想、ノヴルファンタズム。
人々の幻想を骨子に作られた武装で英霊達が築き上げた伝説の象徴たるもの。
マシュはそれが使えない事を悔やんでいた。先輩である誠は人の身でありながらサーヴァントに一矢を報い、キャスターではあるが光の御子と呼ばれるクーフーリンも戦力となっている。オルガマリーもロマンも自身の出来ることを最大限こなしている。
自分はサーヴァントでありながらその切り札が使えない状態、この中で足を引っ張っているのはマシュ・キリエライトに他ならないと自責の念に駆られている。
「本来なら嬢ちゃんに訓練をつけてやりてぇとこなんだがよ…………….邪魔しに来やがったようだ」
クーフーリンの差した方を向くとアサシンのサーヴァントがいた。
その横には薙刀を持ったサーヴァント………ランサーがいる。
黒い霧に包まれ表情は読めないが憎悪と憤怒が見て取れる。
誠は抜刀し、クーフーリンは杖を構える。
しかし、マシュは先程のクーフーリンの発言により戸惑っていた。
「ランサーは俺が抑える、キャスターとマシュはアサシンを頼む!!」
「無茶すんじゃねぇぞ、ボウズ!!」
そう言ってランサーへと突っ込む誠、そんな誠が今のマシュには眩しく見えた。
だからこそ憧れる、マシュにとって永倉誠という人間は優しいヒーローそのものだ。
今の自分には戦う力がある、守る武器だってある。憧れのヒーローに近づけたのだ。
なら戦うしかない、憧れの先輩に追いつく為にと戦う意思をその目に宿す。
その様子を見てクーフーリンは静かに笑った。
「デミ・サーヴァント、マシュ・キリエライト突貫します!!やぁぁぁぁぁあ!!」
(何時の時代も戦士の成長ってのは良いもんだな…………なぁスカサハ)
1人の少女が戦士になる瞬間を目の当たりにし勝利を確信したクーフーリンだった。
「おらぁ!!」
「ふん!!」
マシュ達とは打って変わって激しい剣戟を繰り広げる誠とランサー。
永倉家式の強化魔術で何とか対応しているが明らかに押されていた。
「はははは!!どうした、どうした!?最初威勢はどうした!?その程度では拙僧は倒せんぞ!!」
技量だけならば誠も負けてはいない。しかし、サーヴァントと生身の人間では能力に差があり過ぎた。
「拙僧とこれだけ撃ち合えている貴公の刀……気に入ったぞ!!貴公を倒したらその刀を頂くとしよう」
「そうか、欲しけりゃくれてやるよ」
一旦距離をとる誠、その際チラリとマシュたちの方を見たら見事アサシンを撃退していた。
アサシンが撃退された事でクーフーリンとマシュがこちらに加勢出来るようになった。目の前のランサーが本来の姿であるなら、合流される前に決着をつけようとしただろう。
しかし、ランサーは無駄に楽しんでしまったのだ。自分と撃ち合う人間に、その武器に興味を持ち過ぎた。
誠は自身の刀をランサーに投げ渡した。
「勝負を投げたか人間!!ならば貴公の刀でその首を撥ねて………!?」
ランサーが刀を手に取るとそこにだけとてつもない重量がかかったように刀を握った手ごと地面に叩きつけられる。
「せ、拙僧がこんな刀一振りを持ち上げられないだと!?なんだこの重さ!!」
まるで刀がランサーを拒否したかのような重さ。憎悪に、憤怒に身を落としたが持つには相応しくないといったような拒否反応にすら思える重さである。
ニヤリと笑った誠は地面に伏せクラウチングスタートのような姿勢を取る。
そしてもしもの時の為と仕込んで置いたルーンを軌道させる。
するとランサーの足元から木の根が出現し、拘束した。
そして誠は脚部と拳にルーンでの強化そして永倉式強化魔術を施す。
「人間を倒すのに大仰な手段なんていらねぇ……………一撃で心臓を抉り取る!!」
次の瞬間、拘束され無防備となったランサーの心臓に拳を突き立てる。
その一撃はランサーの霊核を貫いた。
憤怒に塗れたランサーは憑き物が落ちたかのようだ。満足そうに笑うと黄金の粒子となって消えた。
リメイクって言って良いのかわからんけどコメントよろしくお願いします。
因みにサーヴァントは僕が持ってない奴らを原則使ってくスタイルですので悪しからず