ドラゴンクエスト ~受け継がれし勇者の魂~   作:永遠の二番煎じ

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城跡には杖を片手に黒い魔法使いが、
「これはこれは・・・バルセル国王・・・偽りの商人であることがばれましたか。」
「貴様がやったのだな。」
「そうだ国王。でももう遅い・・・」
地図を天にかざす、黒い魔法使いに黒い光が天空から落ちる。
「やっと・・・やっとだ。」
黒い魔法使いは溢れ出る暗黒の力にさらに心が惹かれる。
「全軍、奴の首を討ち取れ。」
大陸中に響き渡るかのような大声が飛ぶ。
「威勢はいいようだな・・・パルプンテ。」
杖のドラゴンの顔の部分の目が赤く光る。
黒い魔法使いはバルセル国王以外の兵士を魔物に変えた。
「おのれ・・・闇の力に堕ちた哀れな魔法使い・・・」
魔法使いは不気味に笑う。
国王は腹を決める。
「私は勇者の血筋ではない。勇者が必ず貴様を倒すだろう・・・」
バルセルはメガンテを唱えた。
そこにいた魔物はほぼ爆発で消え去った、黒い魔法使いをのぞいて。
「知ったことか、今や誰にもとめられんわ。モンスターも今頃町で活発だろう。」
黒い魔法使いは魔王の城跡の地下階段を下りていく。


バルサーク地方

 

大陸はバルサーク山脈が北東から南西を線対称のように山が連なっている、山脈の西にはバルサーク村、東にはバルサーク城と城下町がある、バルサーク城の東と南には船着き場やバルサーク港がある。

バルサーク城王の間でバルセル国王は王座に座っている。

「私は世界を旅する商人でございます。」

ひざまずき緑のローブから口元まで見えるだけだが禍々しい空気が流れる。

「南の信者の大陸から来たそうだな。」

「はい国王、砂漠の大陸を渡りこの勇者の大陸に来ました。」

杖を持っており、先にはドラゴンが口を開けた顔が彫られている。

国王は不気味な印象を持つ。

「まあ、ゆっくり城下町を観光していくがよい。」

怪しい商人はふしぎなタンバリンを国王に献上した。

「それはふしぎのタンバリン。」

国王は驚く。

ほくそ笑みながら、

「無理を承知でお願いがありますが宝物庫までこのふしぎなタンバリンを持って行ってもよろしいでしょうか?」

「・・・まあ、いいだろう。その者を宝物庫へ案内しろ。」

少しためらったが兵士に命令する。

 

バルサーク村長の遣いによりバルサーク山脈を越えて東のバルサーク城主に挨拶に向かう。城主に会うのは生まれて初めてだ。乗馬できるが山を越えるのに馬は不適切であると村長に助言をもらう。山頂まで自分の足で一日かけて登り、夜に備えて落ちている枝を集め、火をおこす。夕日が沈むころ山頂付近で焚火をしていると、

「ぷるぷる。」

スライムが現れた。

「良い人間だ、山賊とは違う。」

話を聞かず、突然スライムは襲いかかる。

背中の後ろに隠していた木の棒で思いきり弾き飛ばす。

スライムは力尽きた。

 

「子どもだと思って油断したか・・・俺がスライムに倒されるわけがない。」

液体化が始まる力尽きたスライムを可燃材料として運び焚火に燃やす。

ブライアンは少し魔物の心が読めるのだ。

普段移動は乗馬なので一日だけでも登山するのはつらい。

翌朝東を見ると草原が広がる、北に城跡らしきものと南にバルサーク城と城下町らしきものが見える、そのさらに東と南には海が見える。

焚火に土をかけた後下山する、そこに赤い鬣に黄色の毛色にまだらの黒が体中にある四足歩行のモンスターが現れた。

警戒して木の棒を構える、相手には四本の指に鋭い生えかけの爪がある。

「あ、新しい魔物か。」

「ガルル・・・」

どうやら威嚇しているのではないようだ、どこかに導きたがっている。

「分かった行こう。」

魔物はブライアンを背中に乗せて山を少し降りる、魔物は止まると降りてほしそうにこちらを見る。

木の茂みに魔物は姿を消すとブライアンも自然に魔物を追いかける。

茂みの先にはその魔物の親らしき魔物が力尽きている。

力尽きている魔物は二本の牙が鋭く鬣も尻尾の付け根ぐらいまである。

「ごめんな、復活の呪文も覚えてないし世界樹の葉もないんだ。」

「ガルル・・・」

悲しそうな鳴き声だ。

「でも弔いの言葉はかけてあげられるよ、人間の言葉だけどね。」

弔いの言葉をかけた後、魔物はお礼に背中に乗せてくれた。

 

馬より早く視界は低くて新鮮な気分である、たまに雑草が足に当たる。

魔物のおかげで太陽が真上に昇る頃にはバルサーク城下町付近に着いた。

「ここから先は野性の魔物は禁止だ。」

とバルサーク兵に止められる。

「ありがとな。」

「ガルー。」

獣の魔物は去った。

「少年、魔物使いか?あれはベビーパンサーじゃないか。」

「違うよ、バルサーク村から村長の命令で城主に挨拶に来たんだ。」

「そうか、ならばバルサーク公認証を見せてみろ。」

通学・通勤の定期ぐらいの固い紙を兵士に見せる。

「うぬ、間違いない、さあ通って。この者を王の元へ案内するんだ。」

他の兵士に案内される、町は活気にあふれ建物の前の通りに市場が並ぶ。

 

バルサーク城、王の間で王座に座り目を瞑って考えている。

「国王、バルサーク村からの遣いです。」

兵士が報告の後、ブライアンを王の目の前に誘導する。

目を瞑ったまま、

「・・・牢に。」

耳を疑う。

「おい、ま、待ってください、国王。」

兵士たちに両脇を抱えられ、地下の牢屋に留置された。

「君もか。」

鉄格子を両手で持っているブライアンに話しかける。

「おじさんは悪い人?」

「いや。そうかもな・・・でもバルサークには迷惑かけたつもりはないけどな。」

小奇麗で牢屋には最近入ったばかりなのだろう。

「おじさんは商人だ。君にだけ教えてあげよう、商人と王に面会に来たものはみんな牢屋に入れられてる。」

「なんで?」

おじさんはブライアンの耳元で、

「誰かがバルサーク城の宝物庫に侵入し、魔封の鏡の在処を示す地図を盗んだらしい。」

その時牢屋が揺れる。

 

牢屋に入れられどれくらいかは分からなかったが転機が訪れる。

「なんだ噴火か?」

さっきの揺れで天井は崩落し、おじさんの姿はなかった。

崩落した天井の瓦礫を上手く登れば混乱に乗じて逃げれそうだ。

城内に出た時、人々が慌ただしく逃げる用意をしている。

「ついに魔王が復活するぞ。」

「北の城跡に黒い稲光が落ちたぞ。」

と城内に不安の声が飛び交う。

混乱に紛れて少女がバルサークの兵士に連れて行かれそうになっていた。

「来い、お前を売り飛ばしてやる。」

ブライアンは助けようと思わなかった、だが少女を拉致しようとする兵士と目が合う。

「貴様、何じろじろ見ている。」

兵士は少女の腕を離して兵士の剣を抜く。

その隙に少女は隠れる。

「待てよ、俺は牢屋に閉じ込められてたんだ。だから見逃してくれ。」

「いいだろう、貴様を代わりにバルサークの山賊に売り飛ばしてやろう。」

どうやら話が通じないようだ。

ブライアンは一目散に走る。

「ま、待て。」

兵士は装備が重くてブライアンには到底追いつけなかった、そのまま城を出て、町の来た道を戻るように逃げる

 

城下町にはいなかったスライムやももんじゃが暴れまわり空にはたくさんのキメラが浮遊している。

「一体どうなってんだ?」

キメラが背後から低空猛スピードで襲いかかる。

「わあ。」

誰かが体にタックルしてきた、そのおかげでキメラの攻撃を受けずに済んだ。

「痛てて、誰か知らないけどありがとう。」

助けてくれた人はさっき連れ去られそうになった少女であった。

「お前・・・さっきの。」

「助けてください。」

「俺も自分の事で手いっぱいだ。」

「先ほどバルサーク城の北の見張り台から黒い稲妻が見えました。」

少女の後ろからスライムが襲いかかる。

ブライアンは勢いをつけスライムにグーパンチをかました。

「あ、ありがとうございます。」

「お礼はいいからとりあえず走ろう。」

魔物は凶暴化している、黒い稲妻のせいなのか。たまに黒い雷や黒い縦の光など町民が口にしている。

城下町にそこらじゅうにいたバルサークの兵士はほとんどおらず、魔物の支配下になりつつある。

最初に会った門番の兵士もいなかった。

「ここからはさらに魔物が増えるぞ。覚悟は?」

「はい、出来ております。」

城下町の入り口にベビーパンサーがいる。

「お前は・・・助けてくれるのか?」

少女は魔物に警戒してブライアンの後ろに隠れる。

ベビーパンサーの赤い鬣のすぐ後ろに乗る。

「大丈夫なのですか?」

「選択肢はない。乗るか乗らないのか?」

少女も恐る恐るベビーパンサーに乗る。

ベビーパンサーは西のバルサーク山脈に向かって走り出すが2人乗っているので重量がかかりかなり遅い。

「頼む、振り切ってくれ。」

これは魔物頼みだ。

疾走するベビーパンサーの鬣を撫でる。

キメラはブライアンたちに狙いを定め、直下してくるがベビーパンサーがかわす。

「いいぞ。」

そのままバルサーク山脈に逃げ込んだ。

 

少しふもとで休憩をとる。

「国王がご乱心だったとは村長に報告しないと。大丈夫か?」

ベビーパンサーの鬣を撫でる、気持ちよさそうに寝ている。

「はい、そういえばまだ名乗っていませんでしたね、私はマギーです。」

「マギー・・・国王の娘の?」

「はい。」

撫でるのをやめるとベビーパンサーは起きた。

「・・・」

それからブライアンは少女とバルサーク村まで会話することはなかった。

 

ブライアン投獄からわずか後、王の間に一人の兵士が報告に、

「バルセル国王、魔王の城跡に黒いローブの魔法使いが・・・」

と言い残して兵士は力尽きた。

「おい・・・分かったぞ・・・至急我と共に城跡へ行く兵士を召集せよ。」

兵士が力尽きた後頭の中で怪しい商人のたくらみを推測し結論に至る。

国王自らバルサークの9割以上の兵力を率いて城跡に向かう。

 

前置きに記載。

 

ブライアンとマギーは気まずい雰囲気でバルサーク村に無事たどり着く。

「村長の家あそこだから。」

「ありがとうございます。」

ブライアンは指で家を差した後、ベビーパンサーと共に住処に戻る。

マギーは村長の家に入る。

「おう、客人かの。」

「お邪魔します、マギーと申します。」

「あの国王の一人娘か。」

村長は国王の娘と知っても驚かなかった。

「はい。」

「やはり国王の娘であって礼儀があるな。なぜ国王の娘がこんな辺境の地に?」

マギーはここまでのいきさつを話した。

 

「なるほど・・・」

「どうすればよいのでしょうか・・・」

「まずはブライアンに謝る事じゃな。」

村長は優しく言う。

「謝る?」

「ブライアンは王に投獄されたのだから父親の代わりに謝るべきだ。」

「そうですね・・・私はそんなことも知らずに。」

マギーは反省する。

 

マギーはブライアンの家を訪ねる。

隅にベビーパンサーが藁の布団で寝ている。

「お邪魔します。」

「なんだ?」

ようやく落ち着いたブライアンはまた機嫌を損ねる。

「父が冤罪でブライアンさんを投獄したことを深くお詫びに来ました。」

マギーは頭を下げる。

「・・・」

「本当にごめんなさい。」

頭を下げ続けたまま謝る。

「・・・いいよ。俺こそ悪かったな。本当のところ・・・何度も君を見放そうと思ったよ、でも出来なかった。」

ブライアンも自分の考えた罪悪感に耐え切れず本心を話す。

頭を上げて

「そうでしたか、村長が話があるそうです。」

「そうなのか、じゃあその間留守番していてくれ。」

 

ブライアンはベビーパンサーのおもりをマギーに頼み、訪ねる。

「村長、俺になにか用ですか?」

「相変わらず忍び足が上手い、家に入ったことすら気づかん。それに魔物を黙って連れて帰るとは。」

村長はすべてお見通しのようだ、感心した後ちくりと注意をする。

「魔物を黙って連れ帰ったのは悪いと思ってます、バルサーク城のような厄介は嫌ですよ。」

「はは、御見通しのようだな。」

村長は空笑いする。

「・・・今度は何ですか?」

「マギーから話は聞いたぞ、バルサーク山脈の北東に家がある。」

「そこに行けと?」

「うぬ、ブライアンおぬしの父が住んでいる。」

「え?俺は捨てられてたんじゃ・・・」

「とりあえず行けば道は見つかる。だが強制はせん。」

「ちょっと考えさせて。」

 

自分の住処に戻る。

マギーがベビーパンサーに水をあげている。

「ありがとう、マギー。」

「はい。・・・どうかされました?」

ブライアンの複雑な心境が顔に出る。

「そんなに腑に落ちない表情が出ていたか。」

「話したくなければいいんですよ。」

と言い残して静かにマギーは出て行く。

 

翌日ブライアンはベビーパンサーに乗って山脈の北東に向かう。

山脈の魔物は活発で凶暴になっていた。

バルサーク山脈北東を探検していると男がいる、男は山菜を収穫している最中だ。

男はこちらを振り向く、茂みに身をかがめていたが、

「いるのは分かっている。出て来い、傷つけたりしない。」

ベビーパンサーは男に向かって走って行く。

男はかわいがり、

「ベビー、ほらザオリクで生き返らしてやったぞ。」

男の後ろの木からキラーパンサーが出てくる。

ブライアンは驚きを隠せない。

パンサーの親子は野生に帰って行く。

「あ、あんた何者なんだ?」

男は悟ったような顔で、

「君と同じ宿命を背負うものだ。」

「まさか・・・親父なのか?」

少し間をおいて、

「・・・とりあえず家に来い。」

 

北東の父親の家に着く。

「ここが俺の家だ。」

「母さんは?」

「母さんは死んだよ・・・」

「そっか。実感湧かないな。」

思いだすように、

「ブライアンはそうかもな。」

「なんで死んだの?」

「病気だよ。しばらくはここでお前と母さんと三人で暮らしてたんだ、短い時間だった・・・」

「なんで俺を・・・」

急に悲しみがこみ上げる。

「村長が引き離したんだ。母が死に・・・俺はおかしくなったからな。」

「そっか、俺には分かんないな・・・」

「いずれ分かる時が来る。」

父は長細い箱から剣を出す。

片手剣のクレイモア型で刃は銀色に光る。

鍔は鳥が白い羽で羽ばたこうとしているデザインだ、柄は螺旋を描くように彫られている。

「すごい。」

としか言えない。

「そうだろ、代々受け継がれてきた我が家の宿命を示す剣、そしてこの剣に風化さしてはならない記憶も詰まっている。」

「はあ。」

この時は言っていることが分からなかった。

「ブライアン、我が息子に剣術を教える時がきたようだな。」

「待ってくれ、頭が追い付かない。」

村長が言っていた道が見つかるとはこういうことなのか。

「ほら、持ってみろ。」

父からもらった剣は子どものブライアンでも軽く持つことが出来た。

「俺ははやぶさの剣でいい、お前は神鳥の剣を使え。」

「うん。」

言われるがままとりあえず従う。

家を出て父がくちぶえを吹くとスライムたちが現れる。

「うわぁ・・・こんなにたくさん。」

スライムがわんさか出てくる。

「ぷるぷる。」

「ぷるぷる。」

ブライアンはスライムを斬り払う。

父はその姿を見ながら、

「剣に慣れるんだ。」

その一言だけを言い残して家に戻る。

ひたすらスライムを斬る。

 

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