ドラゴンクエスト ~受け継がれし勇者の魂~ 作:永遠の二番煎じ
父と出会い、一か月になるだろうかスライムを飽きるほど斬った。
朝起きると。
「慣れたか?」
「うん、剣は慣れたからそろそろスライム以外を斬りたい。」
父はその言動に憤慨し突然頬を叩く。
「神鳥の剣は殺生の道具じゃない。」
「なんだよ。人に剣術教えておいて。」
ブライアンは怒って外でまたスライムを片っ端から斬る。
父は叱り方に後悔した。
その日の夕方、怒りが収まり父の家に戻ると置手紙と鈴が置いてある。
手紙にはこう書いてある、
『ブライアン、お前にはまだ遅かった・・・いや遅すぎたかもしれない。父親の俺がお前の面倒を母さんの分までみるべきだったのにまったく逆の事をしてしまった。あの呪いの雷が落ちた時すでにお前は勇者じゃないとだめだったんだ。だが勇者になるには神鳥の剣が必要だ、あの剣は勇者にだけしか使えない。お前が勇者を引き継いだ今俺はもうその剣を持ち上げることすら出来ないんだ。あとその鈴を鳴らせば勇者の魅力に惹かれた魔物を味方に出来る。ベビーパンサーがお前に懐いているのを見てすぐにその素質は充分あると見た。お前には俺と同じ平和な世界を見せてやりたい。これを読むころには俺は魔王の城跡の地下に向かってる。もし帰って来なかったら・・・そんなことは想像したくないがバルサーク村長に助言をもらえ。元勇者兼父親ライアン・ゴッドバードより。』
父が後悔していたことを知ると同時に、あの時父に怒ったブライアンも後悔をした。
山脈を南東に下山して、魔王の城跡に。
ライアンははやぶさの剣と魔法の盾を背負っていた。
「ここが魔王の城の地下か・・・」
地下からは強い暗黒のオーラが感じ取れる。
地下階段の入り口に暗黒の魔物が出ないように光のバリアを張る。
地下階段を下りると大きな空間に出る、どうやら神殿のようだ。
神殿を支える柱一本一本に松明が置かれており暗い地下神殿を照らす。
ズシン、ズシンと重い足音が聞こえてくる。
一つ目の赤いアトラスが両柱に平行して中心を歩いて向かってくる。
「アトラス・・・20年ぶりに戦うな。」
ライアンは緊張感を持ちつつも久々の強力な魔物にわくわくしている。
「デスカイザー様が復活される。それを邪魔しようとするのか?」
ドスが効いていて渋い声を出す、耳に響くがアトラスはこれでも小声で問いかけたようだ。
「ああ、復活させてたまるかよ。」
剣と盾を構え臨戦態勢になる。
「ウオオオ―――。」
アトラスは雄たけびを上げる。
声の大きさが尋常でなく地面が少し揺れ、耳を塞ぐ。
「スライムの次はアトラスってこの地域モンスターの力に落差ありすぎだろ。」
突然アトラスは巨大な棍棒を振り下ろす、大理石は割れ地響きが。
ライアンは振り下ろされた棍棒を避けてその棍棒を昇りあがり、顔を狙い一気に蹴りをつけにいく。
「喰らえ、超はやぶさ斬り。」
見事顔にヒットし、アトラスは両手で顔を抑えひざまづく。
アトラスに時間を許さず、斜めに倒れている柱を駆け上がり、
「留めだ、ギガブレイク。」
はやぶさの剣から幻影の光の刃がアトラスを呑みこむ。
「グ・・・」
アトラスは力尽きた。
地下神殿を進むと次にベリアルが立ちはだかる。
黄色いウロコに包まれた頑丈な体、大きさは先ほどのアトラスの半分もない。
だが両手で持つ巨大なフォーク型の槍と魔力はいかにも魔王の兵士だ。
「ベリー、お前がそこをどかなけりゃあ、さっきのアトラス見たいに地獄に送り返してやる。」
口調は若い時の血気盛んなライアンに戻っている。
「フハハ、お前ごときにやられる私ではない。」
ベリアルはメラゾーマを唱える。
左手の魔法の盾を構えながら全力で前から向かう。
「マホカンタ。」
メラゾーマを弾き返すがベリアルは耐性がある。
「今度はこっちの番だ、火炎斬り。」
はやぶさの剣は炎をまとい、ライアンは高くジャンプする。
「甘いぞ。」
ベリアルは槍で先制攻撃する。
「くっ。」
盾でガードするが飛ばされ床に叩きつけられる。
「死ね。」
一本の槍から三本の槍先がライアンを襲う、ライアンは倒れながらも盾で防御する。
「しぶとい人間だ。」
ライアンは立っている。
ベリアルはメラゾーマを唱えながら、
「ついにあきらめたか。」
大きな炎の玉がライアンを包み込む。
ベリアルは目を疑う。
「喰らえ、スーパーハイテンション、火炎斬り。」
炎の中からライアンが油断をさせて勢いよく飛びだす。
「ま、まさか、修羅の大陸で、ガアアアァァ。」
魔物の断末魔が響く。
地下神殿を進むと徐々に空間が狭くなる、松明の明かりも乏しくなっている。
いきなり炎が波のように襲ってくる、盾で防御する。
「ギャース。」
という鳴き声と共に炎が襲ってきた先から聞こえる。
「ドラゴン?いやダースドラゴンか。」
ドラゴンであることは分かったが何ドラゴンかは分からなかった。
至る所にあるドラゴンの吐いた炎は魔物のフレイムに変わる。
「畜生、暗黒のオーラが炎を魔物に変えているのか。」
ドラゴンを倒すべく迅速に進むと、アトラスとは比にならない大きさの巨体が。
鎖に繋がれた巨大なドラゴンが後ろの扉を守るようにこちらを向いて炎を吐く。
そして炎はまたフレイムに変わる、この負の螺旋状況はドラゴンを倒すしか打開策はない。
だが魔力と体力を温存したいため、ドラゴンの長い背中を一気に尾びれまで渡る。
ドラゴンはこちらに振り向き、もさかるかえんを吐く、吐く炎の風圧で計算通り扉が吹き飛んだ。
「よし、ありがとな。」
ドラゴンに皮肉なお礼を言ってさらに下へ続く階段に進む。
階段を抜けると薄暗い円形の闘技場みたいな場所に出る、妙に物静かだが溢れるばかりの闘志を感じる。
「アトラス、ベリアル、ダースドラゴンを倒した強者よ。」
一気に闘技場の松明が灯り、一人の人間いや人型の魔物が姿を現す。
「私の名前はデュラン。名はなんと申す?」
筋骨隆々で最初裸に見えたがブリーフを履いており、マントを羽織っていて右手には上下に刃がある両刃刀を持っている。
「ライアン・ゴッドバードだ。」
これほどの熱い闘志を持つ魔物は初めてだ。
「やっと会話が出来そうな魔物が現れた。」
「会話?会話など興味ない。」
デュランは吐き捨てるように言う。
「ただし私に勝てば教えてやろう。」
「その約束果たせよ。」
ライアンは勢いよく攻撃に出る、同じくデュランも迎え撃ちに。
火炎斬りを繰り出すが、デュランは上手く交わす。
「なにっ。」
デュランはライアンの脇腹の下からかまいたちを放つ。
ぎりぎり避けたと思ったが左腹が少しかすり、布の服が赤く染まる。
「油断したな?本気で来いライアン。」
「やるじゃねえか、一度そういう腕の奴と一戦交えてみたかったんだ。」
ライアンはやくそうを使い、万全の状態で挑む。
「ウオオー」
ライアンはテンションを上げる。
「無駄だ。」
いてつくはどうで状態を元に戻す。
「だったらバイキルトもスカラも使えないってわけか。」
デュランはバイキルトを唱える、防御で様子を伺っているライアンに突進する。
身体が大きい割に攻撃に隙がなく、防御力も高い。
魔法の盾が壊れるのも時間の問題であった。
ライアンは一発の攻撃に賭ける。
「ギガブレイク。」
放った瞬間腹に両刃が刺さっていた。
「カッ。」
血が口と腹部から大量に出る。
「ライアン・ゴッドバード・・・その名は我の心に一生刻もう。」
闘技場の松明は徐々に光を消し始める、明かりがなくなるたびに意識が遠のく。
ライアンの敗因はほとんどごり押しに頼り、腕が訛っていたことだった。