常盤台:カフェテリアにて
「翡翠はん」
翡翠は後ろから呼ばれた気がした。
「………誰かと思えば、村先じゃん。急にどうした?」
ある意味腐れ縁な関係にあるクラスメイト。
level4の
周りの空気をぶち壊していく様な人。
それにしてはメンタルは弱い。
「で、でねぇ、今日の宿題のヤツなんやけど………」
「はぁ、まだ終わってないのか?あんなものが」
「そ、そりゃ翡翠はんは"level5"サマなんやから解るのは当たり前やろ!」
ーーおいおい………
少し悩んでから、
「……しゃあない、手伝ってあげるから、そろそろ1回で分かってくれよ?」
「流石やぁ……」
ほんのり系か。
因みに教科は古典であった。
ーー積んだ、いや、詰んだ。
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一方、その頃。
美琴は軽く驚いた。
同居人が『 3-A 斯波 翡翠 』だったのだ。
「……………いや、え?いやいやいや」
実は部屋がカオスなんじゃないかとか、1年間パシられるんじゃないのかとかそういう所が怖いのではない。
寧ろ言ってしまえば、怖さでは無く、これから起こる事について全くの予想ができないことへの不安、と言うべきか。
そんな窶れた気持ちをリフレッシュしてくれるのがこの"ゲコ太"。
美琴はあらかた引越し作業が終わると、ベッドにダイブした。
ーーーか、可愛い……
思わず抱き枕を強く抱きしめてしまった。至福の時間らしい。
ーーーさて、先輩は留守っと……
ーーーしっかし1回しか見てないけど、あの先輩の能力ってデタラメよね……
その気になれば惑星一個潰せるんじゃ?なんて大袈裟に思ってしまった。
予めあの人の能力調べておこう、と美琴は初めて"人の分析"なんてしてみる。
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level5 [
担当者→
担当者から→取り敢えず無茶苦茶な能力を作ってしまった。m(_ _)m
能力概要→・現時点での重力系最強の能力。重力は全ての物質にかかるため、同時に全ての物質を分子レベルまで操作可能。
・ワームホール、ダークホールといった宇宙に存在するモノまで生成可能(原因は不明)。
尚、序列は第二位に入れることにし、第二位は二人存在する事になる。
それについては理事長からの許可は貰っている。
ただし、"表向きに"準二位"という位置付けにした。
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ーーーはぁ、この梔って人、バカなのか天才なのかわかったもんじゃないな………
バカと天才は紙一重とはよく言ったものだ。なんて自己完結した。
一息ついたので美琴は窓を開けて、外の風にあたる。
気付いたら空はエンジ色に変わり、カラスが鳴いていた。
ーーー長かった。やっと1日が終わるのね……
自分に関して何も無いのだが、かなり肩が重かった。
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噴水公園辺り|20:00
「…………なんで夜なんだよ……」
七種に古典を教え終わったのはもう19:00であった。
ーー何故なんだ、古典なんて文法と単語わかりゃ現代文なのに。
そんな事思うのは自分だけなのか?
ーー下らん。帰ろっと、
寮なので門限があるのだが、今日はしっかりと許可を貰っているので、自分の身は保証された。
ーーん、アイツは………
目線の先に居たのは、異様に白い人であった。
白い、というのも肌とか髪の問題で、アルビノという言葉がよく似合う。
彼女は察してそのアルビノに襲いかかる。
「アークセーラくーん!!!!!」
出会い頭にドロップキック。でも"ヤツ"は面倒くさそうに
「うるせェなァ、もう少し気の利いた挨拶を覚えろ」
彼の名は
いや、彼の能力の名前がそのまま人名の様になってしまったので本名は知らない。自身も忘れたらしい。
学園都市最強の"level5"である7人の頂点に立つ能力者である。
ある意味では見掛け倒しかも知れない。
「いやぁ、奇遇だねぇレータくん。私と"唯一"ガチでやり合える仲よ」
「いやお前の本気なンざ二度と受けてたまるか」
「そんな事言ってないで………ほらコレ」
翡翠は一方通行にUSBを渡す。
「なンだコレは。オマエはヤンキーお嬢様だと思っていたが、まさかただの泥棒だとはなァ」
「正攻法!いや、ハッキングしてる時点で正攻法じゃないか」
いやぁコレ実は結構ハッキング手間取っちまってレア情報なんだよねー。とか半笑いで言う。
しかし、本題は違う。
「ともかく!」
「うォ、なンだよいきなり」
「コレだけは言っておこうか。」
「ン?まさか弔いの言葉なンざ言わねェよなァ?」
「まさか。ただ、コレを使うのは"奥の手"だと言うこと。
「怒られる、ね。まさかオレにお叱りを受けさせてくれるのがこの世に存在するとはいい度胸だァ。肝に命じずともやってやらァ。」
「んじゃ、おおきに〜」
急に朗らかにエセ関西弁になった翡翠を見届けた一方通行は
「
などと、独り言にしては少々大きい声で喋っていた。
夜が更けていく。何処までも、真っ黒に染まって