しばらくは10日に一回のペースで更新出来たらと思っています。
また不定期になってしまわないよう頑張りますので、よろしくお願いします。
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達也たち四人は黒ウサギに連れられて“サウザンドアイズ”にやって来ていた。
商店の旗には蒼い生地に互いが向かい合う二人の女神像が記されている。あれが“サウザンドアイズ”の旗なのだろう。日が暮れて看板を下げる割烹着の女性店員に、黒ウサギは滑り込みでストップを、
「まっ」
「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやっていません」
かけられなかった。
流石超大手の商業コミュニティだ。
「なんて商売っ気のない店なのかしら」
「ま、全くです!閉店時間の五分前に客を締め出すなんて!」
「文句があるならどうぞ他所ヘ。あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」
「出禁!?これだけで出禁とか御客様舐めすぎでございますよ!?」
キャーキャーと喚く黒ウサギに、店員は冷めたような眼と侮蔑を込めた声で対応する。
「なるほど、“箱庭の貴族”であるウサギの御客様を無下にするのは失礼ですね。中で入店許可を伺いますので、コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」
「・・・・う」
一転して言葉に詰まる黒ウサギ。それを見て十六夜が、なんの躊躇いもなく名乗る。
「俺達は“ノーネーム”ってコミュニティなんだが」
「ほほう。ではどこの“ノーネーム”様でしょう。よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
ぐ、っと黙り込む。それを見て達也は、
「出直すぞ」
と踵を返したその時。
「いぃぃぃぃぃやほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!久しぶりだ黒ウサギィィィィィィィィ!!!!!!」
黒ウサギは店内から爆走してくる着物風の服を着た真っ白い髪の少女に抱き(もしくはフライングボディーアタック)つかれ、少女とともにクルクルクルクルクルクルと空中四回転半ひねりして街道の向こうにある浅い水路まで吹き飛んだ。
「きゃあーーーーーー・・・・・!」
ポチャン。そして遠くなる悲鳴。
達也たちは眼を丸くし、店員は痛そうに頭を抱えていた。
「おい店員。この店にはドッキリサービスがあるのか?なら俺も別バージョンで是非」
「ありません」
「なんなら有料でも」
「やりません」
「なんの話してんだよ」
真剣な表情の十六夜に、真剣な表情できっぱり言い切る女性店員。それを見た達也はすかさずツッコミを入れていた。
「ドッキリサービスについてだが?」
「「・・・・はぁ」」
真剣な表情のまま答える十六夜に、思わずため息が出てしまった達也と女性店員。なんだかんだでこの二人似ているところがあるのかもしれない。
「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」
一方、
「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろうに!フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!ほれ、ここが良いかここが良いか!」
スリスリスリスリ。
「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」
白夜叉を無理矢理引き剥がし、頭を摑んで店に向かって投げつける。
クルクルと縦回転した少女を、十六夜が足で受け止めた。
「ほれ、達也パスだ」
十六夜はそのまま達也にパスをした。
「いらん。返す。」
そう言って達也は十六夜・・・・ではなく黒ウサギに向かって投げつける。
「きゃあーーーーー!」
「ムホホーーーー!」
そのまま黒ウサギはまた白夜叉と激突。そのまま気を失ってしまった。
「「「「「・・・・」」」」」
達也たち四人と店員はいきなりの出来事で誰も動かなかった。
しかし黒ウサギが気を失ってしまったのに気づき、十六夜と耀は慌てて白夜叉を止めに行くのだった。
それを横目で見ながら助けに行かない
「・・・・貴方って、やっぱり、性格悪いって言われない?」
「心外だな。性格に文句をつけられたことはない。人が悪いと言われたことならあるが」
「それは同じよ!というか、そっちの方がひどいわよ!」
「ああ、違った。人が悪いじゃなくて、悪い人だった」
「そっちの方がもっとひどいわよ!」
「悪魔と呼ばれたこともあるぞ」
「もういいわ!」
飛鳥は苦い顔で話を切ろうとした。しかし達也は、深遠な哲学命題に思索を委ねているような風情で、首を傾げた。
「随分と嫌なことがあったみたいだが、大丈夫か?」
「・・・・貴方、絶対、性格悪いって言われたことあるでしょう?」
「実はそうなんだ」
「今までの流れは全否定なの!?」
飛鳥はこの時、達也には絶対口では勝てない。そう確信したらしい。
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何故こうなった?