THE COCKPIT 隻眼パイロットのその後   作:放火後ティータイム

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こちらのミスで書き上げられてない作品が投稿されるという事故が起こりましたので
改めて書き直したものを投稿します。
すいませんでした。

今回、言葉の使い方があっているのかわからないので指摘してもらえると助すかります。
今回も駄作ですがよろしくお願いいたします。


第四話 「迎撃」

「あれが深海棲艦……!!」

 

先程までは信用すら出来なかった深海棲艦という人類共通の敵。

しかし爆風により割れた窓ガラスから見えるその風景は土方に現実を突きつける。

 

たった20cm程度の大きさの航空機とはとても言えそうにないほど奇妙な浮遊物

だがその小さな体から放たれる小さな爆弾は何十人の人の命を奪うのには十分だった。

爆発した後にはそこには真っ黒な跡が残るだけで以前の面影はない。

 

「……わかっただろう……これがこの世界の現実だ……!!」

 

提督から絞るように発せられたこの一言に土方は戦慄した。

土方は目の前の出来事が夢ではなく現実であるのだと受け止めることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

その頃鎮守府から少し離れた所に設置された格納庫では屈強な男たちが飛行服を来て滑走路に集まっていた。

そして滑走路には敵機を迎撃すべく60機の局地戦闘機紫電が轟音を轟かせながら待機している。

しかしその機体はプラモデルを少し大きくしたようなサイズでぱっと見ても大の男が乗り込めるようなものではなかった。

そしてこの航空隊の隊長が前に出た

 

「諸君!!今回の任務は深海棲艦の艦載機から鎮守府を防衛することである!!

既に主力艦隊が敵艦隊撃滅の為に出撃した!!敵艦隊が壊滅するまでここを守りきれば我々の勝ちだ!!

今日こそタダ飯のツケを払うべくこの鎮守府を死守するのだ!!武運を祈る!!以上!解散!!」

 

そう言うと男達は一斉に動き出した。

すると不思議なことに男達の体はみるみる小さくなっていき遂にコクピット

に乗り込める位のサイズになった。

 

「第一航空防衛隊出撃!!」

 

「「「「おおおおおおお!!!!」」」」

 

紫電の無線からは男達の声が響き渡った。

 

 

 

 

 

「………あれは!?」

 

「あれは鎮守府の基地航空隊だ。非常時の防衛や大規模作戦に遊撃部隊として編成する。

たった今迎撃の為に出撃した部隊だろう。」

 

「いえ、その事を聞いているのではありません。

なぜ航空機があるのかということです。

それにあの大きさ……人が乗る物じゃない」

 

ちなみに落ち着きを取り戻した土方は口調を直していた。

 

「あくまでも使わないのは通常の航空機だ。

あの中に載っているのは妖精さん達だ。」

 

「……妖精さん……?」

 

「後程説明するそれより君は早く避難しなさ……」

 

提督の言葉を遮るように突然無線から音声が発せられた。

 

『こちら第一艦隊旗艦加賀!敵は大規模な航空戦力を所有!!近づくことすらままならず!!

至急、航空戦力の増援を求む!!繰り返す……』

 

流れたのは敵に近づくことすら許されず、一方的に叩かれるという

最悪の展開であった。

 

 

 

偵察機からの報告によれば

今回敵が投入した戦力は空母ヲ級のみで編成された航空艦隊と前方に守りように立ちふさがる

戦艦・巡洋艦隊、側面を守るように軽巡・駆逐艦隊が2つ

また加賀の報告から今回投入されたヲ級は艦戦をガン積みした空戦特化ヲ級、艦攻をガン積みした雷撃特化ヲ級

そして鎮守府を襲った艦爆の母艦である、爆撃特化ヲ級の三種類がいると推測された。

 

正規空母並みの搭載量を誇る空母ヲ級が遠距離からバンバン航空機を投入すれば結果は火を見るより明らかだ。

大量の艦戦により、瞬時に制空権を奪われ、安全を約束された空からバンバン雷撃や爆撃を行えば

少ない被害で相手に大きな損害を与えることができる。

ちょっとやそっとの質や技量のハンデ程度では覆せない全てを洗い流す空飛ぶ黒い波の完成だ。

鎮守府を襲った艦爆と護衛の艦戦は既に駆逐された。

しかし、その数からして攻めてきたには氷山の一角にすぎないのだ。

 

この問題は提督を大いに悩ませていた。

敵の元へ向かうにはこの壁を破る必要がある。

元々空母の所有数が少ないこの鎮守府の航空戦力は加賀の航空隊と基地航空隊によって成り立っている。

軽空母も少しは着任しているがこれでは到底勝ち目なんて無い。

一部の艦娘に対空火器をガン積みして突破できるかどうか……

少しでも戦力が欲しい……!!

 

「中将殿」

 

不意に後ろの男に声をかけられた。

 

「この日本に天皇陛下はご健在か?」

 

何をいっているんだ?と思いつつも答えを返す。

 

「ああ。」

 

「ならいい……」

 

しかし男が動く理由はこれだけで十分だった。

男にとって天皇陛下とは神そのもの。軍人である男にとって天皇陛下とは忠義を尽くすべき存在。

例え男が知らぬ歴史を辿った日本でも、男にとっては愛すべき祖国そのものであり

自分が知らぬ天皇陛下であろうとも、帝国軍人として忠義を尽くすべき存在である。

男に迷いなどなかった。

それら2つが存在するなら他に戦う理由なんていらない。

 

「あの戦闘機は人でも載れるのですか?」

 

「あ…ああ…載れる……」

 

「予備の機体は?」

 

「ある…ってまさか!?」

 

既に死んだ身である男は死を恐れない。

だからこそ、愛すべきものの為に戦うのだ。

 

「俺が……出ます!!」

 

 

 

 




妖精だからといって必ずしもメルヘンでファンタジーなものばかりではない……
嘘です。アニメにも登場したような可愛い妖精も出ます。

次回は設定集を出す予定です。
本編もできるだけ早く投稿しますのでよろしくお願いいたします。

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