ソードアート・オンライン パラダイス・ロスト   作:hirotani

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あとがき

 「ソードアート・オンライン パラダイス・ロスト」、4ヶ月の期間を経て、ようやく完結しました!

 大学の卒業式までには完結という目標をなんとか達成し、ようやく今夜からぐっすり眠れそうです。まあ、すぐに引越しの準備に取り掛からなければならないのでゆっくりもしていられないのですが。とにかく、肩の荷が下りました。

 元々本作は漫画としてpixiv様に投稿するつもりだったのですが、私が画力不足なせいでなかなか始めることができず放置状態にありました。だらだらと過ごしていたせいで学生生活も終わりが近付いてきたことの焦りから「何かやり遂げなくちゃ」と発起し小説としてハーメルン様への投稿へと至ります。卒業まで終わらせるために急ピッチで書いたので荒削りな部分が否めませんが、多分私の実力では時間があってもこれ以上良い文章を書けるとも思えないです。情けないことに(笑)。

 寄せられた感想には大変勇気づけられました。設定の曖昧な部分や原作キャラの乖離を突いた鋭い指摘も頂き、原作「ソードアート・オンライン」の人気の高さを痛感させられます。本作はあまりにも惨たらしい展開が続き、結末も気持ちのいいものとは言えませんが、私としてはこんな鬱展開を最後まで書き切ったことが何よりも嬉しく思います。物語の舞台であるアインクラッドの閉塞感と疑心暗鬼になっていく人々を描くことを目指した結果、私の悪ふざけが高じた結末になりました。

 さて、せっかくなので本作の執筆にあたっての裏話と、本作に登場しなかった原作キャラクター達のその後について言及したいと思います。

 え? 別にいい?

 まあまあそう言わずに。

 

《執筆の経緯》

 単純に原作が面白かったからです。ただ、殺伐とした世界観なのに原作が割と明るいテイストだったことに「勿体ないな」と感じ、とことんシリアステイストにした本作の執筆へと至りました。

 原作との矛盾はなるべく作りたくなかったので、「いてもいなくても変わらない空気のような存在」という所から主人公セツナの設定を作っていきました。そこから、影に生きる殺し屋ということにしました。「必殺仕事人」みたいな殺し屋集団にすることも考えましたが、登場人物の背景を深く掘り下げたかったのでセツナ1人にしました。番外編で血盟騎士団の暗部を描いたエピソードはその名残です。

 

《映画ネタについて》

 私が崇拝する伊藤計劃(いとうけいかく)氏が筋金入りの映画ファンであり、著作にも映画ネタを取り入れていたことのオマージュ(という体のパクリ)でございます。映画ネタって、不思議と比喩表現に深みが出るように錯覚するんですよねえ。セツナは1990年代から2000年代の映画が好きという設定でしたが、近未来の2020年代にどういう映画がメジャーなのか分からないので古い映画が好きという設定にしました。

 

《結末について》

 実はフェアリィ・ダンス編やファントム・バレット編の構想も練って最後にはセツナが幸せになるような結末を考えていました。しかし、話が進むにつれてオリキャラばかりが出てきて原作キャラとの絡みが殆どないという事態が生じました。私はオリキャラと原作キャラとの絡みに二次創作の面白さを見出しているので、まだ原作キャラを立たせることができるアインクラッド編で完結させるはこびとなりました。代わりにとんでもない結末になってしまいましたが、それはご愛敬ということで(笑)。

 友人から「セツナはアスナのことを好きになったの?」と聞かれたので同じように思っている方もいるかもしれません。そうだったらロマンチック(?)なのですが、セツナが愛しているのはナミエただ1人です。アスナはセツナを救おうとしてくれたので、それに対するお礼として彼女を救おうとしました。アスナがナミエに似ているから死なせたくなかったとか贖罪のためとか色々と理由は考えたのですが、結局セツナは優しかったんでしょう。人殺しだけど、彼にも人の心があったということだと思います。

 

《セツナについて》

 私の暗い性格と中二病要素をふんだんに詰め込んだ栄えある主人公です。名前は構想を練っていた時期、ガンダム00の円盤を見てふと「セツナでいっか」という大雑把な理由で決まりました。最初はとりあえずクールな男として描いていましたが、いざ書き始めたら無骨で人間味がなさ過ぎたので読書と映画好きなサッカー少年という設定にしました。作中での描写から察しのいい方は既に分かっているかもしれませんが、モデルは原作主人公のキリトです。ビジュアルはキリトをたくましく成長させた感じに落ち着きました。性格面では「もしキリトがアスナを亡くしたらこうなるだろうな~」という想像で考えていました。なのでキリトに似ているけど、アスナという大切な人がいる彼と失ったセツナは対極ということになります。という気取ったこと言っていますが、実際はただリア充の転落を見たかっただけです。セツナは私のリア充に対する憎しみ(嫉妬)から生まれた主人公なのです。

 嫉妬から生まれた主人公は、最終的に全てを滅ぼす魔王となりましたとさ。

 

《ナミエについて》

 既に故人なので空気ですが、一応ヒロインです。作中では憂いを含んだ美少女ということになっています。しかし、考えによってはセツナがSAOプレイヤーを全滅に追い込む遠因を作ったとんでもない悪女です。

 実は終盤でセツナが彼女の日記を発見して読むというイベントを考えていました。日記の中で実はナミエはセツナと一緒にSAOにダイブしたことを後悔していて次第に彼を恨むようになっていった、という酷なエピソードを盛り込む予定でしたが「流石にそれはセツナがかわいそう(笑)」と思い相思相愛だったということにしました。

 皆さん勘違いしないでください。彼女は悲劇のヒロインなどではありません。むしろ彼女が悲劇を引き起こしたんです!

 

《レブロについて》

 忘れている方も多いかもしれませんが、第2話に登場したオレンジギルドの生き残りです。実は最初のプロットではSAOがクリアされた後ファントム・バレット編のヒロインとして再登場する予定にありました。現在のプロットに落ち着き後編に再登場させて分かりましたが、ファントム・バレット編を書いたとしても彼女のヒロイン性を引き出せる実力は私に無いです(笑)。

 ちなみにフェアリィ・ダンス編のヒロインはナミエの現実での親友で、ナミエをSAOに誘ったセツナとあーだこーだする予定でした。

 

PoH(プー)について》

 ほぼ出オチみたいな扱いでパパっと死なせる予定でしたが、人間味を持たせた結果かなり後編の展開に関わるキャラクターになりました。情報が少なく扱い辛かったので独自解釈を入れて彼の人物像を組み立てていきました。なので多分最も原作とかけ離れていると思います。ちなみに彼が聖竜連合で使っていたポールという偽名は伊藤計劃氏の著書「虐殺器官」の登場人物ジョン・ポールが由来です。語呂も近いし丁度いいかなと。

 気になった方は是非とも「虐殺器官」を読んでください! 名作です!

 

《アスナについて》

 後編での病み具合は原作ファンに叩かれるのを覚悟で書きました。前編ではセツナにフルボッコにされたり後編ではお留守番状態だったりと散々な扱いだった彼女でしたが、実質本作のヒロインとして活躍してくれたと思っております。アスナがキリトに猛アタックして結婚に至った理由は、セツナとの出来事を経てキリトを彼と同じ道に進ませたくなかったからという原作とのすり合わせのつもりです。

 ま、結婚2週間で未亡人になったけど!

 

《キリトについて》

 完全に空気になってしまいました。原作ファンの皆様ごめんなさい。本格的に登場させるかどうかは前編終了まで本気で悩みました。でも結果としてセツナとの絡みが殆ど無かったからこそ、モノローグで彼の剣で留めを刺す場面でセツナとの奇妙な絆のようなものを演出できたのではないかと思います。

 登場させるべきとは思いましたが、セツナと出会った所で面白い絡みを展開できるほどの実力がありませんでした。2人ともコミュ症の似た者同士ですから、多分会ったとしてもろくに会話できないぜ。

 なぜ分かるのかって? 実体験です!

 

 

【原作キャラのその後】

《桐ヶ谷直葉》

 原作と同様、兄が愛した仮想世界を知るためにALOを始めましたが、兄の死を機にゲームには一切手をつけないようになりました。兄を亡くしたことで長い間落ち込んでいましたが、彼女をALOに誘った長田慎一(レコン)が責任を感じ支えてくれたおかげで立ち直りました。高校・大学でも剣道で優秀な成績を修め、卒業後は警察官になり学生の頃から交際していた慎一と結婚しました。明日奈と会った時期には既に2人の子供を持つ母親になっています。良かったね長田君。

 

《朝田詩乃》

 「ザ・シード」が存在しないためGGOを始めることはなく、学校でのいじめによってPDSDが深刻になり、明日奈が入院していた病院の精神科でカウンセリングを受けていました。SAO事件でカウンセリングを義務付けられていた明日奈と病院で出会い、彼女との交流で過去のトラウマを克服することができました。明日奈がSAO事件唯一の生存者であることは本人の口から聞いていましたが、他言はしませんでした。後に結婚し幸せな家庭を築きます。新川恭二? 誰ですかそれは。

 

《新川恭二》

 SAOで兄の昌一(ザザ)が亡くなりGGOも存在しないため死銃事件を起こすことなく自宅に引きこもる日々を送ります。(不可抗力とはいえ)殺人経験を持つ詩乃への憧れは今作の時間軸でも変わらず、彼女がカウンセリングを受けていたことを知ると激昂し殺そうとしますが、あえなく逮捕されました。それだけでも短編がひとつ書けそうなのですが書く予定はありません。だってこの子「アサダサン‼」しかイメージないもん。

 

《紺野木綿季》

 原作では横浜の病院に姉と一緒に入院していましたが、今作の時間軸ではメディキュボイドを使用するため、姉と離れて設備が整っている明日奈と同じ病院に移っています。姉の死を看取ることができず傷心しきっていましたが、明日奈と出会い彼女との交流を経て明るい性格を取り戻していきます。2026年3月末に容体が急変し、明日奈に抱きしめられながら息を引き取りました。なぜ二次創作なのにユウキを救わない! という方もいるかもしれません。言わせていただきます。俺も自分に腹立ってんだ!

 

《アリス》

 UWが存在しない時間軸なので彼女も存在しません。「ザ・シード」がないんだからしょうがないじゃないか。

 

《ユイ》

 原作と同様キリトのアイテムとしてシステムから切り離されましたが、彼が死亡したためアスナの所有するアイテムとして彼女のナーヴギアのローカルメモリに保存されています。SAO事件後はナーヴギアが回収されましたが、捜査のためにセーブデータの解析とか行われるでしょうし消去はされていないと思います。ぶっちゃけ放置。

 アスナの会話の中だけで登場しましたが、アスナはユイとの出来事も断片的としか覚えてなく、「わけはともかく自分達には娘がいた」と認識していました。滅茶苦茶だけど仕方ないじゃん。あの娘病んでたんだもん。

 

《須郷伸之》

 原作と同様、人間の感情・意思・記憶をコントロールする研究に着手し、今作の時間軸ではレクト・プログレスの社員を被験者として研究を進めていました。ですが被験者の死をきっかけに研究が世間に露呈してしまい、部下共々逮捕されました。その後は原作と同様、レクト・プログレスは解散。結城彰三もレクトのCEOを辞任。会社が運営していたALOはサービス終了になりました。歪みねぇな。

 

《菊岡誠二郎》

 原作ではキリトの聴取を担当していましたが、本作ではアスナを担当しています。アリシゼーション計画のためにUWの作成を進めていましたが、「ザ・シード」が存在せず仮想世界を作成する資金も人材も確保できず計画は頓挫してしまいました。資金はともかく人材が確保できなかった理由について。SAO事件で約1万人の犠牲者が出たことでVR事業は世間から反感と偏見を持たれ、関連企業は次々と倒産していき業界は一気に衰退していきます。エンジニア達も業界の将来を絶望視し転職していく人が多かったため、自衛隊も隠れ蓑としてラースを設立することが不可能になってしまいました。明日奈が晩年の頃のVR技術は医療・軍事目的のみに使用されるようになっています。何かこの人が一番悲惨な目に遭ってるかも。

 

《茅場昌彦》

 原作と同様SAOクリアと同時に脳のスキャニングを実行し死亡しました。精神の電脳化に成功したかどうかは触れていませんが、成功していたらキリトに代わって「ザ・シード」を託せる人物をネットの海から探し続けているのかもしれません。まあ、明日奈が晩年の頃を見ると見つからなかったみたいだけど。

 

 

 最後になりますが、私の自己満足に付き合って頂き、そしてセツナの物語を見届けていただき、本当にありがとうございました。

 少し気が早いですが次回作の構想に着手しております。また鬱展開になるかは未定ですが、そのときは温かく見守って頂けたら幸いです。

 それでは、またお会いしましょう!

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