100年の時を経て、ジョナサンの肉体を乗っ取ったDIOが復活する。同時に、DIO・ジョースター一族には『幽波紋(スタンド)』という能力が発現するッ!しかし、その『幽波紋』が空条承太郎の母であるホリィを危篤状態にさせてしまう。母を救うべく、承太郎はジョセフらとエジプトのカイロへ向かい、DIOと死闘を繰り広げる。
犠牲を出しながらも何とかDIOを打ち破る事に成功する、承太郎。
後は日本へ帰るだけだったのだが、事故はその道中で起きた――――。

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タグにもありますが、『激しい二次創作』『暴力表現』などがございます。

以上が大丈夫な方は先へお進みください。


『運命』

エジプト、カイロにて承太郎たちはDIOを倒すべく、死闘を繰り広げた。何とか勝利したものの、尊い犠牲が出てしまう。。

その戦いから数日、承太郎・ジョセフ・ポルナレフの3人は空港におり、今別れようとしていた。

 

 

 

ポルナレフ「それじゃあな、しみったれた爺さん!!長生きしろよ?そしてそのケチな孫よ!俺の事を忘れるなよ!!」

 

ジョセフ「また会おう!!ワシの事が嫌いじゃあなければな!!間抜け面ッ!」

 

承太郎「忘れたくてもそんなキャラしてねーぜ、テメェはよ…!元気でな…!!」

 

ポルナレフ「あばよ!」

 

ジョセフ「あぁ」

 

承太郎「…あばよ」

 

ポルナレフはフランスへ、承太郎とジョセフは日本へそれぞれ別れてカイロから飛び立つ。

だが、事故はその道中に起きたのだった。

なんと、承太郎・ジョセフが乗っている飛行機が離陸してから2時間後に『墜落』したのである。

そして墜落した所は海上。飛行機は着水時にあっという間に大破し、承太郎達を含んだ乗客は流されてしまったのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

承太郎「ぐっ…うぅ…!!(ここは…何処だ?一体何が起きたんだ…?)」

 

目覚めると暗闇の中に居た。承太郎は状況を理解する為、少し前の記憶を探る。

 

承太郎「…!また墜落したのか…。もう二度とあのジジィとは一緒には乗らねぇ…!!――ッ!ジジィ、何所だッ!?」

 

承太郎は起き上がり、辺りを見回す。しかし、ジョセフの姿は見当たらない。

 

承太郎「まずいな…(まず、ここが何処かも分からねぇ。それに加え、ジジィの安否すら不明だ。とりあえず、周りを散策してみるか)」

 

近くにジョセフが居ないか、壁に手を当てながら移動する。

 

承太郎「(この感触…どうやらここは洞窟らしいな。湿気が高い…温度もだ。そして独特の硫黄の匂い…。ここは火山周辺なのか?)」

 

壁をつたって数分ほど歩く。すると奥の方に灯りらしき光が見えた。

 

承太郎「!(灯りだ…!!とりえあずはそこに行くとするか…。)」

 

その灯りの方へと承太郎は向かう。途中まで歩いた所で、先に広い空間が確認できた。

 

承太郎「これは…『橋』か?(川も流れていない所に橋…?一体どういう事だ…?)ん…?」

 

承太郎は視線を感じ、その方向へと視線を運ぶ。すると橋の上に1人の女性が立っていた。

 

承太郎「そこのアンタに尋ねたい事がある。身長は俺と同じくらいで白髪のマッチョなジジィを見かけなかったか?」

 

女性「…」

 

女性は承太郎の質問に対し答える訳でもなく、ただじっと承太郎を見つめていた。

 

承太郎「おい、アンタに聞いているんだと言っているんだが―――」

 

女性「貴方…嫉妬っていう感情が一切ないわね。」

 

承太郎「嫉妬…?そんな事はどうでもいい。ジジィを見なかったか?俺の連れなんだ」

 

女性「つれないわねぇ…。マッチョなジジイなんて見てないわよ。でももしかしたらこの先に居るかもしれないわね…。」

 

女性はそう言って、指をさす。その先には広場らしき空間が見えた。

承太郎はそこへ行ってみる事にした。

 

承太郎「そうか…。情報提供を感謝する。」

 

女性「…(あ、鬼に気を付けろって言うのを忘れてた…。でもここ周辺にいたのなら普通知っているわよね)」

 

 

 

 

 

 

『ワイワイ、ガヤガヤ!!』

 

承太郎「…!?(ここの連中の姿は一体何だ…?!とにかく人じゃねぇッ!!)」

 

承太郎は広場の入り口まで来た時、言葉を失った。これまで数々のスタンド使いと交戦して来た為、それなりの事では驚かないようになっていた。

だが承太郎の目の前を歩く者達は皆、人型ではあるものの外観が『化け物』と呼んでも等しい姿をしていたのだった。

 

 

『ヒソヒソ…ヒソヒソ…』

 

 

承太郎「!?」

 

すると今度は周りの通行人が承太郎の姿を見て、ヒソヒソと小声で話し合い始めた。

そして承太郎はその者達の目を見て察した。

 

承太郎「(あの目…敵意を持った目だ。まさかDIOの手下か…?いや、DIOはこれほどまでに手下は作らない筈だ。それに俺を見ても襲ってくるわけでもない。ただ見ているだけだ。なら先を行っても大丈夫だな)」

 

承太郎は冷静に分析し、再び歩み始める。だが一応襲われた時の為に、警戒はしておく。

しばらく歩いていると、酒の匂いが充満している所へ辿り着いた。

 

承太郎「(…周りは居酒屋ばっかりだ。その所為で鼻が曲がるほど臭ぇ…。)」

 

 

『おいこのクソジジイ!!今イカサマをしただろう!!』

 

 

辺りを見回している時、ある一軒の居酒屋から怒号が聞こえた。

するとその店から1人のある者が凄い勢いで飛びだして来た。

 

???「ぬおおおおーーーッ?!!な、何なんじゃあの力はーーッ?!!」

 

承太郎「ッ?!あれは…『ジジィ』!!」

 

???「ぬぅ?!じょ、承太郎!!」

 

その店から飛び出した来た者。それは承太郎が探していた『ジョセフ・ジョースター』本人であった。

 

ジョセフ「よ、良かった!無事じゃったか!!」

 

承太郎「ジジィ、何でテメーは居酒屋から勢いよく飛び出してくるんだ?」

 

ジョセフ「そ、そうじゃった!!承太郎、助けてくれッ!?」

 

承太郎「おい、ちゃんと説明を―――」

 

??「何だ、テメェもそのクソジジイの仲間かぁ?!こっちが親切で情報を提供してやると言っているのに、卑怯な真似をしやがって…!!」

 

ジョセフが飛び出した店から大男が、2人の元へやってくる。その者も人型ではあるものの、人間とは言えないような姿をしていた。

 

化け物の頭「お前らァ!!この2人を取り囲めぇッ!!」

 

後ろにいる化け物たち「了解しやしたーー!!」

 

承太郎、ジョセフはあっという間に化け物たちに包囲され、退路を失ってしまう。

 

化け物の頭「人間如きがいい気になりやがって…!!ぶっ殺してやらァ!!行け、お前らァ!!」

 

化け物たち「アイアイサーーッ!!」

 

承太郎「ジジィ、後で説明しろよッ!!『星の白金(スタープラチナ)』!!」

 

ジョセフ「元からそのつもりじゃ!!後ろは頼んだぞ承太郎ッ!!『隠者の紫(ハーミット・パープル)』!!」

 

化け物たちが2人に襲い掛かるも、2人は軽くあしらって見せる。

 

スター『オラオラオラオラオラオラオラ!!!!』

 

ジョセフ「ぬぅああっ!!!」

 

化け物たち「ギャアアアーーーッ?!!」

 

承太郎は星の白金(スタープラチナ)でオラオラ、ジョセフは隠者の紫(ハーミット・パープル)を鞭のように扱って化け物たちを吹っ飛ばす。

 

化け物「か、頭ァッ?!あの2人に近付けねぇ?!見えない何かに防がれている?!」

 

化け物の頭「おいおい、戦闘においてもイカサマかぁ?もういい、俺が行くッ!!」

 

 

『ダンッ!』

 

 

化け物頭が思いっきり地面を踏み込むと、既に承太郎の目の前まで迫って来ていた。

 

承太郎「テメェじゃあ俺には敵わねぇ…!」

 

スター『オラァッ!!』

 

化け物の頭「プゲラッ?!!」

 

化け物たち「お、お頭ァ~~~ッ!!?」

 

化け物A「そ、そんな?!頭のスピードに追い付ける者はそうそういねぇ筈じゃあ…?!」

 

化け物B「しかも相手は人間だぞぉ?!ただの大男じゃなかったって事かよ?!」

 

承太郎「おいテメー等」

 

化け物たち「ハイィッ?!!」

 

化け物たちはすっかり弱腰となり、承太郎に恐怖していた。

 

承太郎「ジジィが世話になったな」

 

化け物たち「ハッ、ハイッ?!ししし失礼しましたーーーッ?!!」

 

化け物たちは頭を担いで一目散に逃げて行った。

 

承太郎「やれやれだぜ…。――で、ジジィ。どうしてテメェがあの店から出て来たんだ?」

 

ジョセフ「あぁ、取りあえず情報を入手しようと思って周りの者に聴きこんでいたんじゃが…その途中であの輩に捕まってのぉ。賭け事に勝ったら情報をやる、と言うものだからつい…」

 

承太郎「成程な。ジジィのやりそうな事だぜ…。」

 

??「へぇ…アンタ等、不思議な力を使うんだねぇ。」

 

承太郎・ジョセフ『?』

 

後ろから承太郎達に声をかける者が現れる。その者は額から角が出ているものの、それ以外は人間と全く変わらない外見だった。

 

承太郎「どういう事だ…?」

 

??「いや、まずは詫びからだね。すまないね、アイツ等ちと卑怯な集団でね。1人を大勢で襲うような奴さ。」

 

ジョセフ「いや~本当に卑怯な奴らじゃったわい!でもワシのイカサマを見破るとは思ってもいなかった、ワッハッハッハッハッ!!!」

 

承太郎「ジジィ、テメェ…!!」

 

??「ハッハッハッハッ!何て爺さんだ、あいつらにイカサマかけるたぁね!!それよりもあんた等もしかして地上に戻りたいんじゃないかい?」

 

ジョセフ「ああ。じゃがここが何所なのかもわからないんじゃ…できれば教えてくれんかの?」

 

??「ああ。なんなら送ってやってもいいぞ?」

 

ジョセフ「ほ、本当か?!」

 

??「ただし条件がある。」

 

ジョセフ・承太郎「?!」

 

??「私とちょっと戦ってくれないかい?アンタ等の戦いぶりを見てるとこっちも興奮しちゃってね…」

 

承太郎「ここには好戦的な奴が多すぎるぜ…!!」

 

ジョセフ「ぬぅ…勝っても負けても、戦えば送ってくれるんじゃな?」

 

??「あぁ、『鬼』は嘘をつかないから安心しな!」

 

承太郎「『鬼』だと…?じゃあその角は本物だというのか…?」

 

勇義「あぁ、紹介が遅れたね。私は勇義、星熊勇義だ!戦いにはちゃんと手加減するから安心してくれ!」

 

??「勇義ぃ~面白そうな事をしているじゃん~」

 

ジョセフ「む?今とても近い所から声が…」

 

ジョセフがキョロキョロと見回していると、勇義の隣にどんどん霧が密集してきていた。

 

承太郎「霧だと?!(辺りには霧が発生していない筈だ、じゃあ何処から霧が…?!まさかスタンドか?!)」

 

??「んぱっ!」

 

ジョセフ「しょ、『少女』じゃ?!霧が密集して少女がでてきたぞ、承太郎?!」

 

??「アハハハッ!!そんな風に反応してくれる人なんて久しぶりだねぇ!!」

 

勇義「萃香か。姿を現すなんて珍しいな」

 

??「いや、私もちょっと戦ってみたいんだよねぇ。酒はおつまみがなければ飲めないってね…!」

 

承太郎「その角…テメェも鬼か」

 

萃香「あ、うん。私ゃも鬼だよ、鬼の伊吹萃香。さてどっちが相手をしてくれるんだい?それとも2人でくるかい…?」

 

勇義「おいおい、私の相手を奪うなよ。声をかけたのは私が先なんだから…」

 

ジョセフ「いや、儂は遠慮しておこう。戦闘面ではあまり得意じゃあないからのう…」

 

承太郎「…」

 

勇義「そうか…ちょっと残念だね。じゃあそっちの若いのが相手をしてくれるのかい?」

 

萃香「でもさすがに私達2人同時に戦うのは無理があるし…。どっちが戦う?」

 

承太郎「2人同時だ」

 

勇義・萃香「え…?」

 

承太郎「2人同時でかかってこいと言っているんだ。戦うからには相手が女だからといって手加減するつもりはねぇ。」

 

萃香「ア、アハハハ…ずいぶんと舐められているね、私達…」

 

勇義「いいのかい?今、言い直したら考えない事も無いが…」

 

承太郎「俺は2人同時でかかって来な、と言っているんだッ!!」

 

萃香「へぇ…随分と自信があるらしいね…」

 

勇義「お前さんがそこまで言うなら仕方ないね。自分の言った事に後悔するんじゃあないよ?」

 

承太郎「ジジィ、そこは邪魔だ。退いてな」

 

ジョセフ「ああ、わかっとる。じゃが承太郎、油断はするな…!!」

 

承太郎「余計な世話だ…」

 

戦闘が始まろうとしていた時、既に周りの人は下がっていてある程度の空間を作っていた。

中には観客気分で座り込んでいる者もいる。

 

勇義「そうだな…じゃあこの小銭が地面に落ちた瞬間を戦闘開始の合図としよう。」

 

承太郎「いいだろう…。」

 

萃香「さてさて…まずは様子見かな?」

 

勇義「じゃあいくぞ…」

 

 

『ピンッ!』

 

 

小銭は空高く打ちあがる。そして、小銭が落ちたと同時に勇義は動き出す。

 

勇義「歯ぁ食いしばりな!鬼の拳は痛いじゃすまないからねッ!!」

 

承太郎「!(速いッ!!)『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

 

スター『オラァッ!!』

 

勇義「ぐっ?!」

 

萃香「…何か出しているね。ただ、それが私達が目視出来ない物だと厄介だねぇ…」

 

勇義「へぇ…かなりの威力だ…!!いいねぇ、血が滾るよ…!!」

 

承太郎「(堅ぇ…?!それに殴られる直前に受け身をとってやがる…!!想像以上だぜ、鬼って奴はよぉ!!)」

 

萃香「じゃあ今度は私が行かせてもらうよ…!!ハアッ!!」

 

承太郎「(もう目の前に…?!駄目だ、避けられねぇ?!)『星の白金(スタープラチナ)・ザ・ワールド』!!」

 

 

『ヴィィーーン…』

 

 

承太郎は時を止める。その間に萃香から数十m程離れて構える。

 

承太郎「そして時は動き出す―――」

 

萃香「?!」

 

承太郎「どうやらテメェ不思議な能力を持っているようだな。体を霧と化して移動。スタンド使いでもなさそうだ」

 

萃香「『すたんど』…?よくわからないけど、不思議な力ならアンタも持ち合わせているじゃあないか…!!」

 

勇義「萃香ッ、退きなッ!!!」

 

萃香「ちょっ?!」

 

承太郎「ッ?!『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

 

スター『オラオラオラオラオラオラオラ、オラァッ!!』

 

萃香が消えると同時に、承太郎の視界には凄い速さで向かってくる大岩が入った。

それに対し、承太郎は星の白金(スタープラチナ)で向かい討ち、大岩を砕き割る。

 

萃香「ちょっと勇義?!加減って物を考えてよ?!」

 

勇義「あぁすまんな!でもこれでアイツの強さもわかってきた。私達に見えていない物の攻撃力は鬼と同等かそれ以上だ…!!」

 

萃香「まぁ岩が粉々になっているしね…。」

 

勇義「それにさっきの衝撃は殴られた感じだ…。つまり見えない人がいると考えていいだろう!」

 

承太郎「…(強いだけじゃなく分析力も高い…。つまり戦闘に長けた者だという事か)」

 

勇義「よし、喋るのは飽きた!あとは攻めまくるだけだッ!!」

 

勇義が大きく踏込み、承太郎へと一気に近づく。承太郎はカウンターを放つ。

 

スター『オラァッ!!』

 

勇義「グッ…!!(まだだ―――強引に突き進む!!)ハアァァッ!!!」

 

承太郎「ぐうぅっ?!!(何だこの力は…?!星の白金(スタープラチナ)で何とか防いだがとても重い…!!)」

 

勇義は星の白金(スタープラチナ)のパンチをくらってもそのまま強引に進み、承太郎へ殴りかかる。

承太郎は星の白金(スタープラチナ)で防ぐも、吹っ飛ばされる。

 

ジョセフ「じょ、承太郎ッ!!(あの星の白金(スタープラチナ)を強引に…?!なんて奴じゃ…!!)」

 

萃香「追い打ちをかけるようでゴメンね…!!」

 

承太郎「ッ?!」

 

ジョセフ「こ、これは…!?『増えて』いる?!伊吹萃香が何人にも…?!承太郎ッ!!」

 

承太郎「『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!」

 

スター『オラオラオラオラオラオラ!!!』

 

萃香「イタッ?!何かに殴られている、けど…後ろも見ておいた方がいいよ?」

 

承太郎「何ッ!?」

 

承太郎は避ける事は不可能と判断し、時を止めようとする。

だがその『直前』に、時は停止した。

 

 

『ヴゥゥーーン…!!』

 

 

承太郎「なッ?!(これは時間停止!!俺がやったんじゃあねぇ、誰かがやったんだッ!!だが今は好機だ。ほんの一瞬だけ動ける…!!)」

 

承太郎は後ろにいる萃香達をその一瞬で、殴りまくる。

 

スター『オラオラオラオラオラオラ、オラァッ!!』

 

 

『ギ、ギ、ギ……』

 

 

承太郎「(チッ、ここで限界か…!!だがあとは前のみ。時が動き出したと同時に叩き込むッ!!)」

 

承太郎は再び時が動き出すのを待つ。だが、今回は明らかに長かった。

DIOは時を9秒程停止させる事が出来る。承太郎自身も5秒間程、時を停止させる事が出来る。

しかし、今現在で既に停止時間を1分経とうとしていた。

 

承太郎「(これでもう1分も経つ…。これはあまりにも長すぎる…!!だからと言って何か出来る訳でもないんだがな…)」

 

 

『グググ…』

 

 

承太郎「(来た…時が動き出すッ!!)」

 

後ろの萃香達「ぐあっ?!」

 

萃香「ッ?!」

 

承太郎「そこだッ『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!!」

 

スター『オラオラオラオラオラオラ、オラァッ!!!』

 

萃香「んぎゃあっ?!!」

 

 

『ズガーンッ!!』

 

 

勇義「何ッ?!(今、萃香は完全にアイツを包囲していた…!!なのに一瞬で萃香達を吹っ飛ばした?!)」

 

承太郎「聞きたい事が増えた。だからさっさと終わらせるぜ…!!」

 

勇義「ッ?!(速い?!これが人間の出す速度かい?!)」

 

承太郎は星の白金(スタープラチナ)の踏み込みで、勇義へと一気に近づく。

 

承太郎「ギリギリ射程距離内だ『星の白金(スタープラチナ)』ッ!!!」

 

スター『オラオラオラオラオラオラ、オラァッ!!』

 

勇義「ぐああッ?!!」

 

萃香と勇義は人の壁を越えて、民家に吹っ飛んだ。

そして周りは大きくどよめいた。

 

見物者A「あ、姐さんと萃香さんが負けた…?!」

 

見物者B「あの人間、直接2人に触っていなかったのに吹っ飛ばされてるぞ?!」

 

見物者C「鬼に勝っちまう人間だなんて博麗の巫女以外にも居たのかよぉ?!」

 

 

『ハッハッハッハッハッ!!!』

 

 

その場に居る者『!?』

 

勇義が吹っ飛んだ方向から大きな笑い声が聞こえた。

 

承太郎「何だと…?!(少し強めに殴ったがそれでも平気なのか…?!)」

 

勇義「いやぁ、お前さんは凄いよ。いつ以来かねぇ、吹っ飛ばされたのは…」

 

萃香「イタタタ…私に至っては何か同時に衝撃がきたんだけど…。」

 

ジョセフ「すまないがお二人さん、ここまでにしてくれんじゃろうか?これ以上戦うと体が動けなくなる…」

 

勇義「あぁそうするつもりさ。えーと…確か地上まで送ってほしいんだっけか?」

 

承太郎「それもある。あとは此処が何所なのかという事と、『時を止める』事ができる奴は他にも居るのかという事だ」

 

ジョセフ「ど、どういう事じゃ承太郎?!まさかお前以外にも時を止める奴が…!!」

 

承太郎「ああいるぜ。3秒や9秒の短い時間じゃなく1分以上も時を停止できる奴がな。」

 

勇義「時間停止…?まさかお前、時間を止めれるのか…?!」

 

承太郎「…」

 

萃香「何だ、だったら私もっと能力を使ったのに…。あぁそれと、お前が言っているのは『十六夜 咲夜』じゃないかな?」

 

承太郎「十六夜…咲夜…?」

 

萃香「おっと言ってもわからないよね。まぁそいつが『時を操る程度の能力』を持っているっていう事さ。」

 

承太郎「…(十六夜咲夜…。咲夜…?いや、気のせいか…。)」

 

勇義「どうした、急に黙り込んで?」

 

承太郎「別に何でもねぇ。それじゃあもう1つの質問についての答えを頼む」

 

萃香「そうだねぇ…ここは地底だよ」

 

承太郎「それは見たらわかる。」

 

勇義「…なぁお前らの服装を見て思ったんだが…。『外来人』って言葉、知ってるか?」

 

ジョセフ「『外来人』…?」

 

萃香「成程ね。アンタ達は外来人だったのかい。だったら説明はこうした方がいいよね。ここは『幻想郷』。アンタ達から見ればこの世界は『異世界』って奴さ」

 

ジョセフ「い、異世界じゃと?!つまりここは…」

 

勇義「あぁ、お前達が居た世界じゃあない」

 

ジョセフ「ななな何て事じゃ…?!ホリィィーーーーッ!!!ワシは一体どうすれば…」

 

萃香「安心しな。ちゃんと帰る方法はあるから。」

 

ジョセフ「ほ、本当かッ?!何をすれば…」

 

承太郎「ジジィ落ち着け。まずは話を聞く事が先だ。」

 

ジョセフ「そ、そうじゃな…。取り乱してすまない…」

 

萃香「仕方ないよ。むしろ君の反応の方が非常識だねぇ…もうちょっとリアクションをしたらどうだい?」

 

承太郎「そんな事どうでもいい。さっさと話をすすめな」

 

萃香「冷たいねぇ…。ま、話を戻すけど…この世界から出る為には2つの手段がある。1つ目は博麗神社に行く。2つ目は八雲紫という人物に連れて行ってもらう。」

 

承太郎「どっちの方が早く済ませる?」

 

萃香「どうだろうね…。八雲紫をささっと見つけれればそっちの方が早いけど、何しろ神出鬼没な奴だからね…」

 

ジョセフ「じゃあその『博麗神社』とやらの所まで行けばいいのじゃな?」

 

萃香「その方が妥当かもね。私が案内した方が動きやすいだろうし、ここは私に任せな。勇義」

 

勇義「確かにそうだな…。じゃあ頼んだ。お礼に酒を奢ってやるよ!」

 

萃香「おっ、いいねぇ~!!じゃあ私は2人を神社まで案内してくるよ。2人共、ついてきな」

 

ジョセフ「良かった、これで今度こそホリィに…!!む?おい承太郎、何をボーッとしておる?早くこっちに来んか!」

 

承太郎「ったく、うるさいジジィだぜ…(十六夜咲夜…燃やしたノートに書いてあったような気がするが気のせいか…。)」

 

ジョセフと承太郎は萃香についていき、歩き続けた。

半日程たった頃、ようやく神社の階段の所までやって来た。

 

ジョセフ「車がないとは一体どんな世界なんじゃ…もう足が疲れたぞ…」

 

萃香「仕方ないよ。この世界の住民は飛んだりして移動するから」

 

承太郎「この階段の上に神社があるんだな?」

 

萃香「そうだよ?」

 

承太郎「おいジジィ、そんな所でへばってちゃあ愛娘に逢えねぇぜ。」

 

ジョセフ「そ、そうじゃったッ!!ホリィ待っておれ今行くからなぁぁぁ、ぬおおおっ!!!!」

 

ジョセフは叫びながら階段を一気に駆け上る。

 

萃香「面白いお爺さんだねぇ!!」

 

承太郎「やれやれだぜ…」

 

ジョセフの後に続き、承太郎たちも階段を上っていく。

階段を上り終えると、境内には2人の女性が立っていた。

 

萃香「あれっ?!珍しい事もあるものだねぇ。まさか『紫』が居るだなんて」

 

承太郎「『紫』だと…?!じゃあ―――」

 

紫「えぇ、私が八雲紫よ。この度は御免なさい…結界に小さな亀裂が生じちゃって、少しこの世界へ迷い込んでしまった人が出て来たの。」

 

??「安心して。これからは気を付ける様にって事で、かるく夢想封印を3発くらい放っといたから」

 

紫「いきなり木に縛り付けられて、終いには夢想封印…シクシク、紫は悲しいわ!!」

 

??「『夢想天生』!!」

 

紫「ちょっと待って、それはダメよ?!いくら何でも奥義はダメよ!?」

 

??「大丈夫、ハッタリだから。でも次は無いわよ」

 

紫「は、はい…。」

 

萃香「ちょっと紫、早くこの2人を返してあげたら?なんか用事があるんだと」

 

紫「そ、そうだったわ…。じゃあ今から貴方達を元の世界へ返します。そうですね…場所は何処がいいですか?」

 

ジョセフ「そうじゃな…日本の東京で頼む。」

 

紫「わかりました。ではどうぞこの先へお進みください…」

 

 

『ズズズ…』

 

 

ジョセフ・承太郎「?!」

 

ジョセフと承太郎の前に人2人分入るぐらいの空間が開く。

 

ジョセフ「OH MY GODーー?!な、何じゃあの空間は?!見てるだけでも体がゾワゾワするぞぉ~~?!うぎゃぁぁ~~~!!?」

 

紫「この先は貴方達が居た世界となっておりますのでご安心を。」

 

承太郎「行くぞジジィ。いつまでも体をくねらせているんじゃあねぇ」

 

ジョセフ「わ、分かった…!!ホリィ、今行くぞぉぉーーーッ!!!」

 

 

『ズブンッ!』

 

 

承太郎「うるさいジジィだ…本当によ…」

 

 

『ズブンッ!』

 

 

ジョセフの後を追いかけるように承太郎も空間の入口へ入っていった。

 

萃香「…行ったね。無事着いた?」

 

紫「えぇ。スキマで2人の無事を確認したわ」

 

??「ま、今回はちゃんと自分で解決してくれたから良いけど…。もし今度似たような事があって、しかもその外来人を私と対面させた場合は、とことんアンタをボコボコにするから覚悟しておいて」

 

紫「私は何も聞いてなーい。アリーヴェデルチ♪」

 

 

『ズブッ!』

 

 

紫はスキマの中へと潜り込み、その場から消えた。

 

??「逃げやがった…」

 

萃香「それにしてもあの外来人強かったなぁ~…。名前を聞き忘れちゃった。…さてと、勇義にお酒でも奢ってもらいますか!」

 

 

このあと萃香は勇義の元へ行き、三日三晩酒を飲むのだった。

 

 

 

 

 




この作品をご覧になってくれて有難うございます。銀の鰹節です。
今回は『短編』という事で書かせてさせてもらいました『ジョジョの奇妙な幻想入り』。
ジョセフの『飛行機墜落経験』を思い出した時に幻想入りの経路を思いつき、書こうと思った時には既に行動が終わっていました…。そして、血の気の多い地底では戦闘が起こりやすかと思い、ジョセフと承太郎を地底スタートとさせていただきました。
自分としてはこういうのが書けてもう満足です。
それではここで終わりにさせていただきます。

読んでくれて有難うございました!


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