ミサイル、そう呼ばれる兵器があることを知っているだろうか?あえて特徴を上げれば、ロケットのような形状をしており、戦闘機や戦艦が積んでいるようなアレである。
古今東西あらゆるゲームやアニメ、実際の戦場でも使用され、武器、兵器と言われると何を思い浮かべる? と聞かれれば、戦闘機や戦車などの中に加わるほどの知名度を誇る、ある意味で有名で強力な兵器だ。
その種類は多岐に及び、例をあげれば、対地、対空、巡航、弾道などなど、一口にミサイルと言ってもその使用の用途によって数十種類、そこからさらにミサイルの弾頭だ、信管だ、などとあげていけばきりがないほどの種類を持つ。
そして、このどれもがあらゆる戦場において高い攻撃力を発揮するのは、一般に広がっているミサイルのイメージから察するのは容易だ。
ここまで話したところで、これを読んでいる読者の皆さんに少し質問したい。
『高速で飛来するミサイルを、それを乗り物にできると思うか?』
おそらく、ほとんどの人は不可能というだろう。むしろこの質問に対して大笑いしてしまうかもしれない。だが、筆者である私はあくまでも真剣に聞いているのだ。
とはいえ、大半の人が冗談として笑い飛ばすだろう。私だって彼らのことを知らなかったらそうしてる。まあ、そこらへんの話はこれから書いていくことにしよう。
まあ、よくできた作り話と判断するのもいいが、この本を読むときには一つだけ、一つだけ注意してほしい。
彼らの真似は絶対にしないでくれ、あれができるのは熱い魂をもった奴だけなのだから…。
民明書籍『魂斗羅~熱き戦士~』より一部抜粋
彼女――織斑千冬と言う名前の少女は、目の前に広がる光景を見て、そのあまりにも現実離れした光景を見て固まってしまった。
私生活こそ乱れているものの、それ以外の面では欠点という欠点はなく、文武両道容姿端麗、どのような事態にも冷静に対処することができるクールビューティ。それが世間一般の織斑千冬への評価であり、彼女自身もそうあろうとしてきた、が、まだ若い彼女にとってその光景はあまりにも現実離れし過ぎていた。
その光景に、星間距離でもあらゆる情報を近くすることができるISのハイパーセンサーの故障ではないか、そう思って数回スキャンをし直したほどだ。
だが、いくらスキャンしなおしたところで結果が変わることは無く、彼女はこの光景が現実であると認めるしかなかった。
友人が行った強引過ぎる手段の被害を食い止めるために、試作型であり完成形の一つであるISを駆って空へと飛び立った、そのはずなのに、これは何の冗談なのだろうか? ついにはハイパーセンサーの故障ではなく、自分が夢を見ているのではと思い始めた彼女。
まあ、若い彼女が混乱してしまうのも無理はないだろう。
赤いバンダナを巻いた上半身裸のガチムチと、タンクトップを着た、彼女とそう歳が離れていないであろう少年が、ミサイルと飛び回る戦闘機などを足場にして縦横無尽に宙を駆けてその手の大型の銃火器でミサイルを落としている。
戦闘機ならまだしも、ミサイルなんてどうやって足場にしてるんだ!? 思わず彼女はそう叫びたかったが、そんなことを叫んでも何の解決にもならない。
むしろ、叫んだところで帰ってくる答えは
『ああ、またあいつらか』
くらいなものだ。
彼女は知らないことだが、大気圏までヘリを飛ばしたうえで平然と帰還してくる、そんな芸当をやってのける連中なのだ。いまさらこんなことの一つや二つで動じる人物はいないだろう。
突然響く警告音。
彼女がその音に顔を上げれば、そこにはこちらに迫るミサイル。
加速、斬撃。すれ違いざまの斬撃でミサイルは爆散。その爆発を感じて彼女は今までの行動を恥じた。
自分が今ここにいる意味を考えれば、彼らがミサイルを足場にしているなんてそこまで問題ではないではないか。むしろ、心強い味方と考えてもいいではないか。
今さら常識を語るような環境に身を置いてはいないだろが。彼女は自分にそう言い聞かせると、ミサイルの群れ、今もなお戦い続けている男たちのもとへと最大出力で駆け抜けていったのだった。
後に、この空を覆い尽くすほどのミサイル群が日本を襲った事件は、その最功労者である特殊部隊の漢たちの名を合わせて『魂斗羅事件』と名付けられた。
そして、このとき漢たちと共に勇敢にミサイルに立ち向かっていった一人の女性と、白騎士と名付けられたISはその功績を称えられ、ISというマルチフォームスーツに対して世界が目を向けることとなるのだが、開発者曰く、
『こんなの私が求めてた結果じゃない!!』
だそうだ。
そして、この魂斗羅事件によって世界各地の軍隊、およびある特殊部隊への入団希望者が過去最大のものになったのだが、それはまた別の話。
そして、ISに関係する技術者及びパイロットを育成する専門学校であるIS学園が日本に開設され、同時にとある少年が二人、そのIS学園に編入することになるのだが、これもまた別の話だ。
某国のとある研究所にて
「なあ、ビル?」
「どうした? 寅?」
「これどうやって外せばいいんだ?」
「これって――なに纏ってるんだ!?」
「いや、ISってやつ。面白そうだったから装備してみた」
「え?」
「え?」
日本国某所
「千冬ねぇーーー!!」
「なんだ? 朝っぱらから」
「俺! 試験受かった!!」
「え?」
二丁クラッシュガンとIS用ブレード片手に敵を薙ぎ払う魂斗羅達が生まれるまであと――
ついカットしてやった、後悔はしてないし、反省もしていない。
でも、続くかどうかは正直分からない。