ハリーポッターと導く者 〜改訂版〜   作:ニルドアーニ四世

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幼馴染

 

 

 

 

 

ハウルは他のホグワーツ生と共にプラットホームに降りた。人の流れに乗りながら前へ進むと遠くから懐かしい低い声が聞こえる。

 

ハウルはその声の方向へ向かうと、やがてその声の主が見えた。

 

「“イッチ()”年生!“イッチ()”年生はこっち!」

 

ダイアゴン横丁でハリーと共に出会ったハグリットだった。ハウルはハリーからハグリットの話を既に聞いていた為、彼への警戒心はほとんど解いていた。

 

やがて一年生が一同に集まりハグリットを先頭に歩き始めた。ハグリットと一部を除き、皆が滑ったり、つまずいたりしながら、険しく狭い小道を進む。

 

やがて黒い湖のほとりに出ると、壮大な城が見えた。

 

大小様々な塔が並び立ち、キラキラと輝く窓が星空が浮かんでいた。

 

 

ホグワーツ魔法養成学校である。

 

 

 

ホグワーツの城の巨大で頑丈そうな扉がゆっくりと開くと、扉の向こうにはエメラルド色のロープを着た背の高い厳格そうな魔女が立っていた。

 

「ご苦労様、ハグリット。ここからは私が預かりましょう。」

 

ハグリットは笑みを浮かべて会釈をするとその場を離れた。そして一年生はその魔女の後に続いて進み始める。

 

石壁を小さな大量の松明の炎が照らし、天井はどこまでも高く続き、また壮大な大理石の階段が正面から上へと続いている。

 

幻想的なホグワーツを生徒達はチラチラと見回す。

 

そしてその魔女はホールの入り口の立ち止まると新入生の方を振り返った。

 

「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会が間も無く始まりますが、皆さんが入る寮を決めなくてはなりません。組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が皆さんの家族のようなものになるわけですからね。寮は全部で4つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリン。どれも輝かしい歴史があり、偉大な魔女や魔法使いを輩出しました。

ホグワーツにいる間、皆さんのよい行いは属する寮の得点になりますし、反対に規律に違反した時は減点対象となります。

そして学年末には最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられますから、どの寮に入るにしても皆さん一人一人が寮の誇りになるよう望みます。

まもなく全校列席の前で組分けの儀式が始まります。待っている間、できるだけ身なりを整えて起きなさい。」

 

魔女は長い文章を一度も噛まず、スラスラと単調な声で説明する様に説いた。そして魔女は一年生達を置いてホールの中へ入った。

 

厳格そうな魔女が居なくなると生徒たちは会話を始めた。

 

ハウルはハリー、ハーマイオニー、ネビル以外に知り合いが居ない為、静かに待っていると誰かが背中に抱いてきた。

 

誰かに後ろからムギュッと強く抱き締められ、驚き誰か確かめようとすると声が聞こえてきた。

 

「久しぶり...ハウル。」

 

単調な声が背中から聞こえ、ハウルは誰か理解し、軽く溜め息をついた。

 

以前からホグワーツに来ることは知っていたが、完全に存在をわすれていた。彼女もまたハウルの数少ない友達の一人である。

 

「レイナか、離せ...。」

 

ハウルは後ろを振り返ると、無表情で長くサラサラな黒髪をしている可愛らしい女の子の顔が目と鼻の先に見えた。

 

レイナはハウルの言葉に従わず更に強く抱き締めた。ハウルは周りからの目を感じると力ずくでひっぺがした。

 

無表情ながら少し恨めしそうな顔をしていた彼女だが、それ以上にこの再会が嬉しいのかどこかしらワクワクしている様子だった。

 

レイナ・シュトラウス。そこそこの名家の者であり、ハウルとの関係は父親同士が友人であるからだ。

 

正確にはシュトラウス家のパーティに招待されたガリムが息子達の修行の気分転換に連れてきた時にレイナがハウルに一目惚れし、マグルの携帯電話の様なものである両面鏡を渡し、今の関係を築いた。

 

両面鏡では偶に会話をする仲であるが、実際に会ったのは半年ぶりである。

 

「それくらい別にいいじゃない。」

 

「なにを言ってる?目立つだろ...。」

 

レイナを諌めるがまだ納得してないようだ。ハウルは彼女の好意に微かに気付きながらも友人以上には思えなかった。

 

「これでいいか?」

 

ハウルは顔を近づけ、レイナの髪を優しく撫でた。サラサラな黒髪は彼の手で軽くなびき、女性特有の甘い香りがする。

 

ハウルは母親からこうしたら女子は大人しくなると聞いたことがあったため、この手段を取った。

 

この言葉には裏があり、好意を持つ女子のみである。だが彼の卓越した容姿を持ってすればハードルは限りなく低かった。

 

「ふふん...。」

 

レイナは顔をうつむかせながら両頬を赤く染め、満足そうな声をあげた。

 

二人のの周りの男子生徒は妬みの目線をハウルにぶつけ、ハウルに見惚れた女子生徒は嫉妬と羨望の眼差しをレイナにぶつけるが美少女のレイナには敵わないからか、ハウルとレイナの事を理想のカップルとして認める者も少なくはなかった。

 

だがそんな時に空気を読めない一人の男子生徒が声をあげ、二人の甘い世界を崩した。

 

「ここにハリー・ポッターがいるんだろ。」

 

青白い顎の尖った男の子がワザとっぽく声をあげ、2人の意地悪そうなガッチリした男の子を引き連れ、その場を離れた。

 

そしてその男の子は2人を引き連れながら、ハリーの目の前へ行った。

 

「こいつはゴイル、こっちがクラップ。そして僕がマルフォイ。ドラコ・マルフォイ。」

 

マルフォイは威張った様な自己紹介をハリーにした。驚いているハリーを余所に側にいた赤毛でそばかすの男の子がクスッと笑う。その事に不快に思ったマルフォイは赤毛の男の子の顔を意地悪そうにジッと見た。

 

「僕の名前が変だというのかい?君が誰だか聞く必要ないね。パパが言ってたよ。ウィーズリー家はみんな赤毛でそばかすで育てきれないほどの子供がいるってね。」

 

マルフォイは赤毛の少年に悪態をついた。その言葉が図星であったのか、何も言えない様子に満足そうな顔をするとハリーの方を見た

 

「ポッター君。そのうち家柄のいい魔法族とそうでないのが分かってくるよ。間違ったのとは付き合わないことだね。そのへんは僕が教えよう。」

 

マルフォイはハリーに手を差し伸べるが、ハリーにチラチラと赤毛の子を見て少し戸惑っている。

 

するとその様子を皆がジッと見つめる雰囲気の中、とある声に遮られた。

 

「ドラコ・マルフォイとかいったか?家柄が良いのなら良いなりの態度を取るべきなのではないか?」

 

ハウルはマルフォイの少し見下した態度に苛つきを覚え、声を発した。マルフォイとハリーの元へ向かうと新入生達は道を開ける。

 

声の主が誰かを確認すると、マルフォイは目を軽く見開き、意外そうな声をあげた。

 

「おや、そういう君はグレンスト家の人間だね。君はこちら側の人間だ。ウィーズリー家なんかと付き合うべきじゃあない。」

 

名乗ってもいないのにグレンスト家だと言われ、否定しない様子から事実であると理解した周囲がザワザワと噂をし始めた。

 

「それかどうかを決めるのはハリー自身だ。お前が口を挟むような事ではない。ダイアゴン横丁以来だなハリー。」

 

「うん!久しぶり。」

 

ハリーはハウルの救いの手を差し伸べてくれた事と再会できた事から目を輝かせながら嬉しそうな声をあげた。

 

そして少し冷めた目でマルフォイを見て返事をした。

 

「間違ってるかどうか見分けるのは自分でもできると思うよ。どうも親切さま。」

 

ハリーは冷たく言い放つとドラコは真っ赤にはならなかったが、白い頬がピンク色に染まり捨て台詞を発した。

 

「もう少し礼儀を心得た方がいい。君の両親と同じ運命をたどる事になる。ウィーズリー家やハグリットみたいな下等な連中と一緒にいると君も同類になるだろう。グレンスト家の君も由緒正しい魔法家なら僕と一緒にいるべきだ。」

 

ドラコは足早にクラップとゴイルを引き連れながらその場から去っていった。そのマルフォイの背中を見てハウルは鼻で笑うと正面を向いた。

 

「あっ、ありがとう。」

 

モジモジしながら赤毛の子がハウルにお礼を言った。彼自身もまたハウルにフォローされたことを理解していた。

 

「気にするな。ハウル・グレンストだ。よろしく。」

 

「ロン。ロン・ウィーズリー。もしかして闇祓いの?」

 

2人は握手をした。ロンはまだ警戒している様だが、おどおどと尋ねた。

 

ハウルの父親はイギリスでも知らぬ者の少ない闇祓いであり、今年その息子がホグワーツへ入学するという話が知れ渡っていたのだ。

 

「そう。優し過ぎるのよハウルは。まぁそこが好きなんだけどね...。」

 

ハウルが肯定しようとするとレイナが彼の腕に手を通し、真横についた。

 

ハリーとロンは彼女であると思い込み、頬を赤く染めた。まだ思春期の入り口に入ったばかりの彼らにはさほど耐性ができていなかった。

 

「レイナ...。それは付き合った男にだけそうしろ。」

 

「ハウルがその気なら、私はいつでもそうしたいけど...。なんなら婚約も。」

 

レイナはデレにハウル以外のほとんどの男は全員が羨ましがった。

 

「一体、何の騒ぎですか? 待機を命じたはずですよ。」

 

先ほどの厳格な魔女、ミネルバ・マクゴナゴガル副校長の声により、甘い雰囲気は見るも無残に壊された。

 

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