組分けの儀式が無事に終了した。それぞれの新入生は己が7年間過ごす事となる寮の長椅子に座り、新たな生活へ向けて期待の目を向けていた。
組み分けの結果、ハーマイオニー、ハリー、ロンはグリフィンドール。レイナは血筋からかスリザリンへ入寮した。
ダンブルドアによる軽い挨拶が行われた後、食事が振る舞われ、新入生と在校生が親睦を深めながら食事を交わした。
スリザリンに入ったハウルも他の生徒と同様に食事を食べていたが、ふと目の前に座っている金髪の女の子の皿をジッと見つめていた
「ど...どうしたの?ハウル?」
同じスリザリンの新入生のダフネ・グリーングラスが話しかける。ハウルは知らぬが彼女はハーマイオニーとの会話に入りたがっていた女の子である。
会話のチャンスを得たダフネは戸惑いつつも勇気を出して尋ねる。
「...それ旨そうだな。どこにあるんだ?」
ハウルはダフネのローストチキンを指差した。彼女は意外そうな答えに驚きつつもテーブルの上を見回す。
「ええっと、もう無くなっちゃったわね。ひっ...一口食べる?」
からかわれぬ様に素早く周囲を確認し、誰もこちらを見ていないのを確認すると頬をピンクにしてダフネが使っていたフォークでチキンを器用に取り、ハウルの口の前に差し出す。
ハウルは礼儀がなっていないという父上の言葉を思い出すが、せっかく用意してくれたチキンを食べてみたいという気持ちが勝る。そして身を乗り出してダフネの差し出したチキンを頬張った。2、3回程咀嚼を繰り返すと軽く目を見開いた。
「ん...美味いな。ダフネ、ありがとな。」
「よっ...よかった。もう一口食べる?」
ハウルはコクンと頷くと再びダフネは鼻歌を歌いながら嬉しそうにチキンを器用に切り始めた。
そんな二人を少し離れた席で見ていたレイナは意外にも全く嫉妬していなかった。
それを見たパグ犬のような顔をしており、決して可愛いとはいえないパンジー・パーキンソンが見兼ねて声をかけた。
「あんたさっきの彼氏さん(笑)見てたわよね?何とも思わないの?」
組分け前の出来事を見ていたパンジーは生まれて初めての修羅場を見てみたいという期待の目でレイナの表情を伺うが顔色は何一つ変わらない。
無表情で軽く首を傾げ、パンジーの顔を見て口を開いた。
「嫉妬なんかしないわよ。前に一度ハウルが私の一族の結婚式に呼ばれた時、その場所にいた女はみんなハウルに見惚れててたわ。花嫁も含めてね。だから嫉妬するだけ無駄なのよ。あなた、出会う女みんなに嫉妬しろっていうの?」
レイナは淡々と数少ない彼との思い出の一つをパンジーに話すと彼女は意外そうな顔をして呟いた。
「あんた...苦労してんだね...。」
パンジーがレイナの肩に手を乗せながら憐れむと、レイナは少しジト目で彼女を見た。
「あなたはハウルをどう思うの?」
レイナはあまりハウルに関心のない様子から不思議に思っていた。個人的な偏見であるがこういうタイプが一番厄介だと思っていのだ
「確かにめちゃくちゃかっこいいし、魅力的だけど私じゃ釣りあえないわ。私的にはあの子かな?後で話しかけてみるわ。」
パンジーが指差した先には先ほど、ハウルと一悶着起こしたドラコ・マルフォイがいた。自分がいかに裕福か、箒に乗るのが上手いかを自慢げに語る彼を見てレイナは何度か付き合いがあるドラコに同情した。
ホグワーツの男子生徒達はレイナとダフネに挟まれたハウルを羨ましく思っていたが金持ち、名家、イケメン、優しい、人格者のハウルに自分達のスペックじゃ到底敵わないと思い、狡猾なスリザリン生でさえも諦め身の程の合う女の子を探し始める事となる。
食事後、監督生に連れられてスリザリンの談話室に向かった。
スリザリンの談話室は地下室にあり、気味が悪かったが、中に入ると並べられた蝋燭が一斉にに灯り、ホグワーツのホールとは違った幻想的な世界を醸し出す。
やがて男子寮と女子寮に別れ、自分の名前のある部屋に入った。その部屋には既に先客がおり、声を発した。
「おや、ルームメイトは君だったのか...」
青白い肌に尖った顎の少年にして、ハウルと一悶着を起こしたドラコ・マルフォイだった