東方変守録   作:ほのりん

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前書き~
1日1話投稿をしてたせいか今回の投稿が久々な気がします
読者の皆様、おまたせしてしまってすみません
今回の話で肝心な戦闘シーンですが、あまり良くない出来だと思います
それでも読んでくださるのなら嬉しいかぎりです
今回の話は長くなっておりますので時間の空いた時に読むといいですよ

サブタイトルに懐かしいと感じてしまったのは“です”が付いてるからなのだろうか

それでは今回もゆっくりしていってね!


第9話『魔理沙姉との弾幕ごっこです』

榛奈side

 

[大図書館]

 

 

フ「私のために戦って勝って?」

 

 ――プチン

 

 自分の中で何かが切れた音がした

 そう感じた瞬間、自分の中の何かが変化した

 変化したといっても思ってることは一緒

 「戦っても勝てない」「期待に添えられない」

 そんな思考に一つの要素が加わっただけ

 「フラン様の為に戦う」、ただそれだけ

 「戦って勝てない」なら「フラン様の為に戦う」

 「期待に添えられない」なら「フラン様の為に戦う」

 ネガティブ思考がポジティブ思考に、ポジティブ思考がネガティブ思考になるように

 ただフラン様の為に戦えばいい。それだけしか考えられなかった

 

榛「...分かりました。勝てるかは分かりませんがやってみることにします」

 

 気付いたらそんな言葉を口にしていた

 相手は今後異変解決者として名を広めるであろう魔理沙姉

 異変解決で使われるスペルカードルールでは勝てる確率は低いだろう

 でも、フラン様の為に戦う

 スペルカードで、弾幕ごっこでフラン様の為に戦い、運が良ければ勝つ

 とりあえずそれでいくことにする

 

榛「てことで魔理沙姉。勝負を引き受けることにしたけど――」

 

 あ、一応言っておくかな

 

榛「魔理沙姉、本気できてね?」

 

 そうじゃないともし勝った時素直に喜べないから

 そして、これも言っておこうかな

 

榛「私も本気でいくから」

 

 

 

 

 その言葉を合図に私は弾幕ごっこをする準備をした

 準備といっても簡単なこと

 スペカをいつでも取り出せるところにしまって、いつも身につけている四次元ポケットならぬ四次元エプロンからしまってあった愛用している白いとんがり帽子を取り出しかぶって、帽子の先にある青い星から箒を取り出して乗って浮くだけ

 弾幕ごっこは場所さえ気をつければ気軽にできる遊び、それこそスペカさえあればできる遊びだ

 そして私は準備をし終わり、いつでも弾幕を出せるようにしていると魔理沙姉が箒に乗って浮きながら話しかけてきた

 

魔「お前も魔女帽子被るんだな」

 

榛「まぁね。色々機能があるし」

 

魔「さっきの箒を取り出したりするやつのことか?」

 

榛「収納機能はある意味基本」

 

魔「箒に乗るのは?」

 

榛「ただの力不足」

 

魔「そうか」

 

 話している間にも私たちは浮き続け、ある程度距離を離していき、丁度いい距離になった

 

魔「よし、これぐらいでいいな。ルールはどうする?」

 

榛「被弾スペル共に3で」

 

魔「了解だぜ!それじゃ、いくぜ!」

 

 その言葉を合図に魔理沙姉から星型の魔力弾が飛んできた

 数は多い。難易度でいうならLUNATICくらい

 でも避けれないわけじゃない

 心は熱くても頭は冷静に

 いつもは頭で理解して動くけど、今回は勘に任せてみる

 そうしたら避け方が自然に見えてきた

 これからは多少勘に任せるのも悪くないかもしれない

 回避している間も弾幕を張るのを忘れたら駄目

 相手に当たるように、でも数は多くならないように。通常弾幕だからね

 弾幕に込める力も丁度よくしなければならない。弱すぎても駄目、強すぎても駄目

 弾幕ごっことはそういうもの。そして弾幕ごっこに勝つにはとにかく躱して、弾幕を張る

 スペルカードを使うのも手だが数が限られてる

 それに初っ端から使うのはあまり得策といえないし、いざという時に使いたい

 ひとまずは躱して通常弾幕を当てることに集中しよう

 

 にしても綺麗な星だなぁ

 定番の黄色から青や赤や緑まである

 私も星型の弾幕を撃つけど青一色なんだよなぁ

 そして魔理沙姉のはカラフルだからなぁ

 弾幕ごっこは美しさも必須だから美しさだけなら魔理沙姉の勝ちだね

 でも、必須なだけで美しさが勝利へ導く鍵となるわけではない

 だから私にも勝つ確率がある。低いけど

 とりあえずボム落ちしないようにしないとなぁ

 

 そんな事を考えていると魔理沙姉がカードを構えた

 

魔「そっちがこないならこっちからいくぜ!【黒魔】『イベントホライズン』!」

 

 魔理沙姉がスペル宣言をすると魔理沙姉を中心に10個の魔法陣が出てきて......って!?

 10個!?それ難易度LUNATIC(ルナティック)ですよね!?

 そもそも『イベントホライズン』は師匠に使ってた『スターダストレヴァリエ』の上位版じゃないですかやだぁ!

 確かに本気できてって言ったけどぉ!

 しかもスペル宣言中は弾幕に当たっても被弾とされない。けど、スペルカードに定められた時間まで逃げきったり、体力ゲージを削りきることができればスペルカードブレイク、つまり攻略したということになる

 つまり何が言いたいかと言うと、ブレイクまで追い込むか耐えるしかない!

 

 10個の魔法陣一つ一つから様々な色の星型の弾幕が大量に出てきた

 赤紫水色青黄緑橙黄...... あ、黄色多い

 とにかくカラフルな星を出していて、思わず目を惹かれるような光景を見ていた私の顔は無表情だったが、心の中は半泣きになりながらこんなことを思っていた

 (星星星ぃ!?)

 うん、だってLUNATIC(ルナティック)なんて初めてなんだもん

 HARD(ハード)ですらやったことないんだもん

 そんな私が主人公さんの弾幕を見て半泣きになりながらパニックにならないなんてありえないもん

 思わず「もん」ってつくぐらいなんだもん

 やばい、まともな思考回路が出来なくなってきた

 とりあえず弾幕の隙間をギリギリ回避しながら弾幕を当てていく

 一応ホーミング機能付きの魔力弾も混じらせて撃つ

 ホーミング機能付きの魔力弾は使い勝手は良いけど1度に大量発射できないのが難点だね

 なんて考えながら回避&攻撃していると魔理沙姉が皮肉気味にこう言った

 

魔「随分と余裕そうだな!」

 

榛「......そう見える?」

 

魔「無表情で躱してたらそう見えるぜ!」

 

榛「そう」

 

 違うんだよ魔理沙姉。余裕そうにしてるんじゃなくて現実逃避してるだけだよ

 だから今にも弾幕に当たるかもしれないんだよ

 ほら、今にも当たりそうに......ってやば!

 

榛「【雷符】『雷狼龍の遠吠え』!」

 

 私は慌ててスペル宣言をした

 その瞬間、辺り一面に青白い光が散った

 とりあえず間に合ったぁ

 

 このスペルはあの有名なゲーム『モン○ン』の『ジン○ウガ』の落雷をイメージしたスペルで、私を中心にどこからか青白い雷が落とされる。この雷はランダムで落とされるのだが、私にもどこに落とされるのかは分からないという欠点があったりする

 他には青白く小さい弾が漂うようになる。これはジンオ○ガの周りにいる『超電○光虫』をイメージした

 『竜』じゃないのは誤字じゃないよ?

 

 とりあえず、ブレイクしないよう魔理沙姉の弾幕を避けながらこちらも当てていこう

 時間切れを狙ってもいいが、耐えないかもしれない

 なので弾幕を当てながら時間切れも狙う

 それが今の私にとって最善の選択だと思う

 

 しばらく避けていると魔理沙姉の弾幕がなくなった

 スペルカードブレイク、攻略である

 対して私のスペルはまだ宣言中

 ここで魔理沙姉に被弾させておきたい

 しかしまぁ、相手はこれから異変解決者として名を広める魔理沙姉ですから、そう簡単に被弾してくれないわけで......

 でもね?そう易々と回避してるのもどうかとおもうの

 一応落雷はランダムなのに......

 そうこうしているうちに時間切れが迫ってきた

 体力ゲージを削りきられるのは避けられたからいいけど、まだ魔理沙姉に被弾させてない

 できればこのスペカの最後の仕掛けに引っかかってくれると嬉しいが......

 あ、そろそろ

 

榛「10...9...8...7...6―――」

 

魔「何ブツブツ言ってるんだぜ?」

 

榛「5...4...3...2...1――」

 

 うまく引っかかってね、魔理沙姉

 

榛「0!」

 

 その瞬間、私の周りに大きな音を出しながら雷が落ちた

 そして辺り一面青白い光でよく見えなくなる

 私の狙い、それは目眩まし

 敵が近くにいれば私の周りに落ちる雷で被弾するし、遠くなら目が眩むほどの光を浴びる

 大妖怪やもしかしたら巫女相手には使えないが、初見さん相手なら使える技

 しかも、かかればしばらく目が見えなくなる

 ちなみに光による後遺症はないから安心だよ

 

魔「うわ!?眩し!」

 

 よし!かかった!

 これで近くに行って通常弾幕を当てれば......

 

 ポンッ

 

魔「わ!?な、なんだぜ!?今何か当たったって弾幕か!?くそ!よく見えないぜ!」

 

 やった......!

 

榛「~~!よっしゃあああぁぁ!」

 

 思わずガッツポーズするくらいだよ!

 初めて魔理沙姉に被弾させることが出来た!

 いや、魔理沙姉との弾幕ごっこ自体初めてだけど、卑怯って言われそうな当て方だけど、当てることができた!

 

 ポンッ

 

榛「あ......」

 

 あ~、当たった

 うん、油断してた

 これでお互い一つずつ減ったね!

 

魔「ん?当たったのか?」

 

榛「......うん」

 

 なんか微妙だなぁ

 

魔「なんというか、油断大敵だぜ?」

 

榛「わかってるんだけどね......」

 

 ほら、嬉しくなると周りが見えなくなるといいますか、なんといいますか

 とりあえず再開再開

 

 再び図書館内に光が溢れる

 今度はこっちから仕掛けてみるか

 

榛「【星符】『星屑の竜巻(スターダストトルネード)』」

 

 星型の魔力弾が私を中心にクルクル回るというスペル

 時折飛ばされてきた物ということでデカイ魔力弾が出てくるというおまけ付き

 これで攻略されたら後がないのだが......

 このスペルは魔理沙姉自慢のスピードが生かせないから精神ダメージくらいは負わせるくらいできそうなんだけどなぁ

 

 でも簡単にはいかないわけで、魔理沙姉は弾幕を躱しながら私に通常弾幕を撃ってきた

 あの、ちゃんと私の方を見ながら撃ってる?

 明らかに見てない時も私の方にきてるってどゆこと

 貴女は巫女さんの勘とかホーミング機能とか無いはずでしょうに

 うん、魔理沙姉はやっぱり主人公の人だね

 しかもこのスペルって私自身も動きにくいんだよね

 このままじゃ体力ゲージを削りきられるなぁ

 なんて思ってる内に時間切れでもないのに周りに漂っていた星が消えた

 うん、体力ゲージ削られたぁ!

 って思いながら躱してるけど、魔理沙姉?それはカードだよね!?もしかしてくるの!?

 

魔「今度はこれだぜ!【彗星】『ブレイジングスター』!」

 

 え?『ブレイジングスター』って確か猛スピードでこっちにくる技だったよね!?

 しかも体力ゲージが設けられてるけど速すぎて実質耐久スペルとなってるやつ!

 って思ってる間に方角決めてるし!?

 

魔「行っくぜぇぇ!」

 

 来ないでー!?

 

 ゴオオゥゥゥン!

榛「うわっ!?」

 

 なんとかギリギリ回避

 でもこのスペカってまだくるんだよね......

 

魔「まだまだいくぜ!」

 

 だよねー!?

 

 ゴオオゥゥゥン!

榛「うお!?」

 

魔「おらー!」

 

 ゴオオゥゥゥン!

榛「うにゃー!?ってあ!?」

 

 魔理沙姉の突進から逃げるのに必死だったせいで忘れていたが、このスペルは魔理沙姉の通った後には魔力弾がばらまかれて、しかもゆっくりと動くやつで......

 何が言いたいかというとつまり......

 

 ポンッ

 

 被弾である

 2回目の被弾だから後1回残機がある

 また、スペルカードも残り1枚

 対して魔理沙姉はまだ2回残機が残っていてスペルカードは残り1枚

 あと1回、被弾とスペカのどちらかが無くなれば私の負けとなってしまうところまで来てしまった

 

 その後はスペカの時間切れまで逃げきれたが勝算は絶望的なもの

 あと1回で勝負が決まってしまう

 

 ――もう、諦めてもいいんじゃない?――

 

魔「なぁ榛奈。次に出すスペカで勝負を決めないか?」

 

榛「......いいよ」

 

魔「そうか。じゃあ私はこれで行くぜ」

 

 そう言いながら魔理沙姉はカードを構えた

 カードの絵は魔力砲を出している絵

 つまり、マスパ系のスペルということ

 ならこちらも砲撃系のスペルでいこう

 

 ――どうせもう、勝てないんだから――

 

魔「それじゃ、いくぜ。【恋符】『マスター――」

 

榛「【星光】『スターライト――」

 

 魔理沙姉はミニ八卦炉に自分の魔力を溜めて、私は自分の両方の手のひらに魔力を溜めて構えた

 

魔「――スパーク』!!」

榛「――バスター』!」

 

 お互いの魔力砲がぶつかりあう

 最初はどちらも引けを取らなかった

 しかし、私の方は魔力が無くなりそうで少しずつ魔理沙姉が押していった

 別に魔理沙姉の方が魔力が多いというわけではない

 ただ、私は手のひらから直接魔力を出しているのに対して、魔理沙姉の方はミニ八卦炉という増幅装置から出しているため、少しの魔力で威力の高い砲撃ができるようになっている

 つまり、道具を使っているか否か

 それだけで私の敗北が決まってしまうのだから嫌なものだ

 いや、私の努力不足なんだろうな

 未だに箒でしか空を飛べず、弾幕ごっこだって弱いまま、今だって負けそうになっている

 

 ――いっそのこと、もう諦めよ?――

 

 そう思いながら出していた魔力を少しずつ減らしていくと遠くから声が聞こえた

 

 

 

フ「榛奈!!頑張って!!」

 

 

 

 ドクンッ

 

 フラン様の声が聞こえた瞬間、私は魔力を減らすのをやめた

 そうだ、この勝負は私の為じゃない。ましてや魔理沙姉の為じゃない

 フラン様の為に戦ってるんだ!

 だったら諦めてどうする!

 情けなく負けるか!?いや、どうせ負けるなら最後まで抗ってやる!

 それが今の私がフラン様の為にできる勝負だから!

 

――魔力が足りないなら別ので補えばいい。“私”には霊力がある。周りには魔力の残骸だってある。それを自分の魔力に“変えれば”いい。そうすれば魔力が増幅するから――

 

 霊力や残骸を自分の魔力に変えた瞬間、私の中の魔力量が増えた

 代わりに霊力がほとんど無くなってしまったが魔力さえあればこの砲撃は持続できる

 これで、逆転できる!

 出す魔力を少しずつ増やしていって、段々と私が押していった

 だが、魔理沙姉も負けずと魔力を増やしていって、丁度魔力砲の接触している部分が真ん中になった

 少しずつ時間切れに迫ってきているのが分かった

 とにかく出す魔力を増やそう、時間切れまでに押し切ろう

 これならもしかしたら勝てるかもしれないから

 

 シュゥゥゥ......

 

 しかし、時間切れとなり魔力砲が出なくなってしまった。スペルカードブレイクである

 この場合、勝敗は私の負けだろう

 魔理沙姉はまだ残機を2回残していて、私は1回しか残っていない

 やっぱり姉には勝てないか......

 フラン様にも勝利を納めることができなかった......

 ......悔しいな......

 

魔「そう悔しそうな顔をするな。この勝負は引き分けだぜ?」

 

榛「......え?」

 

魔「だって最後のスペル、お互い引けを取らずにブレイクしちまっただろ?そして私と榛奈はお互いスペカを3枚共使ってしまった。その場合、残機関係なく引き分けなんだぜ」

 

榛「そうなの?」

 

魔「そうなんだぜ」

 

 そっか......

 でも悔しいな

 勝ちたかったな




後書き~

いや~戦闘シーン、駄目駄目でしたね。スペカの説明は伝わってるといいな
そして榛奈の本気スイッチ、フラン様はポチポチ押せちゃいます
弾幕ごっこの結果は引き分けとしましたが、本気の勝負でも引き分けな気がします(魔理沙は攻撃力が、榛奈は防御力があるから)

それでは次回もゆっくりしていってね!

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