東方変守録   作:ほのりん

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前書き~

多分ね
今の私には小説の神様が舞い降りてるんだ
それか創造の神様
そんなわけで書けました

今回、~少女〇〇中~が多いです
それでもいい方は
ゆっくりしていってね!


第17話『しばらく暇かと思えばそうでもないみたいです』

榛奈side

 

[榛奈の自室]

 

 

榛「...ん......にゃ......」

 

 なんかすごい寝てた気がする

 あ、すごい寝てたのか

 なんかすごいデジャヴを感じる......

 ん?外が少し暗いな

 それにお腹も減ってるし......

 今何時......ってそうじゃなくて

 私、いつ寝たんだ?

 

榛「...うーん......あっ」

 

 そういえば龍に寝かされたんだっけ

 風邪引いてるみたいだったから

 今は大丈夫かな

 

 私は試しに身体に力を入れてみる

 

 うん。大丈夫そうだ

 息苦しくないし、暑くもない

 お腹は減ってるけど魔力も回復してる

 とりあえず起き上がってみるか

 そう思い、私は身体を起こした

 起こすと同時に蹴伸びもした

 

榛「ぅくぅぅ...ふぅ......うん、問題なし。で、今何時だ?」

 

 私は壁に掛かっている時計を見た

 

時計「4時52分」

 

 うん。午前か午後か、どっち?

 あ、夏でこの暗さなら午前かな......って!

 

榛「時間!」

 

 美鈴とランニングとか朝食の手伝いとか!

 この時間ならまだランニング出来る!早く行かなきゃ!

 

 私は急いで支度を始め、部屋を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

[紅魔館 廊下]

 

 

榛「いっそーげ急げ~」

 

 私は廊下を走らないよう早歩きをしつつ、エントランスへ向かっていた

 そして、後少しでエントランスにつくと思ったら――

 

咲「榛奈」

 

榛「ぅえぇい咲夜さん!?」

 

 あ......ありのままに今起こったことを話すぜ!

 廊下を歩いていたら目の前に咲夜さんが現れた

 ニーソとか PAD長だとか

 そんなチャチなもんじゃ断じてねぇ

 もっと恐ろしい、咲夜さんの片鱗を味わったぜ......!

 

咲「貴女何か失礼なことを思わなかったかしら?」

 

榛「イエ、滅相モゴザイマセン」

 

 危ねぇ

 危うくナイフの餌食になるところだったぜ

 

咲「それで、榛奈は何処へ行こうと――ってランニング?」

 

 咲夜さんは私の格好を見て言った

 

榛「はい。あ、その後仕事もちゃんとやりますよ」

 

 私がそう言うと、咲夜は頭を抱えながら

 

咲「はぁ...... 貴女ね。昨日パチュリー様から言われたこと忘れたの?」

 

榛「えっと...... 無理をしないこと、でしたよね」

 

咲「覚えてるのに行くのかしら?」

 

榛「?無理はしてませんよ?」

 

咲「はぁ......」

 

 咲夜は再度ため息をつくと、右手を顔の斜め前ぐらいに持っていき

 

咲「『ザ・ワールド』時よ止まれ」

 

 パチンッ

 

 指を鳴らした

 

 そう思う暇もなく、いつの間にか自室にいた

 

榛「......あれ?」

 

咲「しばらく運動は禁止よ。本を読むのはいいけど、魔法を使うのも駄目。仕事はやらなくていいわ。分かった?」

 

 えぇ......

 それだと凄い暇になるよ......

 

 そして、そんな不満が無意識に口から出てしまった

 

榛「...えぇ......」

 

咲「「えぇ」じゃない。皆どれだけ心配したと思ってるの。一昨日は魔力切れで倒れて、昨日は風邪を引いて。こうなってもしょうがないのよ?」

 

榛「...はーい......」

 

 心配をかけたという自覚があるから咲夜さんの言葉が重くのしかかって辛い

 

咲「あ、そういえば榛奈」

 

榛「?」

 

咲「昨日来てた侵入者、あれって榛奈の知人?」

 

 あ、龍のことか

 

榛「はい。一応、私の友人です」

 

咲「そう。彼が帰り際に伝言を残していったわよ。「答えのヒントは“変換”じゃなく“変化”だ」って。何のことか分かるかしら」

 

榛「え?答えのヒント......?」

 

 答え...... ってことは問題のだよな?

 昨日何が問題出されたっけ?

 

榛「えっと...... あ、あれか」

 

 能力か

 

咲「分かったみたいね。私にはさっぱりだけど」

 

榛「あはは...... ...はい。ちゃんと伝言伝わりました。伝えてくださりありがとうございます」

 

咲「別にいいわよ。無理矢理聞かされた様なものだから」

 

榛「そうだったんですか...... ご苦労様です」

 

咲「それじゃ、食事が出来る時間に呼びに来るから、それまで大人しくしているのよ?」

 

榛「はい。分かりました」

 

 そう言い、咲夜さんは部屋を出ていった

 

榛「...ふぅ。あ、着替えなきゃ」

 

 咲夜さんに言われた通り、しばらくは大人しくしていよう

 それに、能力についても考えたいからね

 

 

 

 

 

~少女着替え中~

 

 

 

 

 

榛「よし、着替え完了!...なのはいいけど...... 朝食まで時間があるな」

 

 時計を見ると、あれから数十分しか経っていない

 朝食までは約2時間もある

 他にやること思いつかないし、能力について考えようっと

 そうだ、ノートにメモしたり、記録をつけたりもしよう。私のもう一つの能力は何ができて、何ができないのか。ちゃんと分かってないと使えなかったり、暴走したりするかもしれないからね

 ついでに一つ目の能力についても書いておこう

 

 そう思い、本棚から偶然あった白紙の本を取り出し、机に向かった

 

榛「っとそうだ本の名前。付けておいた方がいいよね。わかりやすいし」

 

 そうと決まればさっそくペンを取り、書こうとした、が......

 

榛「...名前決まってねぇ......」

 

 能力名を書こうにも能力が分からないし、というか分かりやすい名前だと私の能力がバレるかも

 出来れば他の人には知られたくないし......

 

榛「...そういえば龍は“変化”だって言ってたな」

 

 正確には咲夜さんから伝えられた、だけど

 

榛「“変化”...... 私の能力の“守る”...... 能力の記録...... っそうだ!いい名前思いついた!」

 

 私は再びペンを取り、迷いのない筆で背表紙に本の名前を書いた

 

 

【変守録】

 

 

榛「うん!これでいいよね!不思議としっくりくるし!ではさっそく......」

 

 私は本を捲り、一ページ目を開いた

 

榛「これで......こう書いて...... ......うん。一つ目の能力はこれでいいかな。次は二つ目で...... 龍の言ってたことも書いて...... 一昨日のことも...... ......うん。大体このぐらいだね。......ふむ、それじゃあ何で試そうか...... そうだ、これとかいいかも――」

 

 

 

 

 

~少女記録中~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

コンコンコン

 

小『榛奈さーん!朝食ですよー!』

 

 .........

 

小『榛奈さーん?寝てるんですかー?入りますよー!』

 

ガチャ

 

小「榛奈さーん?......って居た。榛奈さん、朝食だそうですよ」

 

榛「.........」カキカキカキ

 

小「あの...... 榛奈さん?」

 

榛「.........」カキカキカキ

 

小「榛奈さん!!」

 

榛「......ん?あ、コア。入るならノックしてくださいよ」

 

小「しましたよ!呼びかけもしましたし......」

 

榛「あ、そうでしたか。それはすみません。少し集中してたので」

 

小「そんなに興味のあることが出来たんですか?」

 

榛「まぁそんなところです。それで、どうしたんですか?」

 

小「あ、そうだった。咲夜さんが朝食出来たので呼んできてと」

 

榛「え?もうそんな時間なんですか。......分かりました。すぐ行きます」

 

小「では、私は先に行ってますね」

 

榛「はい」

 

 

 

 

 

~少女準備&移動中~

 

 

 

 

 

[紅魔館 食堂]

 

 

ガチャ

 

フ「あ、榛奈!」

 

 扉が開き、私の姿を見るなりフランはこちらへ文字通り飛びついてきた

 

榛「うわっ......っとと。フラン様、おはようございます」

 

フ「うん!おはよー榛奈!」

 

 勢いよく飛びついてきたが、そこは長年の(1年しかないが)経験

 受け止めることに成功した

 そして、朝から元気なフラン様を見て和んでいると――

 

パ「おはよう榛奈。......意外と早く元気になったわね」

 

榛「あ、師匠、おはようございます」

 

 師匠は椅子に座っており、本を読む手を止め、こちらを見て挨拶してきた

 

美「おはよう榛奈ちゃん」

 

榛「美鈴もおはようございます」

 

 その場にいた住人に挨拶し終わると、私はフラン様と自分たちの席に座った

 

 そして、しばらくすると――

 

ガチャ

 

レ「あら、榛奈も含めて皆揃ってるわね」

 

フ「あ!お姉様おはよう!」

 

榛「レミリア様、おはようございます」

 

パ「おはよう、レミィ」

 

美「おはようございます!お嬢様」

 

 レミリア様が来ると同時に全員が挨拶した

 

レ「えぇ、おはよう」

 

 そして、レミリア様が自身の席に座ると

 

コンコンコン

ガチャ

 

咲「皆様、お食事をお持ちいたしました」

 

 タイミングを図っていたかのように(実際図っていたのだろうけど)咲夜さんが料理と共に入ってきた

 そして、私達の前に料理を並べ、それが終わるとレミリア様の斜め後ろに控えた

 

レ「それではいただきましょう」

 

 

「「「「「「いただきます」」」」」」

 

 

 

 

 

~少女達食事中~

 

 

 

 

 

 料理を食べ終わると、咲夜さんが食器を片付け、紅茶を用意してくれた

 

パ「そういえば榛奈」

 

榛「はい?」

 

パ「魔理沙が今日も来るそうよ」

 

榛「はい。分かりました。後で図書館に行きますね」

 

パ「えぇ。分かったわ」

 

 そう言うと師匠は立ち上がり、食堂を出ていった

 それをキッカケに仕事のあるものは持ち場へ行き、食堂にはレミリア様とフラン様、そして私が残った

 

レ「フラン、私は榛奈に訊きたいことがあるから、先に部屋に戻ってなさい」

 

フ「え?どうして?」

 

レ「いいから」

 

フ「う、うん。分かった。それじゃ榛奈。また後でね」

 

榛「はい。また後で」

 

 フラン様はそう言うと、席を立ち上がり、食堂から出ていった

 食堂に残ったのはレミリア様と私だけになった

 

レ「...それで榛奈、いくつか訊きたいことがあるのだけれど」

 

榛「はい、なんでしょうか」

 

レ「昨日、貴女のところに知人の男性が来そうね」

 

榛「あ、はい。来ました」

 

レ「どういった関係なのかしら?」

 

 不思議とレミリア様の目が鋭くなっている

 

 どういった、と言われてもなぁ

 

榛「私と彼、神月 龍夜は古くからの友人です」

 

レ「何故彼は侵入するような形で榛奈の部屋に来たの?」

 

榛「彼には色々と事情がありまして、あまり人や妖に姿を見られるとまずいので能力を使い来たのかと......」

 

レ「そう。それで、昨日彼と何をしていたのかしら?」

 

榛「昨日彼は私と世間話をしに来ただけで――」

 

レ「本当に?」

 

榛「...え?」

 

レ「昨日、フランと魔理沙が話してるのを聞いたのよ。なんでも彼、貴女にキスしようとしてたそうじゃない」

 

 ...きす?

 鱚......期す......帰す......

 どれ?

 

榛「えっと...... 魚?」

 

レ「違うわよ!接吻よ!マウストゥーマウス!」

 

榛「はいっ!?接吻!?」

 

 え!?なんでそんな話になってるの!?

 

レ「...違うの?」

 

榛「違うも何も何故そんな話になってるんですか!?」

 

レ「何故って...... 彼が貴女の顔に自分の顔を近づけていたから――」

 

榛「何故そんな風に見えたのかってことです!何をどう見たらそう見えるのか分かりません!」

 

レ「あ、近づけてたのは本当なのね」

 

榛「まぁ、それは本当ですが......」

 

レ「それじゃ、どうして彼は顔を近づけていたのか、説明してもらえるかしら」

 

榛「はい。昨日は―――」

 

 私は彼が来たこと。色々と話していたこと。熱が出てきて額で測ろうとしていたことを話した

 

レ「そう。額を当てて測る......ね。それで勘違いされたのね」

 

榛「はい。ですので、正確には額を近づけていたんです」

 

レ「そこに運悪く2人が...... なるほど、理解したわ。ということは彼とは特別な関係ではないのね?」

 

榛「...特別が恋情という意味であれば違います」

 

レ「あら?じゃあ彼と貴女はどんな特別なの?」

 

榛「そう言われると分かりませんが、彼は私の良き理解者であり、共通の趣味や守りたいものを持っている友人...... いえ、仲間です」

 

レ「仲間?......とりあえず、彼と貴女は恋人同士ではないのね?」

 

榛「はい。それは確実に」

 

レ「ならいいわ。もう訊きたいことは訊いたから行っていいわよ」

 

榛「はい。それでは失礼します」

 

 私はそう言い、席を立ち食堂を出ていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咲「...お嬢様。榛奈に何故あのようなことを訊かれたのですか?」

 

レ「聞いてたのね、咲夜」

 

咲「すみません」

 

レ「いいわ。それで、訊いた理由だったわね?」

 

咲「はい」

 

レ「...あの娘が誰かに突然嫁ぐとするじゃない?そしたらフランは悲しんでしまう。それが嫌なのよ」

 

咲「...お言葉ですがお嬢様。一つ宜しいでしょうか?」

 

レ「何?咲夜」

 

咲「榛奈に限って、そのようなことで妹様を悲しませたりすることはないと思います。あの娘は妹様を本当に大切に思っているようですから」

 

レ「...そうね。私の疑い過ぎだったのかも。ありがとう、咲夜」

 

咲「いえ、お気になさらず」

 

レ「それじゃ、今日も神社に行こうか」

 

咲「はい。かしこまりました」




後書き~

次回!遂に魔理沙と話し合う榛奈
無事、仲を戻すことは出来るのか!?
それでは次回も
ゆっくりしていってね!

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