東方変守録   作:ほのりん

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前書き~

お久しぶりです(何度目でしょうね......
地の文、難しいんですよ
そのおかげでアイディアが出ても地の文が出来ず、そのまま忘却の彼方へ葬られることがしばしばありまして......
ついでにキリがつかなかったので、途中のキリがいいところで区切って投稿します

今回は榛奈sideです
サブタイの意味?読めばわかる人が多いですよ
分からなかったら感想か個人メッセージを書いていただければ答えを書きますよ
それでは今回もゆっくりしていってね!


第27話『考えてない!考えてないです!』

榛奈side

 

 

榛「...これからどうしよう......」

 

――「どうしよう」って、今は吸血鬼と白黒を迎えにいくんじゃないの?――

 

榛「それじゃなくて、霊夢とのことだよ。私、このままじゃ霊夢と仲良く出来ないよ......」

 

――まぁ、私が言ったって巫女が分かれば君の印象は前と同じになるけど、私がいるってことは言ったらダメだからねぇ――

 

榛「ホントだよ...... お前がいるってことさえ言えればお前のせいだって出来るのに......」

 

――まあまあ。今は二人を迎えに行こうよ。もしかしたらあちらはもう既に終わって図書館で魔女と一緒にいるかもね――

 

榛「うぅ...... 今後が心配だよ......」

 

 ...というか会話は口に出さなくても出来るんだっけね

 

――あ、今頃気づいた?傍から見たら独り言ばかりしてる痛い少女みたいで面白かったんだけどね――

 

 お前...... 気づいてたなら言ってくれよ

 危うく紅魔館での立場が変なやつになるところだったじゃないか

 

――今更だね――

 

 今更ではない。私はまともな方に入る

 

――魔法が使えて、空が飛べて、吸血鬼の従者をしてるのに?――

 

 ...幻想郷ではまともだ

 

――ハイハイ。ソウダネ。君ハマトモダヨ――

 

 どうせ言うなら棒読みで言うなよ......

 

 なんて会話?をしていると、図書館の扉の前に着いた

 本当に、いつ見てもここの扉はでかいと思う

 もう見慣れてしまったけど、初心にかえると本当にそう思う

 いや館の中も十分でかいんだけどね

 そんなこと思いながら扉を叩く

 

コンコンコンコン

 きっちりノックは4回

 2回はトイレで3回は親しい人、4回はきちんとした場面って回数が決まってるからね

 此処に来たばかりの頃、咲夜さんに教えてもらいました

 ノック習慣の無かった日本では馴染みはないけど、洋風の家は人里の外なら少しあるから覚えておいて損は無いね

 

榛「入りますよー」

 

 私は返事を待たずに開ける

 元から返事は期待していない

 そこにいないこともあるからだ

 それに前にノックしなくてもいいと師匠から言われたから、ノックもしなくてもいいのだが、まあそこは癖みたいなものだ

 扉を開けると正面に見える机にいつも通り師匠がいたが、それ以外はいなかった

 

パ「...来たわね。そっちはもう終わったの?」

 

榛「はい。霊夢とスペルカードで戦いました。...ところで魔理沙姉とフラン様は?」

 

 周りを見渡しても2人の姿を見られない

 小悪魔が本棚の間を行き来してるのは見えたけど......

 

パ「2人ならまだ下にいるんじゃないかしら。まだ上がってきてないわよ」

 

榛「そうですか......」

 

 もしかして原作みたいにスペカ10枚でやってるのかな?

 もしそうならこっちより長引くなぁ

 その間どうしよう......

 霊夢を呼びに行こうにも私だけだと気まずいし......

 でも待たせるのも悪いし......

 

 なんでお前は客室に行ってって言ったのさ!

 

――いやぁ、その場のノリ?――

 

 ノリで言うなよ!いや図書館までの道のりで気まずいのも嫌だけど!

 あ、後で霊夢の怪我を治さないと......

 

パ「それで霊夢は?」

 

榛「客室で待たせてます。2人が来たら向こうでお茶にしようかと思いまして」

 

パ「そう。なら下まで迎えに行ったらどうかしら」

 

榛「そうしようと思います。後で師匠の方にもお茶をお持ちしますね」

 

パ「お茶はいいわ。こあが持ってきたから」

 

榛「そうでしたか。では茶菓子を持ってきます」

 

パ「えぇ。お願いね」

 

榛「はい。では失礼します」

 

 私はそう言い師匠と別れ、箒に乗り図書館の奥へ進む

 そういや咲夜さんはレミリア様のとこに行くって言って出かけたけど2人とも今は神社かな?

 後で迎えに行った方がいいかも

 

――吸血鬼とメイドなら雨が止んだら勝手に帰ってくると思うよ。魔女も勝手に雨を止ませると思うし――

 

 そうだな。気にしなくてもいいか

 

――にしても良かったの?魔女に巫女と戦って勝ったことを言わなくて――

 

 訊かれない限り言わなくていい

 あれは半分お前の勝利なんだ

 それにルール違反もしちまったからな

 

――本当、君は謙虚というかなんというか......――

 

 いいだろ。謙虚でもなんでも。私自身が認めないんだからさ

 

――君がそれでいいならそれでいいよ――

 

 分かってくれたようで何よりで

 

 

 

 

 

 しばらく飛ぶと扉が見えてきて、私は一旦箒から降りた

 そこから扉を開け、少しはしたないが手すりを越え、螺旋階段の中心を飛び降りる

 といっても地面が近くなったら落下速度を遅くして、静かに着地する

 勢いよく着地すれば足に負担がかかるし、大きな音も出て、誰かを呼んじゃうかもしれないからね

 さて、まだ2人は弾幕ごっこやってるかな?

 そう思い扉に耳を傾ける

 幸いなのか此処(地下室)の扉の防音は普通並だ

 だから耳をすませば多少は聞こえてくる

 というか私の部屋以外は大体防音は普通だ

 私の部屋は私が防音魔法をかけて内側からの音が外に漏れないようにしてるため、吸血鬼の耳でも誰が話してるかは分かっても言葉までは聴き取れないようになっている

 今度は今かけている魔法の上位版でも作ったり見つけたりしてかけようかな

 なんて思いながら耳をすませていると、中の声が少しだけ聞き取れた

 どうやら弾幕ごっこは魔理沙姉の勝利で幕を閉じたらしい

 ええっと?なになに?

 

魔『予定通りにならなくて悪かったな。あいにく弾避けは得意なんだ』

 

フ『ま、いいけどね。首を吊ったって死なないから』

 

 まぁフラン様は吸血鬼だからね

 もしかして窒息しても死なない?

 ...死なないかもしれないな......

 

魔『首吊り死体は醜いぜ。大人しく本当の歌の通りにしとけよ』

 

フ『本当の歌って?』

 

 あ、私も知らない

 本当の歌ってどんな歌詞だろ......

 

魔『おいおい知らんのかよ。She got married and then there were none. . .』

 

 へぇ、そんな歌詞だったんだ

 その歌詞通りにするならフラン様は誰とかな?

 

フ『誰とよ』

 

魔『私の妹とかどうだ?』

 

 ...え......ふ、フラン様と......私?

 私とフラン様が......?

 

――どうしたの?――

 

 えっ!?な、何でもないよ!///

 ただ少し想像しただけで......///

 

――フランドールとのことを?――

 

 うぇ!?う、うん......///

 少しだけだけど......///

 

――ふぅん。なら本当に歌詞通りにしてみたらどう?楽しそうだよ――

 

 い、いやいやいや!

 私はフラン様の従者であってその......そっちの方向の関係は無いから...... というか従者だから主とその......///

 

――また考えたね――

 

 と、とにかく無し!///

 その話無し!///

 フラン様と私は今まで通り!主従関係なの!///

 

――自分に素直になるのもいいことだよ?――

 

 素直になりすぎるのも駄目なの!///

 素直すぎて可愛いのは子供の時まで!///

 と、とりあえず2人はもう少ししたら戻ってくるみたいだから私達は先に上に行こ!///

 

――え?いや一緒に行けばいいんじゃ......――

 

 そんな声など気にする余裕はなく、私はそのまま中心を通って図書館に戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

______________________

[図書館]

 

 

榛「......///」

 

――まだ考えてる......――

 

榛「う、うるさいっ!もうこの話は終わりっ!おしまい!」

 

――そう言いながら考えてるのは君自身なのに......――

 

榛「ぅにゃぁぁ......」

 

――フランドールとの―― ――

 

榛「言うなぁぁ...... 思い出させるなぁぁ......」

 

小「え、えっと。榛奈さん?」

 

榛「ふぇ?コア......?いつからそこに......」

 

 私が傍から見たら独りでに怒鳴って頭を抱える変人になっていたらいつの間にか傍にコアがいた

 本当、いつの間にいたんだろ?

 

――君がぅにゃぁって言った時だね――

 

小「榛奈さんが頭を抱え始めた時ですよ。怒鳴り声が聞こえたので来てみたのですが......」

 

榛「あぁそうでしたか。すみません、大きな声出して......」

 

 図書館だから静かにしないとね

 ところでお前、よくコアが近くに来たって分かったな

 私は分かんなかったのに

 

――そりゃ君は吸血鬼のことを考えててそれどころじゃなかったからね。私は気配で分かったんだよ――

 

 ふぅん。気配か......

 私も気配は少しなら把握出来るんだけどね

 

――ま、修行してれば私ぐらいにはなるよ――

 

 それはそれでなりたいが、お前の実力をそこまで理解してないから微妙だなぁ

 

小「もし何か悩み事があったら何時でも相談に乗ってくれてもいいんですよ?」

 

榛「いえ、相談するほど大したことではないので大丈夫です」

 

 というかこいつのことは言えないからなぁ

 相談しようにも出来ない......

 

小「そうですか......?遠慮しなくてもいいんですよ?」

 

 あ、あれ?

 今日はやけに積極的というかなんというか......

 ど、どうしよう......

 なんとか適当に誤魔化さないと......!

 

榛「い、いえ。本当に......今日の夕食は何にしようかな程度なので......」

 

小「今日ですか?今日はハンバーグって咲夜さんが言ってましたよ」

 

 え、いやそれ例え話だったんだけど......

 ま、いいや。この流れに乗って話を逸らさないと

 

榛「えっあ、そうだったんですか。ハンバーグかぁ。楽しみですね」

 

小「そうですね♪」

 

榛「そっそれでは私はこれでっ!」

 

 その言葉とともに私は出口に向かって走る

 

小「えっ!?榛奈さん!?」

 

 そんな私にコアは驚きの声を上げるが気にせず走り去った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

榛「はぁ...はぁ...はぁ...」

 

 あの後走ったまま図書館の出入口付近にある机まで行った

 そのおかげで息が切れたり、口の中が乾いたが、コアから離れることが出来た

 後々問い詰められるかもしれないが、今はやり過ごせる

 ...とりあえず誰か水ください......

 

パ「だ、大丈夫?」

 

榛「だ...だい...じょうぶ...でっゴホッゴホッ!」

 

 や、やばッ

 喉に埃がッ

 

パ「全然大丈夫じゃないじゃない。ほら、そこに座って」

 

榛「ゴホッゴホッ......」コクコク

 

 師匠が私の背中を擦りながら椅子まで手を引いてくれる

 私は咳で言葉を発せない代わりに頷く

 そして私が椅子に座ると師匠の場所にあったカップにポットの中身を注いて私に差し出してきた

 

パ「ほら、私が使っていたやつだけど飲む?」

 

榛「......」コクコク

 

 咳は止まったが口が乾いてまだ声が発せなかったので頷き、師匠からカップを受け取りその中身を口に含む

 まだ肩で息をしていたり、口が乾いていたこともありむせそうになったが、少しずつゆっくりと飲んでいく

 そして中身が空になったところでカップを机に置き、深呼吸した

 

パ「落ち着いた?」

 

榛「...はい。落ち着きました...... 師匠、ありがとうございます」

 

 私は声が発せなかった分も含めて口に出してお礼を言った

 本当に助かった。口の中が乾きすぎて苦しかったからな

 師匠には本当、感謝だらけだよ

 

パ「別にいいわよ。それよりどうしたのよ、息切れまでして......」

 

榛「少し、地下室へ向かう扉のところから全速力で走ってきただけですよ。それで体力と口の中の水分が無くなっただけです」

 

パ「一体何があってそんな慌てたのよ。それに走るんじゃなくて飛んでこればよかったじゃない」

 

榛「あ、その手が......」

 

パ「まさか思いつかなかったの?」

 

榛「あはは。...すみません......」

 

パ「別に謝る必要はないのだけれど...... まぁいいわ。それで何かあったの?フランや魔理沙は?」

 

榛「いえ、特には...... 2人は私が行った時にはもう既に勝敗は着いていたみたいで、少ししたらこちらに戻ってくると思いましたので先に帰ってきました」

 

パ「...そう」

 

 そうだ。すぐお茶が飲めるように先に用意しておこう

 咲夜さんみたいに時を止めたり出来ないから、準備に時間が必要になるからね

 

榛「それでは私はお茶の準備をしてきます。2人が戻ってきたら客室に向かうよう伝えておいてください」

 

パ「分かったわ」

 

榛「では失礼します」

 

 私はお辞儀をし、図書館を去り、そのまま厨房へ向かった




後書き~

え?英語の意味?
...いや答えますよ?えぇ答えます
ただし感想や個人メッセージで、です
え?なんで榛奈が恥ずかしがったのか?
察してください。榛奈の心の声は魔理沙並かそれ以上に男っぽいですけど、これでも一応乙女なんです

次回、榛奈は厨房で見た!何を!?PA...ゴフッ!
......何かを見た!
それでは次回もゆっくりしていってね!

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