......
あれ?この間投稿したのっていつだっけ?
んー、カレンダーの見方わかんないなー
まあ大丈夫大丈夫(現実逃避
てなわけで久々すぎる投稿ですが、言い訳させてください
この話、実は何回も付け足したり無くしたり、最初から書き直したり、保存されず消えてたりして出来たんです
だから遅れたんです。すみません......
かわりに番外編的なものはなんとなく出来ました。今回の話に使おうとしてたのを没にしたやつですが
今回、東方の中で昔は唯一を誇っていた男性キャラの登場です
一部原作と違う設定がございますが、それが許せる人だけゆっくりしていってね!
あの人が
私たち姉妹がまだ寺子屋に入っていなかった頃だ
あの日、無縁塚に商品になりそうなものを探しに行ったお父さんが帰ってくると一人の白髪の男性を連れていた
そしてお父さんは私たち家族を部屋に集めると唐突に言った
「今日からこいつは住み込みで俺の弟子だ。いいな」って
私たち三人は驚いたが、すぐに状況を理解した
そしてお母さんは男性を住まわせるのに賛成した
どうやら霧雨家というのはいろんなものを受け入れてくれる家族のようだ
そのおかげで私という存在はいまだこの世界に居れるのだから感謝しかない。それこそ足を向けて寝られないってくらいだ
だからこの男性も私のようにこの家族のおかげで将来が出来るんだろうな。なんて考えていたら意外にも舞理沙姉は反対だった
理由は言わず、ただ頑なに男性を拒む
その舞理沙姉の様子にお母さんは困り、お父さんは目を瞑り黙っていた
肝心の男性は遠くから事の成り行きを見ていた
そんな中賛成の意も反対の意も示さず、男性のように遠くから事を見ていた私は舞理沙姉になんで反対なのか訊いた
すると舞理沙姉は私からしたら予想外の発言をした
「私は別にいいけど、榛奈は大丈夫なの?」と
その一言ですべて理解した。舞理沙姉は私が心配だったんだ
実のところ私は男性が苦手だ
いや、今は平気だが昔は苦手で、それこそお父さんとは顔を合わせず少し離れて会話をするのがやっとだった
そんな中でのお父さんの言葉。舞理沙姉にはお父さんが私に無理やり苦手な環境で過ごさせようとしているのではと考えたのだろう
舞理沙姉の心配は嬉しい。でも私が家族の足かせになるのは嫌だ
私のせいで男性の将来が潰れるのは嫌だ。私のせいで物事が悪い方向へ進むのが嫌だ
結局のところ、賛成も反対もしていない者に最終的な選択権が委ねられるのだと、後に私は思った
そして私が出した答え、それは賛成だった
自分を犠牲にすれば良い方向へ進むのなら私は喜んで自分を犠牲にしよう
なんて考えていたからだ
舞理沙姉はその答えに「本人がそういうなら......」と渋々男性を家に住まわせることを許した
その後お母さんと舞理沙姉は男性の名前を聞き、色々質問したり、男性の住む部屋を決めたりと色々とやっていた
その間、お父さんは私に近づき――といっても普通より離れているが――黙って隣に少しの間だけ立った後、店に戻っていった
その時、その行動の意味はよく分からなかったけど、舞理沙姉が男性に気を取られてる間にお母さんが教えてくれた
「お父さんはきっとお礼を言いたかったんだよ。そしてこれはお父さんの代わりにね」と言い頭を撫でられた
少しだけ心がぽっとして、実は不安だった心が和らいだ気がした
それから男性は昼は店で働き、その間と夜はお父さんから、時にはお母さんから商売について教えを受けていた
そして店が暇な時は舞理沙姉の遊び相手をしていた
おかげで舞理沙姉は男性に懐き、将来男性が建てるという店の名前をなぞったあだ名で呼ぶ仲になっていた
私は残念ながら男性恐怖症のせいでなかなか馴染めなかったが、それでも兄を持った気分ではあった
それから色々あって、男性恐怖症も少しだけ改善されて、私も少しだけ男性と仲良くなれてきた頃、自分の店を建てるとのことで家を去った
男性が去った後もお父さんは男性の店に行ったりしていて交流が続いていたみたいだが、私たちはまだ子供で、外は危険だったために会えなかった
その後私自身にも色々あって人里を出て今の生活があるんだが、男性とは人里で会ったっきりだ
魔理沙姉はもう会ったんだろうけど、私はまだだったからな
あの人の店がどんなのか知りたいし、久しぶりに会いたい
咲夜さんと同じようなものだ。魔理沙姉が私の義姉なのは分かっているし、姉として慕っているけど、咲夜さんは咲夜さんで姉のような存在だと思っている。それの兄版だ
あの人は事情があるからきっと成長していないんだろうけど、私は成長したから、自分の成長を見てほしいって気持ちもある
でもまあ、“今”の私にとってあの人は兄みたいな存在だけではなくなってるけどね
確かこっちが人里の方向で、人里の方向から魔法の森を見た時にある建物が......っとあったあった
日本らしい木造建築で、明治時代やら昭和時代やらの物が置きに置かれまくってる
まあコレクターにとっては宝の山だろうけど、私にはなんの価値もないガラクタだから大して気にしないけど、もう少し片付けたらどうなんだろか
あ、明〇チョコの看板。多分最初の頃のパッケージだろうな。初めて見たわ
あ、この昭和のやつは見たことあるなぁ
おぉ、案外平成物も多いな。でもこれ平成初期だ。私が生まれるより前だから分からないのが多いな......
なんて周囲を見渡して、さっさと入らないのはただの現実逃避
逃げているのはあの人に会うのが少しだけ怖いから
昔と今の違いを否定されるのが怖いから
“
魔理沙姉は気づかなかったけど、あの人も気づかないとは限らないから
でもきっと大丈夫
もし私が昔と違うことが分かっても、彼は受け入れてくれるだろうから
だから逃げるな。霧雨榛奈
魔理沙姉の時はきちんと心の準備も出来ずに会っちゃったけど、どうにかなったじゃないか
だから今回も大丈夫。心の準備ができるから余計にだ
榛「すー...はー...すー...はー......よし!」
霧雨榛奈、いざ『
カランコロン......
榛「...こんにちはー......」
............
..................
........................
って居ねえのかよ!
..............................
ほんとに誰もいねぇ!
客一人も居ないどころか店主もいないぜ!
ま、まぁ店の中を見てればそのうち来るだろう......
そんなわけできちんと扉を閉め、中を見渡す
壁や床、隅々の至る所に物が置かれている
中には壊れかけ、もしくは既に壊れている道具があったり、薄汚れた本があったり、明らかに賞味期限が切れてそうな缶ジュースがあったりと、店の外と同じか、はたまたそれ以上にガラクタが積み重なっていた
扉から見て正面にはカウンターらしき台と、椅子があるが、そこに居るべき人はいない
よく見るとカウンターには本が置いてある
気になりカウンターまで近づき本を手に取ってみた
『初心者向けPCの扱い方』というタイトルとともに奥行が分厚そうなPCのイラストが描かれているが......
うわー、これ凄い昔のやつじゃないか?
いや妖怪にとっては最近のやつになるのか?
中身の方は如何程......あ、意外に最近のでもいける知識が多い
でも外の世界を知らなかったら分かんない単語が多いな
カウンターに置いてあるってことはあの人が読んでたってことだよな
......読んで理解出来たのかな、あの人
私だったら予備知識があるから平気だけど、それが無い幻想郷の住人だったら分かんないだろうな
なんて本に目を取られていたら店の奥から足音がして、視線をそちらに向ければ足音の主がそこに立っていた
?「ん?おや君は......」
此処、香霖堂店主であり過去霧雨店に住んでいた白髪の男性、『
榛「お、お久しぶりです。霖さん 」
霖「本当に久しぶりだね。親父さんから行方不明になったと聞いていたけど、元気そうでなによりだよ」
榛「あはは...... 少し色々ありましてね。気づけば人里を出てからこんなに月日が経ってました」
霖「そうだったのかい。...っとごめん、立たせたままだったね。適当な場所に座っていいよ」
榛「は、はい。それではお言葉に甘えて......」
そう私は言い、近くに転がっていた椅子を適当に置いてそこに腰掛けた
それら一連の動作は適当に何も考えず、ほぼ無意識下で行っていたが、その無意識は椅子を霖さんから少し離れた位置に置いていた
龍のやつのときは平気だったし今も男性は大丈夫だと思ってたんだが、案外まだ駄目なのかもしれないな
まぁ龍は男性として見てないからな。例外だったんだろう
まあとにかく大丈夫。人里にはまだ行かないつもりだし、見知らぬ男性と会う用事なんて今のところないからな。問題ないだろう
なんて思いながら彼を見ようとすると、彼は先程までいた場所には居らず、奥から物音がするから奥に引っ込んだんだろう
水音も聞こえるからお茶を用意してくれているのかな
何だか落ち着くな。我が家みたい
紅魔館は紅魔館で好きだし、実家となる霧雨家も好きだけど、此処も此処で好きになりそうだ
......まあ物が散らかってることには異議申し立てたいけどね
もう少し片付けたらどうなのかな。あの人、どうせ暇なんだろうし
それともお客さんが来ることあるのかな?
今のところ誰一人来てないけど......
あ、私はお客じゃないから別で
霖「お待たせ。はい、お茶。緑茶しかなかったけど良かったかい?」
榛「は、はい。お構いなく......」
そう言いながら私は手渡されたお茶を受け取り、口に運ぶ
榛「ッあつ......!」
霖「はははっ、そりゃ入れたてだからね。少し冷まさないと飲めないよ」
榛「あはは......」
......おかしい。いつもの調子が出ない
いつもならもう少し元気な対応ができるはずだ
なのに何故だ?何故なんだ!?
ううむ......難題じゃのう......
――変な口調にならないの。調子が出ないのは緊張してるからじゃない?――
あぁ、そっか。緊張してたからか......
ちなみに口調は巫山戯てただけだぞ?
――それは分かってるから。それで何かするの?――
へ?何かって?
――もしかしてただ遊びに来ただけ?――
あー、うん。まあ、遊びにというより顔を見せに来たかな
それと店を見にね。此処は唯一外の世界の道具を扱うお店だから欲しいなって思うのがあるかもなーって
あ、でもお金持ってないや
紅魔館って食事とかお茶(紅茶)とか衣類とか住むところ、衣食住には困らないし、私としては図書館もあるから別に不便という不便はないんだけど、働いてても給料はないからなぁ......
むしろ衣食住が保証されて、しかもどれも質のいい物ばかりが揃ってるからそれだけで普通に働くより贅沢な暮らしをしてるんだろうけどさ
でもやっぱり自分の欲しい物を買えないのは少し不満かな
そういや紅魔館の裏の方に畑があるって咲夜さんや美鈴が言ってたっけ
その辺りを耕して畑作って野菜を作って売ろうかな
買い手は......まあなんとかなるでしょう
最悪楽市楽座やフリーマーケットみたいに売ればいいし
それで残っても紅魔館は消費者が多いから、どうにかなる
それでも余れば野菜の肥料にもなるって聞いたことあるから肥料にすればいいし
よし、大変だろうけどやってみよう
あわよくばフラン様に何か買ってあげようかな......♪
――はいはい、思考だだ漏れ。最後のは口が甘くなって珈琲が飲みたくなったよ――
口が甘いってお前は人格だけで身体を持ってないんだから何も食べてないだろ
それと珈琲は無いぞ。まあ探せばあるだろうけど、今手元にあるのは緑茶だけだ......ってちょうど良く冷めてる冷めてる
ズズゥ......
ふぅ、今日もお茶がうまい!
――人里出てから紅茶しか飲んでないやつが何言ってるんだか......――
紅茶だって発酵度の違いだけで緑茶や烏龍茶と同じ茶葉から作られてるんだからね
まあ紅魔館にある茶葉の種類は多数だから全部が全部緑茶になるかと言われれば別なんだけどね......
霖「そういえば君はもう魔理沙には会ったのかい?」
なんて周りには聞こえない会話をしていると、本を読んでいた霖さんが話しかけてきた
というか客がいるのにお構い無しに本を読むのもどうかと思うんだが
まあそこが霖さんの個性ってことで納得してあげようじゃないか
――上から目線だー――
客を放っておくのはあまり褒められたことじゃないからいいのだ
って返事しないと
榛「はい、この間の異変の際、魔理沙姉が解決に来ていたのでその時、偶然的ですが会いましたよ」
霖「この間の異変......というと『紅霧異変』かい?」
榛「えぇ、そうです」
霖「そうか......あの娘が異変を解決しに...... あれだけ止めておいた方がいいと言っておいたのに全く......」
榛「...魔理沙姉は平気でしたよ。弾幕ごっこというルールが設けられ、命の保証はそれなりにされていたとはいえ、師匠に臆することなく立ち向かっていったんですから。それに私自身も魔理沙姉と戦いました。魔理沙姉の魔法はとても素晴らしかったです。とても難しく、とても美しい。最後なんて魔理沙姉の魔力砲に飲まれそうになりましたよ」
それは自然と言葉に出ていた
最後の方は少しだけ冗談めかして言った
きっと霖さんは魔理沙姉が異変解決することに対して心配だったんだ
そしてきっと魔理沙姉の言葉だけじゃ霖さんの心配を拭いきれない
だからこうして実際に相手をした私からも大丈夫であると伝えなければならない
それは一種の義務感なのかもしれないけど、今はその気持ちに従っていても良いと思った
だって、本当のことなのだから
霖「...そうか......」
その言葉のあと、しばらくの間沈黙が漂った
その間、霖さんは本を読み――いやあれは本を読んでない。思いに耽っているようだ
だってページが捲られてない。目は何処か遠くを見ているようだから
私はというと、お茶を啜り、これからのことを考えた
まず地底に修行の旅に出て、それから異変を解決する側として参加して、畑を耕して収入を得て、そして人里にも......
..........
...これは我儘だけど、まだ人里には行きたくない
頭では理解してる。お父さんに会わなきゃ。おばあちゃんや慧音先生、心配してくれているであろう人里の皆。皆に私が生きてるって知らせないといけないってのは分かってる
でも頭で理解していても心は拒否する
多分怖いんだ。皆のことが。否定されることが
だからそのためにも強くならなければならない
肉体的にも......精神的にも......
霖「...魔理沙を気にかけているのは僕個人としての感情もあるが、一番の理由は親父さんから頼まれてたからなんだ」
榛「お父さんから......?」
霖「あぁ。親父さんが「もし娘達が此処に来た時は頼んだ」ってね。親父さん、感情が表に出にくいけど、君たちのこと凄く心配していたよ」
榛「...はい。分かってますよ。お父さんが感情を表に出しにくいことも、表ではそう見せないけどとても心配していることも、周りには見せにくいけど私達のことを大切だと思っていることも......」
霖「魔理沙にはミニ八卦炉を持たせているんだが、それも頼まれた物なんだ」
ミニ八卦炉......
魔理沙姉がマスタースパークや魔法の実験に使ったりと幅広い範囲で使える道具
原作では霖之助が作ったとなってたけど、そもそも霖さんが作った理由はお父さんが頼んだからなんだ......
本当に......正直に言えばよかったのに......
じゃなきゃ魔理沙姉が家出することもなかったのにね
でもそういうのがあったから今がある。悪いことばかりじゃないからいいのかな
霖「そしてこれは君に。親父さんに頼まれ、ある人物から託されたものだよ」
そう言いながら霖さんは引き出しから何かを取り出し渡してきた
私はそれを素直に受け取る
それは透き通るような黒と白の陰陽玉に透明な龍が巻きついているアクセサリーだ
ご丁寧に紐までついている
恐らく首にかけるために付けたのだろう
小さなそれは石のような冷たさがありながら、どこか暖かく、直感だが何らかの力が秘められているのが分かった
これは......神力だろうか......
霖「それは陰陽龍の宝玉という道具だよ。用途は所有者の能力を引き出す物だ。使い方はよく分からないが、つけていればいいと思うよ」
榛「陰陽龍の宝玉......」
......そのまんまのネーミング?
まあそれは今は置いておくか
陰陽......"陰"と"陽"、光と影、太陽と月、様々な物事の裏表
その名がついているからきっとそれに関係した力を引き出すことが出来るのかな
なんにしてもこんな素敵な道具をくれた霖さんには感謝しないとな
つけてみるか。留め具も付いているから付け外ししやすそうでよかった
霖「...うん。よく似合っているよ」
榛「ふえ?あ、ありがとうございます......///」
ま、まさか霖さんに褒められるとは......
その辺は朴念仁だと聞いていたのに......
不意打ちは卑怯だぜ!
霖「それにしても少し見ない間に大きくなったね」
榛「そりゃ私は人間で、今は成長期ですから。これからも身長は伸び続けますよ」
霖「もう既に魔理沙を越しているのに、まだ伸びる気かい?」
榛「身体の成長なんて、自分じゃ操作できませんからね。カルシウムを大量に取って身長が上がるよう促したり、栄養をバランス良くきちんと取って丈夫な身体になるようにしたりってくらいしかできませんよ。身長は家族からの遺伝で決まることが多いですし」
魔理沙姉はお母さんの血を色濃く受け継いでるらしい。その証拠にお父さんは黒髪なのに対し、お母さんの金髪を受け継いでる
そしてお母さんは同性の中でも身長が低い方だ
だからまあ、魔理沙姉の身長はお母さんと同じぐらいになるんだと思う
希望は......望み薄だね
霖「そうかい。そういえば今日は何をしにきたんだい?」
榛「今日は特に何も。ただお散歩で適当に飛んでたら魔法の森に着いて、ふと此処のことを思い出したので顔を見せに、と」
霖「...飛んでた、という発言と、君の服装からして君も魔法使いになったのかい?」
榛「えぇまぁ。あくまで人間の、それも魔女の弟子ですけどね」
――ちなみに実力は弟子を卒業出来るほどであった――
いやいやまだまだ。師匠を追い抜くなんてまだ無理だよ
――どの口が言ってるのかね......――
霖「魔女の弟子?魔女というと幻想郷ではこの森に住んでる人形師くらいしか思いつかないが、その弟子かい?」
榛「いえ、紅魔館の魔女パチュリー・ノーレッジですよ」
霖「あぁ、確か新聞に紅魔館の住人が載ってて、そこにその名前があった気がするな......」
榛「へぇ、それって何年前のやつですか?」
霖「確か君たちが生まれて間もないくらいの年だったか......」
あー、それ完全に私いなかった時だ
幻想郷にいたとしても紅魔館にはいなかったな
あ、咲夜さんはどうなんだろうか......
榛「ちなみにですが、そこに『十六夜 咲夜』という名前はありましたか?」
霖「その名前は確かあったような気がするよ」
榛「え、ほ、本当に?」
霖「ああ。横文字の多い名前の中で唯一、幻想郷で使われている言葉の名があったのが印象的だったからよく覚えてるんだ」
おいおいおいマジかよ!?
え?咲夜さんって私より年上とはいえ数年違いだよな!?
あの人まだ20歳にすらなってないよな!?
なのに私が生まれて間もないとか言われてる年から紅魔館にいたの!?
下手すれば吸血鬼異変にも参加してた可能性があるよ!?
咲夜さん!貴女一体何歳なんですか!?
榛「...現実は小説よりも奇なりってほんとにそう思いました......」
霖「幻想郷だからね」
あぁ、美しき幻想郷......
常識と非常識を隔ててるからって何も人の年齢も変えなくても......
霖「それにしても君は今、紅魔館に住んでるのかい?」
榛「えぇはい。人里を出たあと色々ありまして、紅魔館でお世話になっています」
霖「大丈夫なのかい?確か彼処の主は吸血鬼だったと記憶しているが......」
榛「えぇ吸血鬼ですけど、大丈夫ですよ。現に数年経った今でも私は元気です。むしろ衣食住が保証されてて快適なんですよ?こうやって自由もできますし」
霖「それならいいが...... もし何かあったらすぐ周りに頼るんだよ?君は昔から問題を溜め込む癖があるから――」
榛「だ、大丈夫ですよ!むしろ何か問題が起きれば周りに頼りまくってるくらいなんですから!」
霖「それはそれでどうなのか......」
榛「と、とにかく大丈夫です!...ってあっ、そろそろ帰らなきゃ」
ふと部屋に飾ってある時計を見れば結構な時間が経っていた
懐にある懐中時計を見ても壁掛け時計と同じ時刻を指している
とくにズレているってことはないから、ほんとにそろそろ帰らなければならない
この後仕事があるのをすっかり忘れていたよ
霖「おや、もう帰るのかい?」
榛「はい、お茶ご馳走様でした。ネックレスありがとうございます。大切にしますね。ではお邪魔しました」
霖「またいつでも来るといいよ。その時は商品も買っていってくれると嬉しいな」
榛「...はい!お金を貯めたらですけどね!」
そのまま私はお店を飛び出し、その勢いのまま箒に飛び乗る
そのまま魔力で上昇するのはもうお手の物だ
人里に住んでた頃の私だったら空を飛べるようになるなんて思わなかっただろうな......
そのかわりに魔理沙姉が魔法使いになるって言い出した時はそのうち飛べるようになるんだろうなって思ってたのにね
......人生とは本当に、予想ができないな!
______________________
フ「魔理沙、あの男の人は誰?」
魔「アイツは森近 霖之助。私は香霖。榛奈は霖さんって呼んでるぜ。まあ私達の兄貴分だな」
フ「ふーん。そっか。それ以外には何かある?」
魔「ん?それ以外か?特に何も無かった気がするが......」
フ「例えばアイツが榛奈を狙ってるとか」
魔「え?狙うってどういう意味だ?」
フ「ほら、榛奈って可愛いから襲おうとしてないかなって」
魔「え、いやそんなこと思ってないと思うが......」
フ「ならいいや」
魔「あ、ああそうか......」
今のフランの発言、それとむすっとした表情
もしかして嫉妬か?
いやまさかな......
後書き〜
実は先月、本編は投稿しなかった代わりに活動報告は投稿したんですよ
特にオリキャラとか設定とかの話はせず、気まぐれの産物ですが、是非読んでいってくださいね
それでは次回もゆっくりしていってね!